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A Study on t e h n i o t u a l v a E S f o - l o o h c Based l u m c u r r i C u

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(1)

熊 大 教 育 実 践 研 究 第

5 1

25-37

8 9 9 1

学校ベースのカリキュラムの評価に関する研究

一一小学校理科における単元聞の関連的指導を事例として一一

中 山 玄 三  

 

伊 勢 一 郎 古 田 健 二   吉 永 公

A Study on t e h n i o t u a l v a E S f o - l o o h c Based l u m c u r r i C u

- A Case t o f e h o n i a t r g t e n I among Learning n i t s U i

n

t h e Elementary o l c h o S Science-

Genzo NAKAYAMA , c I o r i h E S I , j i e n K HURUTA and i n o r H i r o YOSHINAGA (

R e c e i v e

d N ovember 4 1 , ) 7 9 9 1

The y r o e t h and e c i t c a r p c f o m u l c u i r r u n o i t a u l a v e a s h moved g h u r o h t l a r e v e s g a t s

白 .

I

t b e g a n h i t w an e s a s i m p h on g g n d i a r , m a r k i n g , d a n g i r i g d u j a n d e d e d e o c r p d o t p o l v e e a s

p e c i a l i z e

d n i o t e c n o n c h i t w c i t a m e s t y s measuremen . t e r t a L o n n , o i t a u l a v e n b e g a o t f

o c u

s on t e h improvement p f o r o g r a m s r e h t a r n a h t e h t t e n m s s e s s a f o s t n e d u t s . e n o l a More n c e e r 1 t y, a number e f o s r o t a u l a v v e h a h t g u o s d o t r e v o c s i e l a c s - e g r a l s e v i t c e p s r e p and s d n e r t t a h t s i known t s a e h IEA y t u d S , e l i h w a good l a e d e f o n o i t a u l a v t t a e h l e v e l o

f

government and l a c o l s l o o h c s s h a e n b e e d r r u p s n g o l a by a y t i l i b a t n u o c c g n i

t r o p e r e h t c

o n g r u e n c

e b e t w e e n p o n e d - u g r e a s l a o g a n d r i e h t . n o i t a z i l a e r T h e r e s i o s l a an e s i s h a m p on q e v i t a t i l a u n o i t a l u a v e t a h t t n i a p m u l u i c r r u c n i h t i w a c o m p l e x . n o i t a u t i s To p y a r t r o t

h

e y t i l a e r s f o s n o i t a u t i and r o t l a e v e r i e h t t i r e m and r t h w o by u g n i s e h t human g i n e b s a t

h

e a r y p r i m t n m e u r s t n i e f o n o i t u a l a v c i t s i l a , r u t a n c h r o a a p p s i d e i f i l p e m x e e n i n o i t a u c d , by d r a w i n g s t i e s g i l o d o h o e t m from g y o l p o o r t h n a , y g o l o h t e , a n d . y h p r a g o n h e t

T h i

s r p e p a s n i g b e by t g n i c a r a c h e t f o e s e h more y l l u f , and a r y m p o r n t e c o n o i t a t n e i r o t

o u m l c u i i r c u n o i t a u a l v e e r a d e b i r c s e q n i e h t e r r m f o . t r a p One f o e h t e c i t c a r p f o c

u r r i c u l u

m n i o t a u l a v e t t a e h l a c o l l o o h c s l e v e l

w h i c h s e s u c o f y i n l m a on t e h d s e a - b l o a g q

u a l i t a t i v

e n i o t a u l a v e n i e h t r y a n t m e e e l l o o h c s e c n e i c s , s i d e t h g i l h g i h n i e h t r e t t a l . t r a p Key Words: u m c u l r r i C u n o t i a l u a v E e v i t , a t i l a u Q n o i a t u l a E v , e d B a s o l - h o S c

C u r r i c u l u

m

u m u l r i c u r C n o i t a r g e t n I

は じ め に

本来,学校でその育成が期待されている学力が,

学校知の範暗に留まり,学習によって獲得した成果 を日常生活に関わる問題の解決や判断,意思決定,

行動のために活用・応用できるような日常知・生活 知の一部にまでは十分に成り得ていない.この批判 的反省のもと,活きて働く学力を保障するため,知

-教育実践研究指導センター

“熊本市立白川小学校 村*熊本市立奥古閑小学校

車場付熊本県菊陽町立武蔵ヶ丘北小学校

のネットワーク化・共有化・総合化を図ることなど,

カリキュラムを工夫しながら教育活動を展開するこ とが,今日強く求められている.そこでは,児童・

生徒の発達段階や学習段階,学校や地域の実情に応 じて,各学校がその裁量の範囲内において判断し,

カリキュラムを作成すること,いわゆる「学校ベー スのカリキュラム開発

J

が基本とされる.

それが,子どもの学習可能性を最大限に伸ばす教 育であるためには,子どもの学習成果と教師の期待 とのズレを絶えず点検し,授業のみならず開発した 学校ベースのカリキュラムそのものを修正・改善し

τ

いく「カリキュラム評価」が必要不可欠とされる.

しかし,実際の教育実践の場では,評定のための学

-25 -

(2)

中山玄三・伊勢一郎・古田健二・吉永公紀

習評価は盛んに行なわれてはいるが,指導計画・指 導法などの改善に役立てるための授業評価やマクロ な視点からのカリキュラム評価には,これまであま り関心が向けられてこなかった.その理由のーっと して,カリキュラム評価という研究領域と研究方法 が十分に確立・普及していないことが挙げられる.

