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本四備讃線の軌道修繕に関する検討

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Academic year: 2022

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(1)

本四備讃線の軌道修繕に関する検討

四国旅客鉄道株式会社 正会員 ○永易 雅志 四国旅客鉄道株式会社 正会員 西本 正人 1.はじめに

四国と本州を結ぶ本四備讃線(以下、備讃線)は、開業から約 20 年が経過したが、軌道の修繕は軌道パッ ドの交換や伸縮継目ストローク調整等の小規模なものであり、レール交換等主要部材の交換を行った実績はな い。しかし、今後はレール傷の発生によるレール交換等大規模な材料交換が必要になってくると想定される。

また、本州と四国を結ぶ唯一の鉄道ルートであるため、リスク管理の面でも修繕計画を綿密に立てて置くこと は重要である。このような背景から、備讃線において今後発生が想定される修繕工事をまとめるとともに、特 殊環境下での材料交換の施工方法について検討したので報告する。

2.備讃線の軌道構造緒元 JR 四国管内の備讃線線路延 長は約 17.2km、内瀬戸大橋と 呼ばれる橋梁部は約 9.4km で あり、全線が複線である。主た る軌道構造緒元を図-1に示 す。全線がロングレール、約

95%が省力化軌道、最小曲線半径が 900m となっており、軌 道狂い管理の面ではほぼメンテナンスフリーである。また、

長大橋端部での大きな伸縮と角折れに対応するために敷設 されている軌道伸縮装置は、備讃線用に開発された 1500 形 をはじめとして、合計 28 組が敷設されている(図-2)。

(b) 道床種別 鋼直 15.64km

45%

スラブ 17.08km

49%

分岐直結 0.24km

1%

道床 1.56km

5%

(a) レール重量 60kg 26.69km

77%

50N 7.83km

23%

(c) 締結装置 分岐

0.29 km 1%

5形改 1.39 km 4%

F型 0.08 km EJ 0%

1.01 km 3%

鋼直Ⅱ 5.71 km 17%

鋼直Ⅲ 8.70 km 25%

直8型 17.35 km

50%

(d) 曲線半径 R=900 0.23km

1% 1200<R 11.07km 32%

直線 19.98km

57%

2000<R 0.32km 1%

2400<R 1.70km 5%

3000<R 1.22km 4%

図-1 備讃線の軌道構造緒元

3.想定される材料交換工事 図-2 軌道伸縮装置敷設箇所数

2組 2組 400形

400形

番の州 番の州

与島 与島 岩黒 岩黒 櫃石 櫃石

12組12組

1500形 1500形

10組 10組 800

800特特形

4組 4組 600形

600形

南備讃

南備讃 合計合計

北備讃 北備讃 下津井

下津井

2組 2組 400形

400形

番の州 番の州

与島 与島 岩黒 岩黒 櫃石 櫃石

12組12組

1500形 1500形

10組 10組 800

800特特形

4組 4組 600形

600形

南備讃

南備讃 合計合計

北備讃 北備讃 下津井

橋梁名 下津井

表-1 備讃線における伸縮装置のきしみ割れの発生箇所

線名 キロ程 種類 線形 部位

下り 17k076m(下津井 Br 終) 1500 形 付属 EJ トング左右 上り 17k076m(下津井 Br 終) 1500 形 付属 EJ トング左右 上り 21k056m(与島 Br 終) 600 形 R=1300 付属 EJ トング右 下り 25k620m(番の洲 Br 終) 800 特形 R=1300 付属 EJ トング左 (1)レール

平成 19 年度の探傷車によるレール細密検査で は、頭部水平裂の A1 ランクが4箇所確認された。

また、A1~A2 ランクのきしみ割れが発生している レールの延長は合計 3,720m(約 5.4%)であり、長 期的な観点でレール交換を計画する必要がある。

(2)軌道伸縮装置

軌道伸縮装置では、主伸縮部のトングレールと受けレールにおいて、フローや きしみ割れ、シェリングが発生する可能性があり、現状では表-1の箇所できし み割れが発生している。

