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i教師アドバイス

教師

図4.4 学習情報の公開と閲覧による相互作用

4.3.2 相互作用を促す媒介物

 前述②の要件,すなわち,仲間同士のやりとりから知識の共有化を活 発化させる媒介物として,学習ファイルに学習情報の内容を表すキーワ ードと作成者や利用者のメッセージを付加する機能,掲示板には「つな

ぎ言葉」を付加できるように開発する必要がある.表4.1にrつなぎ

言葉」の内容を示す.

     表4.1 本研究で用いた「つなぎ言葉」の内容

連接型 つなぎ言葉 表明する考え

展開型 だから 理由

それで 順接

そこで 根拠

反対型 しかし 反対

だけど 反駁

でもね 逆説

累加型 そして 表明

また 並列

ついでに 添加

同格型 つまり 要約・確認

たとえば 例示

転換型 ところで 新規・転換

そういえば 追加

話はかわるけど 転換

では 確認

 このような「つなぎ言葉」は,柿原浩[2001],橋本哲史[2002],浦 田武[2002],陶山紀宏[2003]の掲示板を利用した研究(小学生対象)

では,意見交換をスムーズに行うための媒介手段となる言葉が必要であ るとし,掲示板上に用意している.これらの先行研究では,rこれでどう かな」rおしえて」rそれはね」rすごいよ」等,質問,応答,情報提供,

賞賛を意味する「出だし言葉」や「つなぎ言葉」をシステムに用意し,

相互作用の場で活用することで,相互作用の目的を明確化し,活発に相 互作用する手立てとしての役割を果たしたという知見を得ている.つま り,このような相互作用支援のための言葉は,仲間の情報に対する自分 の立場を明確にするための足場づくり(scaffolding)になるものである.

 本研究においてもこの知見を生かして,意見交換をスムーズに行うた めの媒介手段となるrつなぎ詞」を付して相互作用の活性化を図る.

 本研究において実践対象は中学生(2年)である.このため,中学校 で同様の研究を行った中西茂治[2003]の知見に基づき,中学生が意見 交換する時にある意見に対して表明される発言に込められている微妙な ニュアンスの違いに対応するために,柿原,橋本,浦田,陶山の研究で 用いた「つなぎ言葉」の種類を表4.1に示すように15に増やし,様々 な立場からの発言に対応することにする.

 ここで,転換型に関するrつなぎ言葉」の数が他の連接型に比べて多 くなっているのは,発言に対して様々な意味合いから質問できるように することによって,意見交換を単なる同意や感想を述べ合う場になるの を防ぎ,発言に対する質疑応答を活発化したいという意図があるためで ある.また,発言を転換する返信をすることで,質疑応答を繰り返すこ とによって,曖昧な情報や知識,考えを説明させることができ,より明 確に次元の高い意見交換をさせたいという意図があるためである.

4.3.3 学習情報の公開と保護の必要性

 学習者は学習情報の公開と閲覧によって,他者と学習ファイルを媒介 物とした相互作用を行うことができ,新たな知を見出すことが可能とな る.しかし,学習者に無断で作成した学習情報を勝手に利用されると意 欲低下を招く危険性がある.設計学習のように創出されたアイディアが 学習活動において重要となる場合,その危険性は特に顕著になる.「もの づくり教育」におけて学習情報の公開や閲覧による学習意欲の低下を防 ぎ,学習情報の公開と閲覧による相互作用を促すためには,必要に応じ て学習情報を保護しながら,公開できる仕組みを整える必要がある[村 松浩幸・稲垣忠2003].

 そこで,本システムでは,(i)学習者が保護公開を求める場合,別途 用意した保護公開用DBに情報を移動させることにより,無断閲覧・利 用を防止する.保護公開用DBに登録する際,(五)教師と生徒で審査機 関を組織し,保護すべき情報かどうか判定され,(iii)その結果が申請者

に通知される,図4.5に保護公開の流れを図示し,表4.2にその手

順を具体的に示す,

   生徒の実態に応じ       審査機関

   て登録の判断基準      ! 一爾剛、、

 ∞

         審査結果  登録申請

      生徒全体で共有     ロロ

         ■保護公開

      ロ

    利用の報告  学習ファイル       登録変更不可       。。

       )        保護公開用DB

      グループ内で共有       図4.5学習情報の保護と公開・閲覧・利用

表4,2 学習情報を保護しながら公開・閲覧・利用する手順

保護公開の流れ 手順 必要な事柄

学習ファイルを保護公開として登録する手順

(i〉登録申請 学習者が保護公開を申請する, 公開方法選択フィールド

(h)登録判断 審査機関により保護公開する

判断する,

登録判断基準

(揃)申請結果通 判断結果を通知と保護公開用 Bへ登録する.

結果通知用フィールド

保護公開された学習ファイルを閲覧する手順

(iv)閲覧申請 保護公開DBに利用情報を記

する

利用者名,利用時間

(v)閲覧 保護公開DBに閲覧情報を記

する.

閲覧した学習情報と閲覧 イントの記録

保護公開された学習ファイルに記録された学習情報を利用する手順

(vi)利用確認 学習情報作成者に利用の確認

する.