そこで,本稿では,まず,カリキュラム評価の基 本的な考え方を理論的に概観するとともに,わが国 におげる教育課程の評価と小・中学校での評価の現 状という点からカリキュラム評価の実際について述 べる.次に,熊本県内の公立小学校教諭から成る共 同研究グループが取り組んだ小学校理科における単 元聞の関連的指導の事例を,カリキュラム評価のケ ース・スタディーとして紹介してみたい.

カリキュラム評価の基本的な考え方

1

rカリキュラム評価」の概念

「カリキュラム評価

m u l u c i r r u c ( ) n o i t a u l a v e J

用語を比較的狭く解すれば,教材,教育方法および 教材の組織化の評価とすることができるが,もっと 狭く教育方法を除くこともできる.しかし,

0 7 9 1

代以後の「カリキュラム」という概念の理解の主流 は,もっと広くかっ柔軟な「現実の授業場面でさま ざまに生きて働いている情報のすべて

J

を指す場合 が多く,カリキュラム評価は,広義には,このよう なカリキュラム自体を実施し改善していくためのカ リキユラム開発に不可欠な過程の一部であり,カリ キュラムの実施可能性,有効性およびその教育的価 値に基づく判断・意思決定に役立ち,信頼できる論 拠となるような情報の収集と提供と解される.さら に,今日では,カリキュラムが位置づけられる社会 的文脈や,それが政治的,経済的,社会的に果たす 役割などの評価も含むものとなっている.

カリキュラムを広く解するとカリキュラム評価の 概念も非常に広くなり,教育における評価がすべて この用語で包括されてしまうことになりかねない.

また,評価という用語自体も多義的である.本稿で は,カリキュラム評価を,一般的に教育プログラム の評価と規定しておくことにする.

2

.

わが国におけるカリキュラム評価研究 わが国において,教育評価研究の眼がカリキュラ ムに向けられたのは,戦後の新教育理論の導入と実 践においてであった.と乙ろが,新教育の実践の衰 退とともに

r

カリキュラム評価」という分野も姿を 消すことになる.

1 9 6

0

年代に入札教育評価研究は,一方では,選 抜のための測定法・検査法という第三者による客観 的な研究が主流を占めるようになる.これに対し,

他方で

r

授業研究」の分野から,その一部である「授 業評価」が独立した位置を占めるようになったこと などは,特に,カリキュラム評価研究に重要な示唆 を与えた.その後,アメリカの教育評価研究の影響 も強くなり,特に,プルームらの診断的評価一形成 .的評価一総括的評価という一連の評価システムが,

授業実践に大きな影響を与えた.

OECD-CERI

のカリキュラム開発セミナーが

1 9 7

4

年に東京で開催され,カリキュラム評価研究の 重要性が強調され,にわかに脚光を浴びることにな った.しかしながら,そのカリキュラム評価は,い まだわが国では独立した研究領域として確立されて いないのが現状である.

現在,わが国において,カリキュラム研究と教育 評価研究を相互に関連づけた研究も研究者もそれほ ど多くはない.そのような中で,カリキュラム評価 研究は,カリキュラム研究の側から行なわれるもの

と,教育評価研究の側から行なわれるもの,さらに,

これとは別に,学校経営研究の側から,学校評価の 一部としてカリキュラム評価の検討も行われている.

安彦(1

) 5 8 9

は,カリキュラム研究の側から,具 体的な評価方法のあり方について強い関心をもって 取り組んでいる.また,第二次世界大戦後の日本の カリキュラム評価研究の流れについても,授業研究 や授業評価研究との関連で検討を加えてきている.

一方,梶田

) 0 8 9 1 (

は,カリキュラムに対して教育 評価の側面から,主として,教育活動や教育評価の 中での教育課程評価の位置づけ,その意義,理論的 枠組みに関心を向けている.梶田

8 9 1 (

1)は,教育 課程評価の具体的な道筋として

r

児童生徒の学力や 成長の姿を出発点としながら,学校レベルにおいて は,年間指導計画や学校教育目標のあり方までが,

また,文部省レベルにおいては,全体的なカリキュ ラム構造や各教科等の目標・内容や教育課程の編 成・実施の諸基準のあり方までが,最終的には問い 直されることになる』と述べている.

3

.

アメリカにおけるカリキュラム評価研究の展開 カリキュラム評価の概念の形成と変容はアメリカ において明確である.教育プログラムのより精密な 評価を求める動きは,教育測定の科学化を進める中 で高まった.との動きを中心として

0 2 9 1

年代までは,

評価研究の重点が評価技法としてのテストの精練化

- 2 6

(3)

カリキュラム評価

に置かれていた.それは直接にはカリキュラムを評 価するというよりも,学習者の学習成果の評定法を 確立することに向けられていた.それが,いわゆる 進歩主義教育協会の

r8

年研究」から,新教育の理 念、に基づくカリキュラムの有効性を調べることに向 けられ,以後,このような意味のカリキュラム評価 の活動が伝統として確立したといえる.その後,

0 6 9 1

年代のカリキュラム改革運動の展開を契機に,再び,

カリキュラム評価への原理的な問いかけと活発な評 価活動がなされた.この動きの中で,カリキュラム 評価は,測定や評定でもなく,どちらのカリキュラ ムがよいかを決めるものでもない,そのカリキュラ ム自体を実施しながら改善していくためのカリキュ ラム開発に不可欠な内部過程の一部としての意義が 強調されるようになる.

