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(1)

情報圧縮過程と位相転換 : 精神的情報の質的転換 に関わる問題について

その他のタイトル Information Condensing Processes and Phase Transit Processes : in relation to the

qualitative transition of mental information

著者 藤沢 等

雑誌名 関西大学社会学部紀要

23

2

ページ 153‑168

発行年 1992‑03‑01

URL http://hdl.handle.net/10112/00022585

(2)

情報圧縮過程と位相転換

ー一精神的情報の質的転換に関わる問題について一一

Information Condensing Processes and Phase Transit Processes 

— in r e l a t i o n  t o  the q u a l i t a t i v e  t r a n s i t i o n  o f  mental information ― 

H i t o s h i  FUJISAWA 

A b s t r a c t  

T h i s   work e x p l a i n e s   t h e   i n f o r m a t i o n   c o n d e n s i n g   a n d   t h e  phase t r a n s i t   p r o c e s s i n g  o f  m e n t a l   o p e r a t i o n s .   These t w o  processes are b a s i c   f o r   i n f o r m a t i o n  p r o c e s s i n g   i n   t h e  f i e l d   o f   c o n c e p t u a l   f o r m a t i o n ,   c a u s u a l   a t t r i b u t i o n ,   s c r i p t   c o n s t i t u t i o n ,   a n d   s o  o n .   Here are d e s c r i b e d   some t y p e s   o f   i n f o r m a t i o n   c o n d e n s i n g   a n d  t h e i r   r e g r e s s i v e  m e t h o d s .   Phase t r a n s i t   i s   d e f i n e d  a s   a process w h i c h   f o r m s   a s e t   o f   i n f o r m a t i o n   a s   a w h o l e   body  when t h e   i n f o r m a t i o n   i s   condensed a n d   r e l a t e d   i n f o r m a t i o n   i s   c l a r i f i e d .   The w h o l e  body  i s   e n f o l d e d   i n   e a c h  o f   i t s   parts under t h e   r e c u r s i v e   p r o c e s s   o f   t r a n s i t .   T h i s   m e a n s  t h a t   t h e  w h o l e  body c o u l d   b e   c o n s t i t u t e d   f r o m   a n y  one o f   i t s   p a r t .   I n   s h o r t ,   u p p e r  phase  i n f o r m a t i o n   i s   needed for  r e c u r s i v e   t r a n s i t i o n .  

Key word: i n f o r m a t i o n  c o n d e n s e ,  p h a s e  t r a n s i t i o n ,  m e n t a l  o p e r a t i o n .  

抄 録

本論文は人間の精神操作過程の内,情報圧縮と位相転換について述べた。これらの過程は連合,概 念形成,因果帰属,スクリプトなどの形成にかかわる情報処理過程である。ここでは,情報圧縮のタ イプと,その回帰的性質について述べた。位相転換とは圧縮された情報とそれらの間の関係が明確に なることで生じ,部分的情報の集合を形成し,操作しやすい全体となることである。このことは全体 情報が部分情報の中に畳み込まれ, どの部分からも全体が構成できることを意味している。つまり,

位相転換には上位レベル情報が帰還的に働かねばならないのである。

キーワード:情報圧縮,位相転換,精神的操作。

‑153‑

(3)

関西大学『社会学部紀要」第

2 3

巻第

2

I)

心理学的背景

I‑1  精神的操作理論における位置

精神操作過程において情報圧縮と位相転換は基本的処理である(藤沢,

1 9 8 9 )

その意味や特徴を抽出し,概念化する過程か情報圧縮過程であり,こ れを一般化し記号化して,より扱いやすいものとする過程が位相転換である。

もともと,外界からの情報量は膨大であり,そのままではとうてい処理できるものではない。

したがって,人間はこれらの情報量をなんらかの形で圧縮しなければならない。圧縮の方法には いくつかのものが考えられるが,基本的には情報の中にある冗長性を少なくすることである。

例えば,人間 が外界から情報を入力し,

A t t n e a v e ,  F .   ( 1 9 5 9 )

は「分かりやすく,形のよい」図形は冗長度が高く,したがって,情報量 を減らすことができるのではないかと考え,情報量の同じ対称図形と非対称図形の認知と再生に ついて考察した。その結果,対称図形の方がより冗長で,認知されやすいことを発見した。

外界からの情報が冗長であるか否かは単にその図形の持つ特徴だけではなく,

J .   e t a l   ( 1 9 6 6 )

のように,それを見る側の構えによっても変わることが分かる。コンビュータに しか

Thurstone, 

よる隠し絵を犬であると教えられることによって,それまではランダムに見えていた点描画が一 瞬の内に犬の絵となって見えるのである。これはまさに人間が隠し絵に対して冗長性を与え,点 描画から犬の絵へと質的な転換を果たしたことを物語っている

( F i g .1

参照)。

i‑ l •.

