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GPS と GLONASS を併用した移動時の RTK 測位解の比較分析

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Academic year: 2022

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(1)Ⅳ-82. 第37回土木学会関東支部技術研究発表会. GPS と GLONASS を併用した移動時の RTK 測位解の比較分析. 1.はじめに. 日本大学. 学生会員 ○ 千葉 史隆. 日本大学. 学生会員. 池田 隆博. 日本大学. 正 会 員. 佐田 達典. 日本大学. 正 会 員. 石坂 哲宏. 上記の研究より,GLONASS を併用することで移動測位. 現在,測位用の人工衛星としてアメリカの GPS とロシア. 時の測位率の向上が確認された.しかし,実験回数が少な. の GLONASS が運用中である.今後日本の準天頂衛星,EU. く,比較時間も短かったため,定量的な評価までに至って. の GALILEO,中国の北斗などの新しい人工衛星の運用が開. いない.. 始され,衛星数が増加し RTK 測位における高精度測位解. 5.RTK 測位実験. (Fix 解)の時間が増加することが予想される.. (1)実験内容. 本研究では様々な衛星測位条件下で,受信機を等速で移. GPS のみと GPS・GLONASS 併用とを切り替えて,等速. 動させて RTK 測位を行い, 「GPS のみ」の場合と「GPS と. で移動しながら RTK 測位を行った.様々な測位条件下で等. GLONASS 併用」の場合とで Fix 解の測位解を比較分析した.. 速移動での観測を行うために,受信機と無線機を装着した. 2.RTK 測位. セグウェイで走行した.. RTK-GPS(Real time Kinematic GPS)は実時間でキネマテ. 実験場所は日本大学理工学部船橋キャンパス測量実習セ. ィック測位を行う方式である.基準局はその観測した位相. ンター周辺を 3 周ずつ走行し各 5 回 10 セットを行った.実. 積算値データを通信システムを介して移動局へ伝送する.. 験状況を図-1に示す.. 移動局ではそのデータを利用し,リアルタイムに移動局の 干渉測位計算を行い結果を出力する.測位精度は 20mm 程. 実験に使用した受信機は,トプコン社製 LEGACY-E+であ る.. 1). 度である . 3.観測測位解の種類 RTK 測位とは干渉測位の一種であり,波数に波長を乗じ て求める.しかし受信機に搬送波が到達した際,波の小数 部は把握できるが整数部は不明である.この整数部を整数 値バイアスと呼ぶ.. 移動局. RTK 測位で求められる測位解については,バイアスを整 数値で求めた解を Fix 解(厳密解)と呼び,実数値で求めた. 基地局 図-1 実験状況. (2)実験結果. 解を Float 解 (非厳密解) と呼ぶ. Fix 解の精度は 5mm~20mm. 走行軌跡上の観測測位解の種類を図-2,図-3,衛星. 程度であり,Float 解の精度は 10cm~数 m 程度である 1).し. 数と測位解の関係を図-4,図-5,実験結果を表-1に. かし,衛星電波の受信が中断したなど観測状態が十分でな. 示す.なお走行軌跡は緯度,経度から平面直角座標系(第. いと単独測位解となり,精度が 10m 程度に低下する.. Ⅸ系)の X 座標,Y 座標に変換しているが,図では北方向,. 4.既存の研究. 東方向で表している.Fix 解を青,Float 解を緑,単独測位解. GLONASS を併用した RTK 測位における既存の研究とし. を赤で示す.. ては,沖田ら(2008)2)が実施した併用効果の比較がある.. (3)考察. その結果,GLONASS を併用した場合,GPS のみの場合よ. ①測位解の傾向. りも Float 解の割合が減少し,Fix 解の割合が増加したこと が確認された.. 表-1に示すように,GPS・GLONASS を併用した場合 GPS のみの場合よりも Fix 解の割合が 30.6%増加し,Float. キーワード GPS,GLONASS,RTK,測位解,セグウェイ 連絡先 〒247-0063 千葉県船橋市習志野台 7-24-1 日本大学理工学部 社会交通工学科 TEL 047-469-8147.

