ものづくりの見方や考え方を促す授業設計と学習支援システム開発による技術・家庭科の授業改善に関する研究
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(2) 目次 はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 9・・・・・… 1. 123. 0 9 0. 3 4. 社会における製品開発プロセス・・・・・・・・・・・・・・… 25 設計学習に取り入れるべき設計要素・・・・・・・・・・・・… 28 「ものづくりの見方や考え方」・・・… 9・・・・・・・・… 34. 1 11 QJつU. 0 . 章. 「ものづくり教育」の変遷と目標・・・・・・・・・・・・・… 3 1 「ものづくり教育」の変遷・・・・・・・・・・・・・… 3 2 「ものづくり教育」の目標・・・・・・・・・・・・・… 10 「ものづくり教育」を取り巻く問題点・・・・・・・・・・・… 13 rものづくり教育」における設計学習と製作実習・・・・・・… 16 「ものづくり教育」における改善の必要性・・・・・・・・・… 21. 「ものづくりの見方や考え方」と設計学習の在り方・・・・・・… 25. 2 3〇 O 1 一 O つU3. 第. 33 2222 33 33 . 第. .11。●。 章‘●●. コ⊥ ﹁⊥11. −’.234. 第1章 技術・家庭科技術分野における「ものづくり教育」の問題点・・… 3. 「ものづくりの見方や考え方」の理解を促す学習の在り方・・・… 36. 従来の「ものづくり教育」で用いられてきた学習方法・・・・… 36. 1 ロシア法(オペレーション法)・・・・・・・・・… 9・・36. 2 プロジェクト法・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 37 「見方や考え方」の理解を促す新しい教育方法・・・・・・・… 38 「ものづくりの見方や考え方」の理解を促す教育方法・・・・… 40. 1 学習の全体像・・9・・・・・・・・・・・・・・・・… 41 2 各段階の学習・・・・・・・・・・・・… o・・”●。41 学習支援システムの必要性・・・・・・・・・・・・・・… 9・48. 第4章 学習支援システムの開発・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 52. 4. 4.. 4. 4.. 1234 3333. 4. 1学習支援システム開発の視点とWe bデータベース・・・・・… 52 4. 2Webデータベースの仕組み・・・… 9・・・・・・・・… 54 4. 3 学習支援システムが満たすべき要件・・・・・・・・・・・・… 55 相互作用を支援する機能・・・・・・・・・・・・・・… 55. 相互作用を促す媒介物・・・・・・・・・・・・・・・… 57 学習情報の公開と保護の必要性・・・・・・・・・・・… 59 学習情報を蓄積する機能・・・・・・・・・・・・・・… 61. 4.4 学習支援システムの開発・・・・・・・・・・・・・・・・・… 62 4.. 4 1 学習支援システムの開発と使用環境・・・・・・・・・… 64 4 2 データベースファイルの作成・・・・・・・・・・・・… 67. 4.. 4 3 HTMLファイルの作成・・・・… 一・・・・・… 84. 4.. 4。5 学習支援システムのインターフェイス・・・・・・・・・・・… 95.
(3) 第5章 授業実践・・・… 9・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 106. 12345¢12345 業 LLLLL授2、乞乞乞乞 翫臥臥臥臥2臥臥翫翫翫 a. 5.1 実践計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 9・・… 106 実践の目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 9・106 題材名と題材の概略・・・・・・・・・・・… 一… 10g 対象及び実態・・・・・・・・・・・・・・・… .。。.112 実践校の学習環境・・・・・・・・・・・・・・・・・… 121. 授業計画・・・・・・・・・・・・・・… D・・… 。122 授業の経過・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 9… ●126 設計学習との出会い・・・・・・・・・・・・・・・・… 127. ロシア法的アプローチによる設計学習・・・・・・・・… 132 プロジェクト法的アプローチによる設計学習・・・・・… 138 報告書の作成・・・・・・… 一・・・・・・・・… 146 作品展の様子・・・・・・・・・・・・・・… 9・… 147. 第6章生徒の変容分析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 148 6.1 分析の目的と方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 148 6.2 生徒の設計や節制学習に対する意識の変容・・・・・・・・・・… 149. 6.3 学習支援システムの評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 158 6.4 「ものづくりの見方や考え方」の理解の変容・9・・・・・・・… 163 6.4.1 rものづくりの見方や考え方」の理解・・・・・・… 一・163 6.4.2 プロジェクト法的アプローチによる設計学習における変容… 176 6.5 生徒の変容分析における成果と課題・・・・・・… “・・… 194 第7章構築した授業の修正・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 196 7.1 設計学習の修正・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 1g6 7.1.1 rものづくりの見方や考え方」の理解を促す補充学習・・… 196 7。1.2 「ものづくりの経験」を考慮した「ものづくりの見方や考え方」の 理解を促す支援・・・・・・… 9・・・・・・・・・・… 199 7.1.3 プロジェクト法的アプローチにおけるチーム編成・・・・… 201 7.2 自己の考えを再構成する場に焦点をあてた設計学習の修正案・・… 204 7.3 設計学習の技術分野のカリキュラムでの位置づけ96・・・・・… 204 7.4 学習支援システムによる相互作用の支援の改善方略と課題・・・… 206 7.5 まとめと今後の課題・・・・・・・・・・・・・・・… o o●・●207 おわりに6・… 9・… 。0’●●●● 引用文献・・・・… 9・・・・・・… 参考文献・・・・・・・・・・・・・・…. 謝辞 資料. … 。 。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ … 208 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ … 。 ・ 。 ・210. ・ ・ ・ ・ ・ ・ … 。 … 9 ・211.
(4) はじめに. ものづくりは,科学技術立国としての目本を支える源であり,その教 育の在り方は教育界だけでなく,産業界からも注目されている.1999年 には,現行の学習指導要領の改訂に先立って「ものづくり基盤技術振興 基本法」が制定され,文部科学省だけでなく,各省庁が連携してものづ くり振興に関する施策を講じている.このように国策として重視されて いるものづくり教育を,目本国民すべてが受ける最後の義務教育の場と なる中学校において,中心的に扱う教科が,技術・家庭科である.. ものづくりの振興と教育は,国家戦略と位置づけられ,強力に推進さ れている一方,現行の中学校学習指導要領では,「生きるカの育成」と「ゆ. とり教育」が重要視され「総合的な学習の時間」の新設,週5目制の導. 入により,技術・家庭科においてものづくり教育を扱う領域は,これま. での6領域から「技術とものづくり」領域1つに統合され,取り扱う時 間数も削減された.しかし,その一方で,ものづくりを取り扱う「技術 とものづくり」領域の教育目標には,「生活と技術のかかわりや社会の中. で技術が果たす役割」について考えさせることが教科創設以来,初めて 明確に打ち出され,事実上これまで以上に教育すべき事柄が増加した.. 中学校現場では,この目標達成を目指し「技術とものづくり」領域で 主題材として生活に役立つような作品の製作実習を進めている.しかし,. 現代生活に生かせる作品製作にこだわるあまり,複数の機能を有したキ ット製作を取り扱ったり,美術的なデザイン性を追求したりするなど,. 過度に複雑な機能性のみを重視した製作実習が行われることが多いのが 現状である.生徒は作品を完成させる達成感を味わったり,製作技能を 向上させたりできるものの,設計することなく,与えられた製品製作を. するのみとなり,本来,生活上生じた問題を解決する手段として行われ. 一1一.
