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 本研究では,設計学習との出会い,ロシア法的アプローチによる設計 学習,プロジェクト法的アプローチによる設計学習,報告書作成の各学 習段階で,調べたことや自分の考えを学習ファイルにまとめること,学 習ファイルの公開・閲覧による相互作用と掲示板による相互作用を繰り 返し仲間や教師の支援・指導を受けたり,意見を交換したりすることで,

「ものづくりの見方や考え方」の理解を促す授業を展開した.

 本章では,設計学習に関するアンケート,学習支援システムに関する アンケート,授業記録,会話記録,そして,「ものづくりの見方や考え方」

に関する生徒の記述等の分析を基に,「ものづくりの見方や考え方」の理 解を促す授業や開発した学習支援システムについて成果と課題を述べる

6.1 分析の目的と方法

 分析の目的は,以下の2点である.

① 本研究によって,ものづくりで重要となる設計と設計学習の授業に  対する生徒の意識変容,及び学習支援システムに対する評価について  分析する.

②  「ものづくりの見方や考え方」の理解を促す新しい学習方法と各学  習段階に相互作用を取り入れた授業によって,「ものづくりの見方や考  え方」の理解を促す授業改善ができたかどうか分析する.

 ①の「設計や設計学習」については,実践前後に実施したアンケート の結果を比較しながら分析する。また,学習支援システムの評価にっい ては,実践後に実施したアンケートを基に分析する.

 ②の授業改善については,生徒が作成した学習ファイルや掲示板の書 き込み,授業記録,会話記録,定期テストの結果を基に,生徒が「もの づくりの見方や考え方」の理解が促されたかどうかを検討し,分析する.

6.2 生徒の設計や設計学習に対する意識の変容

 生徒の設計や製作及び,設計学習に関する意識の変容にっいては,実 践前後に行った同一のアンケートや聞き取り調査の結果を基に述べる.

実践後

実践前3,77.3

0% 20% 40% 60% 80% 100%

■非常に思う 圃やや思わない

□かなり思う  囲やや思う   團どちらでもない 国かなり思わない目非常に思わない

図6.1 設計に対する好感度

実践後

実験前

0% 20% 40% 60% 80% 100%

■非常に思う 圏やや思わない

□かなり思う  團やや思う   園どちらでもない 目かなり思わない目非常に思わない

         図6.2 製作に対する好感度

 生徒の設計に対する好感度について,実践前後の調査結果を図6.1 に示す.実践前の結果は,r非常に好き」rかなり好き」rやや好き」が全 体の37.7%に対し,「やや嫌い」「とても嫌い」「非常に嫌い」が全体 の37.1%であった.実践後,「非常に好き」「かなり好き」「やや好き」

が全体の53.3%と過半数を超え,「やや嫌い」「とても嫌い」「非常に 嫌い」が全体の27.2%に減少した.「嫌い」と回答した生徒の大部分 は,自由記述の中でr大切さは分かったけど難しい」r必要だけど,考え ることが多くて大変」と記述していた.

 図6.2に示すように,実践前の製作に対する好感度については,「非 常に好き」「かなり好き」「やや好き」が全体の61.2%に対し,「やや 嫌い」「とても嫌い」「非常に嫌い」が全体の18.4%であった.実践 後は,「非常に好き」「かなり好き」「やや好き」が全体の66.3%に対

し,rやや嫌い」rとても嫌い」r非常に嫌い」が全体の18.3%と,実 践前後でほとんど変化しなかった.

実践後

実践前

0% 20% 40% 60% 80% 100%

■非常に思う  □かなり思う  團やや思う   圏どちらでもない 團やや思わない 圃かなり思わない目非常に思わない

       

         図6.3 ものづくりの好感度

 また,生徒のものづくりに対する好意度については,実践前の結果は,

「非常に好き」「かなり好き」「やや好き」が全体の65%に対し,「やや 嫌い」「とても嫌い」「非常に嫌い」が全体の14.6%であったが,実 践後は,「非常に好き」「かなり好き」「やや好き」が全体の71.6%に 対し,「やや嫌い」「とても嫌い」「非常に嫌い」が全体の11.9%に減 少した・これは,ものづくりを製作するということだけでなく設計する

ということも重要であると考えるようになり,ものづくりの捉え方の変 化から生じたものだと考えられる.このことは,生徒の自由記述からも 読み取ることができた.

・ものを作るには,設計をしっかり考えなくてはいけないことを知った.

・ものづくりには,設計や製作の過程があって,いろいろなことを考え  なくてはいけない.

 次に,「ものづくりで重要だと思う事柄」に対する10の項目について

の調査結果を図6.4から図6.13に示す.