最近のアメリカにおけるカリキュラム評価研究で は,方法論的に大きな展開が見られる.タイラーや プルームをはじめとする行動目標的アプローチは,

1 9 5

0

年代以降授業実践に大きな影響を与えたが,

1 9 6

0

年代末には,この行動科学的方法に対して疑問 が投げかけられた.それへの批判と克服の努力の中 から,

0 7 9 1

年代以降

r

エスノグラフィー」と呼ばれ る文化人類学的手法により,カリキュラムに関わる 活動を記述し,分析することを評価研究の中心に据

えた,観察評価研究が提唱された.

カリキュラムを単なる文化伝達のメディアとして ではなく,それを道具として何か別の意味を創造す る生徒の主体的活動と考え,それを発見するための 方法論が新たに提案された.これは,カリキュラム 評価研究が現実場面の記述と観察的評価から出発す べきであるという主張である.この提言により,授 業過程の研究の重要性が示され,カリキュラムの質 的評価研究への道が広げられることになった.

4

.

カリキュラムの質的評価

いわゆるエスノグラフィー法は,あらかじめ仮説 的な分析モデルを設定し,広範囲の対象と標本によ る実証を行うのではなく,具体的諸事実の記録から 一般的概念化をはかるという,参加観察法が特徴と なっている.教育研究の場合は,ある学校の授業過 程における教師と子どもの諸活動を直接対象とし,

また,その教育活動に参加し,教師との共同研究を 行うことが多い.参加観察法による研究は多様な方 法を特徴としており,現在のところ,一般的な定式 化は困難である.しかし,佐藤(1

) 5 8 9

によれば,

どの研究もほぽ次の点では共通した性格を示してい

るといえる.

①具体的なある学校に一定期間入り,観察,インタ ビューなどによる生きた諸事実の記録と分析を経 て,一般的な概念化がはかられる.

②研究対象としての事実は,教育過程において固有 の意味を担い,文脈において多様な意味をもつも のとして扱われる.また,言語的・行動的に現れ る事実だけでなく,非言語的・潜在的な事実にも 目が向けられる.

③概念化においては,信頼性

i l i b a i l e r ( ) y t

よりもむ しろ,妥当性

) y t i d i l a v (

が尊重され,科学的研究 ではとらえきれない部分の解明が重視される.

④教師と研究者との共同研究が奨励される.教師は 単なる研究協力者ではなく,一人の研究者でもあ

り,カリキュラム開発者でもある.研究者は,開 発されたカリキュラムの実践を援助するとともに,

教師のねらいと実践の事実とのギャップを明らか にし,このギャップに注目して開発を教師と共同 で推進する役割を担う.

⑤カリキュラム開発は,この研究過程において行わ れ,教師の専門的力量の形成と自立性の形成に支 えられて発展する.

これらの特徴をもっ参加観察法による研究は,授 業過程の複合性に立脚し,従来の研究では眼が向け られなかった改造のダイナミズムの解明を果たしつ つある.しかし,この研究が,文化人類学の方法の 応用,あるいはアクショ。ン・リサーチの発展として 成立した事情もあり,教室における教師と子どもの 相互作用の構造の解明に傾斜していることは否めな

5

.

理科教育におけるカリキュラム評価研究の課題 今日,わが国における理科評価研究では,新たな 視点として,指導過程と評価結果の連関性の明確化 を求めようとする主張があり,実際の授業過程に適 合した評価研究の必要性が強調されている.理科授 業を,例えば,プログラム学習を代表とする行動主 義的教授学習過程,探究学習を始めとする認知主義 的教授学習過程,構成主義的教授学習過程などに便 宜的に類型化し,各授業過程から生成される学習効 果をより正確かつ詳細に記述可能な評価法を開発し ようとする試みがある.乙の研究は,理科の授業過 程の改造のダイナミズムの解明を果たすものとして 期待できょう.さらに,これらの授業評価をカリキ

ュラム評価の一部として位置付げ,カリキュラム開 発と授業改造の内部過程を明らかにするための技術

- 2 7 一

(4)

中山玄三・伊勢一郎・古田健二・吉永公紀

的原理の一般化を行う研究や開発されたカリキュラ ム・教材の質的評価を授業過程において行う研究等 の事例研究の蓄積が,今後の課題となるように思わ れる.

カリキュラム評価の実際 しわが国の教育課程の評価

文部省では,学習指導要領に基づく教育課程の実 施状況について,児童生徒の学習達成状況をペーパ ーテストにより把握するため,小学校第

5

学年から 中学校第

3

学年までの各学年の児童生徒のおおむね

1%

を抽出し,調査を行っている.乙の調査研究の 成果は,学習指導要領に基づく教育内容が実際上ど の程度児童生徒に理解されているか,学習指導上の 問題点は何かなどを明らかにして,将来の教育課程 や学習指導の方法の改善に役立てられている.

平成

7

年(1

) 5 9 9 2

月に実施された小学校理科達 成度調査では,第

5

学年・第

6

学年とも全体として 実現状況は良好であると判断された.また,平成

8

年(1

) 6 9 9 2

月に実施された中学校理科達成度調査 では,第

3

学年については実現状況はおおむね良好 であると判断された.特に,中学校理科の特徴とし て,植物や動物の観察,気象の観測などの自然の事 象に関する観察や観測に関わる基礎的な力,自然の 事象に対する関心・意欲・態度は良好であるが,観 察・実験に基づいて規則性を見つけるなどの思考す あカや,実験結果をまとめて表すなどの表現する力 はやや低い状況にある.また,課題解決のために観 察や実験の方法を考え具体的に実践する力は低い状 況がみられることが報告されている.

