平成29年4月8日
志水 廣・大羽沢子の
ユニバーサルデザイン学習会in愛知教育大学 講演
算数授業のユニバーサルデザイン
愛知教育大学名誉教授 志水 廣
ユニバーサルデザインとは何か?
ユニバーサルデザイン(Universal Design:UD)は、
ノースカロライナ大学のロナルド・メイス
(RonaldMace)が文化、言語、国籍の違い、年齢や
性別の違い、障害・能力のあるなしを問わず、誰で も利用することができる施設、製品、情報の設計 の配慮として提唱した概念です。ユニバーサル
(Universal)とは、普遍的な、あまねくという意味の
英語です。
授業に置き換えると、どの子も分かりやすく、適切 な環境で学習できる教師の配慮や工夫といえます。
「数図ブロック」で算数を
探してみよう
面白さの視点
和、差、積、商、増加、減少、固まり、
移動、空いた所に着目、5+□で構成
教科書の図を算数的に分析すると
• 多様な見方がある。
• この多様な見方を認めていくのが、
ユニバーサルデザインを考える前提である。
広汎性発達障がい → 得意なこと
• 興味関心があることにはすごい集中力を発 揮し、暗記が得意。
• 常識にとらわれないようなユニークな発想力 がある。
• 誠実で、きまったルールや手順はきっちり守 る。
• 嫌なこと→視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚に 偏り
• 2014.3 現在10刷
• ベストセラー
• 算数の指導の基盤 →スモールステップ →環境整備
• ユニバーサルデザインの 考え方
→授業のユニバーサ ルデザイン化
→かかわり方(応用行 動分析)
2016.10
算数部門第1位
小学校部門第2位 総合 第3位
2刷り
算数の授業づくり
・わかる
・できる
・身に付く
・そろえる
・よりそう
本講演の目標
1.ユニバーサルデザイン 考える視点をもつこと
2.算数授業の見方・考え方 3.授業全般な手立て
「授業」という場
• 教材という文化財を伝えつつ
「知」と「心」の変容をもたらす。
頭・心の中に形成
•
教師 子ども
教材
「価値」(面白い)
(知識・技能・考え方・態度)
子どもがパニックしたとき どうすればよいのか
□子どもがパニックしたとき
・当面の対応
・地道な授業改善
・責任追及<原因解明<行動変容へ
空気を変えるための手立て
・話を変える
・頭をなでる
・テンポ良く話す
・体を動かす
・音楽をかける
(歌をうたう)
・筆記用具をかえる
・場所を変える
・教科をかえる
・興味をあうものにする
・深呼吸させる
・新しい問題を解かせる
・先生ががんばらない
・子どもを困らせる
特別な配慮
• その子の落ち着くことは何か・・・行動を探す
• 例えば、
• 読書が好き
• 迷路をかくのが好き
• 気分を変えさせる
子どもが「わかる」ように仕掛ける
「知」と「心」の変容をもたらす。
•
教師 子ども
伝える:音声言語 分かりやすい言葉
簡単・明瞭記述言語
文字、図、イラスト
「わかる」ために
• 目・・・視覚
• 耳・・・聴覚
• 口・・・話す
• 手・・・操作
• 体・・・動作、表情
「心」の動き
脳の中身:外化の大切さ
脳の中身:外化の大切さ
認知
入力と出力
目
視覚
耳
聴覚
入力 出力
認知処理
口にだす
手を動かす
体を動かす 顔に出す
一次 判断
興味 関心
二次判断
予めの知識 a,b,c・・・と 結びつける
①
②
③
五感で感じる
ユニバーサルデザイン
• わかりやすい
• できるようになる
• スモールステップ
• 視覚化 焦点化
共有化
• 繰り返す----
• そろえる化
• つなげる化
• 実感化
確認と見届け
45分間で終わる
一 般 的 手 だ て
算数的手だて
授業のユニバーサルデザイン研究会が 提起している主な3つの視点
• 焦点化・・・授業における学習内容の本質を見極め、
その一点に集中させる。
• 視覚化・・・抽象的なもの、見えないものを見える化する。
(手順、時間、発言など)
• 共有化・・・お互いの考えを伝えあったり確認し合ったりする。
どんな板書が考えられるか
• 板書を配布
どこにユニバーサルデザインとしての
配慮があるのか
板書からみるユニバーサルデザイン
板書からみるユニバーサルデザイン
場面の 挿絵
問題文
式
計算の答え、
問題の答え
本時の めあて
ユニボくん
問題1番 問題2番
計算の仕 方
練習 問題
まとめ
わかる → わかりやすいために
視覚化 焦点化 共有化
• 算数の授業では、
• 何を
• どのように
• なぜ
• いつ
• 視覚化 焦点化 共有
化するのか
• 算数の特性・授業の展開
では、なぜ板書に算数の問題が必要
なのか
急な変化にも驚く → 苦痛
• 安心して子どもが取り組めるようにした い。
• では、どうすればよいか。
• 授業では・・・
• 算数の授業では・・・
視覚化すると45分間で終わる
本時の展開を
告知すると
どんなことが
よいのだろうか
授業予定を表示するとよいこと
• 流れが分かるので児童の取りかかりが早くなる
• 児童が展開をイメージできる
• 児童が安心して取り組める
• 教師もイメージできて安心できる
• 聴くことが苦手には視覚的に見せることができる
• 授業前に組み立てることができる。準備ができる
• 毎回、同じ流れなので安心できる
• 教師の意識 意志 まとめまでしっかりやるんだ
• 見通しがもてる。何もないよりよい。
概念形成 型か
問題解決
型か
概念形成 型か
問題解決
型か
授業づくり 導入・展開・終末
概念形成型
教えるべき所は 教える
考えさせる所
問題解決型
• 解決の見通しが大切
• 見通しにそって自力解決さ せる
• 解決の方法と理由を発表さ せ、話し合わせる
• 実際に、解決の方法を試 す・練習する。
授業づくり 概念形成型
教えるべき所は教える
→ どうやって教えるのか
・説明・発問・指示・板書・
・活動・応答・机間指導
・ノート・つまずき
重さの授業をUDの視点から 1
• 教えるときは、簡潔な言葉で示す
• 既習とのつながりを示す
• 実物を見せる。①円玉。はかり。①円玉=1gを見せ る。
• ①円玉を手のひらの上に乗せて重さ1gを実感する。
• はかりの紹介では前面を見せるが、その後、黒板で の説明があるので、裏向きにする。個別に指導する。
○付け法による机間指導。
• はかりの目盛りの面を見えるように拡大図を示す。
重さの授業をUDの視点から 2
• 教科書のある部分を特定する。指さし確認。
• グラムgを一斉で空書きする。
• 声に出しながら練習する。
• ・・・・・