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関空線直結系省力化軌道の省力化効果の検証

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第69回年次学術講演会(平成26年9月). Ⅵ‑412. 関空線直結系省力化軌道の省力化効果の検証. 1. はじめに. 西日本旅客鉄道株式会社. 正会員. ○岡本 一真. 西日本旅客鉄道株式会社. 正会員. 舩野 晴祐. 西日本旅客鉄道株式会社. 正会員. 山根 寛史. 3. 分析対象構造の現状. 関空線は、1994 年 9 月 4 日の関西国際空港開港に向. (1)軌道狂い. けて、阪和線日根野駅と関西国際空港を結ぶ重要な連. 1997 年、2002 年、2006、2013 年の各種軌道構造に. 絡線(全長 11.1km、3 駅)として 1994 年 6 月 15 日に. おける 10m 弦高低狂い、20m 弦通り狂いの動的最大値. 開業し、2014 年度には開業 20 年を迎える。関空線に. を表-2 に示す。いずれの軌道構造でも、軌道狂いの初. は、同一時期敷設による各種省力化軌道の効果測定や. 期進行は見られたものの、2006 年度以降の進行は見ら. 比較を目的として、様々な直結系省力化軌道が試験的. れないことがわかる。このことは、直近 7 年間のσ値. に敷設されている。. の推移グラフ(図-2)からもわかる。また、高低狂いが. 本稿では、開業 20 年を迎えるにあたり、敷設された 各省力化軌道の省力化効果の検証ならびに軌道変状の. 初期進行した箇所の多くは高架橋の橋脚の不同沈下に よって路盤面が落ち込んでいる箇所であった。. (2)列車動揺. 把握を目的として、追跡調査を行なったので報告する。. 営業列車で実施した列車動揺検査では、2006 年 4 月 から 2013 年 12 月の期間で整備目標値 (上下動 0.25g、. 2. 分析対象構造の概要. 左右動 0.20g)超過が発生したのは、普通スラブ・防振. 関空線の路線概要を表-1 に、各省力化軌道の構造・ 敷設概要を図-1、表-2 にそれぞれ示す。ただし、表-2. スラブ区間のみであった。この期間の整備目標値超過. の建設費比は対普通スラブ軌道比を示す。. 箇所発生率の平均値は、普通スラブ区間では上下動. 表-1 関空線の路線概要. 0.19 箇所/km、左右動 0.03 箇所/km であり、発生率. 建設時期 1987 年 1 月~ 年間通過トン数 6.5 百万トン 累積通過トン数 (2013 年 3 月末時点) 150.9 百万トン 線区最高速度 130km/h. の進行も見られない。なお、普通スラブ敷設区間にお ける上下動の頻発箇所は、6 箇所中 4 箇所が高架橋の橋 脚直上に位置している。これは、(1)で述べた橋脚の不 同沈下による軌道狂い発生箇所とも一致する。 表-2 各種軌道構造の動的軌道狂いの最大値. Ⅰ. Ⅱ. Ⅳ. Ⅴ. 軌道種別 B 型弾直. Ⅲ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ. 軌道狂い 高低 2013 年 9 2006 年 9 2002 年 8 1997 年 7. B 型弾直 低廉型弾直 枠型スラブ 防振スラブ 普通スラブ. 図-1 各省力化軌道の構造. 3.5. 表-2 各省力化軌道の敷設概要. B 型弾直 低廉型弾直 枠型スラブ 防振スラブ 普通スラブ. 敷設 延長 982m 376m 210m 76m 5514m. キーワード. 最小曲 線半径 300m 500m 1250m 3600m 1000m. 最急 勾配 15‰ 5‰ 10‰ 5‰ 25‰. 軌道の調整余裕量 上下 左右 ±30mm +40mm ±30mm +40mm ±10mm +30mm ±10mm +30mm ±10mm +30mm. B型弾直 枠型スラブ 普通スラブ 有道床(高速). 普通 スラブ 高低 通り 11 6 11 6 10 6 10 6 低廉型弾直 有道床(低速) 普通スラブ. 3.0. 建設 費比 2.50 2.08 0.90 1.50 1.00. 10m弦 高低σ 値. 軌道種別. 通り 13 13 10 10. 低廉型 枠型 防振 弾直 スラブ スラブ 高低 通り 高低 通り 高低 通り 10 7 4 8 5 4 10 7 4 8 5 4 9 7 4 6 5 4 9 7 4 6 4 2. 2.5. 2.0. 1.5. 1 2 4 8 1 1 2 3 4 6 8 1 1 2 4 6 8 1 1 2 4 6 8 1 2 3 4 6 8 1 1 2 4 6 1 1 1 2 4 6 8 1 2 月 月 月 1 2 月 月 月 月 月 0 2 月 月 月 月 0 2 月 月 月 月 0 月 月 月 月 月 0 2 月 月 月 0 0 2 月 月 月 月 0 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月. 2006 年. 2007 年. 2008 年. 2009 年. 2010 年. 2011 年. 2012 年. 図-2 各種軌道構造の 10m 弦高低σ値推移. 2013 年. B 型弾性まくらぎ直結軌道,低廉型弾性まくらぎ直結軌道,枠型スラブ軌道,防振スラブ軌道. 連絡先 〒598-0021 大阪府泉佐野市日根野 4047-3 西日本旅客鉄道株式会社 近畿統括本部 阪和線保線区 日根野保線管理室 TEL 072-467-0599. ‑823‑.