この他,国際教育到達度評価学会(I EA) による初 等中等教育段階における児童生徒の教育到達度調査 の国際比較結果なども,わが国の教育課程の改善に 活用されている.平成

7

年(1

) 5 9 9

に実施された第

3

回国際数学・理科教育調査

(TIMSS)

の結果によ ると,わが国の小学生では,理科のペーパーテスト の得点は韓国に次いで世界的に高く,また

85%

の者 が理科を好きであること,肯定・否定の両面から考 えたり多面的・総合的な見方が弱いとと.中学生で は,理科のペーパーテストの得点、はシンガポールに 次いで世界的に高いが,理科を好きな生徒は

56%

大変低かったこと,肯定・否定の両面から考えたり 多面的・総合的な見方が弱いこと,理由や考え方を 順序立てて記述するのが弱いこと,理科に対する肯 定的意識が低いととなどが報告されている.

2

.

小・中学校における評価の現状

評価の最終的なねらいは,児童生徒の学力の向上 にある.児童生徒にとっては評価結果を自らの学習 の改善に役立てること,教師にとっては評価結果を 自らの指導の改善に役立て,児童生徒の学習の充実 を図ること,学校にとっては評価結果を教育課程や 学習環境,学習条件の改善に役立てることが求めら れる.しかし,実際の教育実践の場では,児童・生 徒の評定のための学習評価は熱心に行なわれてはい るが,指導計画・観察実験・指導法・評価法などの 改善に役立てるための授業評価やマクロな視点から のカリキュラム評価には,これまであまり関心が向 けられていないのが現状であるように思われる.こ のような背景には,カリキュラム評価研究における 研究者と教師の共同研究体制がまだ不十分なことや,

カリキュラム評価研究自体のアプローチの仕方が十 分に確立していないことなどが,その理由として考

えられる.

カリキュラム評価の実践事例

熊本県内の公立小学校教諭から成る科学的リテラ シー研究会では,小学校理科におげる単元間の関連 的指導の在り方を中心に,現行教科書の単元構成を 見直し,新たな総合単元の開発にこれまで取り組ん できている.開発したマクロな単元計画の質的評価 を実際の授業実践を通して行い,その実行可能性と 有効性を検討することをねらいとしたカリキュラム 評価を行ったので,本稿ではその一例をケース・ス

タディーとして紹介してみたい.

本事例研究では,昭和

6 5

年の第

2

回国際数学教育

調査

(SIMS)

で用いられたカリキュラムの枠組みを

参考にした.それは,教育環境を作り出す種々の要 因を,

(i)

意 図 し た カ リ キ ュ ラ ム ( I

d n d e n t e C

u r r i c u l u m

)

) i i (

実施したカリキュラム(I

m.

p l e m e n t e

d m ) u l u r r i c C u

i i (

i)達成したカリキュラ

d n e i t a A t ( ) l u m i c u u r r C

という

3

つのレベルでの カリキュラムによって理解しようとするものである.

1

番目の意図したカリキュラムは,国家または教育 制度の段階で決定されたカリキュラムの内容であり,

それは,教育制度を含む教育的文脈および社会全体 の文脈の中に位置づけられる.

2

番目の実施したカ リキュラムは,教師が解釈して児童・生徒に与える カリキュラムの内容であり,それは,学校や教室か らなる教育的文脈および地域社会の文脈の中に位置 づけられる.

3

番目の達成したカリキュラムは,児 童・生徒が学校教育の中で獲得した学習成果として

-28-

(5)

カリキュラム評価

のカリキュラムの内容であり,それは,児童・生徒 個人という教育的文脈および児童・生徒の個人的な 背景という文脈の中に位置づげられるものである.

このように,教育に影響を与える要因を,最も包括 的なところから最も個人的なところに移っていく一 連の文脈として見なしている点が特徴である.

従来,教育工学的手法による授業研究では,①授 業設計

) n a l p (

②授業実施

) o d (

③授業評価

) e e s (

3

段階に分け,この段階を追って授業改善を図っ ている.上記の

3

つのレベルでのカリキュラム・モ デルは,このような授業評価のスケールをカリキュ ラム評価に拡大したものとして捉えることができる.

1.意図的・目的的・計画的カリキュラム

(

I n t e n d e

d u m ) u r r i c u l C

平成元年度小学校学習指導要領に示された理科の 学習内容のスコープには,いくつかの関連する学習 内容の系列が

A

B.C

の各区分に対応して配列さ れ,系統性が見られる

.A

区分では「人

J

・「動物」・

「植物

J

である.学習内容のシーケンスでは,同一学 年で使用する教材の選択や地域性を考慮して,各学 校におけるカリキュラム作成の裁量を保障するため に,学習内容聞に順序性をもたさないことが原則と なってはいるが, A 区分では,その学習内容が独特 の構造をもっていることから,一般的に学習内容の 聞に順序性が見られる.第

4

学年では

A(2)r

動物の くらし」と

) A ( 3 r

人の活動と環境

J

,第

5

学年では

A(2) r動物の発生と成長」と A(3) r人の発生と成

j

,第

6

学年では

A(l)r

植物体の働き」と

A(3)r

の特徴と環境」およびA

( 2 ) r

動物体の働き」と

A(3) r

ムの特徴と環境」に乙のような関係が見られ

る.特に

r

人」に関する学習内容は必ず「動物」や

「植物」に関する学習内容と関連している.

