ユニバーサルデザインの考えに基づく 授業の在り方-学力差を乗り越える (算数数学科を通して)
愛知教育大学 志水 廣
本日の講演の話題
どの子にも学力をつけるために
1 音声計算
2 机間指導 特に○付け法
3 やりとり 特に意味づけ復唱法
4 示範授業ビデオからユニバーサルデザイン の考え
43年間の問題意識
• どの子も
• 「わかる」「できる」「身に付く」
ようにして、
• 意欲的な子どもを育てたい。
問題意識の背景
• ある5年生の姿
• 先輩教師からの話
• ようやくたどりついたのが
• ○付け法と復唱法などの志水メソッド
学力向上の事例
現在の学校の現状
1 学力差の問題: 「知」の差 ・2こぶらくだの世界
2 小学校なら45分間で終わらない 中学校なら50分間で終わらない
3 学習意欲が高まらない:「心」の差 ① 自尊感情の低い子ども
② 勉強しすぎてやる気が起きない
「外化」とキャッチ&リスポンス
①課題把握 めあて 見通し
②見通しの実行:課題解決
③発表で振り返り
④練習
⑤まとめ:ノートに振り返り
それぞれの場面で「ずれ」個人差が生じ
るので「確認」と「見届け」が不可欠
ユニバーサルデザインとは何か?
ユニバーサルデザイン(Universal Design:UD)は、
ノースカロライナ大学のロナルド・メイス
(RonaldMace)が文化、言語、国籍の違い、年齢や
性別の違い、障害・能力のあるなしを問わず、誰で も利用することができる施設、製品、情報の設計 の配慮として提唱した概念です。ユニバーサル
(Universal)とは、普遍的な、あまねくという意味の
英語です。
授業に置き換えると、どの子も分かりやすく、適切 な環境で学習できる教師の配慮や工夫といえます。
学力向上の5つのポイント どの子も&配慮
1.直接的な手立て→問題集作成 2.音声計算
3.ユニバーサルデザイン化 ・教師の配慮
・腕を磨くこと
(机間指導:○付け法とコミニュケーショ ン:復唱法)
4.「教えること」と「考えさせること」
5.学習意欲を高める
「授業」という場
• 教材という文化財を伝えつつ
「知」と「心」の変容をもたらす。
頭・心の中に形成
• 教師 子ども
教材
「価値」(面白い)
(知識・技能・考え方・態度)
どの子も満足する授業
• 学習意欲を高めるためには、
• 教材でわくわくする所を探し 出しておくこと
• 「知」と「心」の変容
3年
重さ
調べ
1㎏の砂を袋に入れる
思わず拍手 ぴったり1kg
• 思わず拍手が起きる授業が愛のある授業
「わくわく」のトーンが落ちてきたら
全ての子の願いに対応して
• 「知」
• 1㎏に近いかどう かを考えるさせた い
• 1㎏ ぴったりの 重さを作ること
• 「心」
• 達成感を与えたい
• 教師はどの子も生 かしたい
「ユニバーサルデザインの考え」
の誤解
「どの子」をどうとらえるか
• 学級には、
理解のより早い、通常、遅い子ども
• まずは、理解の遅い子どもに対してどれだけ配慮 がなされるか。
• 対策 志水メソッド (一次支援)
ユニバーサルデザイン
• わかりやすい
• できるようになる
• スモールステップ
• 視覚化 焦点化 共有化
• 繰り返す
• そろえる化
確認と見届け
・つなげる化
45分間で終わる
キーワード
視覚化・・・見て分かる
焦点化・・・シンプルに
共有化・・・分かり合う
学び合う
特別支援から学ぶ
45分間で終わるために
すぐにできるこつ
焦点化 ここだけ書かせる
授業の最後の そろえる化
45分間で終わる ためには
• 授業の内容をはじ めに告知
• すると、・・・
まずは、理解の遅い子どもに対して どれだけ配慮がなされるか。
志水メソッド
• ヒント包含導入法
• ○付け法
• フラッシュカード
• 意味づけ復唱法
• 音声計算
効果的なコツ
• 一斉指導がメインだが
• 机間指導で個別に
• 子どもとのコミュニケー ション
• 基礎力
音声計算練習
• 中学校で数学の力を付けるためには、
• 受験の学力も必要
• その要は、「スピード」
• そのためには、計算はすらすら言えること
考える力の前に 計算力は
• 定着していますか
• 指導要領では、
• 「基礎的・基本的な知識及び技能を 身に付 け」
今回の指導要領で追加された
確実な習得を図るための繰り返し学習 基礎的・基本的な知識・技能の習得
• 4年 整数の計算の能力を定着させ、
それを用いる能力を伸ばす。
• 6年 小数及び分数の計算の能力を定着
させ、それを用いる能力を伸ばす。
二人組でやってみましょう。
• 音 声計算練習法の特徴。
• 1分間で練習
• 二人ペアで行う
• ① まずは、一人練習
• ② 次に、ペアで練習
音声計算練習法
(1)まずは、計算力アップしかも 暗算力のアップを図る。
(2)音声計算練習法とは何か
「計算カードをランダムに並べた 一覧表を手に持って計算して、
答えを声に出していく方法」
• 「算数大好きっ子に育 てる」 明治図書
• 志水 廣・豊田市立 高嶺小学校著
UDの視点から教師の配慮
• 板書
• 問題文
• 提示方法
• 音声言語が記述言語か
• 図や絵で分かりやすく
• などなど言い出したらきりがないくらいある。
UDの配慮についてはこちらをどうぞ
• 算数数学部門 第1位
• 小学校部門 第3位
• 総合ランキング 第3位
• 毎月増刷で第8刷になっ た
• なぜ支持されて
いるのか?
