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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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ふ り が な

氏 名

ふじき すぐる

藤木 傑

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 甲 第 869 号 学 位 授 与 の 日 付 令和 2 年 3 月 6 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 1 項に該当

学 位 論 文 題 目 Influence of the surface roughness of zirconia on the coefficient of static friction and retentive force of telescopic crowns

(ジルコニアの表面粗さが静止摩擦係数およびテレスコープ クラウンの維持力に及ぼす影響)

学 位 論 文 掲 載 誌 Journal of Osaka Dental University 第 54 巻 第 1 号 令和 2 年 4 月

論 文 調 査 委 員 主 査 岡崎 定司 教授 副 査 馬場 俊輔 教授 副 査 髙橋 一也 教授

論文内容要旨

ジルコニアを用いたテレスコープクラウンの臨床応用を目指し、これまでに最適な初期維持力 を得る条件や、着脱回数が維持力に及ぼす影響などを報告してきた。しかし、ジルコニアにおけ る静止摩擦係数の報告は少ない。そこで本研究では、表面粗さが異なる 2 種のジルコニア(Y-TZP および Ce-TZP/A)の静止摩擦係数を明らかにし、さらにテレスコープクラウンの内冠および外冠 の表面粗さが維持力に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。

試料としてジルコニアには Y-TZP および Ce-TZP/A を用いた。比較対象として Gold alloy を用 いた。固定試験片および移動試験片の表面粗さ(Ra)を 0.03μm(sm)および 1.0μm(ro)に それぞれ加工処理した。静止摩擦係数は卓上型精密万能試験機(EZTest、島津製作所)を用いて 固定試験片上に設置した移動試験片を水平に牽引し、滑り始めの最大荷重から算出した。静止摩 擦係数は同種材料間で測定し、その表面粗さの組合せを sm-sm、sm-ro および ro-ro で行った。

次に、 Ce-TZP/A を用いて、1/2 テーパー角を 2°および 4°のテレスコープクラウンの内冠およ び外冠を製作し、25 および 50 N の荷重負荷後に維持力を測定した。維持力の測定は、まず研磨 した内冠と研磨していない外冠(po-no)、次に研磨した内冠とアルミナブラスト処理を行った外 冠(po-bl) 、最後にアルミナブラスト処理を行った内冠および外冠(bl-bl)の順に行った。

その結果、表面粗さ sm-sm における Y-TZP、Ce-TZP/A および Gold alloy での静止摩擦係数の平均

値はそれぞれ 0.18、0.17 および 0.27 であった。同様に sm-ro では 0.18、0.17 および 0.33、ro-ro

では 0.31、0.38 および 0.57 であった。すべての表面粗さの組み合わせにおいて、Y-TZP および

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Ce-TZP/A には有意な差は認められなかった(p>0.01)が、Y-TZP および Ce-TZP/A は Gold alloy に比べ有意に小さくなった(p<0.01)。

Ce-TZP/A のテレスコープクラウン(2°)の 25 N 荷重負荷後の維持力の平均値は、po-no、po-bl および bl-bl でそれぞれ 9.8、10.9 および 12.3 N であった。50 N 荷重負荷後では同様に、20.0、

22.2 および 27.1 N となった。 4°の 25 N 荷重負荷後の維持力の平均値は、po-no、po-bl および bl-bl でそれぞれ 4.4、6.1 および 9.3 N であった。50 N 荷重負荷後では同様に、9.9、13.6 およ び 20.5 N となった。いずれの 1/2 テーパー角および荷重負荷量でも po-no、po-bl、bl-bl の順に 維持力は有意に高くなった(p<0.05)。

以上、静止摩擦係数から、ジルコニアを用いたテレスコープクラウンにおいて金合金と同程度 の維持力を発現するには、テーパー角を金合金よりも小さくする必要があると考えられた。さら に臨床において、 Ce-TZP/A を用いたテレスコープクラウンの維持力が低下した場合、外冠内面 や内冠表面へのアルミナブラスト処理が維持力向上に有効であることが示された。

論文審査結果要旨

本論文は、表面粗さが異なる 2 種のジルコニア(Y-TZP および Ce-TZP/A)の静止摩擦係数を明 らかにし、さらにテレスコープクラウンの内冠および外冠の表面粗さが維持力に及ぼす影響を明 らかにすることを目的とし、研究したものである。

静止摩擦係数の試料には、ジルコニアである Y-TZP および Ce-TZP/A を、比較対象として Gold alloy を用いている。固定試験片および移動試験片の表面粗さ(Ra)を 0.03μm(sm)および 1.0 μm(ro)にそれぞれ加工処理し静止摩擦係数を測定した。その結果、すべての表面粗さの組み 合わせにおいて、Y-TZP および Ce-TZP/A には有意な差は認められなかったが、Y-TZP および Ce-TZP/A は Gold alloy に比べ有意に小さくなったと報告している。

次に、Ce-TZP/A を用いて、1/2 テーパー角を 2°および 4°のテレスコープクラウンの内冠およ び外冠を製作し、内冠および外冠にアルミナブラスト処理を行ったときの維持力を測定している。

その結果、いずれの 1/2 テーパー角および荷重負荷量でも po-no、po-bl、bl-bl の順に維持力は 有意に高くなったと報告している。

以上、静止摩擦係数から、ジルコニアを用いたテレスコープクラウンにおいて金合金と同程度 の維持力を発現するには、テーパー角を金合金よりも小さくする必要があること、さらに臨床に おいて、Ce-TZP/A を用いたテレスコープクラウンの維持力が低下した場合、外冠内面や内冠表面 へのアルミナブラスト処理が維持力向上に有効であると結論付けている。

本論文はジルコニアをテレスコープクラウンに臨床応用するための基礎的研究であり、現在ま

で明らかにされてこなかったジルコニアの静止摩擦係数を求めたことには新規性がある。さらに

静止摩擦係数の結果を応用し、テレスコープクラウンの表面粗さを変化させることによって、維

持力が異なることが示された点において、本論文は博士(歯学)の学位を授与するに値すると判

定した。

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