文部省が平成

5

6

年度に実施した.教育課程実施 状況に関する調査研究協力校による調査結果によれ ば,小学校理科の内容について, A 区分「生物とそ の環境」における実現状況は全学年を通じて良好で あると判断された.しかし,中学年では,一部にお いて,差異点は見いだしゃすいが共通性を見いだす ことが難しい,人の生活と植物,動物のそれとを結 び付けて考えることが難しいという状況が見られる との報告がある.また,高学年では,一部に,植物,

動物,人を関連させることが難しいという状況が見 られるとの報告がある.

ζ

で,生き物を統一的・総合的に捉える見方・

考え方の育成を重視して,第

6

学年

A

区分の「植物 の体とそのはたらき」と「ヒトや動物の体」の両単 元聞の関連的指導を図るため r生き物(人・動物・

植物)の体とそのはたらき」という大単元を新たに 設定することにした.再構成した大単元の内容,お よび「植物」と「ヒト・動物」を関係づげる視点と 学習順序を,現行教科書単元の学習内容と対比させ たものを表1 に示す.

なお,現行教科書(啓林館

r

新訂理科

6

年上

) J

おけるそれぞれの単元の学習内容については,教科 書の記載事項をもとに図式化したものを図1 および

2

に示しておく.

1

小学校理科第

6

学年

A

区分「植物」と「ヒトと動物」単元の関連的指導のための全体計画の概要

現行数字ト書 実践事例 I (伊勢教諭による計画・実践) 実践事例 1 1 (古田教諭による計画・実践) 単冗名 r2 植物の体とそのはたらき J 単元名「生き物の体とそのはたらきj 単元名「人・動物・植物の体とそのはたらき J

1 1 艮のっくりとはたらき l ヒトや動物の消化と吸収のはたらき 1 消化と吸収の秘密 2 水の通り道 2 ヒトや動物の血液のはたらき 2 植物が栄養をとる秘密 3 水のゆくえと業のっくり 3 植物が根から取入れた水や養分のゆミえ 3 水や水にとけた栄獲の通り道 4 ジャガイモの育ち 4

t

直物がつくるでんぷん 4 新しく育ったジャガイモの秘密 単元構成 5 業と日光のはたらき 5 ヒトの呼吸 5 栄養をつくりだす植物の秘密

単元名 r3 ヒトや動物の体 J 6 ヒトと動物の骨格 6 水の行方と業のっくり

l 消化と吸収のはたらき 7 自分の体の呼吸のはたらき

2 呼吸のはたらき 8 血液のはたら.i'

3 血液のはたらき 9 ヒトや動物の体の特ちょう

4 ヒトや動物の体の特ちょう

関係づけの 「植物 J R

f

ヒト・動物j 「植物 J R 「ヒト・動物 J 「機物 J R 「ヒト・動物 J

視点と順序 ① 水 @ 血液 @ 水 養 分 f ず 血 液 ん 仁 @ 血液

@ で ん ぷ ん w; 食 物 @ でんぷん ① 食べ物 @ 栄 養 ・ で ん ぷ ① 食べ物

- 2 9

(6)

..直舗は.ホや

E

斜をやヲて目先によ〈当てると.

じようぷに育つ.

-棄にできたでんぷんほ.水にとげやすい舗に震わり.

体の各郵に遷ばれる.

-温から I り入れた鍵分ととも匹、値輸の成長に使われたり. I ふたたびでんぷんに度わって.いもや実・たねの中にた〈わえられる.

-本といっしょに取り入れた畳分は.震から出ないで.

舗舗が成長するのに使われる.

.

a からIlり入れた水位.賓の表面にある小さなあなから.

水濠賓となコて空気中に出てい<.

・取り入れた水よりも薄売するホのほうが多ければ、

体の中の水が不足してしおれる.

図 1

小学校理科第

6

学年

A

区分「植物の体とそのはたらき」単元の学習内容の構造

-ヒトや動物は.舗愉と遭って.自分で豊島分をつ〈り出す

ζ

とができない.

w <

=

>

-ヒトは.・舗やほかの勘鵠を食舗として I り入れ.嵐長し活動している. I

・ヒトも動積も食.を取り入れ.それを餐分として利用している. -ヒトや動物は. *や食舗を取り入れるほかに.

たえず空気を唖ったりほいたりしている.

-食物は.ロからこう門までの清化管を通るうちに.ロから出るだ濠.

胃から出る胃漉.踊から出る踊漉などの消化漉によって、滑化され.

体に吸取されやすい別の物に変わる.

・沼化された食物中の聾分

I

孟.おもに小踊の毛細血管から血漉に取り入れられ 体の各種に遭Iまれる.

-騒い込まれた空気は t t . 嘗を通ョて左右の蹄に入る.

-空気中の..は.防ほうの毛細血曹から血震にIlり入れられ 体の各留に遷ばれる.

-心ぞうから血漉が出てい〈動脈は.えだ分かれして毛細血管となり ここで聾分や・賓とこ・化..の受かんが行なわれ. ..を通ヲて 息遣が心ぞうにもどる.

・血量 E ほ . U や=・化...ヨ E 分幸運ぷはたらさがり.心ぞうが ポンプのような隠たら e をして.全身を/IJぐっている.

.・..は.節肉やf*を動かしたりするのに使われる.

・そのときにできるこ・化炭震は.血量

E

から隣ほうに出され.

隠〈息にまじる.

