平成28年12月16日 沖縄県算数教育研究会
分かる・できる算数授業づくりのコツ
ユニバーサルデザインの視点で
愛知教育大学名誉教授 志水 廣
概 要
1.授業の解説
2.分かる・できる授業づくりのコツ
3.ユニバーサルデザインの視点
• 2014.3 現在10刷
• ベストセラー
• 算数の指導の基盤 →スモールステップ →環境整備
• ユニバーサルデザインの 考え方
→授業のユニバーサ ルデザイン化
→かかわり方(応用行 動分析)
2016.10 2刷 算数部門第1位
小学校部門第2位 総合 第3位
算数の授業づくり ・分かる
・できる
・身に付く コツ ・そろえる
・よりそう
ユニバーサルデザインとは何か?
ユニバーサルデザイン(Universal Design:UD)は、
ノースカロライナ大学のロナルド・メイス
(RonaldMace)が文化、言語、国籍の違い、年齢や
性別の違い、障害・能力のあるなしを問わず、誰で も利用することができる施設、製品、情報の設計 の配慮として提唱した概念です。ユニバーサル
(Universal)とは、普遍的な、あまねくという意味の
英語です。
授業に置き換えると、どの子も分かりやすく、適切 な環境で学習できる教師の配慮や工夫といえます。
アクティブラーニングの学術的な定義
• 『一方的な知識伝達型講義を聴くという(受動
的)学習を乗り越える意味での、あらゆる能動的 な学習のこと。能動的な学習には、書く・話す・
発表するなどの活動への関与と、そこで生じる 認知プロセスの外化を伴う』
京都大学 溝上慎一教授
• とされています。例えば小学校の国語や社会の授 業の中で日常的に行われる生徒同士の話し合い活 動などもアクティブ・ラーニングの1つと言えますし、
この言葉にはかなり広いものが含まれると考えて良 いでしょう
京都大学 西岡加名恵
今年 4 月刊行 4刷
• 2つのしかけ
• 基礎・基本と活用・発展
• 算数のきまり
• わくわく
• 2こぶらくだ(学力差)に 対応
算数科で何が目標なのか
• ユニバーサルデザイン
• アクティブラーニング
• 算数を「分かる」「できる」「身に付く」子ども。
• 算数が面白い。
• 解決できて面白い、算数を創造できて面白い。
面 白 い!!
• 算数は面白いですか?
• どこが面白いですか?
三角定規の面白さ
面白さの観点
• 辺の数
• 角の数
• 頂点の数
• 辺の長さ
• 等辺、比
• 角の大きさ
• 等角、角の 比
• 倍積変形
何が見えるか? → 見つけると面白い
数学の面白さを伝えるためには
• まず、「面白い!」って言うこと。
• 「面白さ」を説明する
• 目で見せる・・・視覚化
• 動きで見せる・・・動作化
• 体験させる・・・・・体験化
• 問題を解かせる・・・問題解決化
• 振り返る・・・・内省化
分かるために
• 実感化
• 見て、やってみて
• 「分かる」ためには五感を通して。
• 「分かる」とは行動化できること。
1年 どちらがながい
教科書より
三角形の内角の和
3つ合わせると 分解 → 合成
分度器で確かめる
• 実感化
5年生 交換法則が成立する
小数でも交換法則は成り立つか?
