• 検索結果がありません。

自動車トンネル用複合型セラミック吸音板の経年変化について

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "自動車トンネル用複合型セラミック吸音板の経年変化について"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

自動車トンネル用複合型セラミック吸音板の経年変化について

長崎県長崎土木事務所 正会員 竃窄敏光      三菱重工業(株) 長崎造船所 堀 雅之  三菱重工業(株) 長崎造船所  関  四郎   元 三菱重工業(株) 長崎研究所  正会員○原  忠彦 

1.はじめに

自動車用トンネルの出口騒音低減を目的としたトンネル内吸音板を設置してから5年以上が経過した。

図1の長崎市内飽の浦トンネルは、国道202号の改良工事として建設されたもので、平成11年3月19日に供 用が開始されたが本年(平成16年)3月で供用開始後満5年を迎えた。なお本トンネルは東側の飽の浦小学 校前(三菱病院前)と西側の大浜団地との間を結び長さ約1500m、片側1車線(片側歩道付)である。

この飽の浦トンネルの両坑口には、騒音低減を目的として複合型セラミックス吸音板が実工事として最初に施 工(1)され、この5年間、壁面清掃は行われておらず、図2に見られるように吸音板の表面には汚れの付着がか なり進行している。今回、この吸音板の吸音性能の経年変化について調査した。

2.汚れの実態

当該トンネルに実装備されている吸音板2枚を剥がして汚れの実態観察と化学分析、清掃の方法および吸音率 の測定などを実施した。図3は新しいセラミック吸音板の表面写真を示す。図4は今回抜き取った吸音板の表 面写真を示す。明らかに黒色で少しの粘りがあった。表面には粉塵状態のダストが降り積もっていた。パネル 1枚(450×1800mm)あたり39grの粉塵が付着していた。粉塵粒子は図5に示すように60ミクロンを主体に

5〜200 ミクロンに分布していた。粉塵の構成元素分析をX線分析法で、化合物の分析を赤外線分光法で行っ

た。主たる成分は石英であった。灼熱減量は29.2%でそのうち19.2%は炭素で油分は2.8%であった。これら の結果から粉塵は道路面の削れ、排ガス、タイヤの磨耗である。図6はセラミック吸音板の断面写真を示した ものである。粉塵は表面のみに付着し内部には滞留していないことが分かった。

キーワード:自動車用トンネル、出口騒音、セラミック吸音板、経年変化、吸音率、粉塵

連絡先:三菱重工業(株)長崎研究所(長崎市深堀町5丁目717-1,T 095-834-2470,F 095-834-2475)

図1 飽の浦トンネル 図2 トンネル吸音板の汚れ

図3 セラミック吸音板(未使用材) 図4  5年経過した吸音板

土木学会第59回年次学術講演会(平成16年9月)

‑783‑

4‑393

(2)

3.吸音率の測定

定在波法による垂直入射吸音率を測定した。試験片は低周波域に対しては 100φの、高周波域に対しては 30 φの円盤とした。図4は切り出した試験片を示す。試験は未使用吸音板および5年経過した吸音板について行 いそれぞれ背後空気層を50mmの場合、100mmの場合について実施した。背後空気層は自動車用トンネルで

は100mmを新幹線トンネル(2)では50mm以下としているのでここでは2ケースについて実施した。なお、参

考として5年経過吸音板はブラシ洗浄と高圧水洗浄を実施した後の吸音率も測定した。同じ条件の試験片は3 枚製作し試験を行いバラつきの中央値を採用した。図7に吸音率測定結果を示す。5年経過材は未使用吸音板 に比べて明らかに吸音率が向上していることが分かった。

一方で高圧洗浄やブラシ洗浄した場 合は吸音率が低下した。以上のことか ら表面に柔らかく積もった粉塵は吸 音率を向上させ、擦ったり高圧で圧縮 して微細な粒径の粉塵が内部に詰ま ると吸音率が低下すると推測された。

そこで、未使用材の表面に平均粒度50 ミクロンのセラミック粉末をスプレ ー糊でまぶして吸音率を測定したと ころ、5 年経過材と同様な吸音率の向 上が得られたので表面に付着した道 路粉塵は吸音率の面からは除去しな くとも有害とはならないことが確認 された。

4.終わりに

トンネル内に長期間設置したセラミック吸音板は、粉塵付着による汚れが目立つが吸音率の観点からはむしろ 性能が改善していることが確認された。また、洗浄の仕方によっては吸音率をわずかに低下させる可能性があ ることも分かった。なお、当該トンネルでは今後も実装備パネルを使用して吸音性能の経年変化を追跡してい くことを計画している。

【参考文献】

(1) 相馬了治,関四郎,大橋義美:複合型セラミックス吸音板を用いたトンネルの騒音対策,土木学会西部支 部平成11年度技術発表会、2000.2

(2) 緒方正剛、高橋亮一、関四郎、原忠彦:新幹線トンネル出口騒音低減の研究、日本機会学会第 10 回鉄道 技術シンポジューム論文集、2003.12

ダスト の吸音 板内 部で の滞留は認められない 粉塵

図5 粉塵の粒度分布 図6 吸音板断面拡大写真

9mm

吸音率

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0

100 1000 10000

周波数Hz

吸音

V1=100mm A1=100mm 高圧洗浄 ブラシ洗浄 V1=50mm A1=50mm 背後空気層50mm

5年経過

背後空気層100mm 5年経過

背後空気層50mm 未使用材 背後空気層100mm

未使用材

図7 吸音率測定結果

土木学会第59回年次学術講演会(平成16年9月)

‑784‑

4‑393

参照

関連したドキュメント

車両通行用 開口部 音響管 開口部 風管用開口 風管用開口 車両通行用 扉部 コンクリート パネル 発破 コンクリートの重量のみで 発破音を低減

鋼管矢板下端から拡径杭がきれ いに形成 されてい る ことが確認できた。また、事後採取したコア供試体を 用いて圧縮試験をした結果、圧 縮強度は 十分な強

6 mm の鉄製の吸音率 αS は判 らない.したがって,今 回はこの αSの周波数分布 を,吸音材 の施 していない長 さ 6 0 0 mm の鉄製 のダク トの場合 とそのダク トの代 わ りに同 じ長

超音速飛行を目指す小型超音速実験機の開発は,計画当初は超音速飛行の実現に特化して脚を

言語音の多くは呼気音によって発せられるため、研究の主体となるのは一般的には

吸音特性の解析方法 吸音特性の解析には時間領域差分法 (以下 FDTDM と表記) 5) を用いた。図-1

現行加速走行騒音試験法の課題(乗用車・小型車)