実践後

実践前

 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

■非常に思うロかなり思う田やや思う日どちらでもない田やや思わない日かなり思わない目非常に思わない

 図6.4 製作品が必要か考えることは重要

実践後

実践前

0% 20% 40% 60究 80% 100%

■非常に思うロかなり思う囲やや思う回どちらでもない囲やや思わない日かなり思わない目非常に思わない

図6.5 製作品が使用条件に合っているか考えることは重要

実践後

実践前

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

■非常に思うロかなり思う圏やや思う醗どちらでもない園やや思わないロかなり思わない日非常に思わない

図6・6 すべにあるもので間に合わないか考えることは重要

実践後

実践前

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

 ■非常に思うロかなり思う圏やや思う国どちらでもない田やや思わないロかなり思わないロ非常に思わない

図6 7 資源やエネルギを節約できるか考えることは重要

実践後

実践前

   0%  10% 20% 30% 40% 50% 60% フ0% 80% 90% 100%

 ■非常に思うロかなり思う匿やや思う国どちらでもない囲やや思わない四かなり思わない目非常に思わない

図6,8 機能が使用目的に適しているか考えることは重要

実践後

実践前

 0妬  10% 20腸 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% で00%

ロ非常に思うロかなり思う国やや思う国どちらでもない圖やや思わないロかなり思わない目非常に思わない

図6.9 製作品が安全かどうか考えることは重要

実践後

実践前

   0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

 璽非常に思う□かなり思う囲やや思う図どちらでもない国やや思わない団かなり思わないO非常に思わない

図6.10 資源を有効に活用しているか考えることは重要

実践後

実践前

0%    10%   20%   30%   40%   50%   60%   70%   80%   90%   100%

■非常に思うロかなり思う団やや思う国どちらでもない田やや思わない団かなり思わない目非常に思わない

図6.11

実践後

実践前

製作品をどのように設計するか考えることは重要

      「

   25.4

0%    10%   20%   30%   40%   50%   60%   70%   80%   90%   100%

■非常に思う口かなり思う田やや思う国どちらでもない図やや思わないロかなり思わない目非常に思わない

図6.12 製作品をどのように製作するか考えることは重要

実践後

実践前

     0%   20%   40%   60%   80%   100%

   哩非常に思う口かなり思う図やや思う屠どちらでもない国やや思わない口かなり思わない自非常に思わない

  図6.13 製作品が環境に与える影響を考えることは重要

 これら10項目すべてについて,「やや思わない」「かなり思わない」

「非常に思わない」という回答が全体に対して減少している,

 このことは,設計学習を通して,「ものづくりの見方や考え方」を理解 し,仕様決定,機能設計,生産設計の過程を経て,ものづくりを経験す ることで,ものづくりに必要なことを学ぶことができたからだと考える.

また,図6.14に示すように「ものづくりは生活に役立ちますか」と

いう質問に対して全体の78.7%の生徒がそう思うと回答しており,

実践前の58.6%より増加した.

実践後

実践前

 0%    10%   20%   30%   40%   50%   60%   70%   80%   90%   100%

■非常に思うロかなり思う圏やや思う圏どちらでもない国やや思わない口かなり思わない目非常に思わない「

図6.14 「ものづくりは生活に役立ちますか」対する回答

 これは,本実践で「ものづくり見方や考え方」を理解していくことを 通して,ものづくりが「生活上生じた問題を解決する手段」となること を実感できたからであると考える.このことは,「大人になっても生活を よりよくするためにものづくりは必要だと思いますか」(図6.15)に 対する回答結果にも表れている.

実践後

実践前

     0%   20%   40%   60%   80%   100%

   口非常に思うロかなり思う囲やや思う匿どちらでもない回やや思わない口かなり思わない畳非常に思わない

 図6,15 「生活をよりよくするためにものづくめは必要だと思いますか」

 次に,ものづくりの授業に対する生徒の意識について分析する.本実 践で行った設計学習の授業に対する質問の調査結果を図6.16に示す.

設計は将来役立っ

設計が好き

設計が得意

設計の授業好き

    0%  10覧  2眺  30%  40%  50覧  6砺  70%  80%  90%  100%

      ■非常に思うロかなり思う囲やや思う目どちらでもない目やや思わない日かなり思わない日非常に思わない

    図6.16 設計の授業と設計に対する生徒の意識

 設計の授業に対する好感度を調査した.その結果,「非常に好き」「か なり好き」「やや好き」が全体の60.1%で「やや嫌い」「かなり嫌い」

「非常に嫌い」19.7%となった.「設計の授業は得意ですか」という 質問に対して,「非常に思う」「かなり思う」「やや思う」は全体の30.

9%,rやや思わない」「かなり思わない」「非常に思わない」は全体の3 6,9%となった.「ものを設計するのが好きになった」「いろいろなも のを設計してみたい」「設計学習で学んだことは将来に役立っと思う」と いった質問項目に対して,「非常に思う」「かなり思う」rやや思う」が全 体の50%以上となり,「やや思わない」「かなり思わない」「非常に思わ ない」が15%以下となった.

 この結果より,設計学習は難しいと感じているものの,ものづくりに おける設計の必要性を実感し,学んだことを将来に生かしていこうとす

る生徒の姿が明らかとなった.先に示した図6.14に示した「ものづ

くりは生活に役立つと思いますか」という質問に対して,実践前は,「思

わない」と回答していた生徒が全体の19.8%いたのに対し,実践後

は7.1%に減少したことからも言える.

 設計に対する意識について調査した結果を図6.17に示す.

学習方法が分からない

理解できない1830

興味がもてない1236

考えることが多い

覚えることが多い

2 2

啄→︑︹

5 1

1 0

1

1

31

5 9 7

︐3009・騨8・ 61

.ー︑OU﹄−■

124

謹甲≦轟8⁝

㌦3.︵り乙︸

駅﹄ワ府一−討Mリム尉

13 5

53

435

633939

034

413 7

403

3 3 4

1

11971

5 2

038632

0鶉    20弘    40柘    60%    80弘    100%

 ■非常に思う□かなり思う囲やや思う囮どちらでもない固やや思わない園かなり思わない目非常に思わない

  図6.17 設計に対する生徒の意識

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