. .  

Fig.1 

知覚におけるトップダウン処理の役割を例証する写真

( J .   T h u r s t o n e   & 

R. 

G .  C a r r a h e r ,  1 9 6 6

より)

ゲシュタルト知覚には「形の良さ」のように対象の持つ情報量に関わる問題と,

‑154‑

「統合性」 の

(4)

ように共変動に関わる問題, 「図と地」のように独自性に関わる問題などがある。 これらは人間 が対象をどのように情報圧縮し,何をもって位相転換するのかを明らかにしようとしたものであ

I‑2 

質的転換

特徴群から始まる精神的操作の階層は情報圧縮と位相転換の繰り返しによって成生される。同 じ精神的操作が対象を特徴,概念,命題,図式と変えて行く。だからこそ,ゲシュタルト知覚は ゲシュクルト知覚にとどまらず,同種の心理現象が対象知覚的事象のみならず抽象的事象におい ても集団的事象においても生起するのである。

対象についての情報圧縮と位相転換ばかりでなく,矛盾の解消に関わる問題,つまり概念達 成,認知的不協和理論や決定過程においても情報圧縮と位相転換は本質的な問題である。たとえ ば,よく知られた認知的不協和理論では,不協和(矛盾)の解消または低減法として, 1)行動 を変える,

2)既にある認知要素(命題)を変える, 3)新たな認知要素を付加するというもの

である。これら全ての解決法は,矛盾を包含している命題のレベルから命題→概念→特徴→行動 へと精神的操作の階層を逆戻りし,再び,行動→特徴→概念→命題へと再構成することを意味す (1)はもちろん行動のレベルまで戻ることであり, (2)は特徴のレベル, (3)は概念のレベルまで 戻ることを指している。このレベル間の移動はことごとく情報圧縮と位相転換によってなされる のである。しかも, (1)の行動を除いて,その他は何を基準に(すなわち,どの情報圧縮結果を対 象に)位相転換するかに関わっている。 (1)の行動による矛盾解決のように,外界からの新たな情 報によらない,内部だけによる矛盾解決過程は,圧縮された情報の何をもって位相転換するか,

の問題に帰結するのである。つまりは,矛盾解決のためにする概念達成,不協和の解消,決定過 程などは,それぞれが対象とする要素の質的転換によってなされるのである。

I‑3 

集団形成と質的転換

少し話が個体としての人間を離れるが,集団的事態においても同様なことが言えることを示唆 しておこう。単なる人間の集まり(集合)から,社会的相互作用をし,成員をして「われわれ」

と呼ばしめる集団への移行はどのようにして生じるのか,すなわち,集団であることの本質はど こにあるのか,という問題である。

藤沢

( 1 9 9 0b )

は,抽象的ではあるが,互いに作用し合うプロト・ソシオンを仮定し,それらの ネットワーキングから集団的事態をシミュレートした。もし,ソシオン

A

がソシオン

B

にした作 用が,

B

を通してソシオン

C

にも影響を与えるのなら,ある作用は二者間だけのものではなく,

作用を及ぼし合っている集合全体のものとなる。そう仮定すると,全ゆる作用の中に他の作用が 要素として含まれることとなり,要素の共変動を抽出することが可能になる。すなわち,相互作 用の中にある共変動を圧縮することができるのである。これが十分に圧縮され,位相転換される

(5)

関西大学『社会学部紀要』第

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巻第

2

と集団が成立すると考えられる。

ある集団の中で,ある作用が個人的なものではなく,集団的なものであるためには,その作用 が集団全体に影響を与え,他の成員から同種の作用を引き出すものでなければならないし,実際 そうである。これが作用の共変動であり,それが頻繁に生じると「われわれ」意識が芽生えるこ とになるであろう。これが相互作用の質的転換であり,集団への位相転換である。

1‑4 

連合,象徴,帰属,因果,序列

精神的処理・操作において異なる二つのものを関係づけ,一つの関係づけられた全体とするこ とがある。刺激と反応の連合に始まって,シニフィエとシニフィヨン,帰属されるものと帰属す るもの,原因と結果,初めと終わりなどである。これらは一つの関係づけられた全体となること であって,その部分が明らかになれば全体が明らかになるという機能を持っている。このことは 見方を替れば,部分と全体との関係が部分の中に閉じこめられることを意味している。このよう な部分と全体との関係が明確になり,部分の中に全体を閉じこめることで,全体的把握が部分に おいて可能になるのである。これは単に部分の問題でもなく,全体の問題でもない。このような 関係の部分への圧縮が位相転換である。