(5) るrものづくり」を経験することができなくなっている.さらに,作品. 製作実習のみでものづくりが行われるため,生活とものづくりのかかわ りやものづくりと科学技術を結びつけて考えるまでに至っていない.. 本研究では,生活上生じた問題を解決する手段としてものづくりを捉 えさせるために,設計と製作をバランスよく配置することで「ものづく り教育」を捉え直す.これをものづくり教育で教えるべき「ものづくり. の見方や考え方」に整理し,生徒に理解させることができれば,ものづ くり本来の意義を理解することができ,ものづくりと生活,ものづくり. と社会のかかわりについて考えることができる生徒を育成できると考え た.この考えに基づいて,「ものづくりの見方や考え方」の理解を促す学. 習方法を構築すると共にこの学習に必要となる学習支援システムの仕様 を明らかにし,開発する.. 第1章では,戦後から今目に至るまでのものづくり教育の変遷とその 結果生じている問題点を述べ,改善の必要性を明らかにする。. 第2章では,ものづくり教育で理解させるべき「ものづくりの見方や 考え方」についてその内容を明らかにする。. 第3章では,認知科学における社会的構成主義アプローチに基づいた ものづくりの見方や考え方の理解を促すための学習方法に述べる.. 第4章では,ものづくり教育や認知科学の両面から,授業改善のため の学習環境の在り方やその学習支援システムの開発について述べる.. 第5章では,rものづくりの見方や考え方」の理解を促す設計学習に開 発した学習支援システムを導入した実践の様子にっいて述べる.. 第6章では,実践を基に学習の評価や生徒の変容等にっいて述べる.. 第7章では,分析結果を基に,「ものづくりの見方や考え方」の理解を 促す学習方法の修正と学習支援システムの改善点について提案する.. 一2一.
(6) 第1章技術・家庭科技術分野における「ものづくり教育」の問題点 本章では,現在,中学校技術・家庭科技術分野「技術とものづくり」 領域で実施されている「ものづくり教育」に焦点をあて,「ものづくり教. 育」の変遷からものづくり教育の目標を明らかにする.そして,その目. 標と現在,中学校現場で実践されている「ものづくり教育」の問題点を 明らかにし,授業改善の方向性について述べる.. 1.1 rものづくり教育」の変遷と目標 1.1.1 技術・家庭科と「ものづくり教育」の変遷 ものづくり教育は,義務教育において小学校では,図画工作科で主に 取り扱われ,中学校では,技術・家庭科の中で中心的に取り扱われてい る.中学校教育において「ものづくり教育」は,技術・家庭科の中で,. それぞれの時代や社会の要請に応じて変遷している.ここでは,中学校 技術・家庭科の変遷[1]についてまとめながら,rものづくり教育」の変 遷について述べる.. (1) 昭和22年∼25年(1947年∼1950年:職業科) 戦後新しい学校制度が制定され,昭和22年4月に中学校が発足し,必 修教科及び選択教科としてr職業科」が設けられた. 当時,中学校教育には,勤労教育に重点が置かれ,職業に関する教育,. すなわち,働くために必要な教育を重視すぺきという要請が強く,その 達成をはかるための教科として「職業科」(現在の技術・家庭科)が設け. られた.このため,職業科は,当時の日本社会産業で役立つ人材を育成. するために必要な農業・工業・商業・水産・家庭の5科目を設け,各学 校はその中の1科目または数科目を選んで生徒に履修させた. [1]技術・家庭科の変遷にっいては,安東茂樹編著(2000)「中学校新技術・家庭科授業の基本. 用語辞典」(明治図書),鈴木寿雄編集代表(1995)「技術科教育実践講座第14巻技術科教育の 歴史と展望」((株)ニチブン),文部省(昭和59年)発行r産業教育百年のあゆみ」を基にま とめた.. 一3一.
(7) (2) 昭和26年∼31年(1951年∼1956年:職業・家庭科) 昭和26年に改訂された学習指導要領で示された職業・家庭科では,そ. れまでの職業科の各科目の内容を検討し,指導内容を4分類12項目(栽 培,手工工作,文書事務,調理等の項目)にわけ,地域社会の要請と学 校や生徒の実態に応じて適当なものを履修させるようにした.. この改訂によって,職業・家庭科は,実生活に役立っ仕事をベースと した実生活に役立つ教科としての性格を明確にした.. (3) 昭和32年∼36年(1957年∼1961年:職業・家庭科) 中央産業教育審議会などが中心となり,職業・家庭科の改善策が検討 され,この教科が内包している農業・工業・商業・水産・家庭・職業知. 識の6群ごとにまとまりをもたせた内容が構成され,全ての生徒が共通 に履修すべき内容とその時間数が明確化された.. (4) 昭和37年∼46年(1962年∼1971年:技術・家庭科) 高度経済成長時代における科学技術の急速な進展に伴い,職業・家庭 科を改め,図画工作科で取り扱われてきた産業技術に関する部分を取り. 込んで技術・家庭科を編成し,内容に工学的内容を中心とする男子向き. 系列,家庭科的内容を中心とする女子向き系列の2系列を設けることに. なった。昭和33年10月に全面改訂された学習指導要領に,そのことが まとめられている.この改訂で教科の名称が,「技術・家庭科」となり, 技術科と家庭科が対等の位置づけとされた.. 技術・家庭科の新設は,職業・家庭科の新しい指導計画の作成や指導 内容の研究に着手していた教育現場に大きな衝撃を与えた.特に,目教. 組は,技術・家庭科の工学的内容の重視は産業界に奉仕するための技能 教育の具体化であり,男女別の2系列は男女差別を生むものとして反対 した.また,施設・設備などの劣悪さや担当教員の専攻の偏り,教員制. 一4一.
(8) 度の不備等が懸念されたが,予算面の計画的な措置や現職教員への継続 的な研修などにより混乱がおさまり,新しい時代の,新しい役割を担う 教科としての受け止めがなされるようになってきた.. (5) 昭和47年∼55年(1972年∼1980年) 技術・家庭科の改訂は,従来の領域を精選し,各領域間の発展的な系 統性を明らかにし,指導内容を「知る」「考える」「できる」の三つに分. 類し,それらの範囲と程度を明示した.この改訂でようやく産業界の要 請に応じた技能教育中心の教科からの脱却を図り,他教科と肩を並べる ような状態になった.. (6) 昭和56年∼平成4年(1981年∼1992年) 技術・家庭科は,①実践的・体験的な教科の性格を一層明確にし,② 男女別の履修方法を改め,③弾力的な履修措置をとれるよう改善された.. (7) 平成5年∼平成13年(1993年∼2001年) 技術・家庭科の改善案として,①新たに「情報基礎」と「家庭生活」. の領域を設け,従前の領域を整理統合し,11領域構成とし,②各学校で. は,11領域から7領域以上を履修させ,木材加工,電気,家庭生活,食 物の4領域はすべての生徒に履修(男女同一扱い)させ,履修学年等も 示された.. (8) 平成14年∼現在(2002年∼現在) 「ゆとりの中で生きるカをはぐくむ」というキーワードが示され,学 習内容の精選と指導時間の削減が実施された.技術・家庭科では,時間. 数が210∼245から175単位時間に,そして学習内容が従前の7割程度に それぞれ削減され,学習内容の大綱化・総合化と一部で重点化が行われ た.従前では,11領域に細分化されていた内容(木材加工,電気,金属. 加工,機械,栽培,情報処理,家庭生活,食物,被服,住居,保育)が. 一5一.