1.7×2.45 2.45×1.7
•
1.7
• × 2.45
•
85
• 6 8
• 3 4
• 4 1. 65
•
2.45
• × 1.7
• 1 7 15
• 24 5
• 4 1. 65
1.7×2.45 2.45×1.7
1.7 × 2.45
85
6 8 3 4
4 1. 65
• 本当だ。小数でも 成り立つ。
2.45
× 1.7
17 15 24 5
41. 65
• 「知」と「心」の同 時変容
実感化
視覚化+動作化で実感化
分かりやすい、できるようになる
• スモールステップ
• 視覚化 焦点化 共有化
• 繰り返す
• そろえる化
• つなげる化
• 実感化
確認と見届け
45分間で終わる
算数の授業タイプ
1 概念導入型
• 定義は教える
• 定理は考えさ せる
2 問題解決型
• 定理を考え出す。
• 定義・定理を活 用する。
3 習熟型 技能は身に付けさせる
• 導入 問題把握
↓ 確かな見通しをもつ
• 自力解決 見通しにそって解決 ↓
• 話し合い 解決方法の検討 ↓
• 練習 技能の習熟 ↓
• まとめ 振り返り
各場面で
「ずれ」
(つまずき)
がある
この対策と して志水メ ソッドが生 まれた
問題解決型の授業では
UDそろえる化
• 導入 問題把握
↓ 確かな見通しをもつ
• 自力解決 見通しにそって解決 ↓
• 話し合い 解決方法の検討 ↓
• 練習 技能の習熟 ↓
• まとめ 振り返り
ヒント包含法
○付け法
形成過程○付け法
意味づけ復唱法
試しの1問
適用問題定着法
(フラッシュカード)
適用確認○付け法
各場面で「ずれ」(つまずき)がある この対策として志水メソッドが生ま れた
音声計算練習
「ユニバーサルデザインの考え」
の誤解
「どの子」をどうとらえるか
•
学級には、理解の
[早い、普通、遅い] 子どもがいる。
• まずは、理解の遅い子どもに対して配慮 対策 志水メソッド (一次支援)
• 次に、理解の早い子どもに対しての配慮
深い学びのために
• 教師の授業力の向上
①教材把握力× ②子ども把握力×
③指導技術力×
④精神エネルギー
特に、即時のキャッチ&リスポン ス能力
• 子どもの授業力の向上
• 一般的な力
聴く力、話す力、書く力 読む力(読み取る力)
・算数的な力 考える力
計算力
基礎問題解決力
志水メソッド
• 基礎の計算力
• 基礎の問題解決力
• 授業中の問題解決力
問題把握・見通しをもつために
・自力解決するために
・解決方法の定着
• 音声計算
• 10分間プリント 習熟・
予習・発展
①ヒント包含法
②○付け法(机間指導)
③意味付け復唱法
④適用問題定着(フラッ シュカード)
即時のキャッチ
&リスポンス
観点① 分かる → できる → 身に付く
• 活用力
• 授業で困らない力
• 基礎問題
思考力・判断力・表現力
授業で困らない力とは、
• 算数の授業中に出てくる計算、
量、図形の知識が必要なときに 記憶から取り出せる力
• すらすら力
• 基礎問題がベース
• 計算問題、量、図形の基礎問題
• 音声計算
基礎問題 音声計算
予習と復習ができる問題集
復習ができる問題配列
• 1番 計算
• 2番 数の性質
• 3番 量と測定・図形
• 4番 文章題
• 宿題、朝の学習に最適
• 1週間では
• 1日目→2日目→3日
目と繰り返し学習
「できる」喜びを感じる
・3回定着の法則
・下の学年の内容も配置
自然に予習ができる問題
• 第19週 p37
• 1番の問題
• (7+5+6)÷3
• 第20週 p39
• 1番の問題
• 410+380+325+370
• 第23週
• 平均とその利用
志水メソッド ○付け法
笑顔で○付け法
○付け法をするためのポイント
① スピード 5秒・15秒の法則
② 正確さ
③ 声かけ
④ 実態把握
⑤ 判断
⑥ 次への指示
意味づけ復唱法
音声計算練習
二人組でやってみましょう。
• 音 声計算練習法の特徴。
• 1分間で練習
• 二人ペアで行う
• ① まずは、一人練習
• ② 次に、ペアで練習
3.音声計算練習法
(1)まずは、計算力アップしかも 暗算力のアップを図る。
(2)音声計算練習法とは何か
「計算カードをランダムに並べた 一覧表を手に持って計算して、
答えを声に出していく方法」
(3)音声計算練習法のよさ
①1分間で計算するだけ
②視暗算
③ペア学習で行う
④人との競争ではなくて、自分の 記録の伸びを自覚
⑤その場で答え合わせ
2つの本
• 「算数大好きっ子に育 てる」 明治図書
• 志水 廣・豊田市立 高嶺小学校著
絶版ですが、愛知教育大 学生協書籍部のみで販 売。
授業のユニバーサルデザイン研究会が 提起している主な3つの視点
• 焦点化・・・授業における学習内容の本質を見極め、
その一点に集中させる。
• 視覚化・・・抽象的なもの、見えないものを見える化する。
(手順、時間、発言など)
• 共有化・・・お互いの考えを伝えあったり確認し合ったりする。
視覚化 焦点化 共有化
•
なぜ、上の3つが言われるのか。
•
それは、授業が
•
□□□いないから
•
視覚化
•
焦点化
•
共有化
わかりにくい!
