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8.有限要素法による解析 8.1 解析モデル概要

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Academic year: 2022

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(1)ねじりを受ける合成部材の力学特性に関する研究 第 8 章 有限要素法による解析. 8.有限要素法による解析 8.1. 解析モデル概要. ねじりを受ける無筋コンクリート柱、鋼殻・鋼管柱、およびコンクリート充填鋼製合 成柱部材を、材料非線型を考慮した有限要素法で解析した。有限要素解析には汎用プロ グラムの SOLVIA を使用された。コンクリート充填鋼管柱とコンクリート充填鋼殻柱の 解析モデルの概要を図 8.1 と図 8.2 に示す。なお、表 8.1 に解析モデルの種類とその概 要を示す。それから、図 8.3〜図 8.5 には実際解析プログラムに流す解析モデルを、モ デル毎に示した。. 図 8.1. 固 定端. コンクリート充填鋼管柱の有限要素法解析モデル 固定端. 15. 15. 70. 15. 15. 70. シェル要素. シェル 要素. 自由端. 自 由端. ソリッド要素. a)鋼殻柱 図 8.2. b)コンクリート充填鋼殻柱. コンクリート充填鋼殻柱の有限要素法解析モデル. 69.

(2) ねじりを受ける合成部材の力学特性に関する研究 第 8 章 有限要素法による解析. 表 8.1. 解析モデルの種類とその概要. 解析モデル. 断面形状. 肉厚 (mm). コンクリート. 正方形. ―. 断面(cm). 総節点数. 総要素数. 4356. 3500. 1440. 1400. 5796. 9220. 3077. 2880. 744. 720. 3751. 5832. 2.3 鋼殻柱. 箱型. 角柱. 3.2 4.5. □ 15×15. 2.3 合成柱. 中実 正方形. 3.2 4.5. コンクリート. 円形. ― 3.5. 鋼管柱. 円形鋼管. 円柱. 4.0 4.5. ? 13.98. 3.5 合成柱. 円形. 4.0 4.5. 要素モデルとしては、鋼部材には4節点SHELL要素、コンクリート柱部材には8節点 SOLID要素を用いた。また合成柱部材において、コンクリートと鋼板の間には、すべり や相互の摩擦を考慮するため、面の直角方向とせん断方向に接触状態を表現するバネ (以降、接触バネと呼ぶ)をモデル化したものも考えた。 固定条件としては、部材に荷重が載荷される上端部は自由境界で、下端部は固定境界 とした。ただし、載荷試験に使用した円形合成柱供試体をモデルにしている為、解析結 果や試験結果との照合に用いた部分は図8.1に示す60cm部分である。正方形鋼殻柱の 場合は70cmmであった。これは、載荷装置から荷重が伝われる部分や補強が行われた部 分を除いたためである。ところで、合成部材の場合、充填コンクリートのSOLID要素の 各節点では、回転方向変位を拘束した。. 70.

(3) ねじりを受ける合成部材の力学特性に関する研究 第 8 章 有限要素法による解析. 図 8.3 鋼角柱とコンクリート 充填鋼殻柱のモデル図. 図8.4 円管柱のモデル図. 図8.5 角柱と円管柱の断面図. 71.

(4) ねじりを受ける合成部材の力学特性に関する研究 第 8 章 有限要素法による解析. 8.2. 鋼材のモデル化. 鋼殻柱(SS400)、鋼管柱および合成部材(STK41)に使用する鋼材の諸元を表8.2に 示す。要素モデルとしては、4節点SHELL要素を用いた。また、材料モデルには図8.6 に示すようにバイリニア型非線形モデルを用いた。 表 8.2. 材質. 鋼材の諸元. 角柱. 円管柱. SS400. STK41. 肉厚(mm). 2.3. 3.2. 4.5. 3.5. 4.0. 4.5. 初期弾性係数 E0 (kgf/cm2). 2.1×106. 2.0×106. 2.0×106. 2.1×106. 2.1×106. 2.1×106. 塑性硬化率 ET (kgf/cm2). 2.1×104. 2.0×104. 2.0×104. 2.1×104. 2.1×104. 2.1×104. 降伏強度 σ y (kgf/cm2 ). 3260.2. 3283.7. 2834.6. 3291.0. 3361.7. 3549.4. ポアソン比 ν. 0.3. 0.3. 0.3. 0.26. 0.26. 0.28. σ 4σ 0 0y. ET. E = 2 . 1 × 10 kgf / cm 6. ε. 図 8.6. 鋼部材の応力−ひずみ関係. 72. 2.

