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景観を決定している評価要素に関する研究

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Academic year: 2022

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(1)VII-097. 景観を決定している評価要素に関する研究 ㈱ジオスケープ. 正. 員. 須田清隆(Kiyotaka Suda). ㈱ジオスケープ. 正. 員. 宮崎栄一郎(Eiichiro Miyazaki). ㈱ジオスケープ. ○正. 員. 佐藤文彦(Fumihiko Sato). 正. 員. 井出康郎(Yasuro Ide). 北海道開発局. 1.研究の目的 景観計画では、視点場から眺めることのできる視覚情報についての分析・評価が前提となるが、評価対 象となる視点場や眺望景観等の選定は、関係者間の合意形成に依存する部分が多く、客観的な判断が難し いのが現状である。本研究の目的は、連続的な空間において風景を眺める際に利用される眺望地点と、そ こからの眺望対象を客観的に抽出し、景観計画に利用できる景観特性を把握することである。 2.研究内容 研究では、実際の空間で利用されている眺望地点と眺望対象を調査し、その結果の分析から景観を決定 している評価要素の抽出を図った。そのために行った調査方法と調査項目を以下に示す。 表-1.調査方法と調査項目 写真調査 調査方法. 「好きな」または「気になる」 風景の撮影写真. 調 眺望地点 撮影地点を分析 査 項 目 眺望対象 景観要素を分析. 動線調査. スケッチ調査. 行動観察による動線記録. 眺望地点で描いた 「好きな」風景スケッチ. 動線記録から停留地点を分析 眺望範囲.方向.景観要素を分析. 3.眺望地点の分析 眺望地点の調査にあたっては、写真調査、動線調査により得られた情報(図-1、2参照)を用いて分析 した。その結果、写真調査、動線調査に共通して利用頻度が集中している場所が確認できた。この場所 は、風景の眺望に際して「一般性を有する眺望地点(以降:景観場)」の存在を示していると考えられ る。施設の計画段階では、このような「景観場」を事前にに予測した上で、その場所への動線やそこから の景観について検討することが、良質な景観を形成する重要なポイントになると考えられる。 主要視点場. 主要停留地点. 主要動線. 主要動線. 図-1.写真調査の撮影地点. 図-2.動線調査による停留地点. 4.眺望対象の分析 前述の「景観場」における眺望対象について分析した結果、「景観場」で眺望されている風景は、特定 の方向や範囲に収束する傾向があった。このため、その範囲の視覚情報を分析することで、「好ましい」 キーワード:景観評価、評価要素、景観要素、眺望地点、眺望対象 連. 絡. 先:〒107-0061. 東京都港区北青山 2-5-8 TEL03-5474-1190 FAX03-3404-4181. -194-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

(2) VII-097. 「好ましい」景観として認 識されるために必要な景観 要素を抽出することができ ると考え、スケッチと写真 を構成している景観要素 (図-3、4参照)について 分析した。分析の結果、両 調査に共通して特に出現頻 度が高い景観要素の存在が 確認された。これらの頻度 が高い景観要素により、 「景観場」で眺望される風 景の一般的な「景観構成」 が認識されていると考えら れた。. 図-3.スケッチ調査の景観構成. 図-4.写真調査の景観構成. 写真調査. 図-5.景観要素の分類. スケッチ調査. 図-6.景観要素の出現頻度. 4.考察 調査・分析の結果、面的な広がりを有する調査対象地において、魅力的な景観を決定する「景観場」と 「景観構成」の関連を捉えることができたと考える。計画段階で計画地の「景観場」と「景観構成」を把 握することができれば、それらの情報を提示することにより、実際の空間で行われている景観認識につ いて評価が可能になると判断する。 5.今後の課題 景観特性の把握手法をより信頼性の 高いものとしていくにあたり、眼球運 動測定装置を用いた注視点と景観要素 の関連性分析(図-7、8参照)や、視覚 情報認識と景観イメージの関連性分析 (図-9参照)等といった視覚情報をよ り定量的に捉えていくための研究が必 要であると考える。 今後は「景観場」において得ること のできる視覚情報の分析を中心に、計 画段階で利用できる様々な事例に適用 可能な手法の確立を目指し研究を進め る予定である。. 図-7.眼球運動計測装置. 写真提示調査 参考文献. 図-8.注視点と景観要素の関連性分析. 現地調査 図-9.景観イメージ調査. 1)藤田光則、久保秀夫他:自然と人の調和を求めた札内川ダム事業について 土木学会北海道支部論文報告集、1999.02 2)須田清隆、田村順一他:開放空間としての札内川ダム空間のデザイン手法の提案 土木学会北海道支部論文報告集、1999.02. -195-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

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