第5回算数・数学授業力アップわくわくセミナー東京学習会
どの子もできる
ユニバーサルデザインの授業
愛知教育大学 志水 廣
ユニバーサルデザイン
一般的なUD
• 視覚化
• 焦点化
• 共有化
算数的なUD
• そろえる化
• つなげる化
図、式、答えを
言語で つなぐ
おかげさまで 第9刷
総合ランキング
2014 第3位,2015第5位
• 第9刷になった
• なぜ支持されて
いるのか?
問題意識の背景
• ある5年生の姿
• 先輩教師からの話
• ようやくたどりついたのが
• ○付け法と復唱法などの志水メソッド
現在の学校の現状
1 学力差の問題: 「知」の差 ・2こぶらくだの世界
2 小学校なら45分間で終わらない 中学校なら50分間で終わらない
3 学習意欲が高まらない:「心」の差 ① 自尊感情の低い子ども
② 勉強しすぎてやる気が起きない
志水メソッド
• わかる 「考える」・・・問題解決学習
①自力解決の保証・・・机間指導(○付け法)
②学び合いの保証、子どもの言葉で概念を つくる・・・・意味づけ復唱法
• できる 適用問題定着法
• 身に付く
音声計算
どの子もできる10分間プリント
何を目指しているのか?
「わかる できる 身に付く」の行くつく所
教科の本質について学ぶこと
創造性 主体性 協働性を通して、
算数数学の面白さ
どの子も満足する授業
• 学習意欲を高めるためには、
• 教材でわくわくする所を探し 出しておくこと
• 「知」と「心」の変容
なかでも、1円玉の算数的価値とは?
「授業」という場
• 教材という文化財を伝えつつ
「知」と「心」の変容をもたらす。
頭・心の中に形成
• 教師 子ども
教材
「価値」(面白い)
(知識・技能・考え方・態度)
「外化」とキャッチ&リスポンス
①課題把握 めあて 見通し
②見通しの実行:課題解決
③発表で振り返り
④練習
⑤まとめ:ノートに振り返り
それぞれの場面で「ずれ」個人差が生じ
るので「確認」と「見届け」が不可欠
ユニバーサルデザインとは何か?
ユニバーサルデザイン(Universal Design:UD)は、
ノースカロライナ大学のロナルド・メイス
(RonaldMace)が文化、言語、国籍の違い、年齢や
性別の違い、障害・能力のあるなしを問わず、誰で も利用することができる施設、製品、情報の設計 の配慮として提唱した概念です。ユニバーサル
(Universal)とは、普遍的な、あまねくという意味の
英語です。
授業に置き換えると、どの子も分かりやすく、適切 な環境で学習できる教師の配慮や工夫といえます。
学力向上の5つのポイント どの子も&配慮
1.直接的な手立て→問題集作成 2.音声計算
3.ユニバーサルデザイン化 ・教師の配慮
・腕を磨くこと
(机間指導:○付け法とコミニュケーショ ン:復唱法)
4.見える化 聞こえるか
「教えること」と「考えさせること」
5.学習意欲を高める
「ユニバーサルデザインの考え」
の誤解
「どの子」をどうとらえるか
• 学級には、
理解のより早い、通常、遅い子ども
• まずは、理解の遅い子どもに対してどれだけ配慮 がなされるか。
• 対策 志水メソッド (一次支援)
ユニバーサルデザイン
• わかりやすい
• できるようになる
• スモールステップ
• 視覚化 焦点化 共有化
• 繰り返す
• そろえる化
確認と見届け
・つなげる化
45分間で終わる
キーワード
視覚化・・・見て分かる
焦点化・・・シンプルに
共有化・・・分かり合う
学び合う
特別支援から学ぶ
45分間で終わるために
すぐにできるこつ
焦点化 ここだけ書かせる
授業の最後の そろえる化
45分間で終わる ためには