(2) 土木学会第69回年次学術講演会(平成26年9月). Ⅵ‑412. (3)ロングレールふく進量. 設置箇所での軌道パッド等のずれが見られるが、省力. いずれの構造でも、内外軌レール共に異常なふく進 は見られない。例として、防振スラブ区間を除く各種. 化軌道区間での締結装置類の緩み等の発生は有道床区 間とほぼ差異がない。. 省力化軌道における曲線外軌側のロングレールふく進 量の推移を図-3 に示す。. 4. 変状の発生状況. (4)軌道整備・補修実績. (1)B 型・低廉型弾性まくらぎ直結軌道. 弾直区間ではこれまでに軌道整備を実施しておらず、. まくらぎ本体や路盤コンクリートには顕著な変状は. スラブ区間でも 2001 年度、2003 年度に実施した調整. 見られない。一部のまくらぎで底面の弾性被覆材が目. 板等による軌面整正を除いて軌道整備実績はない。. 地切れし、まくらぎの浮き上がりが見られた(図-4(a)) 。. 2001 年度の軌面整正は、高架橋の橋脚の不同沈下によ. 列車通過時には列車荷重によって本来の位置までまく. る路盤面の落ち込みに対する整備である。一方、省力. らぎが落ち込むため、ばたつきが生じている。この浮. 化軌道区間前後の有道床区間(延長 1742m)では HTT. き上がりに対してレール底部~タイプレート間の調整. または MTT を年 2.5 回程度実施している状況である。. 板や軌道パッド等で軌面高さを調整しているが、調整. ここで 1 年間の軌道整備投入費用を 1m あたりに換. 量に限界があることから、弾性材下の間隙への樹脂注. 算したものを年軌道整備投入費用 C(円/m・年)とし、. 入等による整正方法の検討が必要である。. 2003 年度から 10 年間の有道床区間への軌道整備費用. (2)普通・枠型・防振スラブ軌道. の平均から算出した C を 1.00 とする。このとき、スラ. いずれの軌道スラブでも、有害なひび割れ等の変状. ブ軌道区間における C は 2013 年度時点で 1.37(20 年. は見られない。突起周りのてん充層は、普通・防振ス. 間で 2 度の軌面整正を実施)と算出される。ただし、. ラブ軌道で採用されている CA モルタルでは圧縮荷重. この値は上述の路盤構造物の変状による 2001 年度の. によるひび割れが 1132 箇所中 1119 箇所で見られる一. 整備費用を含んでおり、この費用を除けば C はほぼ 0. 方で、枠型スラブ軌道で採用されている合成樹脂では. となる。また、2001 年度の整備費用を含んだケースで. 見られない。普通・防振スラブ軌道区間で見られた半. も、有道床区間で定期的な軌道整備を継続することを. 円突起部のクラックや鉄筋の露出も枠型スラブ軌道区. 考慮すれば、2022 年度以降ランニングコストが有道床. 間では生じていない(図-4(b))。また、防振スラブ軌道. 区間を下回ることが予測される。. 区間では軌道スラブ下てん充層で CA モルタル側面の. 軽微な要補修箇所としては、リブ付き軌道パッド未 30.0. B型弾性まくらぎ直結軌道(右カーブR500) 低廉型弾性まくらぎ直結軌道(右カーブR500) 枠型スラブ軌道(左カーブR1250) 普通スラブ軌道(左カーブR1800). 25.0. LRふく進量(mm). 20.0 15.0 10.0. 損傷が見られた。列車通過時に防振マットの弾性変形 による軌道スラブの動的変位が大きいため、側面に張 り出した CA モルタルが破壊されたものと考えられる。 なお、防振マットの劣化損傷は見られない(図-4(c))。. 5.0 0.0 -5.0 -10.0. 8月. 5. 考察. 20 13 年. 8月. 2月 20 13 年. 20 12 年. 2月. 8月. 20 12 年. 20 11 年. 2月 20 11 年. 2月. 8月 20 10 年. 20 10 年. 8月 20 09 年. 20 09 年. 2月. -15.0. 本稿で得られた知見を以下に述べる。. 図-3 各省力化軌道のロングレールふく進推移. ・いずれの省力化軌道においても、軌道狂いの進行や 列車動揺の発生はあまり見られず、また早急に補修を 必要とするような著大な変状も現れていない。. 合成樹脂 合成樹脂による補修. ・要補修箇所も少なく、保守の手間は省かれている。 圧縮荷重によるひび割れ. ひび割れ. ・スラブ区間では投入頻度という点では有道床区間よ りも優位であり、また今後もスラブ区間の定期的な軌 道整備は不要であると考えられる。そのため、ランニ. 鉄筋露出. (a)弾性材縁切れ. 散乱したCAモルタル. (b)突起の変状 (c)防振スラブてん充層. 図-4 変状の発生状況. ングコスト面においても優位であると言える。 ・総じて各種省力化軌道は省力化効果が認められるが、 変状に応じた補修により長期的な維持が求められる。. ‑824‑.

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