ユニバーサルデザイン
• わかりやすい
• できるようになる
• スモールステップ
• 視覚化 焦点化 共有化
• 繰り返す
• そろえる化
確認と見届け
・つなげる化
45分間で終わる
結 局1
1つ1つの場面について、
分かりやすい工夫、
できるような工夫を
考えるしかない。
結 局2
• 1つ1つの場面を取り上げて、
• 分かりやすい工夫を教えても、それを実行す るのでは、不十分である。
• なぜなら、メタ認知が働かない教師は
• いつもだめな手立てを打ってしまう。
結 局3
• 分かったかどうか、できるようになっ たかは、
• 子どもが教えてくれる。
• ノートを見ると
• 子どもの発言をしっかり聴くと
結 局 4
確認と見届け
をするしかない。ノートで→机間指導、特に○付け法
発言で→子どもの言葉を使う:特に意味づけ復 唱法
(本来は、表情や仕草の非言語の世界で確認を したいのだが)
ノートから子どもの情報が得られる
机間指導の大切さ
○付け法
• 昨日、研究室に来られた、元中学校教師は
○付け法のよさについてこう言った。
• 生徒は個別に見てもらっているという意識
• 「わからない」と言える子どもが育つ
• 見捨てないよという教師の心意気が伝わる
• チャイムがなっても遅れがちの子どもも教師 にノートを見てもらいに来る。
机間指導と○付け法の違い
• 単なる机間指導では、証拠はどこにもない。
• ○付け法は、「○」という証拠がある。
• また、志水式は、教卓に持ってこさせる方法 ではない。
○付け法をするためのポイント
① スピード 5秒・15秒の法則
② 正確さ
③ 声かけ
④ 実態把握
⑤ 判断
⑥ 次への指示
分数のたし算・ひき算
意味づけ復唱法
• 子どもの言葉で授業を作りたい。
• そのためには、的確に切り返すことが不可欠 である。
○付け法
• ○付け法をすると
机間指導の大切さ
分数のたし算・ひき算
コミュニケーションの大切さ
• 子どもの言葉を使った授業
子どもの発言の真意を引き出す方法
子どもの発言を
①「受け止める」・・・・なるほど+
復唱
②「広める」・・・・・・教師が復唱又 は、子どもに復唱させる
③「深める」・・・・WHATで問う
UDを考えすぎると、内容を
下げることばかり考えるだけで は、
そこで、教師は
• 下げ方は知らねばならない
• 上げ方も知らねばならない
問題解決型授業の構築
• 導入 問題把握
↓ 確かな見通しをもつ
• 自力解決 見通しにそって解決 ↓
• 話し合い 解決方法の検討 ↓
• 練習 技能の習熟 ↓
• まとめ 振り返り
志水メソッド
ヒント包含法
○付け法
形成過程○付け法
意味づけ復唱法
試しの1問
適用問題定着法
(フラッシュカード)
適用確認○付け法
各場面で「ずれ」(つまずき)がある この対策として志水メソッドが生ま れた
音声計算練習
児童向け教材の開発
• 「身に付く」ことを目指す
• 1週に3回。2週で6回定着
• 予習(レディネス)と復習(定着)
• 同じタイプの問題
• 基礎計算
• 量と測定、図形、文章題
• 全学年までの復習も含む
• 高い子どもには挑戦問題
• ユニバーサルデザイン仕上げ