以上のように,心理学における情報圧縮と位相転換は人間の持つ基本的な情報処理であると考 えられる。そこで,本稿では情報圧縮の諸相を概銀するとともに,圧縮と位相転換がどのような 関係にあるのかについて検討してみよう。

II) 情報圧縮過程

n‑1 

情報圧縮の定義と分類

情報圧縮過程は何がなんでも情報量を減らせばよいというものではない。藤沢

( 1 9 8 5 ,1 9 9 0  a )  

に示したように, 1)情報圧縮:入力情報量をなんらかの方法で減少させる

2 )

情報再現:圧縮情 報はなんらかの方法で再現できる というように,情報圧縮は情報再現と表裏一体となってお , 「情報圧縮とは,入力情報を十分再現できる範囲で,情報量を減少させること」である。す なわち,情報圧縮は,たとえ情報量が少なくなっても,その情報のもつ意味や質の変化がないこ とを示している。

情報圧縮にはまず,

A t t n e a v e

のいう冗長性があり,これは情報の切捨てによる圧縮である

( F i g .  2 ‑ a )

。また,現在,ファクシミリの主流となっているG m法は,

F i g .2 ‑ b

に示すように文 字や絵を白と黒

(0

1)

に分け,それがどれほど長く続くかという情報を電送することで,全 ての情報を送らず,情報圧縮した形で電送時間の短縮を図っている。つまり,元の情報の分布を 現わす圧縮情報として電送し,受信側では圧縮情報から元の情報を再現しているのである。この

(6)

ような圧縮は情報の記号化と呼ばれている。

F i g .3

のような場合も同ーパクーンの繰り返しであ 左右対称というように記憶されるので, 正確な再生が困難になるのである

( A t t n e a v e ,  F . ,  

1959)

以上の

2

種類の情報圧縮は入力情報処理の単純化であり,簡素化である。これらに対して入力 情報そのものを圧縮しようとする方法がある。それは情報に含まれる共変動を抽出し,

の共通性やパターンを見いだすことである。本来,単純化や簡素化も共変動によるパクーンを基 なんらか

礎としている。

5 4 3 2   , 1 

1 0 ,  

出発点

終点

2 0   3 0  

4 0

5 0  

60 

70  80  F i g .  2 ‑ a  

冗長な視覚刺激の例図

( F .

アトニープより訳者が転載)。

この図を茶色の机の上においた黒いインキつぼと見たてよう。菅最は白であると する。この図形を50X80=4000個の要素に分割し,テレビの走査のように,左下の 隅から始まって,右上の隅まで,推測ゲーム法でもって各要素の色彩を,白,黒,

茶のいずれであるかあてていく。そのとき全く偶然的に推測するとすれば,誤りの

2  1  2 

総数の期待値は一

3  X4000+‑(‑X4000)=4000であるが、実際はそれよりも少な 2  3 

くなるであろう。したがって、この固形は冗長であるといってもよい(訳者)。

元の図

点線上の図

センサー上

二進変換

記号化

I  I  I I 

, .  I  I I 

I  I  I I 

ー ニ ― ― 四 ― ‑ ‑ ‑ ‑ ‑‑

I  I ~

!

i  i 

0 1 2 3 4 5 6 7 8 

1011121314 1 5  

鷹 町

1

I I I

む: I I 

I  I  I I 

I  I  I I 

I・I 

O  j l   1 1 l j O   O 0 1 1   1 1   0 0 0 0 

I I 

,̲̲̲曾‑』'‑‑‑..‑』....,.,'.'

↓  ↓  ↓  ↓  ↓ 

1  4  3  2  4 

F i g .  2 ‑ b  

FAXの記号化による伝送

(7)

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マス目数3

5 •

A m X

" I 2 R ' '  

F i g .   3 ‑ a

対称図形とランダム図形

( F .

アントニープより訳者が転載)。

対称図形35S、20Sに対し、ランダム図形12Rは,情報量は同一であるが マス目数は少ない。また、対称図形35S, 20Sに対し,それぞれランダム 図形35R、20Rは,マス目数は同ーであるが情報量は多い(訳者)。

60 

5 0  

平均過誤百分率

3 0  

2 0  

/ ? ・ ‑ ‑

12R 

~ 5 S

一 俯 報 飛

=12

ビット

● ●  . . . .  情報屎=マス目数

2 0  

マス目数

F i g .  3 ‑ b  

図形の識別における情報量と誤りの関係 (F. アトニープより訳者が転載)。

誤りについては,これと相関の高い別のテストに よって、分散が小さくなるように修正してある。

1 0   3 0  

n‑2 

共変動による圧縮過程

データの全分散に対する級内分散と級間分散の比という分散分析は,どのクラスと,どのクラ スが共変動しているかを調べる方法であり,相関分析はどの変数と,どの変数とが共変動してい ないか(完全な共変動からどれほどズレているか)を調べる方法である。もちろん,固有値問題