(9) 生活という視点に立って統合化され,技術分野と家庭分野の2分野に再 編された.技術分野は,ものづくりやコンピュータ活用の基礎的技能に. かかわる学習内容を中心として「A技術とものづくり」と「B情報とコ ンピュータ」に,家庭科分野は衣食住や生活及び家族・家庭にかかわる. 学習内容を中心に「A生活の自立と衣食住」と「B家族と家庭生活」に 再編された.そして,3年間を通して技術分野と家庭分野のいずれかに 偏ることなく配当して履修させることとなった.. 以上のような技術・家庭科の変遷は,表1.1のようにまとめられる. 表1.1 技術・家庭科の変遷[2] 実施年度. 内容の構成及び履修方法. 教科名及び年間授業時数. 「農業科」「工業科」「商業科」「水産科」「家庭科」. 昭和22年. 職業科. ∼. 必修,各学年140. 昭和25年. 選択,各学年34∼140. 昭和26年. 職業・家庭科. 第1類(栽培,飼育,漁,食品加工). ∼. 必修,各学年105∼140. 第2類(手技工作,機械操作,製図). 昭和31年. 選択,各学年105∼140. 第3類(文書事務,経営記帳,計算). 学校は1科目目または教科書を選択して履修させる.. 第4類(調理,衛生保育). 地域社会の必要と学校や生徒の事情によって適当な ものを選択して履修させる.. 昭和32年. 職業・家庭科. 第1類儂業) 第4類(水産). ∼. 必修,各学年105∼140. 第2類(工業) 第5類(家庭). 昭和36年. 選択,各学年105∼140. 第3類(商業) 第6類(職業知識) 地域や1甥1』に関わりなく,第4群を除く各群について. 少なくても35時間ずつ学び,残りの時間は,地域や 性別により第1群から第5群の中から選択して学ぶ.. 昭和37年. 技術・家庭科. ∼. 各学年105. 昭和46年. [男子向き]. 1年設計・製図,木材加工・金属加工,栽培 2年設計・製図,木材加工・金属加工,機械 3年機械,電気,総合実習 [女子向き]. 1年調理被服製作,設計・製図,家庭機械,家庭工作. 2年調理被服製作,家庭機械,家庭電気. 3年調理被服製作,保育,家庭機械・家庭工作 男子向き,女子向き別,学年別に示された内容は,す べて取り扱う.. 表1。1は次項に続く. 一6一.
(10) 昭和47年. 技術・家庭科. ∼. 各学年105. 昭和55年. [男子向き]. 1年製図,木材加工,金属加工. 2年木材加工・金属加工,機械,電気 3年機械,電気,栽培 [女子向き]. 1年被服,食物,住居. 2年被服,食物,家庭機械. 3年被服,食物,保育,家庭電気 男子向き,女子向き別,学年別に示された内容は,す べて取り扱うが,必要により一部の内容を削除・代替 することができる.. 昭和56年. 技術・家庭科. ∼. 必修1年70. 平成4年. A 木材加工[1,2] B 創萬加工[1, 2]. 2年70. C 機械[1,2]. 3年105. D電気[1,2]. 選択3年35. E 栽培 F 趨期艮[1, 2, 3]. G 食物[1,2,3]. H住居 1保育. 男女のいずれにも地域や学校の実態および生徒の必 要並びに男女相互の理解と協力を図ることを考慮し て,7以上の領域を選択して履修させる. 平成5年. 技術・家庭科. A木材加工 G 家庭生活. ∼. 必修1年70. B 電気 H食物. 2年70. C 金属加工 1被服. 3年70∼105. D機械 J 住居 E 栽培 K保育. 平成13年. 選択2年35. 3年35. F 情報基礎. AからKまでの中から7以上の領域を選択して履修 させる.その際,A,B,G,Hの4領域はすべての 生徒に履修せさる.. 平成14年. 技術・家庭科. 技術分野. ∼. 必修1年70. A技術とものづくり(必修項目,選択項目). 2年70 3年35 選択1年0∼30. B 情報とコンピュータ(必修項目,選択項目). 家庭分野. A生活の自立と衣食住(必修項目,選択項目). 2年50∼85. B 家族と家庭生活(必修項目,選択項目). 3年105∼165. それぞれの領域ごとに必修項目と選択項目を設け,必. 修項目については,3年間を通して技術分野と家庭分 野のいずれに偏ることなく配当して履修させる. [2]表1.1は,鈴木寿雄(1995)が作成し,平成5年∼平成13年にっいて安東(2000)により追加され,平成14年以 降,筆者が追加した.. 一7一.
(11) これまで述べたように,すべての目本国民がものづくりについて学ぶ. 最後の機会となる中学校で実施されるrものづくり教育」は,技術・家 庭科の中核として位置づけられ,時代の変化に応じて変遷してきた. 教科発足当初,「手に職をつける」という言葉に総称されるように,社. 会で働く労働者を育成することを目的としてr職業科」としてスタート し,戦後の高度成長期の要請から技能生産労働者を大量に育成に重点が. おかれた.この当時の「ものづくり教育」とは,生産技能を身に付ける ことが目的とされた.この当時,社会が求める人材が有する技能が,男. 子と女子で異なっていたため,性別に応じてそれぞれに教育内容で編成 し,教育が実施されてきた.. 昭和47年(1972年)の技術・家庭科の改訂に伴い,「ものづくり教育」 =「技能習得」という図式の見直しが試みられた.この見直しにより「知. る」「考える」「できる」という3っの分類から「ものづくり」を「生活. 上の問題点を解決するために必要な活動」として捉え直され,この考え に基づいて指導内容が大幅に見直された.. 昭和56年(1981年)の改訂では,rものづくり」が実践的・体験的に 問題を解決することを取り入れた教科としての位置づけを明確化し,男 女に等しく育成すべき内容であるという考えから,男女共修となった. この時点で,rものづくり教育」は社会における技能習得の意味合いより,. r生活上生じた問題を解決するための手段」としての性格をより明確化 することとなった.. 平成5年(1993年)の改訂では,社会の情報化という実態に対応すべ く,新たに選択領域に「情報処理」が追加された.これまで技術・家庭 科の改訂が図られてきた観点からすると,選択領域として「情報処理」. の追加することは,当時の取り扱いから考えると,r現代社会で生活上生. 一8一.
(12) じた問題を解決するには,コンピュータを利用することが有効である」. という考えというよりも社会の要請に応じたものであり,コンピュータ 操作技能の習得を進めるという意味合いが強かったように思われる. そして,平成12年(2000年)の改訂において,技術・家庭科では,「生. 活に生きるカの育成」を重視し,これまでの6領域から「A技術ともの づくり」と「B情報とコンピュータ」の2領域に再編された.そして, これまでの領域選択制から,2領域を必修領域として扱い,各領域の学. 習内容を必修と選択の内容に分けて扱うという領域必修制に変更された. ものづくり教育を中心的に扱う「A技術とものづくり」領域の目標で は,「ものづくり」を「生活上生じた問題を解決するための手段」として. 捉え,ものづくりに必要な基礎的・基本的な知識や技能を習得させると. 共に,生活と技術のかかわりについて考えさせることを重視した実践 的・体験的な学習活動を通して,実際の生活場面で生じた問題を解決す る手段としてものづくりを実践しようとする態度を養うことが求められ るようになった.. このように,「ものづくり教育」は,中学校においては,技術・家庭科. で中心的に取り扱われ,社会変化に応じてその社会が必要とする「もの づくり」=「生活上の問題を解決するための手段」を教科目標の中核と して,時代に応じて具体化し,教育内容を変化させながら,現在に至っ ていると言える.. 一9一.