(5) ねじりを受ける合成部材の力学特性に関する研究 第 8 章 有限要素法による解析. 8.3. コンクリート. 無筋コンクリートおよび充填コンクリートの諸元を表8.3に示す。要素モデルには、 8節点SOLID要素を用いた。また、材料モデルにはSOLVIAで提供されているコンクリー トモデルを用いた。図 8.7にコンクリート部材の応力−ひずみ関係を示す。 表 8.3. コンクリートの諸元 角柱. 円管柱. 合成柱肉厚(mm). 2.3. 3.2. 4.5. ―. 3.5. 4.5. ―. 初期弾性係数 E 0 (10 5 kgf/cm2). 3.55. 3.27. 3.07. 2.73. 2.86. 2.86. 2.03. ポアソン比 ν. 0.214. 0.204. 0.198. 0.187. 0.205. 0.188. 0.133. 一軸引張応力 σ t (kgf/cm2). 47.0. 47.2. 47.4. 47.7. 27.62. 28.84. 29.22. 521.2. 523.6. 526.2. 529.7. 336.81. 318.32. 323.78. ‑0.0022. ‑0.0022. ‑0.0022. ‑0.0022. ‑0.0022. ‑0.0022. ‑0.0022. 495.1. 497.0. 499.8. 503.0. 319.0. 302.0. 300.0. ‑0.0035. ‑0.0035. ‑0.0035. ‑0.0035. ‑0.0035. ‑0.0035. ‑0.0035. 一軸最大圧縮 応力σC (kgf/cm 2) 一軸圧縮 ひずみ. eC. 一軸最終圧縮 応力σU(kgf/cm2) 一軸最終圧縮 ひずみ. eU. 図 8.7 コンクリート部材の応力−ひずみ関係. 73.

(6) ねじりを受ける合成部材の力学特性に関する研究 第 8 章 有限要素法による解析. この図のコンクリート部材の応力−ひずみ関係から、κ、εu、βは物理的な作用に 直接起因するものではなく、実験との比較にはあまり意味を持たないが、プログラム設 計の中で計算を進める上で重要なパラメータであると考えた。これまでの解析において は、これらのパラメータ値は適度な値として、それぞれκ=15、εu=0.0035、β=0.5 を 初期値としてきた。. 8.3.1. 引張り側の軟化程度κ 図 8.7 に示した通りκは、コンクリートの引張り側の軟化程度である。この値はそれ 程大きいものではなく、通常は 5〜15 程度が妥当である。解析では、パラメータを変え たときの解析における違いを検討するため、κ=10、100 という値を与えて初期値と比 較したところ、κの違いは解析にそれほど影響を与えていないため、これ以降はκ=10 を用いることにした。ところが、鋼板が薄くなるとκ=100 の時に解析が最も進んでい る。これは、引張力によるコンクリートの破壊が解析に影響したと考えられる。. 8.3.2 コンクリート終局状態後のひずみ ε u 図 8.7 よりεu はコンクリート終局状態後のひずみであり、圧縮側の軟化の程度に起 因するものである。この値は、初期値として与えた 0.0035 という値が妥当ではあるが、 解析が圧縮破壊の影響をどの程度受けているかを検討するため、初期値のほかに ε. u=0.1 を与え比較した。比較より、εu の影響はほとんどみられなかったので、初期値 である今後 εu=0.0035 を用いることにした。しかしここにも、鋼板が薄くなるとε u=0.1 の方が初期値よりも解析が進んだ。圧縮力によるコンクリートの破壊が解析に影 響したと考えられる。. 8.3.3. 主応力比β. βは主応力比で1より小さい値であり、この値が小さいほどコンクリートが壊れやす いことになる。βが解析にどの程度影響するかを検討するため、初期値より大きいβ =0.75 を与え、初期値と比較したのが、違いはほとんどみられなかった。よって、以下 ではβ=0.5 を用いる。板厚が薄い場合は、初期値より大きいβ=0.75 のモデルの方が計 算結果が若干進んだ。ただし、κやεu の時のような大きな違いは見られなかった。 以上より、合成部材の解析では、外側の鋼板が薄いとき、コンクリートの材料特性が 解析に大きな影響を及ぼす可能性があることが分かった。板厚が十分に厚い部材と異な り、板厚が薄い部材では、荷重を鋼板だけでなくコンクリートも受け持つ形となるので、 解析において、コンクリートの状況は十分に考慮する必要があると考えられる。. 74.

