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Title
ES, iPS 細胞における未分化調節機構Nodal-Lefty系のヒ
ト癌細胞におけるエピジェネティック調節機構
Author(s)
齋藤, 暁子
Journal
歯科学報, 114(3): 282-282
URL
http://hdl.handle.net/10130/3352
Right
ES 細胞,iPS 細胞の未分化性を維持するメカニズムの内,Nodal とその拮抗物質 Lefty は最も重要な分子機 序の一つと考えられている。また近年では,悪性癌においても Nodal が高発現し,悪性形質である浸潤性, 腫瘍原性,増殖性を高め,Nodal 拮抗物質 Lefty の添加により悪性形質が抑制されることが示され,Lefty は 癌抑制因子となることが示された。このことは,悪性癌では ES, iPS 細胞の未分化性維持機序 Nodal が未分化 性を高め,同時に悪性度を高めている可能性を示唆している。我々は癌細胞をリプログラムすれば iPS 細胞と 同様の機序で悪性化すると想定し,Nodal-Lefty が癌の悪性化や未分化性獲得に重要な役割を果たすか否かを 検討した。 肝癌株化細胞にレトロウイルスベクターを用いて山中4因子を導入し,iPS 細胞と同様の細胞質に乏しい密 集した細胞コロニーを得た後,全 RNA を抽出,定量 RT-PCR 法を用いて遺伝子発現を解析した。Lefty 遺伝 子の発現調節と Bisulphite 法を用いた DNA メチル化解析を行った。 山中4因子導入により,増殖能,造腫瘍能,side population(SP)比率の高い,未分化で悪性度の高い癌細 胞を樹立することに成功した。この細胞では Nodal 発現のわずかな上昇および拮抗物質 Lefty の発現抑制が認 められた。ES 細胞では Lefty 遺伝子発現は恒常的に高いが,我々の樹立したリプログラム癌細胞では Lefty 発現は低かった。Lefty 遺伝子の発現調節機序の検討では,Lefty 遺伝子のメチル化が ES 細胞では特に低く リプログラム癌細胞では逆に高かった。この機序にはメチル化酵素あるいは脱メチル化酵素の関与が示唆され た。正常 iPS 細胞は ES 細胞より Lefty 発現はやや低く,Lefty 遺伝子のメチル化状態はやや高い。従って,iPS 細胞の癌化に関与する可能性も示唆された。
ES 細胞以外の幹細胞でも Lefty の発現調節はエピジェネティック因子によって厳密に制御され,さらに Lefty の発現量が癌の悪性化とも密接に関連している可能性が示された。現在我々は口腔領域における基底細 胞母斑症候群に注目し iPS 細胞の作製と,Lefty 遺伝子の発現機構について研究を行っている。
<受賞論文>
Suppression of Lefty expression in induced pluripotent cancer cells. Saito A, Ochiai H, Okada S, Miyata N, Azuma T
FASEB J.2013 Jun ;27⑹:2165−74. ≪プロフィール≫ <略 歴> 平成18年3月 東京農業大学卒業 平成18年4月 東京歯科大学分子再生研究室研究補助員 平成21年4月 東京歯科大学生化学講座研究補助員 平成25年8月 東京歯科大学生化学講座助手 現在に至る
平成25年度 学長奨励研究賞受賞講演 2
ES, iPS 細胞における未分化調節機構 Nodal-Lefty 系の
ヒト癌細胞におけるエピジェネティック調節機構
東京歯科大学生化学講座助手
齋藤 暁子
学 会 講 演 抄 録 282