(8)

に帰結する全ての統計分析,例えば因子分析や判別分析,数量化分析などは,データの質の違い や対象の相違はあっても,データの中に含まれる共変動成分を抽出するために考え出された方法 である。すなわち,これらの統計的手法を基礎とした心理学は,一見ランダムに見える心理現象 の中から共変動する変数を見つけだすことを意図していると考えられる。心理学に限らず,ほと んど全ての知識は共変動を基礎にしているといっても過言ではないであろう。分類,法則,式な ど,知識は共変動に始まり共変動に終わる。

従って,人間の知識の基盤は共変動を抽出(圧縮)することから始まるといって差し支えな い。つまり,情報圧縮は知識の源であり,新たな知識を得る最強の方法である。しかし,同時に,

情報圧縮は圧縮するが故に完全な情報再現性を犠牲にすることが起こり得る。誤差を含み,時々 刻々変化する環境の中で,人間に許された再現性の程度というものが存在すると思われる。物理 学は,さも厳密な科学のようにいわれるが,それは応用された時に,人間の再現性の程度をはる かに許容する範囲でしか変動しないからであろう。

ll‑3  複雑なシステムの単位

Fig.  4 

単純な自己組織系

F i g . 4

は自己組織系の単純な例である

(Wolfram,S . ,   1 9 8 5 )

。隣合ったセルの中で黒いセルが 偶数個あれば次のステップで黒になり,それ以外は白になるという単純な法則で広がったものが aであり,偶数個が奇数個に変わったものが

b

である。このような単純なものでも数十ステップ 後には図にみるように,一方は同じようなパターンが現われ,他方はよく分からない非常に複雑 な広がりを見せることになる。

これを人間行動に当てはめてみると,一方は法則的で予測できそうな行動であるのに対して,

他方は複雑でなんらの法則性も発見できそうにない。しかし,前述したように,これらは単純な 法則で動いているのである。表に現われた行動は確かに客観的かも知れないが,それは人間とい う複雑なシステムの振舞いであって,その中に現われた法則性は, aのような,どちらかといえ ば,特殊な場合であり,しかも,偶然にも一貫性が保たれた場合のみに限られることになる。物 理的客観性は重要だが, レベルを変えて,行動の奥にある,単純だが数限りなく繰り返される知 識の単位を明らかにすることも人間行動の理解につながるのではなかろうか。

行動の

S

R

理論は,ある意味で人間行動の単位を明らかにしようとした。

B e r l y n e ,D .  E .  

‑159‑

(9)

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( 1 9 5 4 )の習慣族階層群理論などは良い例である。しかし,行動の単位とは,いわば自己組織系に

よって現われる最小パターンであり,これが真実であるためには,自己組織系の最初の法則がど んな場合も同ーであり続ける必要がある。

われわれは人間の心理現象を構成する単位を求めなければならない。それはSRとの間にあ る→印の中身を構成する単位でなければならない。つまり,連合の中身である。このように考え てみると情報圧縮は心理学の単位として最も有力な候補であるとおもわれる。なぜなら, SR は多くの場合,最初から一対一対応ではなく,刺激と反応の対は多対ーまたは多対多対応なの で,情報圧縮によって一対一対応に持ち込まねばならないからである。

][— 4

情報圧縮の自己帰還と自己回帰

ところが情報圧縮は一つの処理法であり,プロセスである。膨大な情報量を圧縮し,少ない情 報量でなおかつ元の膨大な情報の意味を失わないようにすることである。従って,処理するのも 情報なら結果も情報である。もともとのデークが持っている共変動が一種類であるという保証は ない。デークは多くの共変動からなっているのが普通であり,その意味でフーリェ解析,固有値 解法は有力な手段である。

r.r̲‑̲‑.rw‑ 搬送波

""‑‑‑"―"'‑‑‑音声など

FM

AM

F i g .   5 

伝送波のしくみ(搬送波は無意味)

しかし,この共変動さえも共変動を含んでいる可能性がある。

F i g . 5

に示したような,例え F Mのような場合は大きな共変動は単なる搬送波であり,送りたい音は共変動の中に隠され ている。逆に,

A M

のような場合は大きな変動の中に意味があり,小さな変動が搬送波である。

ここで重要なことは,搬送波は常に一定であるということである。共変動の内,それが定常的な 共変動である場合は適切な情報圧縮を行うと,ほとんどその意味を失ってしまうという事実であ る。定常的な共変動とは図と地の地であり,背景である。また,同じような犬,同じような花の 中の特別な一匹,一本を考えると,同じようなものは定常的な共変動であり,特別な対象はそれ らとは異なる変動なのである。

H o f s t a d t e rD .  