されてい ないから
教師と子ども
• 子どもを伸ばすとはどういうことか
今の力 → 一歩ずつ成長させること
教室の環境
• シンプル
• クリア
• ビジュアル
•
刺激の少ないように
事 例 応用行動分析
• アイデア13
• 行動の「意味=機能」を考 えよう
• 教室から出て行く子どもの 真意は?
プリントをする時 ↓
教室を出る ↓
??????
結果
結果は、逃避・回避
叱られて問題をする時間がなくなる
では、どうすればよいか
1 問題の難易度を変える
2 個別にヒントを与える ○付け法 3 最初の一問を一緒に考える
• とにかく 「できる」という体験をさせる
現場の悩み
• どの子にも学力を保証したい!!
• そのためには、
• 観点① 分かる→できる→身に付く
• 観点② 授業力
子ども 教師 学校 のUD化
観点② 深い学びのために
• 教師の授業力の向上
①教材把握力× ②子ども把握力×
③指導技術力×
④精神エネルギー
特に、即時の
キャッチ&リスポンス能力
• 子どもの授業力の向上
• 一般的な力
聴く力、話す力、書く力 読む力(読み取る力)
・算数的な力 考える力
計算力
基礎問題解決力
能動的な授業の構築
• 学習意欲を高める
• 教材でわくわくする所を探し 出しておくこと
• 「知」と「心」の変容
子どもを能動的にするためには
• まずは、
① 学ぶことは楽しい。
② 面白い。
③ 役に立つ。
3つのことを体験すること
• 「学ぶことは楽しい。」
• 自分で考えて、
• 自分たちで考えて、
• 数理を見つけたという 体験をすること
主体的・対話的・協働的
能動的にするためには
• 教 材・・・・初めは考えやすく、
最後は深い学びのある
• しかけ・・・発問、指示、板書、問題の出会わ せ方、ずれ(つまずき)
・展 開・・・・キャッチ&リスポンス
1年 どちらがながい
教科書より
教師と子ども
• 子どもを伸ばすとはどういうことか 今の力 → 一歩ずつ成長させること
取りやすい球から・・・
特別支援
• その子の落ち着くことは何か・・・行動を探す
• 読書が好き
• 迷路をかくのが好き
• 気分を変えさせる
空気を変えるための手立て
・話を変える
・頭をなでる
・テンポ良く話す
・体を動かす
・音楽をかける
(歌をうたう)
・筆記用具をかえる
・場所を変える
・教科をかえる
・興味をあうものにする
・深呼吸させる
・新しい問題を解かせる
・先生ががんばらない
・子どもを困らせる
では、ユニバーサルデザインの 考えにもとづく授業は
どうすればよいのか
□指導のスモールステップ
• 教師側のスモールステップ
• 子ども側のスモールステップ
• 「教えた」と「わかった」「できた」は異なる!!
志水メソッドは、一次支援
Part1 すべての子どもに対応できる!
• 志水流算数指導法の極意/志水 廣 1 志水流算数指導の基本精神
2 ユニバーサルデザインと志水メソッド 3 ○付け法はどの子も救う
4 スモールステップをつかむ
5 算数の数理に気づかせる意味付け復唱法
6 どの子にも計算力を保証する音声計算練習① 7 どの子にも計算力を保証する音声計算練習②
2016.10
算数部門第1位
小学校部門第3位
算数の授業づくり ・分かる
・できる
・身に付く
・そろえる
・よりそう
わかりにくい例
何を視覚化すればよいのか
• 算数の授業の構成要素を考えればよい
• 問題 めあて 見通し 手がかり(ヒント)
• 図 絵 考え方 式 答え 説明
• 定義 用語 性質 まとめ 練習問題
視覚化
視覚化
復習 定義
判断の根拠 めあて
もんだい
授業の展開の 視覚化
効果は抜群!
どんな効果があ
るか?
視覚化
• 授業の形態
• アクティブラーニン グ
視覚化
• 今、何が問題か
• どの場面か
• 何を根拠に考え
たらよいか
数理を見えない化するとよい
板書とノート 指導の
スムーズ化
ユニボくん
そろえる化
計算力 基礎問題解決力
• 音声計算練習 どの子もできる10分間プリント
• 2つのしかけ
• アクティブラーニング
• 算数のきまり
• わくわく
• 問題解決的な学習
授業の最後には 盛り上げたい