• 授業の内容をはじ めに告知
• すると、・・・
まずは、理解の遅い子どもに対して どれだけ配慮がなされるか。
志水メソッド
• ヒント包含導入法
• ○付け法
• フラッシュカード
• 意味づけ復唱法
• 音声計算
効果的なコツ
• 一斉指導がメインだが
• 机間指導で個別に
• 子どもとのコミュニケー ション
• 基礎力
音声計算練習
• 中学校で数学の力を付けるためには、
• 受験の学力も必要
• その要は、「スピード」
• そのためには、計算はすらすら言えること
考える力の前に 計算力は
• 定着していますか
• 指導要領では、
• 「基礎的・基本的な知識及び技能を 身に付 け」
今回の指導要領で追加された
確実な習得を図るための繰り返し学習 基礎的・基本的な知識・技能の習得
• 4年 整数の計算の能力を定着させ、
それを用いる能力を伸ばす。
• 6年 小数及び分数の計算の能力を定着
させ、それを用いる能力を伸ばす。
二人組でやってみましょう。
• 音 声計算練習法の特徴。
• 1分間で練習
• 二人ペアで行う
• ① まずは、一人練習
• ② 次に、ペアで練習
音声計算練習法
(1)まずは、計算力アップしかも 暗算力のアップを図る。
(2)音声計算練習法とは何か
「計算カードをランダムに並べた 一覧表を手に持って計算して、
答えを声に出していく方法」
• 「算数大好きっ子に育 てる」 明治図書
• 志水 廣・豊田市立 高嶺小学校著
UDの視点から教師の配慮
• 板書
• 問題文
• 提示方法
• 音声言語が記述言語か
• 図や絵で分かりやすく
• などなど言い出したらきりがないくらいある。
結 局1
1つ1つの場面について、
分かりやすい工夫、
できるような工夫を
考えるしかない。
結 局2
• 1つ1つの場面を取り上げて、
• 分かりやすい工夫を教えても、それを実行す るのでは、不十分である。
• なぜなら、メタ認知が働かない教師は
• いつもだめな手立てを打ってしまう。
結 局3
• 分かったかどうか、できるようになっ たかは、
• 子どもが教えてくれる。
• ノートを見ると
• 子どもの発言をしっかり聴くと
結 局 4
確認と見届け
をするしかない。ノートで→机間指導、特に○付け法
発言で→子どもの言葉を使う:特に意味づけ復 唱法
(本来は、表情や仕草の非言語の世界で確認を したいのだが)
ノートから子どもの情報が得られる
机間指導の大切さ
○付け法
• 昨日、研究室に来られた、元中学校教師は
○付け法のよさについてこう言った。
• 生徒は個別に見てもらっているという意識
• 「わからない」と言える子どもが育つ
• 見捨てないよという教師の心意気が伝わる
• チャイムがなっても遅れがちの子どもも教師 にノートを見てもらいに来る。
机間指導と○付け法の違い
• 単なる机間指導では、証拠はどこにもない。
• ○付け法は、「○」という証拠がある。
• また、志水式は、教卓に持ってこさせる方法 ではない。
○付け法をするためのポイント
① スピード 5秒・15秒の法則
② 正確さ
③ 声かけ
④ 実態把握
⑤ 判断
⑥ 次への指示
意味づけ復唱法
• 子どもの言葉で授業を作りたい。
• そのためには、的確に切り返すことが不可欠 である。
UDの視点
• 見える化(視覚優位、文字言語、図化) 板 書 ノート
• 聞こえているか(聴覚優位、話し言語) 聞き 取れているか 教師の言葉、子どもどうしの 言葉
• 視覚言語と聴覚言語の並行処理の難しさ
原則
原則1 問題文は板書に残したい。
原則2 問題文はノートに残したい。
原則3 問題文の意味の確認が必要。
原則4 きちんと見通しをもっているか。
• なぜか?