(13) 1.1.2 技術・家庭科「ものづくり教育」の目標 図1.1に示すように,1999年の学習指導要領の改訂において,技術・. 家庭科は,技術分野と家庭分野の2分野に整理され,技術分野を「A技 術とものづくり」「B情報とコンピュータ」,家庭分野をrA生活の自立 と衣食住」「B家族と家庭生活」の各2領域に整理し,それぞれの領域に 必修項目と選択項目を設けて,教科を構成するように改訂された.. 際畿ものづ・{鞭寒繍. 家庭風 _. し掛難罫三1難 図1.1 技術・家庭科の教科構成 技術・家庭科の目標は,(1)教科の目標,(2)各分野の目標,そし て,(3)各領域の目標に整理され,以下の3つの点に重点[3]を置き, それぞれの目標が設定された.. ・ 生活の自立を図る観点から,実践的・体験的な学習活動を一層重視 し,生活に必要な基礎的な知識と技術の習得を図ること.. ・ 生活と結び付けて学習することにより,生活と技術とのかかわりに ついて一層の理解を図ること.. ・ 学習した知識と技術を実際の生活に一層生かすことができるよう,. 生活を工夫したり創造したりする能力と実践的な態度を育てること. ここでは,「ものづくり教育」に関わるそれぞれの目標について述べる.. [3]文部科学省(2004)中学校学習指導要領解説一技術家庭科一p7より引用. 一10一.
(14) (1) 技術・家庭科の教科目標 技術・家庭科の教科目標を以下のように定めている[文科省2004].. 生活に必要な基礎的な知識と技術の習得を通して,生活と技術とのか かわりにっいて理解を深め,進んで生活を工夫し創造する能力と実践的 な態度を育てる.. 教科目標の本質的な内容は,その中核となる考えを教科創設以来,一 貫して踏襲している.従前の目標から新たに追加された点は,「生活」と. いう視点が重視され,目標の中に明確に位置づけられたことである.従 前のr工夫して創造する能力」r実践的な態度」を備え,その能力や態度 を生活で積極的に生かすことできる人間の育成を目指している.. (2) 技術分野の目標 技術分野の目標は以下のように定められている[文科省2004].. 実践的・体験的な学習活動を通して,ものづくりやエネルギー利用及 びコンピュータ活用等に関する基礎的な知識と技術を習得するとともに 技術が果たす役割について理解を深め,それらを適切に活用する能力と 態度を育成する.. 技術分野では,科学技術や情報化の進展等に考慮し,加工,生産等の ものづくり及び情報活用にかかわる基礎的な知識と技術を習得すること. によって,技術を適切に理解し活用する能力と工夫・創造して課題を解 決する実践的態度の育成を目指している.. (3) r技術とものづくり」領域の目標. 「技術とものづくり」領域の目標は,以下に示す[文科省2004].. 体験的・実践的な学習を通して,基礎的な知識と技能の習得と技術が 生活に果たす役割の理解をはかり,生活に適切に活用する能力と態度を 養う.. 一11一.
(15) 実践的体験的ほ学習活動. \.. \ \ N 一∼ 一 基礎的な知識と技能の習得. ︶ノ. 丈 技術と環境.エネルギ_資源との関係. \ノ. !〆. / 生活向上、産菓発展に果たす役割. ノ. ノ ノヘ ー// 生活と技術のかかわり. \・製作に必要な図 機器の基本的な仕組み/. 、一__一事故防止. 号. 生活に適切に活用する能力と態度の育成. 図1.2 「技術とものづくり」領域の目標. r技術とものづくり」領域の目標と学習内容の関係は,図1.2のよ うに示すことができる.1999年の改訂で再編されたr技術とものづくり」 領域では,製作品の設計・製作,機器の操作,エネルギー変換・利用,. 作物の栽培などの実践的・体験的な学習を通して,ものづくりやエネル ギー利用の基礎的な知識と技術を身に付けさせ,生活と技術のかかわり. について理解させるとともに,生活に技術を活用する能力と態度の育成 を目指している.. ここで注目すべきことは,「技術が果たす役割についての理解」が目標. としてあげられ,生活や社会に大きく貢献している技術や技術の進展に. よって生じる生活環境に与える影響について理解を深めさせることが教. 科創設以来はじめて明示された点である.時間数と学習内容が削減され た中で,この目標が新たに追加されたことは,学校教育で身に付けたこ とが実生活で生かせる場が減少しているという社会の変化に応じたから. であると言えるが,教科に科せられた課題はより一層大きくなったこと. は明らかである.この目標を達成すべく中学校現場でも授業改善が進め られているが,改善方略が見出せていないのが現状である.. 一12一.
(16) 1.2 rものづくり教育」を取り巻く問題 「総合的な学習の時間」の新設,週5目制導入等,様々な要因で中学 校における技術・家庭科は,学習内容が大幅な再編成が実施されるとと. もに,時間数もこれまでより約3割削減された.一方で,r技術とものづ くり」領域の目標では,r技術が果たす役割についての理解」という生活. や社会と技術のかかわりにっいて理解を深めさせるという目標が新たに. 付け加えられた.このような状況の中で,中学校現場では,教科が目標 としている人間を育成するために様々な工夫を凝らした実践や研究が進 められてきた.. その1つの改善策として,1つの作品の設計・製作することで,もの づくりの基礎的な知識と技術を習得するとともに,技術の果たす役割に ついて理解を深め,それらを適切に活用する能力と態度を育成すること をねらった授業が試みられている.. 通常,「技術とものづくり」領域では,35時間で,作品製作実習を2 回実施する.1回目は,教師主導の一斉授業でこの過程や技能を教え,. 2回目に生徒1人ひとりに応じた作品製作実習に取り組ませることで, 目標の達成を目指している,2002年より本格実施された技術・家庭科の. 学習指導要領の改訂に携わった安東茂樹[2000]も,技術・家庭科r技 術とものづくり」領域における指導方法として,2つの作品製作実習に よる指導を提案している.. この指導方法を実現するためには,製作する作品を活用することで生 徒の生活に生じている問題を解決できるという体験をさせることが求め られる.そこで,近年の目本産業技術学会における「技術とものづくり」. 領域の授業改善に関する研究では,そのような教材の開発が重視され,. 生徒の興味関心を引き出すと共に,実生活に役立っことを目指した教材. 一13一.
