営業線スラブ軌道におけるマクラギ直結分岐器の施工
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(2) IV-287. 態の2種類の状態を構成することができ、通り±5mm、①現況(スラブ軌道) A−A断面. 高低−5〜+10mm までの軌道調整が可能である。. 軌道スラブ. 6,施工方法・ 結果 分岐器の施工略図を図2に示し、その手順を以下 a)からf ) に示す。施工期間中は 45km/h の徐行を行. A. 突起コンクリート. CAモルタル. 突起コンクリート 軌道スラブ CAモルタル. A B. ②路盤コンクリート継ぎ足し,レール定尺化 B−B断面. った。. コンクリート. a) 分岐器部分の路盤コンクリートを既設のコンクリ. B. コンクリート. 打ち継ぎ用接着剤(エポキシ系). ※以下作業から完成まで、現場を通過する列車は時速45km/hの徐行を行う。(徐行期間: 10月3日早朝〜11月10日早朝). ートに継ぎ足すような形で打設する。( 図2②) b) 軌道スラブを撤去し、軌道スラブ下のCAモルタ ルを取り去る。( 図2③). ③軌道スラブてっ去,CAモルタルてっ去 (レール一時てっ去). C. てっ去. C−C断面. c) 分岐マクラギを配列し、路盤コンクリートとマクラ ギの間に挿入した染み出し式可変パッドによっ てマクラギ高さ( 高低) を調整する。( 図2④). C. ④分岐マクラギ配列,染み出し式可変パッドによる高さ調整 D ・・・・・・・・. 分岐マクラギ(合成樹脂製). D−D断面. パッド硬化後、Tボルトでマクラギを締結し、レー ルを復旧する。( 図2⑤) 可変パット. 染み出し式可変パッドとは、不織布製の袋の 中に樹脂系の硬化物を注入し、高低を調節する パッドである。注入すると硬化物の一部が文字. 普通レール用暫定床板( 上面) 本設敷板(下面). ・・・・・・・・ D. 分岐マクラギ(合成樹脂製). ⑤.レール復旧,Tボルトによるマクラギ締着 E−E断面 Tボルト. E ・・・・・・・・. 通り「染み出し」、接着剤の代わりとなる。この接 着力とTボルトによる締着で列車の横圧に耐える. Tボルト. ・・・・・・・・. 構造とした。パッドの硬化可使時間は約40分で. 以上③④⑤を1夜のうちに施工し、これを連続して行う。 E ⑥マクラギ挿入終了状態( 直線状態). ある。. F−F断面. F ・・・・・・・・ ・・・・・・・・ ・・・・・・・・. d)上記のb)〜c)を一日5m(軌道スラブ1枚)を単 ・・・・・・・・. 位とし、12日間の施工で分岐マクラギを挿入し た。全部そろった状態が図2⑥となる。 e)床版を直線用から分岐器用に交換し、直線レー. ・・・・・・・・ ・・・・・・・・ F. ⑦普通レールてっ去,床板交換(直線用→分岐器用),分岐器用レール挿入. G ・・・・・・・・ ・・・・・・・・ ・・・・・・・・. G−G断面. ルを分岐器レールに取り替えて分岐器を構成す ・・・・・・・・. る。( 図2⑦). 分岐器用本設床板( 上面). f )軌きょう全体を調整し、可変パッドをてっ去。マク ラギ下に樹脂を注入して、マクラギを完全に固定. 分岐器レール(基本・ トング・クロッシング). ・・・・・・・・. H ・・・・・・・・ ・・・・・・・・ ・・・・・・・・. 各工事は全てスケジュール通りに終了することが出. ・・・・・・・・. 来た。また、施工中の列車振動による軌道狂いは観 7,最後に. G. ⑧分岐器通り・ 高低調整,可変パット撤去・樹脂注入による固定 H−H断面. し完成となる。( 図2⑧). 測されなかった。. ・・・・・・・・. 固定用樹脂 CUS UB-13. ・・・・・・・・ ・・・・・・・・ H …普通レール用暫定床板. この時点における軌道調整可能量は、 高低-5〜+10mm・通り±5mmとなる。. 凡. 例. …分岐器レール用本設床板 …2重床板締結装置敷板(本設). 本分岐器は平成12年9月より施工に着手し、無事. 図2 施工順序図. 故のうちに11月に完成した。そして同年12月のダイヤ改正より使用開始されている。本分岐器の施工によって、従来 施工が困難とされたスラブ軌道区間における分岐器敷設の一方法を確立することができた。列車運休を一切とらず に施工できることが最大の特徴であり、今後他区間における同様の工事において応用できると考えている。 [参考文献] 「マクラギ直結分岐器軌道」−新しい線路 p466:須田、長門、徳岡、三浦編,日本鉄道施設協会 1997.3 「技跡’95」−北陸新幹線高崎駅構内 38#分岐器施工記録:JR東日本上信越工事事務所 1996.5. -575-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).
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