授業の最後のそろえる化2
• 技能の面で • 心の変化の面で
• 振り返りを書かせよう。
コミュニケーションの大切さ
• 子どもの言葉を使った授業
子どもの発言の真意を引き出す方法
子どもの発言を
①「受け止める」・・・・なるほど+
復唱
②「広める」・・・・・・教師が復唱又 は、子どもに復唱させる
③「深める」・・・・WHATで問う
UDを考えすぎると、内容を
下げることばかり考えるだけで は、
そこで、教師は
• 下げ方は知らねばならない
• 上げ方も知らねばならない
問題解決型授業の構築
• 導入 問題把握
↓ 確かな見通しをもつ
• 自力解決 見通しにそって解決 ↓
• 話し合い 解決方法の検討 ↓
• 練習 技能の習熟 ↓
• まとめ 振り返り
志水メソッド
ヒント包含法
○付け法
形成過程○付け法
意味づけ復唱法
試しの1問
適用問題定着法
(フラッシュカード)
適用確認○付け法
各場面で「ずれ」(つまずき)がある この対策として志水メソッドが生ま れた
音声計算練習
児童向け教材の開発
• 「身に付く」ことを目指す
• 1週に3回。2週で6回定着
• 予習(レディネス)と復習(定着)
• 同じタイプの問題
• 基礎計算
• 量と測定、図形、文章題
• 全学年までの復習も含む
• 高い子どもには挑戦問題
• ユニバーサルデザイン仕上げ
教師用 コピーフリー
理由
• 表紙の絵がすてきだから
• 英語文字に弱いから
• 薄いから
• 書いている内容が分かりやすいから
• 時代の求めているものであるから
• 特別支援児に困っているから
• 2こぶラクダだから
• どの子も「わかる」「できる」ようにしたいから
〇確かな「定着」・・・連続的に、計画的に定着 を図ること
• 手立て1 フラッシュカードによる定着…その 場で定着
• 手立て2 音声計算練習による定着…声に 出して記憶
• 手立て3 「どの子もできる10分間プリント」
による定着…忘却曲線を利用したスパイラル 練習ワークシート
視覚化
授業の展開の
視覚化
問題集
ユニバーサ ルデザイン
仕上げ
算数・数学科の授業の特徴
• 積み上げの科目である。
そろえる化
• 何をそろえますか?
算数に限らず「そろえる」化
• 道具をそろえる
• ノートをそろえる
• 授業スタイルをそろえる
• 板書をそろえる
• 計算練習をそろえる
道具をそろえる
例 分度器がばらばらだと・・・
算数の授業の段階で「そろえる化」
• レディネスをそろえる
• 問題把握をそろえる
• 見通しをそろえる
• 解決をそろえる
• 解き方をそろえる
• まとめをそろえる
そろえる化
• レディネスをそろえる
• 問題把握をそろえる
• 見通しをそろえる
• 解決をそろえる
• 解き方をそろえる
• まとめをそろえる
そろえる化
• レディネスをそろえる
• 問題把握をそろえる
• 見通しをそろえる
• 解決をそろえる
• 解き方をそろえる
• まとめをそろえる
• 授業前
• 問題の導入
• 見通しの固定化
• 自力解決では全員がで きていること・・○付け法
• 発表の場面では中心の 解決方法(手順)をそろえ る。すると、問題練習に 入ることができる
• さらに、適用問題定着法 でそろえる
そろえる化
• 一授業時間の中でそろえる
• 単元でそろえる
授業の冒頭
をそろえる
手順の視覚化
UDの実現のために
• 静かに「取り組む」環境づくり
• 「聴く」環境
• 「考える」環境
• 「調べる」環境
• 「作業する環境」 手順の明確化
目 次
•• Contents Part1 すべての子どもに対応 できる! 志水流算数指導法 の極意• Part2 授業のユニバーサルデ
ザイン化は難しい?
• Part3 ルール1 全員参加の
環境を整えよう!
• Part4 ルール2 かかわり方を
見直そう!
• Part5 ルール3 授業の組み
立てはシンプルにしよう!
Part6 ルール4 スモールス テップを意識しよう!
• Part7 ルール5 習熟・活用の
システムを作ろう!
事 例 応用行動分析
• アイデア13
• 行動の「意味=機能」を考 えよう
• 教室から出て行く子どもの 真意は?
プリントをする時 ↓
教室を出る ↓
??????
結果
結果は、逃避・回避
叱られて問題をする時間がなくなる
では、どうすればよいか
1 問題の難易度を変える
2 個別にヒントを与える ○付け法 3 最初の一問を一緒に考える
• とにかく 「できる」という体験をさせる
では、ユニバーサルデザインの 考えにもとづく授業は
どうすればよいのか
□指導のスモールステップ
• 教師側のスモールステップ
• 子ども側のスモールステップ
• 「教えた」と「わかった」「できた」は異なる!!
志水メソッドは、一次支援
• Part1 すべての子どもに対応できる!