(7) ねじりを受ける合成部材の力学特性に関する研究 第 8 章 有限要素法による解析. 8.4. 接触バネ. 8.4.1. バネ要素モデル. 合成柱部材において,コンクリートと鋼板の間には,すべりや相互の摩擦を考慮する ため,図8.8と図8.9にしめすように,面の直角方向とせん断方向に接触状態を表現する バネを設けた。要素モデルにはバネ(SPRING)要素モデルを用いた。面の直角方向のバ ネ要素モデルはせん断側がゼロで、圧縮側にはほぼ無限大に設定した。せん断方向のバ ネ要素の材料モデルは,バイリニアモデルを採用し、バネ定数はいくつかの比較検討よ りK=10 4 を今後使用する事にした。また,このバイリニアモデルでの降伏値は大体、内 部の充填コンクリートにひび割れが生ずる時の値と判断した。今後、すべり方向の降伏 値については考察が必要である。. steel. steel. concrete te. concrete. P. P. K=104 K=0. ‑ 0.1. δ. δ 0.1. K≒∞. 図 8.8. 図 8.9. 面の直角方向の接触バネ. 75. せん断方向の接触バネ.

(8) ねじりを受ける合成部材の力学特性に関する研究 第 8 章 有限要素法による解析. 8.4.2. バネ定数. 鋼とコンクリートの合成は両者の十分な付着により成り立っている。この供試体の付 着作用は、摩擦作用によるものである。その作用を、バネ接点を用いて再現し、付着の 程度をバネ定数により予測しようとした。 バネ定数の検討は、5 種類の値を使用し、鋼板の厚さが 3.5mmと 4.5mmのコンク. 84500. 71500. 84000. 71000. 83500. 70500. 83000. 70000. 初期剛性. 初期剛性. リート充填鋼管柱に対して行われた。その解析結果を図 8.10 に示す。. K=1.0E3 K=1.0E4 K=1.0E5 K=1.0E6 K=1.0E9. 82500 82000 81500. 69500. K=1.0E3 K=1.0E4 K=1.0E5 K=1.0E6 K=1.0E9. 69000 68500 68000. 81000. 67500. 80500. 67000. (a)CH45. (b)CH35 図 8.10. 解析結果(初期剛性). ここで、初期剛性=ねじりモーメント/ねじれ率である。 バネ定数の違いによる解析結果では、K=103 を除き、初期剛性に若干の違いは見られ るものの、ほぼ同程度であった。ただ、バネ定数の違いが付着力の程度を表しているか どうかはこの結果からは判断できない。付着強度は一般にそれほど大きいものではない ので、計算の便宜上、K=10 4 を今後使用する事にした。. 76.

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