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営業線スラブ軌道におけるマクラギ直結分岐器の施工

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Academic year: 2022

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(1)IV-287. 営業線スラブ軌道におけるマクラギ直結分岐器の施工 J R東日本 東京工事事務所 正会員 ○佐伯 和浩. 藏岡 敏雄. 坂爪 正志. 大島 時生. 斉藤 明夫. 水島 正行. ユニオン建設㈱ 嶋貫 武. 山浦 克也. 1,はじめに 高架橋上スラブ軌道区間中に分岐器を挿入する工事を行う場合、従来は列車運休を伴う長大間合いを設定した上 での工事が一般的であった。この工事を、今回京葉線千葉貨物ターミナル付近待避線新設工事において、列車運 休を一切行わず、通常の夜間作業間合のみで行うことができた。本稿ではこの軌道構造と施工方法について述べ る。. 平 面 図. 東京方31号分岐器. 2,工事概況. 高架橋. 本稿の対象は図1中における東京方31号分岐 器である。 3,分岐器敷設現場付近の軌道構造 31号分岐器敷設現場の軌道構造は表1の通り、. 16#. 16# 東. 蘇 我. 京. 方 旧千葉貨物ターミナル. 方. スラブ軌道である。 4,当初施工計画と問題点. 下 り線 待避 線 新上り線. 高架橋部 L= 563m. 土留擁壁 L= 298m. 地上部 L= 1129m. 縦 断 図. 新上り線・ 下り線. 高架橋. 本工事の当初計画は、スラブ軌道を撤去してバ. 待避線. ラスト軌道に構造変更し、その上に通常の分岐器 を敷設する予定であった。この工事を計画通りに行うと以下の問題点. 図1 位置平面・縦断図. 間15分である。工事内容を勘案すると作業時間が足りず間合い拡大. 表1 現場付近軌道構造 レール 60kgロングレール 防振スラブ軌道 (騒音対策として消音バラスト 軌道形式 (豆砕石)を散布) 直結8形締結装置. ( 列車運休) の必要がある。. 設計最高速度. が明らかとなった。 4.1) 施工間合い 工事現場付近における線路閉鎖間合いは1:25〜4: 40までの3時. 130km/h. 4.2) 騒音対策 施工箇所周辺は住宅地(北側は戸建て中心、南側は大規模団地)であり、京葉線開業当初から住民の列車騒音 に対する意識が非常に高く、可能な限り騒音を出さない工法の採用が望まれた。 4.3) 施工場所 本現場は高架橋上で狭く、分岐器を仮組み、仮置きする十分な場所がない。 4.4) 省力化 周囲はスラブ軌道等の省力化軌道であり、分岐器部分だけバラスト軌道では保守上好ましくない。 以上の理由により、これらを克服すべく施工方法を検討し、施工を行った。 5,マクラギ直結分岐器の構造 分岐器の軌道構造は、路盤コンクリートとマクラギの間に樹脂注入することによって弾性を持たせ、Tボルトによって マクラギを定着させるマクラギ直結軌道である。スラブ軌道直下の路盤コンクリートは既設のものをそのまま用いるた め、このてっ去による騒音発生をなくすことができた。ただしレール面を合わせる必要から、マクラギ高さを225mmと 高くした。マクラギ材料は合成マクラギである。 分岐器レールの締結部は二重床板構造になっており、上床板の交換で直線状態(普通レールの状態) と分岐器状 キーワード; 分岐器挿入、スラブ軌道、マクラギ直結分岐器、二重床版タイプレート、営業線夜間施工、 連絡先; 〒151-8512 東京都渋谷区代々木2−2−6 J R新宿ビル 東京工事事務所 操軌課 電話 03-3370-6117 FAX 03-3372-7974. -574-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