利用確認と利用ポイント 記録

(面)利用 学習情報を利用する. 作成者名の明記と情報の

ざん防止(ルール)

 表4.2に示すように,保護公開された学習ファイルを閲覧したい学

習者は,(iv)閲覧申請として,利用者名と利用者I Dパスワードを入力 し,本人認証を受けたのち,(v)閲覧可能となる.この際,閲覧された 保護公開学習ファイルには,自動的に閲覧ポイントが記録される.また,

閲覧した学習者が保護公開された学習ファイルに記録されているアイデ ィアを使用したい時は,(vi)学習ファイルの作成者に直接,利用確認を する.(面)作成者は利用の確認をした時点で利用ポイントが記録される.

4.3.4 学習情報の蓄積と利用を促す場

 4.3節に述べた③の要件を満たすには,掲示板や学習ファイルの情 報を一元化して蓄積し,利用できる機能が必要となる.図4.6に示す ように学習者は,蓄積された学習情報を検索したり編集したりすること で報告者を作成し,学習をまとめる.これによって自分の学びを自覚し,

知識や考え方を再構築することをねらう.

設計学習で蓄積された学習情報(学習ファイル・掲示板)

学習ファイル

掲示板

学習ファイル 学習ファイル 学習ファイル

掲示板

示板 示板

検索・編集・追加 学習ファイル

o o

嵩・7f(自轡し左目昌蝕 =艇』隔r』・(π『十まセ鮪

報告書の作成       図4.

  学びの自覚と知識・考え方の再構築 6 学習情報の蓄積と利用

4.4 学習支援システムの開発

 学習支援システムの開発に用いるFileMakerProはDBアプリケーショ ンではある.スタンドアロンでのDB管理機能はもちろんのこと,クライ アントサーバ環境を整えることで,ブラウザを介したネットワーク上で 複数のクライアント機から同時にDBを管理できる.

 2002年度から本格実施された学習指導要領の改訂において,技術・家 庭科に「情報とコンピュータ」領域が必修内容とされたのに伴い,公立 中学校においてクライアントサーバ型のコンピュータネットワークは標 準的な環境として整備された.

 実践を計画しているN市においては,市内すべての公立小中学校にこ のようなネットワーク環境が整っている.FileMakerProを利用して,ネ

ットワーク上で複数のクライアント機からDBを管理する時,

FileMakerProには,これを実現するために,「インスタントWeb」と

「カスタムWe b」という2つのWe b公開方法[12]がある.「インス

タントWeb」は,DBを作成し,クライアントサーバ環境にあるコンピ

ュータで起動するだけで,クライアント機からブラウザを介してDBを管 理できるようになる.非常に簡単に目的を達成することができる.しか

し,「インスタントWeb」では,DBを管理するために必要な操作画面

となるインターフェース(interface)の変更や調整を行うことができな

い.一方,「カスタムWeb」では,Web−DBを開発するために次の2っ

の段階が必要となる.第1段階がDBファイルの作成である.第2段階が

インターフェイスとなるWebサイトの作成である.学習支援システム

を開発するためには,入力・編集用Webぺ一ジ,入力・編集内容表示・

確認用Webぺ一ジ,エラー表示用Webぺ一ジ,検索用Webぺ一ジ

[12]rインスタントWeb」「カスタムWebjによるWeb公開方法は,高岡幸生著「ファ   ィルメーカーPro Webデータベース講座」(オーム社)に詳しく記述されている.

といった種類のWe bぺ一ジが必要となる.

 一般的なWe bぺ一ジはHTML(Hyper Text Markup Language)や

CSS(CascadingStyleSheets)を用いて作成されるが,rカスタムW

eb」では,これらに加えて,DBからWebコンパニオンを介してクラ イアント機のブラウザから管理できるように,CDML(ClarisDynamic MarkupLanguage)を用いて,作成する必要がある.CDML言語は,ク

ラリス社(現FileMaker社)がFileMakerProにより作成したDBに対し てWebコンパニオンを介して,ブラウザから操作できるようにするた

めに独自に開発したスクリプト言語[13]である.

 本研究では,DBを利用して学習情報を整理して蓄積する機能とDB上 で掲示板機能を実現するため,「カスタムWeb」による開発を進める.

 通常,rカスタムWeb」による開発を進める際,FileMaker社のHT

MLエディタであるHomePagePro[14](正式にはHomePagePro3.Ov1)を 使用することで開発時間を短縮することができる.このHomePageProは,

他のHTMLエディタとは違い,CDMLによる開発を支援する機能を 有しており,HTMLとCDMLを用いたWe bぺ一ジを作成する唯一

のエディタである.これを利用することで比較的簡単にFileMakerPr・

で作成したDBと連携したWe bサイトを作成できる.また,HomePagePro には,「ファイルメーカーProアシスタント」と呼ばれる機能があり,こ のアシスタント機能に従って,構築するシステム自体の詳細な機能,動 き方,デザイン等を決めていけば,必要なWe bサイトを自動生成して くれる.このようにHomePageProは,Web−DBを開発する上で非常に強力

[13]  CDML言語の詳しい説明は,「CDMLリファレンス.fp5」というDBファイルにまとめら   れている。このDBファイルは,FileMaker社のWe bぺ一ジ(www、fil且鰻ker,曵二.並∠)

  よりダウンロードできる.

「14]HomePageProによるrカスタムWe b」作成方法にっいては本郷隼人+フリッピ著(1998)

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