(17) 開発に関する研究が頻繁に進められ,成果が報告されている[目本産業 技術学会2003].また,このような教材開発に関する研究と並行して,. 作品製作では理解させることが難しい実社会と技術のかかわりを理解さ. せることを目指したデジタルコンテンツの開発等の研究も多く進められ ている.[森山潤1998,2003]. また,設計学習に関する研究では,ものづくりの構想設計における生 徒の思考過程を構造化して捉えようとする研究[岳野2001]が進められ,. それらの研究で得られた知見に基づいた自己評価や他者評価のへの応用 が模索されている.. 中学校の教育現場では,実践的・体験的な活動を取り入れながら学習 を展開するために,作品製作を通したr技術とものづくり」領域の授業 を実施することが前提となり,授業改善が進められている.そのため,. 生徒が興味関心をもって取り組む製作活動にその重点が置かれるように なったり,多機能の作品を取り扱うことで生活に役立つ作品を製作した りすることで,生活と技術のかかわりを理解させようとする授業改善も 報告されている[東海北陸技術・家庭科授業研究大会2003].. このように,技術・家庭科技術分野r技術とものづくり」領域に関す る実践や研究の方向性は,作品製作を前提として行われている.しかし,. 作品製作重視の授業改善が進む中で,中学校現場では,時間数の減少と. 製作活動の重視,多機能の作品製作から,ものを作るのに必要な知識や 技能だけを習得させることにとどまり,本来,r技術とものづくり」領域 で求められている「生活上生じた問題を解決する手段」としてのものづ. くり教育というrものづくりの本質」を成すrものづくりの見方・考え 方」を理解させる機会を失っているのが現状である.また,作品製作重 視による授業改善を進める中で,不足した時間数を補うために「総合的. 一14一.
(18) な学習の時間」との連携も試みられているが,この流れによって,「技術. とものづくり」領域で達成すべき目標と「総合的な学習の時間」で達成 すべき目標の混乱を招いていることも見受けられる.. 以上のように「A技術とものづくり」領域で実践されている「ものづ くり教育」は,深刻な問題を抱えている.rものづくり教育」の最大の問 題は,作品製作重視で授業改善を進めようとしている点にあると考える.. この点を大きく転換しないまま,現行通りに作品製作重視した形でr技. 術とものづくり」領域の目標を達成しようと実践や研究を進めれば進め るほど,現状の問題を改善できないという結果になってしまうと考える.. 現行の授業を改善し,r技術とものづくり」領域の目標を達成するには,. 作品製作重視の授業から設計学習と作品製作学習をバランスよく取り入 れた授業を構築する必要があると考える.. このために本研究では,1つの授業改善の方略として,生活と技術の かかわりを体験的・実践的な活動の中で学習させるために,体験的・実 践的な活動として製作実習に取り組むだけでなく,社会で行われている. 製品開発プロセスを取り入れた作品構想・設計を取り入れた授業を構築 する.この学習活動を取り入れることで,生徒が製作する作品と生活で 活用している製品とのかかわりを考え,製品の使用者,開発者の両方の 視点から技術と生活のかかわりを捉え,理解できるようになると考える.. この改善の必要性については,本章1.4節でさらに詳しく述べる.. 一15一.
(19) 1.3 rものづくり教育」における設計学習と製作実習. 「生活上生じた問題を解決する手段」として,ものづくり教育を行う. には,設計と製作という2つの段階に分けて学習させることが必要とな. る.まず始めに行う設計では,表1.2に示すようなプロセスが必要で あるとされている[JamesGarratt 2004]. 表1.2ものづくりのプロセスと各段階で取り組む内容[4] 各段階で主に取り組む内容. 設計プロセス 状況. 生活の各種状況の中で起きる実際の問題の把握. 状況の分析. 問題の解決に取り組む前に問題を正しく整理. 摘要の記述. 解決すべき問題の全般的な輪郭の提示. 調査の実施. 考えられる最善の解決法を得るための知識と情報 入手. 仕様の記述. 最終的に実現され得ることと関係する制限事項の 理. 解決策の想定. 摘要に対応する実現可能な解決策を考える.. 望ましい解決策の選択. 仕様を最もよく満たす解決策を選択する.. 構想図の作成. 構想図をかき,解決策の詳細を明らかにする.. 事前計画の準備. 期日までに完了するように作業を予め計画する.. 試作品の製作. 試作品を製作する.. デザインの試験と評価. 試作品を試験して,仕様通り問題が解決されてい か評価し,必要に応じて解決策を再検討する.. 報告書の作成. 開発段階を振り返り,評価するために報告書を作 する.. [4]. James Garratt著・高坂文雄訳・榮久庵憲司監修(2004)rDesign and technology Second edition」(COSMOS)p18より抜粋して引用した.. 一16一.
(20) このように「生活上生じた問題を解決するために手段」として行うも. のづくりでは,設計する際に必要となる多くプロセスがあり,それぞれ のプロセスについて考え,明らかにしていくことで,生活上の問題を解 決するために必要なものを作り出すことが可能となる.作品の設計がう. まくいけば,あとはいかに正確にその作品を製作し,設計した通りの機 能を発揮させることができるかが重要となる.このことを実現するため に必要となるのが,製作という段階である.. ここで,技術・家庭科技術分野の教科書[5]に取り上げられているも のづくりの手順について述べる.教科書では作品を製作する第1段階と して,「生活を豊かにするものをつくる」という課題を設定した後,表1.. 3のような手順でものづくりを進めるように示されている.. ①②③④⑤. 表1.3 ものづくりの進め方[教科書pl1より抜粋] つくりたいもの(製品)を決めよう.. 製品の使い方,丈夫さ,作り方,材料などを考えよう. 考えを図にかき表そう.. つくる手順を考え,使う道具を準備しよう.. 製作しよう. 教科書に示された手順通りにものづくりを進めた場合,表1.2と比 較しても明らかなように生徒にとって作品設計は困難となり,よいアイ. ディアはなかなか出にくい.その主な原因として,教科書に示されてい るものづくりの手順自体が適切でないことがあげられる.. まず,手順①のように自分の生活を豊かにするために必要なもの(製. 品)を決定することは,表1.2に示したような状況の分析をしない限 り,困難となり,結果的に思い付きでつくるものを決定することになっ [5]これ以降,特に記述がない限り,教科書とは,本研究において実践校で採用されている. 石田晴久・加藤幸一編著(2000〉教科書「技術・家庭 技術分野」(東京書籍)を指す.. 一17一.
(21) てしまう可能性がある.さらに,手順②のようにつくりたい作品(製品). を決めた段階でその作品(製品)の使い方,丈夫さ,作り方,材料など について考えても,なかなかよいアイディアをまとめことができない.. これは,つくりたい作品(製品)を決定することは,その作品(製品). の使い方を考え,丈夫さ,作り方,材料などを検討した上で,決定され るべきことだからである.この段階で必要となることは,作品(製品). に必要となる機能を決定することであり,そのためには,使用目的や使 用条件に基づいて,作品(製品)に関与する設計要素を取捨選択し,そ れぞれについて科学的,分析的な検討を重ねることが必要となる. 1ー▼分析. 「姻. 「目的1. ↓ アィディア隆. 使いやすさ. 口. 9’㌔甲. 陰■■噂■騎・. [栩繊. 「亟. アイディア. 8■一。・. 『町’●一9・。冨暉. 炭. アイディア 一 ● ■q欄.. 匝、. ’●り9■・暉.. アイディア. 麺、 9●. 媛i. 陰■o『■り。. 1轍一. アイディア アイディア. 糎 図1.3椅子の設計 図1。4アイディアの出現過程(鈴木寿雄1981). ものづくり手順について,いすの設計を例に述べる.美術品と違って,. 技術的な製品では,全体の調和やバランスをとりながら,構想をまとめ. ていくことが大切で,図1.3に示すように,どれか1つが欠けてもよ いアイディアはまとまらない.しかし,このような分析的な検討だけで は,アイディアに科学性を持たせることは出来ても,創造性に富んだア. イディアを生むことは困難である.そこで,図1.4のようにはじめは 単なる思いつきや素朴なアイディアであっても「分析」と「総合」を繰 り返しながら,それを次第に膨らませることが必要となる.. 一18一.
