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模型実験によるバラスト軌道の道床横抵抗力の検討

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Academic year: 2022

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模型実験によるバラスト軌道の道床横抵抗力の検討

西日本旅客鉄道株式会社 正会員 ○楠田将之 山口義信 公益財団法人鉄道総合技術研究所 正会員 桃谷尚嗣 伊藤壱記

1.はじめに :バラスト軌道の道床横抵抗力特性は,ロングレー ルの座屈安定性に大きな影響を及ぼし,この評価に用いる道床横 抵抗力は,軌きょう全体が移動するときの最終道床横抵抗力であ る.しかし,一般的にはまくらぎ1本を水平に載荷し,移動量2mm における水平荷重を用いている.これは,まくらぎ1本を水平に 載荷した場合の移動量2mmにおける道床横抵抗力が最終道床横抵 抗力の 70〜80%となること,まくらぎ1本の場合には,軌きょう 全体が移動する場合と比較して道床横抵抗力が 15〜20%ほど高く なることから,まくらぎ1本の移動2mmにおける道床横抵抗力は 軌きょう全体が移動した場合の最終道床横抵抗力と概ね等しくな るためである1)2).ところが,有道床弾性まくらぎなど必ずしも同 じ道床横抵抗力特性を示さないものがあり3),形状,構造が特異な まくらぎでは道床横抵抗力の特性は異なると考えられる.そこで,

まくらぎ形状の違いに伴う道床横抵抗力を評価するための基礎的 な検討として,表 1に示す新幹線用のまくらぎ(4T,3H),および 3Hを基本にレール下部に翼を設け軌間中心部の幅を広げたまくら ぎ(以下、「比較用」という.)を対象として,縮尺1/5の模型によ りまくらぎの水平載荷試験(道床横抵抗力試験)を行った.

2.試験方法:図 1に示す模型まくらぎの寸法は表 1に示した実 寸の1/5とし,ゴム製型枠を用いてモルタルにより作製した.

模型バラストは実際のバラストの 1/5 相似粒度となるように粒 度調整し(図 2),密度が1.6g/cm3となるように締め固めた.

試験はまくらぎ 1 本のケース(以下,「1本引き」という.)と まくらぎ5本からなる軌きょうのケース(以下,「軌きょう引き」

という.)について実施した.載荷についてはジャッキにより水平

方向に 0.4mm/minの速度で行い,載荷荷重及びまくらぎの水平変

位を測定した.図 3 に軌きょう引きに用いた軌道模型を示す.ま くらぎ間隔は116mm(実スケール580mm),道床肩幅は100mm(実 スケール500mm)とした.

軌きょう引きの場合,まくらぎ 5 本が同時に移動するように,

剛性の高い固定フレームを設置し,固定フレームの自重がまくら ぎに作用しないように,重錘とワイヤによるカウンターバランス を設置した.一方,1本引きの場合も同様に,ジャッキと接続する ための治具の自重がまくらぎに作用しないよう,同様にカウンタ ーバランスを設置した.

キーワード バラスト,道床横抵抗力,模型実験

連絡先 〒530-8341 大阪市北区芝田二丁目424号 西日本旅客鉄道株式会社 技術部(施設技術) TEL06-6376-8136 表 1  試験対象としたまくらぎの寸法,重量 種別 底面幅 端面高さ 長さ 質量

4T 300mm 218mm 2350mm 254kg 3H 330mm 254.6mm 2400mm 319kg 比較用 330mm 254.6mm 2400mm 427kg

図 1 模型まくらぎ(縮尺 1/5)

1 10

0 20 40 60 80 100

実際のバラスト粒度の

基準値の1/5となる範囲

(%)

粒径 (mm) 模型バラストの粒度

図 2 模型バラストの粒度分布

図 3 道床横抵抗力試験の軌道模型 土木学会第67回年次学術講演会(平成24年9月)

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(2)

3.模型試験の相似則:道床横抵抗力はまくらぎの底面,端面及 び側面で負担する4).模型では底面の面積が1/25,自重によるまく らぎ底面の圧力が1/5となるため,底面の摩擦抵抗力は1/125とな る.端面の抵抗力は主にバラストのせん断強度に依存し,深さ方 向の寸法が1/5となり拘束圧が1/5となるため,粒状体であるバラ ストの強度は概ね 1/5 となると考えられる.また,端面の面積が 1/25となることから,端面の抵抗力は概ね1/125となると考えられ る.側面の抵抗力は,摩擦係数とバラストのせん断強度に依存す るため,同様に約1/125となる.以上より,本模型実験で得られる 道床横抵抗力は概ね実物の1/125になると考えられる.なお,模型 まくらぎの質量(5本の平均値)は4Tが1.91kg,3Hが2.48kg,比 較用が3.24kgで,目標どおり概ね実物の1/125程度であった.