R. 

( 1 9 8 5 )

も述べているように,人間は繰り返し

(10)

に敏感に反応する。しかし,同時にその繰り返しが続くと,すぐ嫌になり,退屈してしまう。ほ んの少しの共変動にも敏感に反応する機構が,同時に共変動を無視する機構でもあるのである。

共変動の中に存在する共変動の抽出は全変動から定常的な共変動を除いたものの中から新たに 共変動を抽出することである。ここで,定常的な共変動はいかにして定常的と判断されるか,ま た,通常,全変動から定常的な共変動を除いた変動は独自,特殊, ランダム変動と呼ばれ,その 中から新たな共変動を見つけだすのは困難なはずである。にもかかわらず,人間はたやすく定常 的共変動を見つけだし,抽出するのが困難なはずの共変動まで見つけだしてしまうのである。

このために人間がとる方法とはどのようなものであろうか。ほとんど共変動らしい共変動のな いデータからそれを見つけだし,すぐにも定常的な共変動に持ち込んでしまうための方法であ る。人間の共変動抽出過程を扱っている分野の一つとして,概念形成と概念達成がある。人間は 概念を見つけだすのに,先ず,試行錯誤的に回答し,なんらかの手がかりを見つけだし,仮説検 証的に概念に迫って行くことが知られている。つまり,共変動の抽出過程の中に受動的な共変動 抽出過程(情報圧縮)だけでなく,能動的な共変動抽出過程(情報再現)が含まれていることを 物語っているのである。

能動的共変動抽出過程とはどのようなものと考えられるであろう。

もし,能動的に共変動を抽出するということが,仮説的検証型のものであるとするなら,ある 圧縮された仮データ(仮説)から元の仮想データを再現し,それと現存するデータとを比較する ことで,圧縮された仮データの妥当性を検証するということになろう。もし,能動的共変動抽出 が手がかり型のものであるとするなら,通常の情報圧縮過程からでは手がかりしか得られないの で,これをもとに圧縮を繰り返すことになろう。どちらにしろ,あるいは試行錯誤型のものであ っても, 明らかなことは情報圧縮と情報再現が繰り返され, 自己帰還

( r e c u r s i o n )

がなされる ということである。情報圧縮過程の中に情報再現と情報圧縮が入れ子になっていることを現わし ている。あるいは能動的共変動抽出が,いくらかの共変動を過大に評価し,僅かしかない共変動 を切り捨てることによって,共変構造をより明確にしようとすることなら,圧縮過程において生 じた誤差を切り捨て,共変動らしきものだけについて再び情報圧縮するという,自己回帰

( r e g ‑ r e s s i o n )

することになろう。

鯛 : •P''"'

l!IJ

ii情報→元データ→圧縮情報

再 再現 醤 他の庄縮1廿報との関係→とり入れる

F i g .   8 

自己回帰と自己帰置

‑161‑

(11)

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これら自己帰還と自己回帰によって,情報圧縮は,いくらかの過誤を含みながらも, よ り 早 く,より敏感にデークを圧縮することが可能になるであろう。心理学においてよく知られ,また 研究の進んでいる因子分析法を例にとれば,仮説検証型は因子構造から出発して,相関,あるい は粗点へのデータ再現を通して,元デークとの差を最小にする固有ベクトルを推定するという方 法となろうし,手がかり型は先ずもっての因子分析の結果から仮説構造を導き,いわゆる,イメ ージ因子分析と同様の方法をとることである。僅かしかない共変動の切捨ては主成分分析から独 自成分を差引き,各変量の共通性推定から因子分析に持ち込むやり方と基本的には同じである。

ただ,違うとすれば,共通性の低い変量を切り捨て,これを繰り返して行うことと,共通性の高 い変量には独自性として差し引いた分散を共分散として上乗せすることであろう。未だかつて,

実際の多変量解析において,これらのような情報圧縮の例は知り得ないが,それは元デークをね じ曲げ,過誤を招くからであって,それを恐れなければ現象から明快な構造を導き出すことがで きよう。

III) 位 相 転 換

直 ー

1

位相転換とは

位相転換を考える場合,簡単な例として水と水蒸気の位相転換を考えてみよう。

F i g .7

のよう に水の分子は立方体の分子構造を持ち,各分子間はお互いに引き合おうとする分子間結合によっ て成り立っている。液体であるときにはこの分子間結合が個体に比べ弱く,気体になれば分子間 結合が解かれ,各分子が個々に移動する。水の分子に熱が加わると各分子は固有の振動を始め,

F i g . 8

に見られるように,分子間結合力と分子固有の振動との葛藤状態となり,ついには分子固 有の振動による力が分子間結合力を上回り,位相転換を起こして気体となるのである。ここで,