図-3 1500 形のきしみ割れ 4.施工上の制約条件

施工上の制約条件としては、次の3点が挙げられる。

キーワード 本四備讃線,瀬戸大橋,軌道修繕,軌道伸縮装置

連絡先〒764-0011 香川県仲多度郡多度津町栄町3丁目 3-1-8 四国旅客鉄道㈱高松保線区多度津駐在 tel・fax 0877-32-3734

〒760-0011 香川県高松市浜ノ町9-23 四国旅客鉄道㈱高松保線区 tel 087-825-1681 fax 087-825-1682 土木学会第64回年次学術講演会(平成21年9月)

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(2)

(1)特殊な材料の交換:1500 形軌道伸縮装置や鋼直Ⅲ型締結装置は、備讃線のために開発された特殊な軌道材 料であり、これまで交換実績がない。

(2)現場条件の制約:長大橋梁上に位置するため、材料の搬入経路や溶接基地設備の検討、海上への落下物防 止等の対策が必要である。

(3)施工間合:下り線は線路閉鎖間合が約 4 時間 50 分あり問題ないが、上り線については線路閉鎖間合が約 2 時間であり、列車の運転休止等による拡大間合の対応が必要となる。

5.レール交換 (1) 部分交換

レールの部分交換は、一般区間と同じ工法で施工が可能であるが、長大橋梁上という制約のため、次の点に 注意する必要がある。①橋上ガードレールの撤去復旧 ②三次溶接時における溶剤等の海上部への落下防止

(2) 長延長レール交換 表-2 溶接基地設置可能箇所

線名 キロ程 位置

下り線 15k600m 付近(左) 鷲羽山トンネル内 上り線 15k600m 付近(左) 鷲羽山トンネル内 上り線 27k000m 付近(右) 番の洲高架橋上 長延長のレール交換についても、一般区間と同じ工法で施工

が可能である。しかし、橋梁上という現場条件の制約から、一 次溶接を行う溶接基地の設置箇所が表-2の箇所に限られる。

6.1500 形軌道伸縮装置の部分交換

次に、1500 形軌道伸縮装置(図-4)の部分交換につ いて検討した手順を以下に示す。

(1) 主伸縮部各レール位置の計測

伸縮装置は、桁とレールの位置関係に緻密さが要求 される。敷設時は桁の移動量をゼロの状態にしてレー ルを敷設したが、交換時には桁とレールの位置関係を 事前に測定して位置を合せる必要がある。

(2) ガードレール、受台、締結装置類の取り外し EJ 用・60 ア形・60 イ形・L 型断面部・鋼直Ⅲ型の

締結装置が使用されており、通常の器具で対応できる。 図-4 1500 形軌道伸縮装置の受け・トングレール

付属EJ受けレール 付属EJ受けレール

主伸縮部トングレール 主伸縮部受けレール

14,655

14,010

付属EJ受けレール 付属EJ受けレール

主伸縮部トングレール 主伸縮部受けレール

14,655

14,010

(3) 主伸縮部トングレール・受けレールの交換

トングレール、受けレールの順で敷設し、縦送りして据え付ける。レールの据付においては、以下の点に注 意する必要がある。

①トングレールと受けレールの間隔保持(シムにより基準値である 2mm の間隔を保持する。)

②事前に測定した数値によるレールの位置決め

③トングレールと受けレールの高低差調整(適正でない場合はタイプレート下へ調整板を敷設)

(4) 締結装置類、ガードレール、受台の取り付け

これらの詳細な手順については、1500 形軌道伸縮装置部分交換手順書として今回新たに作成した。

7.おわりに

本検討では、備讃線において発生が想定される軌道修繕工事についてまとめ、レール交換および軌道伸縮装 置の交換手順について検討した。このうち軌道伸縮装置は特殊な構造であるため、施工方法についてより具体 的な計画を作成し、施工業者も含めて技術継承を行っていく必要がある。また、部分交換に必要な材料は現状 では非常用の1組しかないため、新規の製作についても検討しなければならない。

今後もこれらの検討を進めるとともに、日常の検査を確実に行って安全安定輸送の確保に努めていきたい。

土木学会第64回年次学術講演会(平成21年9月)

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参照

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