4.試験結果:1 本引きにおける道床横抵抗力を図 4に示す.道床 横抵抗力の最大値(最終道床横抵抗力)は,4T が 0.10kN,3Hが 0.14kN,比較用が0.16kNであった.

一般的に行われている1本引きにおける水平変位2mmの値を検 討するため,本模型実験における 1 本引きと軌きょう引きを比較 した結果を図 5〜図 7及び表 2に示す.ここで,軌きょう引きの水 平荷重はまくらぎ1本あたりの値,水平変位は図 3に示した6箇 所の変位計の平均値である.軌きょう引きの最終道床横抵抗力は 4Tが0.072kN,3Hが0.084kN,比較用が0.094kNであった.この 比較結果によると,1本引きの変位0.4mm(実スケール2mm)に おける道床横抵抗力は,軌きょう引きの最終道床横抵抗力と比較 して,4Tではやや小さく,3Hでは概ね同程度であり,比較用では 逆にやや大きいことがわかる.

なお,本模型試験の1本引きにおける水平変位2mmの値につい て相似則を考慮し,道床横抵抗力を125倍すると,4Tは 7.0kN, 3Hは10.75kNとなることから,本模型実験は,概ね実物大試験4) と同程度の結果が得られていると考えられる.

5.まとめ:新幹線用まくらぎ4T,3H,比較用の各まくらぎの道 床横抵抗力を軌きょうとして評価すると,まくらぎ 1 本で評価し た場合と比較してその差が小さくなる傾向が見られた.これは,

まくらぎ1本あたりの道床横抵抗力が大きくなると,いわゆる「群

杭効果」のように,隣接したまくらぎ相互の影響で1本あたりの支持力がより低下するためであると考えられる.

また,一般に行われている1本引きにおける水平変位2mmの道床横抵抗力については,4T,3Hなど従来形式のま くらぎの場合,軌きょう引きの最終道床横抵抗力と近似できることが再確認されたが,比較用のような特異な形状 のまくらぎの場合は過大評価になる可能性が示された.したがって,特異な形状のまくらぎ用いる場合,軌きょう としての道床横抵抗力性能を確認するのがよいと考えられる.

参考文献

1) 三浦重,柳川秀明:急曲線へのロングレールの適用,鉄道総研報告,Vol.6, No.1, 1992.1

2) 高谷博文,佐藤吉彦,鈴木俊一:分岐器の温度軸圧載荷試験,鉄道技術研究所速報,No.A-87-214, 1987.3 3) 三浦重,大石不二夫,横田敦,堀池高広:実用形有道床弾性まくらぎの開発,鉄道総研報告,Vol.4, No.5, 1990.5

4) 中村貴久,関根悦夫,白江雄介:大型振動台試験によるバラスト軌道の耐震性能評価,鉄道総研報告,Vol.24, No.12, 2010.12

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13

0.00 0.02 0.04 0.06 0.08 0.10 0.12 0.14 0.16 0.18 0.20

1本引き 比較用

4T 3H

 (kN)

水平変位 (mm) 図 4 道床横抵抗力(1 本引き)

0 1 2 3 4 5 6 7

0.00 0.02 0.04 0.06 0.08 0.10 0.12 0.14 0.16 0.18 0.20

4T(軌きょう引き)

(1本あたりの水平荷重)

 (kN)

水平変位 (mm) 4T(1本引き)

変位0.4mm(実スケール2mm)

図 5 4Tまくらぎの道床横抵抗力

0 1 2 3 4 5 6 7

0.00 0.02 0.04 0.06 0.08 0.10 0.12 0.14 0.16 0.18 0.20

3H(1本引き)

3H(軌きょう引き)

(1本あたりの水平荷重)

 (kN)

水平変位 (mm) 変位0.4mm(実スケール2mm)

図 6 3Hまくらぎの道床横抵抗力

0 1 2 3 4 5 6 7

0.00 0.02 0.04 0.06 0.08 0.10 0.12 0.14 0.16 0.18 0.20

比較用(1本引き)

比較用(軌きょう引き)

(1本あたりの水平荷重)

 (kN)

水平変位 (mm) 変位0.4mm(実スケール2mm)

図 7 比較用の道床横抵抗力 表2 試験結果まとめ (kN)

4T 3H 比較用

1本引き(2mm) 0.056 0.086 0.104 軌きょう引き(最終) 0.072 0.084 0.094 土木学会第67回年次学術講演会(平成24年9月)

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参照

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