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論文審査の結果の要旨

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Academic year: 2021

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論文審査の結果の要旨

氏名:間 中 総一郎

博士の専攻分野の名称:博士(歯学)

論文題名:Low-intensity pulsed ultrasound-induced ATP increases bone formation via the P2X7 receptor in osteoblast-like MC3T3-E1 cells

(低出力超音波刺激によって誘導された ATP は P2X7 受容体を介して骨芽細胞による骨形成を促進する)

審査委員: (主 査) 教授 髙 橋 富 久

(副 査) 教授 宮 崎 真 至 教授 小木曾 文 内 教授 鈴 木 直 人

骨芽細胞分化は,ホルモン,サイトカインあるいはメカニカルストレスなどの外的因子によって巧みに コントロールされている。なかでも,ATP は骨芽細胞へのメカニカルストレスに応じて産生される調整因子 の1つであり,ATP がその受容体である P2X7 と相互作用を示すことで,骨芽細胞分化と骨形成を促進する と考えられている。一方,医科および歯科の臨床領域で広く利用されている low-intensity pulsed ultrasound(LIPUS)は骨折の治癒や骨再生を促進するメカニカルストレスの 1 つとして注目されており,

骨芽細胞分化と骨形成を誘導することが細胞レベルで明らかにされている。しかしながら,LIPUS 刺激を受 けた骨芽細胞の ATP 産生能と P2X7 受容体の発現パターン,および ATP と P2X7 受容体との相互作用につい ては不明な点が多い。そこで,本論文の著者は,骨芽細胞のモデルとしてマウス頭蓋冠由来骨芽細胞様株 化細胞(MC3T3-E1)を使用して,LIPUS 刺激が MC3T3-E1 の分化過程において,ATP と P2X7 受容体の発現に 如何なる影響を及ぼすか細胞生物学的に検討した。

具体的には,real-time PCR 法,Western blotting 法および ELISA 法を使用して,LIPUS 刺激(発振周波 数 1.5 MHz,超音波出力 30 mW/cm2)後の MC3T3-E1 の分化パターンについて,骨形成関連転写因子の RUNX2 と Osterix に加えて,細胞外マトリックスタンパク(extracellular matrix proteins; ECMPs)であるtype I collagen,bone sialoprotein,osteopontin および osteocalcinの発現を指標に検討した。また,細胞 外 ATP 濃度は Luminescence kit,細胞外リン酸濃度は Malachite Green Phosphate Assay Kit,ECM 内のカ ルシウム含有量は Calcium E-Test kit を使用してそれぞれ測定するとともに,alkaline phosphatase

(ALPase)活性はnaphthol AS-MX phosphate を基質とした発色法によって,細胞生存率はトリパンブルー 染色を用いて検討した。さらに,shRNA による P2X7 受容体ノックダウン細胞を作製し,LIPUS 刺激によっ て誘導される細胞外 ATP との関係について,control shRNA を導入した細胞と比較検討した。

その結果,以下の結論を得ている。

1. LIPUS 刺激は骨芽細胞様細胞である MC3T3-E1 の分化と細胞外 ATP の産生を誘導した。

2. 産生された ATP は P2X7 受容体の活性化を介して,MC3T3-E1 の骨形成を促進した。

3. LIPUS 刺激は細胞外リン酸濃度および ECM 内のカルシウム含有量を増加させたが,ALPase 活性の有意な 増加は認められなかった。

以上のように,本研究は,骨芽細胞において LIPUS 刺激によって誘導された ATP が,P2X7 受容体を介し て ALPase 活性非依存的に,骨芽細胞分化と骨形成を促進することを明らかにしたものであり,歯周病学な らびに関連歯科領域分野に寄与するものと考えられた。

よって本論文は,博士(歯学)の学位を授与されるに値するものと認められる。

以 上 平成27年3月11日

参照

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