(22) 現在,中学校現場の「技術とものづくり」領域のものづくりでは,表. 1.4のような理由から作品の製作が中心となり,教科書に示されたよ うな設計学習すらほとんど実施されていないのが現状である.. 表1.4 設計学習が行われていない主な理由 ・ 作品を製作する第1段階としてテーマを決定させることで,目的が 多様化してしまう.. ・ 目的が多様化することによって,習得させるべき基礎基本が不明確 になってしまう.. ・ 設計したことが作品製作の方向性を決定するため,生徒に自由度を 与えることができない.. 仮に教科書に示されたように作品の設計学習が実施されたとしても,. 実際に生活で使用している製品では,さらに多くの設計要素の検討が必 要となることから,生活と技術のかかわりを体験的に考えさせるには不 十分であると考える.. 製作実習では,材料の特性に応じた加工方法,仕上げ方法,組み立て 方法,塗装方法にっいての知識と工具を用いた技能の習得が求められて. いる.ここでは,それぞれの製作段階相互の関連について作品の製作す ることを通して体験的に理解することである.これらの製作に関する知. 識や技能は,設計した作品を実現する上で非常に重要なことである.こ の知識や技能の程度によって,設計自体も大きく左右されることもある.. 時には,設計を具体化するために,新しい技能の習得や加工工具の開発 が必要となる場合がある.また,逆に,新しく開発された素材や技術や 加工技術等によって設計自体が大きく変化する可能性も生じる.このこ とは,社会における製品開発でも日常的に繰り返されていることである.. 一19一.
(23) 以上のように,「ものづくり教育」おける設計学習と製作実習は,双方. が両輪のように関連し合ってはじめて「生活上の問題を解決する手段」 としてものづくりが有効であることを学ばせることができ,「ものづくり. の見方や考え方」の理解を促すことができると考えられる.こういった ことからも,現在,中学校技術・家庭科におけるrものづくり教育」で. 事実上取り扱われていない設計学習と重点的に取り扱われている製作実 習をバランスよく取り扱い,「技術とものづくり」領域の授業を実施する ことが必要であると考える.. 一20一.
(24) 1.4 rものづくり教育」における改善の必要性 これまで述べてきたように,技術・家庭科技術分野「技術とものづく り」領域で実施されるべき「ものづくり教育」は,(1)r生活上生じた. 問題を解決するための手段」としてものづくりが行われることを実践 的・体験的に学ぶこと,また,(2)それを自分自身で実行するために必 要な「ものづくりの見方や考え方」の理解すること,そして,(3)「自. 分の生活上生じた問題を解決するための手段というものづくり」が社会 で生じた様々な問題の解決の手段として活用され,有効な手段となって いることを学ぶことである.. 現在,中学校現場で実施されている作品製作実習のみに重点を置いた. rものづくり教育」では,ものをつくること自体が目的となるrものづ くり」が先行してしまい,作品完成という達成感を味わうことはできる. ものの,本来の目標を達成することはできないと考える.義務教育最後 の場となる中学校において,現行のままでrものづくり教育」を行うこ とは,科学技術立国として戦後国を復興させ,ものづくりによって国の. 繁栄を築いてきた目本国の国民を育成するという観点からも大きな問題 である.この点に関しては,1999年3月に成立した「ものづくり基盤技. 術振興基本法」の第16条初等中等教育に関する条文にも技術・家庭科に おける「ものづくり教育」を充実させる必要性が示され,施策を講じる ことが明文化されているところである.. しかしながら,先にも述べたようにr総合的な学習の時間」の新設,. 学校週五目制等に伴う技術・家庭科の時問数の削減,現在の経済状況下 で生じ始めている教材費負担の問題等,目標の達成することは困難な状 況にある.このような状況の中で,技術・家庭科技術分野r技術ともの. づくり」領域で行われている「ものづくり教育」を製作実習のみを重視. 一21一.
(25) した授業から製作実習を軽減し,設計学習を取り入れ,バランスよく配. 置する授業へ転換する必要がある.このような改善は従来の目本の職人 に見る「手に職をつけることこそものづくり教育である」といった技能. 習得重視の方向性からの転換を意味し,目本では現在,行われていない 改善方略である.しかし,現在の中学校での「ものづくり教育」を取り. 巻く現状と「ものづくり教育」で身に付けさせるべき態度と能力を考え たとき,必要なことであると考える.. 本研究で行う授業改善は,以下の3つに集約される. (1) 作品を製作することを中心とした学習からものづくりを構成す る設計や製作といった要素を中心とした学習へと転換する必要性.. 中学校現場では,これまで通り教材を製作することを中心とした授業 が実施されている.しかし,「技術とものづくり」領域は木材加工,電気,. 金属加工,機械,栽培が統合された領域である.これらの分野に共通す る学習内容を洗い出し,教材の違いに左右されない学習内容を身にっけ させる必要性がある.. (2) 生活とものづくりのかかわりやものづくりと科学技術とのかか わりについて考えることができる場を設定する必要性. 技術分野「技術とものづくり」領域は,義務教育において子どもが「も. のづくり」に取り組む最後の機会である.現在の作品製作実習で重視さ. れている作品を完成させる達成感を味わわせることや加工工具を扱う技 能を向上させることだけでなく,社会に流通している製品にっいて,開 発のプロセスや手法を学ぶことは,製品開発者のみならず,製品を利用 する者として重要なことであると考える.. (3) 時間数削減に対応した実習内容を検討する必要性.. 現在,「技術とものづくり」領域で,2つの題材の製作実習を実施して. 一22一.