F i g .   7 

水の分子構造(各分子は上下左右の

6

方向の分子 だけでなく、他の全ての分子と結合している)

(12)

‑‑‑‑ ‑, — 一一分子間の結介状態

叶 \ ― ‑ ― ‑ 分 子 間 結 合

)  J 

し\!雰贔戸粘合

t・Cal 

~

Fig.  8 

特定分子との結合

介結

k  

449 

t• C a l  

F i g .   9 

全分子との結合

おもしろいことは,この変換は二つの力間で直線的に起こるのではなく,

F i g .9

に見られるよう に,位相転換のために必要な熱量というものがある。これは,いわば分子間結合力間の中に帰還 的に吸収されるもので,各分子間結合と分子間結合間の,つまりは,固有結合力と共通結合力と の葛藤のために消費される。そして,ついには分子固有の振動が優勢となり,分子間結合力のカ を離れて気体へと位相転換するのである。固体と液体,気体の性質が違うように,位相転換する 以前と以後では明らかな性質(振舞い)の違いが生じる。

さて,人間の受け取る情報が特徴一概念一命題ー図式と情報圧縮され,位相転換されることは 前に述べた。外界からの情報が圧縮され,特徴になるためには,十分な圧縮がなされるというだ けでなく,外界の情報(元データ)とは切り放された特徴群の一つとして確立されなければなら ない。すなわち,他の特徴との関係が明白にならなければならない。同様のことが概念にも命題 にも当てはまる。ある意味で,情報圧縮され位相転換した情報は,圧縮する以前の元データから 自由な存在であり,それ自身が元データを代表し,他の圧縮情報との関係を持つものとなる。っ まり,位相転換のための必要条件は十分に元データが情報圧縮されていることであり,十分条件 は圧縮情報間の関係が十分に情報圧縮されることである。前者は水が十分加熱されることと対応 し,後者は水の分子間の結合が新たな局面を迎えるのと対応している。情報の位相転換は情報の 性質が変化し,それまでの情報とは違った振舞いをすることである。コンビュータを例にとれ , もともとは二進数のとめどもない情報である。もちろんこの二進数は+とーから出来上がっ ているので(電気工学的には雑音もあればサージ電流や増幅時の中間値もあるが)圧縮の必要は

‑163‑

(13)

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ない。しかし,この二進数が機械語になるためには桁数や他の機械語との関係,

CPU

内でのレ ジスタとの関係などが明確にならなければならない。しかし,ひとたび機械語となれば二進数を 考える必要はない。機械語が集まって命令語になっても同じことが言える。機械語間の順序や関 係がはっきりすれば(情報圧縮されれば)それで命令語となるわけではない。命令語となるために は他の命令語との関係(同じスペル,機能ではいけない等々)がはっきりしなくてはならない。

命令語から出来上がっているプログラムも,もちろん同じである。だからといって人間とコンビ ュータの同質性を主張しているわけではない。人間は日常的に特徴や概念の変更をするが,コン ビュータは出来上がってしまえば機械語を変更したりはしない。

人間における精神情報の位相転換は,

1)状態:元情報が十分圧縮されている

2 )

関係:圧縮情報間の情報が十分圧縮されている が明らかな場合に生起し,位相転換後は,

3 )

代表:元情報を代表し,元情報とは切り放して処理・操作ができる

4) 還元:いつでも位相転換前の状態や関係を参照でき,分配•特殊化(再現)できる

機能を持っていると考えられる。

情報圧縮については先に述ぺたので,位相転換の必要条件は既に述べたことになる。そこで,

次に位相転換の十分条件である関係の圧縮について述べよう。

: m :   ‑2 

圧縮情報間情報とは

圧縮情報には既に位相転換が成されたものと,未だ位相転換が成されていないものとがある。

前者は外界の情報に対する特徴であり,特徴に対する概念………である。例えば,特徴に対する 概念では, 「犬」や「家」など, 既にいくつかの特徴から構成されていることが明白で,それら の関係(組合せ)や,他の概念との関係(帰属)が明らかになっている圧縮情報である。これに 対して後者は,未だ「犬」や「家」などの概念とはなっておらず,それを構成している各々の特 徴は十分圧縮されながら,特徴間の関係が圧縮されていない場合である。鼠が象の部分を見て,

足や耳,尾,など,それぞれの特徴ははっきりしていても,それだけでは象が分からないような ものである。それは状態の情報圧縮はされているものの,それらの関係が圧縮されていないため に,「象」という概念に位相転換されていないからである。

圧縮情報間情報には,

F i g .  1 0

に示したように大きく

4

つの関係情報に分かれる。すなわち,

他の上位圧縮情報のある場合で関係を圧縮をする場合とは,童話のように,鼠が「大木のような 「団扇のような耳」というように, 他の概念(特徴ではない)である「大木」「団扇」との 関係を明らかにすることで「象」という概念へと位相転換させようとすることである。ここで