吾吾同川

-

l

(7)

単元名

r 生き物の体とその働き」

ι A コ

・4

次 主題・題材 計 画 ( 全 13 時間} 比 実 纏 ( 全 15 時間)

時 学習内容・教材等 駿 時 学習内容・教材等

1 次 人や動物の消化と呼吸の働き 3 ①オリエンテーション 5 ①生き物の体とその働きについて知っていることを

⑪ -生き物の体とその働きについて知っていること、 + 1 2 ) ( + 発表する.

知らないこと、知りたいこと、康問 知らないことを発表する.

-学習計画をた τ る. ②知らないこと‘燈聞に思うことを発表する.

(資料鎮めは授策時間外に行う. ) {資料集めは綬業時間外に行う. ) (

1

) 人の消化と呼吸 ②ヒトの消化・吸収について資料で調べ‘まとめる. ③ヒトの消化・吸収について資料で調べる.

-だ渡の消化、消化・吸収後どうなるのか 劉べたことを発表する.

③前時に踊べたことを発表する. / @だ液の鋤きを実厳する.

だ波の消化実験をする. + 1 ⑤動物の消化管について資料で鋼ぺ、まとめる。

( 2

) 動物の消化 動物の消化管についてまとめる. 調べたことを発表する.

『ヒトや動物で、消化・吸収後、栄養分はどうなるのか? J

r

人の体の中でまわっている血波はどんな働きがあるのだろう? J

r

動物では ?J 2 次 人や動物の血渡の鋤き z ①ヒトの血液のはたらきを資料で調べ、まとめる. 2 ①ヒトの血波のはたらさを資料で銅べる.

(1)人の血液の働き ②ヒトの血波のはたらきについて発表する. ヒトの血濠のはたらきについて発表する.

( 2

) 動物の血液の働き メダカの血液が流れるようすを観窮する. 「 ー ー ー ー ・

②動物の血液のはたらきについて鋼ぺる.

動物についても調べ、まとめる. メダカの血濠が流れるようすを観察する.

動物の血濠のはたらきについて飼べたことを発表する. .

*自由配述による感想(1)

『では、纏物で取り入れた水や獲分はどうなっているのだろう ?J

3 次 植物が線から取り入れた水や 4 ①板のつ〈りとはたらきを資料で調べる. 3 ①犠物について鍋べる計画を立てる.

餐分のゆくえ 実験できることはないか考える.

1)-(

吸水実験の傘備

(

1 躍のっくりと働き ②線を錨りだして、根のようすを調べる. ②吸水実験の結果をまとめる.

位協の通り道 吸水実践をはじめる. 結果を発表する.

@豪から出る水分を調べる実験の計画を立てる. ③次に銅べることを話し合う.

{実験は授業時間外に行う. ) 獲分の吸収について資料で調べ発表する.

葉の表皮を、顕微鏡で見る. 『養分は水といっしょに吸収される. J

@ 2 つの実験の結果をまとめる. 日光の役割について調べる計画を立てる.

実験からわかったことを発表する. また、水の行方についても考える.

. r

水は吸収されたあと、どうなるのだろう ?J という 経問はでなかった.

『植物では、養分は楓から取り入れるだけではないようだ. J

4 次 舗物がつくるでんぷん 4 ①笹物がでんぷんをつくるかどうかを実験する方法 5 ①新しくできたイモのでんぷんと薫の表皮を顕微鏡で見る.

⑥ (1漂でつくられるでんぷん を考える. 1 + ( ) @ヒトの呼吸について回ぺる.

(

2 停に蓄えられるでんぷん 冨し合って方法を決める. - 2 はいた患に三酸化炭素が多いことを石灰水で調べる.

(実験開始 I ま授業時間外に行う. ) ③ヒトと動物の骨格について調べる.

②できたジャガイモにでんぷんがあるかどうかを +2 @纏物の水の通り道について.もう一度たしかめ、

調べる. 織物についてまとめる.

ジャガイモからでんぷんを取り出す. ⑤単元の学習のまとめと感想

③棄ででんぷんがつくられたかどうかを実験する. 1 + 女自由記述による感想 (2) 植物について (

3 植物についてのまとめ @植物について学習したことをまとめる. 女自由自己述による感想 (3) 生き物全体について

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図 3 実践事例 I における単元全体の計画段階と実行段階の比較

(8)

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(+2 時間ゆとり有}

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次 主 題 ・ 題 材 時 学 習 内 容 ・ 敏 材 等 消化と吸般の鵠密

2 1

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1

{人・動物}

O る 〈

語審が栄養をとる

2

1

0

J M . . 鶴や栄群 鑓をどのように休の中に回り入れてい

2 {継物}

蓄やの水通にり道 とけた栄

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3

(植物)

新 ガ イ し モ く 育 の 秘 っ 密 たジャ O 新もしう〈育一度 ったいもには、何が含まれているのだろう.

4 (植物} 2 . . るもの

栄 植 獲 物 の を つ 秘 密 くりだす O 衡 の だ 目 し 先 い ろ が い う か も の .でんぷんは. どのような仕組みでで嘗る

5

3

{植物} 当 業 た る と 糞 で ん を ぷ 闘 ぺ んる.

3

F 旨型事&0;>夢唱さ陽宅 2 1

日寺同町

,開"対象 I I 政|主題・題材 |時| 学 習 内 容 ・ 教 材 等

I l ' = " ; ー

l市1~_~~~と ________l_l<? 自分たちのいのちはどうやって保たれてるか話し合う・

いのちを支える栄養|

0 ジャガイモを食べたら体の中でどうなるのだろう九一一

1 1 ・『ジャガイモの旅』予想 [iI]

1

1 3 1 ト o r ジャガイモの旅 i 実験 包回目だ液のはたら蚕一一

時福留!Ll---:~-?里??持???prプ17帯賞与.