(26) いる.1っ目の題材では,教師主導になる一斉画一型の授業展開を行い,. 基礎基本的な内容を指導する.2つ目の題材では,個々の材料の選択か ら具体的な加工方法まで,すべて生徒に考えさせ,応用的・発展的に指. 導する.このことは,昭和37年に改訂された学習指導要領と同じ内容 となっていて,1999年に改訂された学習指導要領の基では,時間的,費 用的にもその実施に無理が生じている.. これら3つの問題点を解決すべく社会における製品開発プロセスを取 り入れた設計学習を実施し,「ものづくりの見方や考え方」の理解を促す ことで,これからの日本を支えるために必要な新しい「ものづくり教育」. の構築を目指す.表1.5に本研究で目指す授業とこれまで実施されて いる授業とを比較して改善点を明確に示す. 表1.5 現行のr技術とものづくり」領域の授業と本研究で実施する授業の比較 現行の授業 本研究で実施する授業. 分類 目標. 生活に必要な基礎的な知識と技術の習得を通して,生活と技術のかかわりについて 解を深め,進んで生活を工夫し創造する能力と実践的な態度を育てる.. 目標へのアプローチ. ・生活に役立つ知識・技能. 生活と技術のかかわりの理解. ・ものづくりの見方・考え方の理解. ものづくりの実践力の育成. ものづくり社会に参画する態度の育成. 重視する内容. ものづくりの知識と技能習得を重視. ものづくりの見方や考え方の理解を重視. 取り扱う内容. 2つの作品製作実習. 設計中心の学習と1つの作品製作実習. 環境配慮. 調べ学習で補足的に学習するのみで,. 設計学習を通して,体験的・実践的に学習. 律の遵守. 験的・実践的には学習することが困. る.. となっている.. 必凄な学習環境. ・木材・金属等の加工ができる実習室. ・木材・金属等の加工ができる実習室. ネットワーク化されたコンピュータが整 された環境. コンピュータの活用. ・自己評価・相互評価. ・相互作用支援. 生活と技術のかかわりに関する調べ. 学習情報ファイルの共有化支援. 習. 授業形態. 作品製作・題材1…一斉指導 品製作・題材2…個別指導. 関連教科・領域. 技術・家庭科P騰とコン’ピュータ」. 設計学習…一斉指導とグループ指導 品製作…個別指導 技術・家庭科叶青報とコン〆ピュータ」. ・纏科 r裂疾と羅生活」. 表1.5は次項に続く. 一23一.
(27) 利点と欠点. ○作品完成というものづくり特有の達. ○作品完成の達成感だけでなく,生活上生. 成感を体感させることができる.. じた問題題を解決する手段として行わ. ○けがき,切断,穴開け等の基礎的・. れるものづくりの必凄性や有用性を体. 基本的な加工技能を習得させること. 感させることができる.. O加工の基礎的・基本的な技能の習得だけ. ができる。. ●時間数削減に対応できない.. でなく,加工技術の発達にっいても考え. ●作品完成が重視され,達成感のみの. させることができる.. ○年間1つの作品製作実習にすることで. 学び.. ●製作実習を通して,目標達成を目指. すが,生活と技術のかかわりの理解 を体験的・実践的に理解させること. 時間数削減に対応できる.. Oものづくりの見方・考え方を体験的・実 践的に理解させることができる.. O本来,学ばせるぺき「ものづくりの見. は困難である.. ●製作実習を通して,学ばせるべき「も. 方・考え方」の理解を促すだけでなく,. のづくりの見方・考え方」を教える. 製造物責任法や特許権の遵穿,環境配慮. 場面や時間を確保できない.. 等の複雑化している現代のものづくり. ●現代の複雑化したものづくり社会の 技術を体験的・実践的に学ばせるこ. を体験的・実践的に学ばせることができ る.. とはできない。. 表1.5に示すように,取り扱う学習を2つの作品製作実習から設計 中心の学習と1つの作品製作実習に変更することで,設計と製作をバラ. ンスよく実施することが可能となる.また,rものづくりの知識と技能の. 習得」を重視する学習から「ものづくりの見方や考え方の理解」を重視. する学習へと転換することで,ものづくりを「生活上生じた問題を解決 する手段」として捉えさせたり,生活や社会と技術のかかわりについて 実践的・体験的に考えさせたりできると考える.さらに,設計学習にコ. ンピュータを導入することで,r技術とものづくり」領域とr情報とコン ピュータ」領域を関連づけて扱うことができ,生徒に2つの領域を学ぶ 必要性を実感させながら学習を進めることが可能となると考える. 以上のように,本研究で構築する授業を実施することによって,現在,. 中学校現場で実施されている「ものづくり教育」の良さを生かしっっ, これまで述べてきた「ものづくり教育」に取り巻く問題点を解決し,「技. 術とものづくり」領域の教育目標を達成することができると考える.. 一24一.
(28) 第2章 rものづくり教育」と「ものづくりの見方や考え方』の在り方. 第1章で,現行のrものづくり教育」の問題点と改善の方向性につい て述べた.これから転換すべき点は,次の2つに要約できる.すなわち,. 現在の「ものづくり教育」が作品製作のみで行われている点と,現行の 授業改善に関する実践や研究が作品製作重視の延長上で進められている 点である.技術・家庭科における「ものづくり教育」では,設計学習と 作品製作実習のバランスを図り,授業を再構築することが必要である.. さらに,生活や社会と技術のかかわりを考える機会を与えるために設計 学習に社会における製品開発プロセスを取り入れることが必要となる.. 本章では,「ものづくり教育jで実施すべき設計学習の中に社会おける 製品開発プロセスをどのように位置づけて取り扱うか,言い換えると,. 設計学習と作品試作を通して,生徒に理解させるべき「ものづくりの見 方や考え方」をどのように捉えれば,技術・家庭科の目標とする「もの づくり教育」を実現できるのかについて述べる.. 2.1 社会における製品開発プロセス 社会における製品開発プロセスは,それ自体が企業の存続を左右する 核なる最重要事項である.近年では,製品開発プロセスはもとより,二. 一ズ調査の方法から生産や販売に関わるプロセスまで,ビジネスにかか わる企業秘密の対象として認知されている(そのほとんどはビジネスモ デルとして特許の対象となっており,このプロセス自体が企業間で取引 される場合もある).ここでは,社会における製品開発プロセスの基本的. な流れを述べ,それをどのように「技術とものづくり」領域で実践する 設計学習に取り入れていくのかについて述べる.. 社会における製品開発では,図2.1に示すように,仕様の決定,機 能設計,生産設計というプロセスの順に進めるのが一般的である.. 一25一.
(29) /( /へ\ 仕様 機能設計 生産設言 ノ ノ. \_ノ \_ノ 1護当旨・汗到犬・寸∫去等 合 加工・組立方法. 経済性等 、 材料、機構、加工・援合法、工業所有権、PL法、 使用者の二一ズ 家電リサイクル法、環境配慮等の基礎知識 発注元の要求等. 図2.1 社会のおける製品開発プロセス[6] 仕様の決定では,第一に開発製品を使用する対象者を設定する.次に 開発対象者の抱える問題を二一ズ調査によって把握し,どんな製品を開. 発することでその問題を解決できるのかを使用目的として明確にして具 体的に設定する.また,どんな条件下で使用されるのかを使用条件とし て設定する.さらに,開発費用(使用する材料費,生産にかかる費用等),. 使用できる材料,開発期間,生産施設といった制約条件を開発に際して. 解決すべき点として整理して,仕様書が決定する.今目では,製造物責 任法や工業所有権といった法律の遵守,家電製品リサイクル法や省エネ. ルギー等に代表させる環境等,配慮すべき点についても含めて制約条件 に整理し,開発する製品の仕様書が決定する.. 決定された仕様書に基づいて,具体的なデザイン,付加すべき機能等 を決定する.この段階を機能設計と呼ぶ.機能設計では,使用する材料,. 構造,形状,販売価格と生産価格等を考えて,仕様書を満たす機能を決 定し,製品開発を進める.. 設計の最終段階として,生産設計を行う.この段階では,具体的に生 産に向けて開発する製品の設計図を作成し,また,生産に必要となる設 [6]アシモフ(1962)のデザインモルフォロジーを参考に社会における一般的な製品開発プロ. セスを図示した.. 一26一.