(2) IV-287. 態の2種類の状態を構成することができ、通り±5mm、①現況(スラブ軌道) A−A断面. 高低−5〜+10mm までの軌道調整が可能である。. 軌道スラブ. 6,施工方法・ 結果 分岐器の施工略図を図2に示し、その手順を以下 a)からf ) に示す。施工期間中は 45km/h の徐行を行. A. 突起コンクリート. CAモルタル. 突起コンクリート 軌道スラブ CAモルタル. A B. ②路盤コンクリート継ぎ足し,レール定尺化 B−B断面. った。. コンクリート. a) 分岐器部分の路盤コンクリートを既設のコンクリ. B. コンクリート. 打ち継ぎ用接着剤(エポキシ系). ※以下作業から完成まで、現場を通過する列車は時速45km/hの徐行を行う。(徐行期間: 10月3日早朝〜11月10日早朝). ートに継ぎ足すような形で打設する。( 図2②) b) 軌道スラブを撤去し、軌道スラブ下のCAモルタ ルを取り去る。( 図2③). ③軌道スラブてっ去,CAモルタルてっ去 (レール一時てっ去). C. てっ去. C−C断面. c) 分岐マクラギを配列し、路盤コンクリートとマクラ ギの間に挿入した染み出し式可変パッドによっ てマクラギ高さ( 高低) を調整する。( 図2④). C. ④分岐マクラギ配列,染み出し式可変パッドによる高さ調整 D ・・・・・・・・. 分岐マクラギ(合成樹脂製). D−D断面. パッド硬化後、Tボルトでマクラギを締結し、レー ルを復旧する。( 図2⑤) 可変パット. 染み出し式可変パッドとは、不織布製の袋の 中に樹脂系の硬化物を注入し、高低を調節する パッドである。注入すると硬化物の一部が文字. 普通レール用暫定床板( 上面) 本設敷板(下面). ・・・・・・・・ D. 分岐マクラギ(合成樹脂製). ⑤.レール復旧,Tボルトによるマクラギ締着 E−E断面 Tボルト. E ・・・・・・・・. 通り「染み出し」、接着剤の代わりとなる。この接 着力とTボルトによる締着で列車の横圧に耐える. Tボルト. ・・・・・・・・. 構造とした。パッドの硬化可使時間は約40分で. 以上③④⑤を1夜のうちに施工し、これを連続して行う。 E ⑥マクラギ挿入終了状態( 直線状態). ある。. F−F断面. F ・・・・・・・・ ・・・・・・・・ ・・・・・・・・. d)上記のb)〜c)を一日5m(軌道スラブ1枚)を単 ・・・・・・・・. 位とし、12日間の施工で分岐マクラギを挿入し た。全部そろった状態が図2⑥となる。 e)床版を直線用から分岐器用に交換し、直線レー. ・・・・・・・・ ・・・・・・・・ F. ⑦普通レールてっ去,床板交換(直線用→分岐器用),分岐器用レール挿入. G ・・・・・・・・ ・・・・・・・・ ・・・・・・・・. G−G断面. ルを分岐器レールに取り替えて分岐器を構成す ・・・・・・・・. る。( 図2⑦). 分岐器用本設床板( 上面). f )軌きょう全体を調整し、可変パッドをてっ去。マク ラギ下に樹脂を注入して、マクラギを完全に固定. 分岐器レール(基本・ トング・クロッシング). ・・・・・・・・. H ・・・・・・・・ ・・・・・・・・ ・・・・・・・・. 各工事は全てスケジュール通りに終了することが出. ・・・・・・・・. 来た。また、施工中の列車振動による軌道狂いは観 7,最後に. G. ⑧分岐器通り・ 高低調整,可変パット撤去・樹脂注入による固定 H−H断面. し完成となる。( 図2⑧). 測されなかった。. ・・・・・・・・. 固定用樹脂 CUS UB-13. ・・・・・・・・ ・・・・・・・・ H …普通レール用暫定床板. この時点における軌道調整可能量は、 高低-5〜+10mm・通り±5mmとなる。. 凡. 例. …分岐器レール用本設床板 …2重床板締結装置敷板(本設). 本分岐器は平成12年9月より施工に着手し、無事. 図2 施工順序図. 故のうちに11月に完成した。そして同年12月のダイヤ改正より使用開始されている。本分岐器の施工によって、従来 施工が困難とされたスラブ軌道区間における分岐器敷設の一方法を確立することができた。列車運休を一切とらず に施工できることが最大の特徴であり、今後他区間における同様の工事において応用できると考えている。 [参考文献] 「マクラギ直結分岐器軌道」−新しい線路 p466:須田、長門、徳岡、三浦編,日本鉄道施設協会 1997.3 「技跡’95」−北陸新幹線高崎駅構内 38#分岐器施工記録:JR東日本上信越工事事務所 1996.5. -575-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

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