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多成分多相流解析による地下水中の空気移動シミュレーション

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Academic year: 2022

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(1)III‑076. 土木学会第58回年次学術講演会(平成15年9月). 多成分多相流解析による地下水中の空気移動シミュレーション 大林組技術研究所. 正会員. ○西田憲司. 同. 上. フェロー. 上野孝之. 同. 上. 正会員. 須藤. 賢. 1.はじめに 揮発性有機化合物で汚染された土壌・地下水の浄化技術の一つにエアースパージング法があげられる。こ れまでにも実現場で適用されている手法であるが、その設計技術は確立されいないのが現状である。こうし た背景から、本研究では数値解析技術を援用した設計技術の確立を目指している。ここでは、地盤内、特に 地下水中における空気の移動現象を多成分多相流解析技術を用いてシミュレートすることを試みた。以下に 詳述する。 2.室内実験の概要 シミュレーションにあたっては、江種らの室内実験. 1). を対象にした。江種らは、地下水中に注入された複. 雑な空気の流れを明らかにするため、図−1に示す二次元水槽を用いた実験を行っている。実験では、140cm ×59cm×7cm の水槽内に粒径 1mm のガラ スビーズ多孔体を形成し、水槽の左右両端. 140cm 110cm. の水位を一定に保った状態で水槽底部から 空気を注入し、空気の移動状況をマノメー. 水の供給. 水位調節タンク. タなどで測定している。空気を連続的に注 入した場合の注入空気の拡がりを図−2に. DO除去装置. ガラスビーズ層. 実験を行っているが、ここでのシミュレー. 送液ポンプ. 42cm. 59cm. 示す。江種らは空気を間欠的にも注入して. P マノメーター 排水管. ションでは、図−2に示した連続空気注入 のケースを取り上げることとする。. 排水管 コンプ レッサー. 3.解析モデル ここでの地下水中の空気移動現象シミュ レーションは、将来のエアースパージング. 空気注入口 排水. 排水. 空気の注入(連続11.5L/min). 法における予測を視野に入れて行う。した. 図−1. がって、多孔質媒体内における3成分(空. 江種らの実験概要. 気+水+VOC)3相(気相+水相+NAPL) から成る流動の支配方程式を差分法によって定式化した手法を用 いることにした。その手法として、米国ローレンスバークレイ国 立研究所が開発した多成分多相3次元地下水シミュレータ Tough2 Ver.22) を適用した。 解析モデルを図−3に示す。解析は、Case1:地下水中に空気. 5分後 128分後. を注入する前の段階を定常解析で、Case2:空気注入後を非定常 解析で行った。したがって、Case1 においては図−3の底部に記 した空気注入条件は与えていない。Case2 における空気注入口は. 図−2 江種らの実験結果 (注入空気の拡がり). 浸透,数値解析,地下水,透気性,透水性 〒204‑8558. 東京都清瀬市下清戸 4‑640. TEL:0424‑95‑1090 ‑151‑. FAX:0424‑95‑0903.

(2) III‑076. 土木学会第58回年次学術講演会(平成15年9月). 水平方向に一定幅の矩形形状と仮定した。. 1.1m. 水面より上になる上面水平境界と側方境界に、. 【空気】P0=1×105Pa. 一定大気圧 0.1Mpa 条件を与えた。また側方境界 の水面より下の水没部分には静水圧+大気圧. 水面. 多孔質透水透気媒体の絶対浸透率 k は、実験地 盤の飽和透水係数 K l =2.0cm/sec と、水の密度およ. 【水】P0+ρgh(Pa),ρ:1000kg/m3, g:9.81m/sec2,h:水深(m). 0.42m. 0.59m. 0.1Mpa の境界および初期条件を付与している。. び粘性を考慮して k =2.32×10 -2m2 とした。飽和 度と相対浸透率の関係は図−4に示すとおり、水. 絶対浸透率ゼロ. 空気注入2.33×10‑2kg/sec. 相および空気相ともに線形関係であると仮定した。 空気の注入条件については実験値流量 Q=. 気相の相対浸透率krg[−]. 要素単位で空気質量を定義する機能を利用し、注 入質量を m=2.33×10 -2 kg/sec とした。 4.解析結果と考察 解析結果として、Case1 空気注入前の圧力分布を図− 5に示す。図から静水圧分布がうまくシミュレートでき ていることがわかる。水相底面部の圧力は、実験値 104,120Pa に対し解析解は 101,040Pa でほぼ一致してお. 解析モデル. 1. 1 直線近似. 0. 0. 1 水相飽和度Sl. り、流速や飽和度分布も問題なくシミュレートできてい. 図−4. る。Case2 空気注入の場合について、注入 128 分後の飽. 0. [−]. 飽和度と相対浸透率の関係. 和度分布を図−6に示す。実験同様、空気. 104040 103788. は上方に移動するに連れて広がっていく様. 103535 103283. 子がシミュレートできている。しかし水面. 103030 102778. 付近で解析解と実験値にズレが見られる。. 102525 102273. また図面は割愛するが、流速ベクトルも局. 102020 101768. 所的に不自然な結果が認められた。こうし. 101515. た結果は、空気注入条件の与え方に起因す. 101263. るものと考えられ改善する必要がある。. 100758. 5.おわりに. 100253. ここでは、地下水中での空気の移動現象. 水相の相対浸透率krl[−]. 図−3. 11.5L/min をそのまま与えることができないため、. 101010. 100505. 100000. 図−5. 解析結果Case1空気注入前の圧力分布. を多成分多相流解析技術によってシミュレ ートした結果を述べた。特に、文献 1)に詳細. 1.. (Pa) 0.938. なデータが掲載されている江種らの実験結果. 0.875 0.813. を利用させていただいた。今後もより正確な. 0.750 0.688. シミュレートを目指して解析技術を改善して. 0.625 0.563. いく予定である。. 0.500 0.438. 【参考文献他】1)江種伸之・中藤康拓・生原. 0.375 0.313. 功一・平田健正:水分飽和多孔体に注入した. 0.250 0.188. 空気の移動と溶解特性,地下水学会誌,第 44. 0.125 0.0625. 実験5分後. 巻第 4 号,pp.285〜294,2002. 2)http://www-esd.lbl.gov/TOUGH2/. 図−6. ‑152‑. 実験128分後. 0.. 解析結果Case2空気注入128min後の飽和度分布.

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