(14)

圧縮情報間情報

>

I圧 縮関係処理1再 現

回 婦 的I帰 置 的 共 通 項1試行錯誤

Fig.  1 0  

位相転換の分類

は,この種の位相転換を回帰的位相転換と名づける。なぜなら,ここでは他の上位レベル圧縮情 報(大木)を当該の下位レベル(象の特徴)へ回帰させることで位相転換が成されるからであ る。また,他の上位圧縮情報のある場合で関係を再現する場合とは,落語家のよくする べんべ ん節 で,例えば「チョウチョのようでもチョウチョでない,ぺんべん,ゴジラのようでもゴジ ラでない,ぺんぺん,それは何かと尋ねたら,あらモスラ,モスラ,モスラ」のようなものであ る。ここでは,これを帰還的位相転換と呼ぶことにしよう。なぜなら,ここでは他の上位圧縮情 報(チョウチョ,ゴジラ)間の関係から当該の同レベルに当たる圧縮情報を導きだし,下位レベ ルヘ帰還させるからである。これらに対して,上位圧縮情報のない場合で関係を圧縮する場合は 抽象概念によくみられる。例えば「バランス」という概念の形成には,数多くの全く異なる対象 間に存在する共変関係(共通項)という形でしか位相転換できない。これを共通項位相転換と呼ぶ。

これらで分かることは,位相転換するためには,それが位相転換された後にできあがるであろ う圧縮情報と同じレベルの他の圧縮情報があるか,もしくは共通項のある他の事象がなければな らないということである。これは

F i g .6

に模式的に描いた図のように,上位レベルの下位レベ ルヘの取り込み,あるいは折り畳みがあるか,もしくは,下位レベル事象間での情報圧縮がなけ れば下位レベルから上位レベルヘの位相転換はないということである。つまり,簡単に言えば,

位相転換は特定の事象(対象)だけでは生じない。位相転換は他の事象(対象)の存在との対比 においてのみ生起するのである。

直 ー

3

回帰的位相転換

さて,十分に情報圧縮した後,圧縮された各々の部分に,どのようにして全体が畳み込まれる のであろうか。いま, Xを上位レベル圧縮情報, Aを下位レベル圧縮情報, Yを当該の事象が位 相転換された後の上位圧縮情報であるとする。そこで,二つの上位圧縮情報

x ,

X2

を考え,

*や◇を特定の演算だとすれば,

X1=A1 *A2  X2=As*A4 

=A1*Ai 

だとしよう。そこで,上位レベルと下位レベルとの関係が,

‑165‑

(15)

関西大学『社会学部紀要」第

2 3

巻第

2

A

A 2 , Ai~A4

だとすると,

t

X1*X2

A2

◇ 

A4 

だということになる。すなわち,既知の圧縮情報

X 1 , X2

によって未知の圧縮情報

Y

が明らかに なることを意味している。

回帰的位相転換は上記の例のように,できる限り未知の圧縮情報を既知の圧縮情報に置き換え ることによって新たな情報処理を軽減すると同時に,上位レベル圧縮情報を取り入れたものとな ることである。つまり,下位レベル圧縮情報を最小にするように上位レベル圧縮情報を選択する ことである。

m‑4 

帰還的位相転換

回帰的位相転換が下位レベルと上位レベルとの関係を圧縮することで位相転換したのに対し て,帰還的位相転換は他の上位レベル圧縮情報間の関係から,これを下位レベルに再現すること で位相転換する。例えば,

X1=A1

*Aa X2= ふ *Aa*A4 Y = ふ *Aa

であったとしよう。ここではもちろん,

Y与X1♦X戸t

ということになり,未知の圧縮情報が既知の圧縮情報によって明らかとなっている。圧縮は,従 って,

Y

f

の差が最小になるように上位レベル圧縮情報を選択することである。

m‑5 

共通項位相転換

共通項位相転換は回帰的位相転換や帰還的位相転換とは異なり,上位レベル圧縮情報が存在し ない場合である。つまり,例えば,

Y,=A1 *A2  Y2=A1 *Aa  Ya=A1*A4 

のような場合で,このとき,

Y=Y1 ♦Y2◆ Y2 

として未知の上位レベル圧縮情報に位相転換するものである。 ここでは

Y 1 , Y

Ya

などが,

ほとんど上位レベル圧縮情報と同じだと見なせるほど下位レベル情報が圧縮されている必要があ る。ここでは共通項を持つ圧縮情報を最大にし,同時に各々の圧縮比を最大にすることである。

さて,われわれ人間は非常に強力な共変動抽出機能(機構)を持っていると考えよう。これは 同時に,非常に強力な独自変動分離機能(機構)を持っていると言い替えることもできる。従っ