• 志水流算数指導法の極意/志水 廣
• 1 志水流算数指導の基本精神
• 2 ユニバーサルデザインと志水メソッド
• 3 ○付け法はどの子も救う
• 4 スモールステップをつかむ
• 5 算数の数理に気づかせる意味付け復唱法
• 6 どの子にも計算力を保証する音声計算練習
①
• 7 どの子にも計算力を保証する音声計算練習
②
• Part2 授業のユニバーサルデザイン化は難 しい?/大羽 沢子
• 1 ここがポイント! 通常学級での特別支援 教育
• 2 「専門性」の罠
• 3 優先順位をつける大切さ
• 4 5つのルールで授業が変わる
Part3 ルール1 全員参加の環境を 整えよう!/大羽 沢子
• アイデア1 シンプルな教室環境を作ろう
• アイデア2 子どもの動線を考えて配置しよう
• アイデア3 学習用具は共通化しよう
• アイデア4 姿勢を整える座り方を工夫しよう
• アイデア5 集中力を高める座席の配置を工夫しよう
• アイデア6 便利なグッズを活用しよう
• アイデア7 シンプルなルールを明示しよう
• アイデア8 子どもの得意な分かり方を知ろう
• アイデア9 学ぶ場を構造化しよう
• アイデア10 時間を構造化しようcolumn ポイントは
「ほめ方」と「達成感」
Part4 ルール2 かかわり方を見直そう!
• アイデア11 3つの枠で行動を考えよう
• アイデア12 結果OK! で「やる気」を引き出そう
• アイデア13 行動の「意味=機能」を考えよう
• アイデア14 困っているのはどんな時か考えよう
• アイデア15 できていることをつかもう
• アイデア16 子どもとのやりとりを振り返ろう
• アイデア17 「やめなさい!」より「こっちをやろう」
• アイデア18 気になる行動には対応を決めておこう
• アイデア19 「簡単すぎる」がコツ
• アイデア20 簡単に記録する工夫をしよう
• column なんで,あの子はいつもあんなことをするの
だろう
Part5 ルール3 授業の組み立ては シンプルにしよう!志水メソッド
• アイデア21 「難しいよね」と共感して安心感を
• アイデア22 授業の始まりは「簡単すぎる」がコツ
• アイデア23 算数的活動は目的「何のために」,手順「何 をするか」明確に
• アイデア24 視覚化+具体的な指示でスッキリ!
• アイデア25 ○付け法(適用題)で自信をつけよう
• アイデア26 二人対話法で基本のやりとりをしよう
• アイデア27 意味付け復唱法を活用しよう
• アイデア28 子ども達の力をもっと使おう
• アイデア29 楽しい活動を最後に設定しよう
• アイデア30 学びの評価は視点を決めて行おう
• column 子ども達の声から①column 子ども達の声から
②
Part6 ルール4 スモールステップを 意識しよう!
• アイデア31 具体物・数字・数詞のマッチングを確認し よう
• アイデア32 たし算のスモールステップ
• アイデア33 ひき算のスモールステップ
• アイデア34 かけ算のスモールステップ
• アイデア35 わり算のスモールステップ
• アイデア36 単位のスモールステップ
• アイデア37 測定のスモールステップ
• アイデア38 図形のスモールステップ
• アイデア39 図を理解するスモールステップ
• アイデア40 数量関係のスモールステップ
Part7 ルール5 習熟・活用のシステ ムを作ろう!
• アイデア41 簡単な計算はスラスラ体験させよう
• アイデア42 言葉は繰り返し,楽しく鍛えよう
• アイデア43 学習機会を増やすだけで変わる
• アイデア44 「できない時はこうすれば」を増やそう
• アイデア45 予習こそ意欲向上の要
• アイデア46 教科書準拠ノートを活用して負担軽減
• アイデア47 宿題(家庭学習)の習慣づけは必須!
• アイデア48 個人差への対応を準備しよう
• アイデア49 学校全体で学び方を整えよう
• アイデア50 答えは子どもが教えてくれる
ユニバーサルデザイン 結局は
• 結局は、
• 子どもに分かってほしい、できるようになって ほしいという気持ち
• 教師:「教育愛」で育てること
• 子ども:「教科愛」を感じる子ども