ここでは,開発した学習支援システムにおけるWebぺ一ジの作成方
法を,学習支援システムの典型的な機能となるロシア法的アプローチに 設計学習を支援する「学習ファイル」と「掲示板」,報告書作成を支援する学習情報検索システムの「スペシャルサーチ」について説明する.
(1)ロシァ法的アプローチによる設計学習を支援する学習ファイル データベースシステムは一般的に3層スキーマ構造で構成されている
3層スキーマ構造を有するデータベースの概念を図4.19に示す.
データベースシステム ー□
操作
外部スキーマ
示方法 入力形式
内部スキーマ 概念スキーマ
ル編集用HTMLファイルである.外部スキーマに当たるのは,新規登 録・編集結果表示用HTMLファイル,編集時選択表示用HTMLファ イル,エラー発生時表示用HTMLファイルである.
上記のHTMLファイルの作成は,Windowsで稼働するコンピ
ュータに付属しているメモ帳を用いて作成し,開発を進める.
・I D入力用HTMLファイルの作成
I D入力用HTMLファイルに必要な機能は,学年組番号,開発チー
ム,編集用パスワードを入力できること,学習ファイルの登録・編集で きることである.このHTMLファイルの開発でポイントになるのは,以下の点である.
① 学年組番号を入力し,DBファイルに登録することで,自動的に氏名 が入力されること
②開発チームの入力負担を軽減するためにHTMLタグのselect文
を用いて選択式にしていること③編集用パスワードを入力する際,<input〉タグで入カタイプを
「password」にすることでパスワードを入力すると「●●●●●」と 表示させて,入力したパスワードを表示しないようにすること④ 「新規登録」ボタンには,CDML言語の「一new」という命令を付 加することでDBファイルに新しいレコードを生成させること
⑤「編集」ボタンには,「一find」という命令を付加することで編集侯 補となる学習ファイルを表示させること
・新規登録・編集結果表示用HTMLファイルの作成
このHTMLファイルは,上記で述べたID入力用HTMLファイル
で実行されたCDML言語である「一new」と「一find」を判断して命令に 応じた動きとなるように作成されている.
r−new」の場合は,前述のHTMLファイルで作成された新規レコー
ドを検索し,候補となるレコードを表形式に表示する.表示の際,学年組番号に[fmp−1ink:rm]というCDML言語とHTMLの〈a href>タ
グと組み合わせて該当レコードヘのリンク付を実現している.この命令 によって,生成されたリンクを選択し,クリックすることで編集すべきレコードを選択できる.
r−find」の場合は,前途のHTMLファイルに入力された事項を基に
編集対象となる学習ファイルの候補を表形式にして表示する.この際,1つ1つの学習ファイルに先ほどと同様の方法で編集したい学習ファイ ルをクリックすることで学習ファイルが選択できる.
ここで,「一new」と「一find」を判断するために,CDML言語の条件 判断命令である[fmp−if:]と制御状態を把握する命令[currentaction]を 用いて実現している.
・編集用HTMLファイルの作成
編集用HTMLファイルを作成する際のポイントは,次の点である.
①設計要素の入力において<select>タグを用いて選択肢を用意して入 力軽減を図ること
②自己評価の入力において,<input>タグの入カタイプを「radio」と し,ラジオボタンを用意して,入力軽減を図ること
③画像ファイルの登録操作を軽減するために,HTMLの〈input>タグ
で入カタイプを「file」として用いること④「作成者の評価」フィールド,「作成者→利用者」フィールドは,作 成者のみが記録できるようにしてあり,r利用者の評価」フィールド,
r利用者→作成者」というフィールドは利用者からのみ記録できるに すること
⑤ 利用者が記録するフィールドは,フィールド内に入力された学習情 報が蓄積されていくようにすること
②の事項については,登録した学習情報を編集時に表示するために,
ラジオボタン生成を通常のHTMLにおける<input>タグの入カタイプ をrradio」を用いるのではなく,CDML言語を用いてラジオボタンを
FileMakerProに生成させている.ここで,注意しなければならないのは,この方法はサーバPCに大きな負担がかかることである.
③の事項については,HTMLの〈input>タグで入カタイプを「file」
として,参照ボタンを生成させ,画像ファイルが格納されているフォル ダを選択していくことで入力できるようにした.ここで問題となるのが,
HTMLの〈input>タグで入カタイプを「file」では,編集できないこと である.これは,悪意のある者がこの命令を利用して,ウィルスや不法 にアクセスを実行させるプログラムを仕込むことができるからである.