(16)

て,演算◆は排他関係であっても良い。つまり,共通項とともに排他項もまた同じ位相転換であ ると考えられる。

N) 関係意味素と位相転換

われわれは位相転換においてどのような情報が扱われるのかを検討しなければならない。位相 転換において,関係情報が圧縮されることは先に述べた。関係情報には

F i g .1 1

のように

1 6

種類 あることは明らかである(藤沢,

1 9 8 5 )

。 これらの関係情報が複雑に絡み合って概念や命題, 式関の関係が構成されていると考えるなら,状態情報と同様,これを圧縮しなければ円滑な精神 的操作は不可能になるであろうと思われる。関係情報の圧縮は,いわゆる思考パターンや意思決 定傾向,方略,性格につながる問題である。そこでは,組合せ,帰属,推論,比較・序列化など による関係の圧縮が行われると考えられる。

論 理 記 号

P Q:1010 

: 理 値

o  o 

1 .  

P

Q 1  1  1  0  2 .  

逆 含 意

P

Q  1  1  0  1  3 .   p

肯 定

p  1  1  0  0  4 .  

P

Q  1  0  1  1  5 .   Q

肯 定

Q  1  0  1  0  6 .  

(P /¥Q)VCP  /¥Q)  1  0  0  1  7 .  

P

Q 1  0  0  0  8 .  

両 否 定

F

八百

0  0  0  1  9 .   F

Q 0  0  1  0  1 0 .   P

否 定

p  0  0  1  1  1 1 .   P

八百

0  1  0  0  1 2 .   Q

否 定

0  1  0  1  1 3 .  

(P

Q)V<P

Q) 0  1  1  0  1 4 .  

非 両 立

PVQ  0  1  1  1 

F i g .  1 1  

二項関係

本 稿 で は 単 に 関 係 情 報 の 圧 縮 が 位 相 転 換 を 生 じ さ せ る 十 分 条 件 と し た が , ど の よ う な 基 準 で

「十分圧縮され」, 位相転換が起こるかは明らかにすることができなかった。 これについては稿 を改めて,矛盾との関係で明らかにしたい。

参 考 文 献

A t t n e a v e ,  F .   ( 1 9 6 9 )   " A p p l i c a t i o n  o f  i n f o r m a t i o n  t h e o r y  t o   p s y c h o l o g y " ,  R i n e h a r t   &  W i n s t o n .  

(小野 芳訳、「心理学と情報理論」、ラテイス社)

B e r l y n e ,  D .  E .   ( 1 9 5 4 )   "Knowledge and s t i m u l u s ‑ r e s p o n s e  p s y c h o l o g y " ,  P s y c h o .  R e v . ,  6 1 ,   2 4 5 ‑ 2 5 4 .  

藤 沢 等

( 1 9 8 5 )

「情報圧縮過程と意味素の基本的構造」,関西大学社会学部紀要

1 6

2

‑167‑

(17)

関西大学『社会学部紀要』第

2 3

巻第

2

藤 沢

( 1 9 8 9 )

「精神的操作の理論」,関西大学社会学部紀要

1 8

2

藤沢

( 1 9 9 0 )

「認知と精神的操作の心理学」、関西大学経済・政治研究所研究双書,第

7 3

藤 沢

( 1 9 9 0 )

「ソシオンの理論(]I)」、関西大学社会学部紀要

1 9

2

H o f s t a d t e r ,   D .   R .   ( 1 9 8 5 )   " M e t a m a g i c a l  t h e m a s " ,   B a s i c  B o o k s .  

(竹内他訳, 「メタマジック・ゲーム」、

白揚社)

J h o n s o n ‑ L a i r d ,  P .   N .  ( 1 9 8 8 )   "The c o m p u t e r  and t h e  m i n d " ,   W i l l i a m  C o l l i n s .  

(海保他訳、「心のシミ ュレーション」,新曜社)

K o e s t l e r ,  A .   ( 1 9 6 8 )   "Beyond  R e d u c t i o n i s m " ,  The Alpbach  Symposium. 

(池田監訳,「還元主義を超え て」,工作舎)

T h u r s t o n e ,   J .   &  C a r r a h e r ,  

R. G

.  ( 1 9 6 6 )   " O p t i c a l  i l l u s i o n s  and t h e  v i s u a l  a r t s " ,  L i t t o n ,   N .  Y. 

W o l f r a m ,  S .   ( 1 9 8 5 ) '

Complexsystem t h e o r y " ,  I n   D .   P i n e s   "E

r g i n gs y n t

s i si n  s c i e n c e " ,   v o l .   1 ,  

A d d i s o n ‑ W e s l e y .  

参照

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