(2) Ⅳ-82. 第37回土木学会関東支部技術研究発表会. 19950. 20000. 20050. 20100. -30480. 20200. 19950. Fix解 建物,木. センター -30520 基地局. -30560. 20100. 20200 Fix解 建物,木. 8号館. センター -30520. -30560. 東西方向(m). 20150. 単独測位解 Float解. -30500. -30540. 図-2 GPS 観測結果 衛星数(個). 20050. -30480. 8号館. -30500. -30540. 20000. -30460. 南北方向(m). 南北方向(m). 20150. 単独測位解 Float解. -30460. 基地局. 東西方向(m). 図-3 GPS・GLONASS 観測結果 6. 12 10 8 6 4 2 0. 4. 2 0. Fix解 Float解 単独測位解 衛星数. 14:05:32 14:05:59 14:06:26 14:06:53 14:07:20 14:07:47 14:08:14 14:08:41 14:09:08 14:09:35 14:10:02 14:10:29 14:10:56 14:11:23 14:11:50 14:12:17. 時刻(時:分:秒). 衛星数(個). 図-4 GPS 観測結果 6 5 4 3 2 1 0. 12 10 8 6 4 2 0. Fix解 Float解 単独測位解 衛星数. 14:15:03 14:15:29 14:15:55 14:16:21 14:16:47 14:17:13 14:17:39 14:18:05 14:18:31 14:18:57 14:19:23 14:19:49 14:20:15 14:20:41 14:21:07 14:21:33. 時刻(時:分:秒). 図-5 GPS・GLONASS 観測結果 表-1 実験結果. GPS Fix解 Float解 単独測位解 平均衛星数. (%) (%) (%) (個). 29.6 53.9 16.3 5.4. GPS・ GLONASS 60.2 29.1 10.8 7.7. いても Float 解,単独測位解が観測された.図-5の時刻 14:15:55 の地点は,5 衛星以上観測されているが単独測位解. 差 30.6 -24.8 -5.5 2.3. 解の割合が 24.8%,単独測位解が 5.5%減少した.GPS・. となった. これは図-3に示している8号館の影響により, 衛星電波の受信が頻繁に中断したなど,測位環境が悪くな ったためであると考えられる.衛星数が増加しても上空の 視界状態が測位精度に影響を及ぼすことが分かった. 6.おわりに. GLONASS 併用時の Fix 解の増加率と,Float 解,単独測位. 本研究では様々な衛星測位条件下で,受信機を等速で移. 解の減少率の合計値が一致することから,GPS のみの観測. 動させて RTK 測位を行った.その結果,GPS と GLONASS. で Float 解,単独測位解だった地点が,GPS・GLONASS を. を併用した場合,GPS のみの場合よりも Fix 解の時間が増. 併用することで Fix 解になったと考えられる.. 加したので,衛星数の増加が RTK 測位における Fix 解の増. 図-2,3を比較すると Fix 解,単独測位解が GPS のみ,. 加につながることが分かった.. GPS・GLONASS 併用時ともに共通する地点で得られた.. 謝辞. Fix 解が得られた地点は衛星電波の受信などの観測状態が. 本研究は平成 21 年度科学研費補助金基盤研究 C(20560495). 十分であり,基地局からの位相積算データを送る無線が届. の助成を受けた.ここに記して謝意を申し上げる.. いていたと考えられる.単独測位解が得られた地点は観測. 参考文献. 状態が十分でなく,無線が測量実習センターの陰で届かな. 1)近津博文,佐田達典ほか:空間情報工学概論,日本測量協. かったと考えられる.. 会,pp.91,96,2005 年. ②測位解と衛星数の関係. 2)沖田孝介,佐田達典,川口拓哉:RTK 測位における. RTK 測位は衛星数が最低 5 衛星以上なければ観測できな いが,図-4,5より 5 衛星以上観測されている地点にお. GLONASS 併用効果,土木情報利用技術論文集,Vol.17, pp.203-210,2008.11.

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