そこで,開発した学習ファイルでは,編集する時は,〈input>タグで入 力された場所を一時保管するフィールドを用意して移しておき,画像フ
ァイルフィールドが編集された場合のみ,そのフィールドと入れ替える ように作成されている.
・新規登録・編集時結果表示用HTMLファイルの作成
新規登録・編集時結果表示用HTMLファイルの作成は,CDML言
語の命令である[fmp−record]と[fmp−field:フィールド名]を用いて実現 している.ここでは,新規登録の結果や編集結果を表示することで,レ コードに記録された内容を確認することができる.これは操作性をよく
するために必要な機能である.このHTMLファイルでは,さらに操作
性をよくするために,レコードの登録,削除,変更の中止をできるようにしている.
・エラー発生時表示用HTMLファイルの作成
FileMakerPro6Unlimitedは,検索において該当するレコードがない場 合,エラーを発生し,実行を停止してしまう.これを防ぐためにエラー 発生時にエラー内容を表示し,エラー後の処理を使用者に選択させるH
TMLファイルを作成する.開発者が予期できないエラーも起きる可能
性があるので,それに対応するために,エラーが発生した場合には,「エラーが発生しました.使用を中止して教師に連絡してください」という メッセージと,FileMakerPro6Unlimitedで生成されるエラー番号を表示 させるようにする.
実践では,ほとんどこのエラーが表示されることはなく,開発時にエ ラーが表示された.エラーの内容は,入力された内容を記録するフィー ルドがないといった事項であった.エラー発生時には該当するエラー番 号が表示されるので,原因を特定する手がかりとして利用できる.
(2) ロシア法的アプローチによる設計学習を支援する掲示板 掲示板機能は,3層スキーマ構造で構成されたデータベースシステム
を用いて実現できることは,前項で述べた通りである.ここでは,掲示
板機能をどのようなHTMLファイルを作成することでデータベースと
連携させ,実現するかについて述べる.掲示板機能を実現するために開発すべきHTMLファイルは,大きく
分けて3つに整理できる.・ 掲示板に意見を投稿するために必要なHTMLファイル
・ 掲示板として表示するために必要なHTMLファイル
・ エラー発生時に表示するHTMLファイル
この3つのHTMLファイルに加え,開発した掲示板ではチームごと,
設計要素ごとに投稿された掲示板の内容を表示できる.この機能を実現
するために作成したHTMLファイルについても述べることにする.
・掲示板に意見を投稿するために必要なHTMLファイルの作成
掲示板では,投稿した内容を編集することは想定していない.編集し ないことを除いては,学習情報の登録方法は学習ファイルと同様,学年 組番号,チーム名を入力して新しいレコードを作成し,その後,該当レ
コードを編集する流れで行う.
新規投稿機能を実現するために作成したHTMLファイルが,
「newinput.html」と「input_ok.htm1」である.「newinput.html」は,
rrusia_file.html」と同様である.
掲示板の新規投稿機能のポイントとなるのは,「input_・k.html」での 新規投稿の番号生成と,掲示板情報の識別,さらに,新規投稿情報の識 別記録方法である.「input_ok.htm1」ではこれを,JavaScript言語を用 いて生成している.ここで生成された掲示板番号,掲示板情報の識別,
新規投稿の識別をそれぞれ「BBS_Number」「BBS_Sign」「BBS_contributionj フィールドに登録する.また,新規投稿に対する返信するための新規投 稿の「BBS_Number」を返信投稿で取得できるように,新規のレコードご
とにリンクを付けるようにする.このリンクをクリックすることで,新 規投稿に対して返信をする際に,新規投稿のrBBS_Number」を取得する
ことが可能となる.
返信投稿で必要となるHTMLファイルは,「reinput.html」と
rreinput_ok.html」の2つのファイルで構成されている.新規投稿に付 けられたリンクをクリックすると,rreinput.htm1」が表示され,新規投 稿に対する返事を入力できるように作成されている.リンクをクリックして,rreinput.html」が呼び出す際,新規投稿番号をrBBS_Number」フ ィールドからから取得して,返事投稿番号の「BBS_Number」フィールド