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IL-q峰神習の税~.-:.-:;.

・ 児 童 -t-を方析した栢果 『でんぷんがな〈な勺た 1

喝 什 r ー 「 吋

1'

1 1 1 : と考える傾向

J

設語った「まとめが必要と判断. 1

ッ 1 1 ' :

r

でんぷんが@くなるのでない

JIgr-J.

のものにかわる

J :

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ト人から舗鞠へ意識は 1 1

i

安謹むができるよ 1 1 1 0 r 組璽 2 いのち』はどうやってたもたれるのだろう,.."...,

し 1 ' I J C . I C

. o …一一一 I J 0 1 r 植命お栄援や水の旅』 ・予想 佳誼

l 植物が栄養をとる 1 1 1 0 ジャガイモやヒメジヨオンを極り出して麟

1 1

1 ・水や栄養{聾分}のことをイメージしながら -植物の口をさがす

(][I)恨の梅子

回目口

J ‘ 、

鍾昆 . t I l

r

-

・ ・ ・ ・ ・ 一一 ・ '

君寵

' - - ー . 圃 "

. . . . .

3

水や水にとけた栄

養の通り道 O 恨から取り入れた水や、水に糖 1 ' た養分 l 主、どこを遭って どこまで運ばれるのだろうか.

21 犠鍛去恐邦警匙包:

4

1

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1 2 1 1 李総長経 j " ? ? ? a t a z 霊 山 圏

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・ . . . . . .

5

栄養をつくりだす

植物の秘密 O 新しいいものでんぷんはどのような仕組みでできるのか.

-前 の実験をもとに班で話 - r 一一一一.--_..--、

3

1 .機嫌 E r . h z 2 t 手錦繍直 E

.(1目白襲とでんぷん [を立て.交流学習 1 . 一一ー

| 日;が当たる業を闘ペる

L

一一一一一一一 __J 団回目

-

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(9)

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6

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・ ・ " ・ ・ ・ 報担 水 く の り行方と葉のっ O 薬 水 ヘ の P

ヲた水回、 ζ の後どうなるのだろう.

6

2 o i i i z

i 議???に袋をかぶぜ嗣ベる・

{植物)

は 自 分 た の ら 体 きの呼吸の

O b な 人 旬 石 置 . た E や : : E 動 し 灰 EE で 水 鞠 た D 調 で ち ろ は 眠 調 は べ う ピ 、 か べ ん て 且 な る み う 唖 呼 . よ う と 唖 陪 た う型民を. そ申ままはいているだ

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II& ?A~I:t<息

{人・動物}

O をしているのだろうか.

血液のはたらき

2 O o 全 骨 t ! て t 白 f d E S S E る りる入謂聞れだらろれ議 ? ? う た .餐骨や厳察ほどのようにし 8 (人・動物)

を れ れ 臨 に る 富 つ 織 里子 いて調べよう.

O 人や動物 l 玄、それぞれの体のっくりに、どんな特徴がある のだろけ.

1

1 ・資料で関べてみよう.

O 他の動物に体のっくりについて、どんなところが都合がよ いか考えてみよう.

人や動物の休の特 会や動物の体の特 徴

1

1 0 ? b W 4

り .

の障のつ〈 りに. どんな特置が 9 {人.・動物} O について、どんなところが都合

まとめ 0 人・植物のからだとその働きを比較しまとめてみよう

1 . . なげる

実践事例

11

におげる単元全体の計画段階と実行段階の比較

図 4

(10)

中山玄三・伊勢一郎・古田健二・吉永公紀

2

.

授業で教師が実践したカリキュラム (

I

mplemented u m ) c u l r r i C u ( 1

)実践事例

I

全授業の計画段階(1

3時間)と実行段階(1 5時間)

の対応について,授業者(伊勢一郎教諭)がまとめ たものを図

3

に示す.新たに開発した単元の実行可 能性と有効性について,全授業終了後,授業者が自 己評価した内容を次に示す.

①実行可能性の評価

単元全体を通した学習の流れについて,「人が食べ た物はどうなるか」という学習から入ったが,この 疑問は多くの子どもの共通課題になったので大変ス ムーズに導入できた.ヒトや動物の消化から血液(

1

次から2 次)へ,血液から植物の水( 2 次から 3 次) へもスムーズに流れた.しかし

r

植物が取入れた水 や養分

J (3

次)では

r

水をどう取入れているか

J

と「栄養をどう取入れているか

J

ということを子ど もは別のこととして考えていたので,同時に扱うこ とが難しかった.また

r

植物がでんぷんをつくる」

( 4

次)という考えは子どもからは引き出せなかった ので

r

日光の役割を調べよう」という課題で学習を 進めていった.この学習の流れは十分実践可能であ

ると思う.

②有効性の評価

ヒト・動物という自分と同じまたは近い存在につ いては,子どもは日常的に知識を持っているので学 習もつながるが,知っているようで具体的には知ら ない植物については,知識が少ないため学習の見通 しがつきにくいと感じた.学習終了直後に書かせた 自由記述では

r

ヒト・動物

J

と「植物」をつないで 感想を書いていた子どもとそうでない子どもがいた.