(30) 備を整え,部品の加工方法,手順,部品の組み立て工程を決定する.近 年では,環境への配慮から安全に製品を処分する方法やリサイクル性を 保障するために製品の分解方法等についても検討されている.. これらの手順を経て,開発した製品を試作し,仕様書に基づき必要と なる各種製品テストを実施して,必要に応じて機能の追加・修正が施さ. れる.一般的に,仕様決定,機能設計,生産設計の段階では,表2.1 に示すような事項について検討されている.. 表2.1 社会における製品開発段階と各段階で検討される設計要素 仕様の決定で検討される事項[7]. 形状,寸法,価格,機能,基礎技術,使用材料,材料コスト,生産価 格,環境配慮,法律遵守. 機能設計で検討される事項. 機能・性能,全体の構造,材料の選定,形状の選定,寿命設定,使用 の利便性,安全性,原価設定,関連規格 生産設計で検討される事項 加工法,経済性,設備の検討,加工工程の検討,組立法の検討・開発,. 検査法,作業員の資質・能力,品質管理,組立性・分解性の評価 開発される製品の種類,企業によっても異なるが,機能設計,設計図 の作成から試作品の製作過程,各種検証は数回繰り返される.. 現在では,この手順にかかる時間的,物理的コストを軽減し,開発効 率の向上させる目的から,コンピュータを導入して「モデル化とシミュ レーション」を実施し,試作品の製作,各種検証を可能な限り少なくし ている企業がほとんどである.. [7]環境配慮,法律遵守は,開発する製品の仕様決定に際して,重点的に検討すべき社会的な. 制約条件として,扱われている(米山猛2004).教科書でも,ものづくりを行う上で配慮す べき事柄として環境配慮について記述され,取り上げられている.. 一27一.
(31) 先に述べたように,社会における製品開発プロセスは,そのプロセス 自体が企業秘密や特許に属するほど重要であり,ここに述べたのは一般. 的に取られている最小限度の開発プロセスである.近年,製造物責任法 の法令化による製造物に対する責任の明確化,家電製品リサイクル法や 自動車リサイクル法といった地球環境に配慮するための法律制定という. これまでにはなかった新たな制約条件が重要視され,これらのことをク リアするために様々なプロセスが研究され,その成果を製品開発プロセ スに導入することによって,新しい製品の開発が進められている.. 2.2 設計学習に取り上げるべき設計要素 生活上の問題を解決する手段として「ものづくり」を取り扱うとき,. 新たな製品開発と称して完全に自由なテーマ設定し,設計を行わせるべ きではない.それは,いかなる製品を開発する場合でも仕様の決定が重 要になるからである.製品の設計において,すべてが決定された仕様を. 基に解決すべき問題の設定が行われる.設計学習ではこの仕様を明確に. 示しながら行わなければならない.仕様に基づいて機能設計,生産設計 へと進む.この仕様に関する設計の要点は,目的に合った機構,加工・. 組立,操作の簡便性,修理の簡便性,コストの低減,デザインの調和な どが挙げられる.これらを統合した上で理想的な設計を生み出していか. なければならない.さらに,機能設計,生産設計を行うためには,工業. 所有権の遵守,製造物責任法,家電リサイクル法などの要素にも配慮し なければならない.. 技術・家庭科では,使用材料を,木材,プラスチック,金属に限定さ. れ,加工方法も基礎的な手法に限定される.開発期問は授業時数を踏ま えて必ず限定する必要がある.また,実際に設計した製品を大量生産し ないので,生産設計に関わる設計要素の取り扱いを限定する必要がある.. 一28一.
(32) 以上のことを踏まえ,中学校における「ものづくり教育」では,図2.. 2の設計学習の実線内に示すように仕様から生産設計の各段階において 破線のような限定を施す必要がある.. 1ぐ仕様. 、. 機能設計. /’ヘー. 生産設計. 品 \、_ノ. 開. 誉倉. 機能・形状・寸法等 加エ・組立方法. 軽清性等. セ. ス 使用者の二一ズ. 趨料、機構、加工・接合法、工業所有権、PL法、. 発注元の要求等. 家電リサイクル法、環境配慮等の基礎知識. ヨル じロロロロリ コ じロ り ロ ロロロ コ. …只 豊教師の仕様一・”・…1μ限定された各種の基礎知識 1. 撃迦馳准轡一1 』””−一……”… 習・”二}甲『”『一『〒『r ’{施設、時闇妻女による限定1. 図2.2 社会における設計プロセスとrものづくり教育」 この限定の度合いを設定するには,図2.2の実線内のように,教師 が生徒の基礎知識を把握しておく必要がある.また,「ものづくり教育」. で取り上げるべき設計要素を,社会における製品開発で取り扱われてい る設計要素から設定する必要がある.仕様は,設計における評価規準と. して捉え,どこまで達成されたのかを試作品を用いて実際に試験し,評 価を行い,その結果を生徒にフィードバックする必要がある(図2.3).. 製作コスト. 製作時間. 設計要素. 機能・能 強度 構造 加工方法等. 構想・評価. 構想図の作成 事前計画の準備 試作品の製作 1在蘭…墓3cマ尼孚要弔 ロ. 1ンの試験と評価 1. 報告書の作成. 図2.3 中学校における設計学習の流れ. 一29一. フイードバック. 目的 仕様 アイディァ 解決策の想定 状況盆析→ 制限条件 ・ゆ 望ましい解決策 使用材料 の選択 加工方法 調査案施.
(33) 上記に述べた配慮事項は,以下のように整理することができる.. ・ 中学校技術・家庭科の学習指導要領に示されている取り扱うべき学. 習内容に準じて,取り扱う材料や加工方法に制限を加えること ・ 学校の設備面での制約を加えること. ・ 社会科や技術・家庭科(家庭分野)で取り扱われている商業活動に 直接かかわる要素に一定の制限を加えること. これらの配慮事項を考慮して,中学校における「ものづくり教育」で 生徒に理解されせるべき「ものづくりの見方や考え方」を設定する.. 表2.2に示すように取り上げるべき設計要素は,仕様決定に関わる 要素,機能設計に関する要素,生産設計に関する要素というように,大. きく3つに分けられる. 醗段階. 表2.2 製品開発の設計要素と設計学習で取り扱うべき設計要素の検討 中学校における設計学習. 社会おける. 取り扱う理由. 品開発. 騰. 形状・寸法. 纏. 材料価格. 使用者の条件に合わせて総合的に考え. 使用目的 用条件. せるべき要素である,. 儲. 材料費・製作費を合わせて考えさせる.. 売価格については,商品生産に関わ. 生産価格. 要素が大きいので略す.. 法律遵守 境配慮. 木材・金属・プラスチック加工に限定. 学習指導要領の取り扱いに準ずる.. 製造物責任法,家電製品リサイクル怯,. 社会のものづくりに必要とされる基本. 業所有権,環境配慮に限定. な法律と配慮すべき事項を扱う.. 使用材料. 木材・金属・プラスチックに制限. 学習指導要領の取り扱いに準ずる.. 機能. 機能・性能. ものづくりの見方・考え方の理解に不. 計. 綿. 全体の構造. 構造・形状. 欠な設計要素である.. 形状の選定. 材料の選定. 材料. 使用の利便性. 使用者の利便性・安全性. 建. 原価設定. 商品生産・販売に関わるので略す.. 関連規格. 命の設定については,設定しても試. 寿命の設定. 品は実際に評価することができない で,略す.. 表2.2は次項に続く. 一30一.
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