両者をつないで書いていない子どもは,統一した見 方・考え方ができなかったというよりは,むしろ,

学習中の大きな発見,新しい発見が印象強く残って いるため,特定の事柄だけの記述になったものと思 われる.植物と人体をつないだ授業展開をしたこと

r

植物は植物,人は人」という単元区切りの狭い 見方・考え方を越えて,植物と人とを同じ「生き物」

として考える視野の広さを持ってくれたと思う.

( 2

)実践事例

I I

全授業の計画段階(1

9

時間)と実行段階

1 2 (

時間) の対応について,授業者(古田健二教諭)がまとめ たものを図

4

に示す.新たに開発した単元の実行可 能'性と有効性について,全授業終了後,授業者が自 己評価した内容を次に示す.

①実行可能性の評価

小単元の入れ換えだけでカリキュラムを作ったの で時間数的には問題が少なかった.但し,入れ換え たところで子どもの意識の流れが途切れないような

「つなぎ」を工夫する必要があることを感じた.

②有効性の評価

単元のまとめの自由記述で「人と植物の体とはた らきについての関連」について触れていた子どもは

3

割程度であった.まとめであっても,人と植物を 関連づけたり,全体を見通すような意識になりにく いこと,後半の「人と動物

J

に関する学習の印象が 強いことがわかった.また,自由記述の中に「これ からもっと調べたいこと

J

を明確に書いていた子ど

もは

5

割程度であったが,その他の子どもも学習に 対する関心は高かった.ヒト,動物,植物などの生

き物に対する「すごい

J r

びっくり

J r

どうしてだろ

J

などの関心,畏敬の念や疑問等を,今後の「ヒ トと環境」単元の学習に生かしていくならば,子ど もの側からの関連づげがある程度可能になるかもし れない.

3

.

授業後に学習者が達成したカリキュラム

(

A t t a i n e

d u m ) i c u l u r r C

授業者とは別に,第三の評価者(中山と吉永公紀 教諭)が,単元の学習終了後に子どもに自由記述さ せた感想の内容を分析した結果を表

2

に示す.実践 事例

I

および

1 1

の両方において,約

80%

の者が植物,

ヒト,動物のうちどれかを関係づけている.また事

I

では「動物とヒト」の

2

者間のみを関係づけた 者が多い(約

60%)

のに対して,事例

I I

では「植物 とヒト」および「動物とヒト

J

の並列や「植物と動 物とヒト

J

3

者聞を関係づけた者(約

40%)

が多

いことがわかる.

そこで,次に,実践事例

I I

におげる向上の自由記 述内容をもとに

r

植物とヒト

J r

動物とヒト

J r

植物 と動物

J r

植物と動物とヒト」の関係について,子ど もの関係把握の仕方とその観点を詳細に分析した結 果を表

3

に示す.この結果をもとに,子どもがもっ ていると思われる概念のネットワークと関係づげの 仕方の実態を図式化したものが図

5

である.

なお,概念のネットワーク構造の図式化に際して は,ルーメルハート,ミンスキー,シャンクらによ る知識表現システムに関する認知的情報処理論,ノ ヴァック,ゴーウインらによる概念地図の教育への 適用,佐藤による

ISM

構造学習法などをもとにし

た.

-34-

(11)

カリキュラム評価

表 2

単元終了後の子どもの自由記述同容の分析結果

関係づけの有無 記述内容 子どもの実態

(人数 [%J )

実践事例

1 ( 3 3 ) N =

実践事例

I ( I 7 ) = 2 N

植物のみ

- 2 - - - l

単独 動物のみ u-

4 7 1 6

関係づけの無いもの ヒトのみ

3 1 ] 2 [ ] 2 2 [ 2

者の並列 植物,ヒト

2 2 4 4 3

者の並列 植物,動物,ヒト

1 1 l l

植物と動物のみ

l l

。。

2

者間の関係 植物とヒト,動物

はー

2 1 2 7 10

が明確なもの 植物とヒトのみ

J 4 6 [ 5 J 7 3 [

関係づけの有るもの 動物とヒト,植物動物とヒトのみ

- 2 . L 5 1 2 0 H 3

3

者間の関係 ヒトと植物,ヒトと動物 。。

5 2 2 1 1

が明確なもの 植物と動物とヒト

5 5 J 5 1 [ 9 9 J 4 1 [

表 3

実践事例

I I

における子どもの自由記述内容の分析結果 一一関係づけのある記述内容の詳細一一

0 内の数字はのぺ人数を示す。

レ.r{,レ E E

植 物 動 物 植動物物と並 とヒヒトド. 植 物 と 動 物 と ヒ ト の 3 者 間

と と の 列

関の係仕づ方 け ヒト ヒ ト の み の み

植 [

t と a 物 ト ] 動 f と b 物 l 植 物 と ヒ ト 動 物 と ヒ ト 植 物 植 物 と 動 物 と ヒ ト [

8

] [b] [ 8 ] [ b ] 動[ c J 物 [ a ・ b ・ c ]

栄 水 化 消 吸 呼 体 水

物 告

体 の 養 栄 一

書 長

b

臓 . i :

-

生 物 同 き じ 栄 養

液 血 主 詰 入 れ 取 の り

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れ の を 流

取 方

の り 水 の 水 の

取 方 り 仕 組 み

く り 、 し

関た係語づ句 け

た 必

め な く も

の て ニ コ

u

ネ , ギ レ る も の

の の

共 通 点 ③ ① ① ① ① @ ① ① ① ① @

差 異 点 ① ① ① ① ①

差共通異点点 と

① ① ① ① ① ① ① ① ① ① ①

-35-

参照

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