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博 士 論 文 概 要

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Academic year: 2022

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(1)早稲田大学大学院情報生産システム研究科. 博 士 論 文 概 要. 論. 文. 題. 目. ハイブリッド型遺伝的アルゴリズムを用いた 生産・物流情報システムのための 統合スケジューリングに関する研究 Stud y on Int egrated S c h edul i ng for Manufacturing and Logistics Information System using Hybrid Genetic Algorithm. 申. 請 岡本. 者 東. Azuma OKAMOTO 情報生産システム工学専攻 ソフトコンピューティング研究. 2007 年. 1月.

(2) 現在,製造業や小売業のグローバルな展開に伴い,物流を含むサプライチェ ー ン も 世 界 規 模 で 拡 大 し て い る 。特 に イ ン タ ー ネ ッ ト 技 術 を 活 用 し た B 2 B は 急 速に拡大しており,グローバル・マーケットとして展開している。このような 状況において,高速化・大容量化の進むコンピュータによる情報技術の活用方 法も含め,現在の企業のあり方は大きく変化している。サプライチェーンの上 流に位置する製造業においても,サプライチェーンの下流にある情報をリアル タイムに取り入れ,顧客のニーズにマッチした生産計画・スケジューリング及 び配送計画を行うことにより,グローバルな市場における競争力を高めること が求められている。このためには,サプライチェーンやエンジニアリングチェ ーンなどの様々な視点からの情報を元に,生産・輸送・在庫などにおいて適切 な中・長期計画,およびスケジュールの作成を行う必要がある。 特に製造業においては,従来から効率良く短期間かつ低コストに製品を作る ことが重視され,このための数多くの研究と研究成果に基づくシステム開発が 行われてきた。これらの研究では,工場内の生産や工場間の輸送,顧客への配 送 な ど 個 別 の 問 題 を 取 り 扱 っ て い る 。 こ う い っ た 問 題 の 多 く は. NP. (Non-deterministic Polynomial)困 難 な 組 合 せ 最 適 化 問 題 と な り , 取 り 扱 う 問 題 の 規 模によっては,実用的な時間内に厳密解を求めることはほぼ不可能である。こ のため,それぞれの問題の特性・構造に合わせた近似解法が数多く研究され, 情報システムの実装においてもこれらの研究成果が活用されている。これらの システムを活用している製造業においては,工場の生産スケジュールは時間単 位・分単位で効率化されている。その一方で,製品出荷後の顧客への配送は個 別に取り扱われているために,生産スケジュールが確定した後も顧客への納期 は曖昧になり,週単位や日単位の納期確約となってしまっている問題がある。 また,生産と輸送の問題を統合して取り扱う場合においては,複数の問題の解 が互いに制約となる等の複雑な構造の問題へと変化し,全体最適化を考慮する 必 要 性 が あ る こ と か ら ,従 来 の 手 法 で の 最 適 な ス ケ ジ ュ ー ル 作 成 は 困 難 で あ る 。 また,スケジューリングは単一の企業内だけでなく,複数の企業をまたがっ たサプライチェーン全体の枠組で問題を捉える必要があり,このためには情報 シ ス テ ム に 与 え る た め の 標 準 化 さ れ た デ ー タ 形 式 の 策 定 が 要 求 さ れ る 。こ れ は , 一般的な生産・物流に関する情報を取り扱うだけでなく,特定の企業や企業群 に固有の情報も柔軟に取り扱う必要がある。このように,企業情報システムの 中核を担うスケジューリング・システムの実現のためには,複雑な問題構造を 適切に表現することのできるデータ構造や,最適化を行うアルゴリズムに関す るする総合的な研究が必要である。 近年,従来の生産スケジューリングにサプライチェーンの視点を取り入れて 発 展 し た 先 進 的 ス ケ ジ ュ ー リ ン グ ( Advanced Planning and Scheduling; APS ) が提唱されている。これは,生産管理,生産スケジューリング,供給・在庫計.

(3) 画 , 物 流 ・ 配 送 計 画 , 工 程 計 画 , 製 品 設 計 , さ ら に は MES ( Manufacturing Execution System) を は じ め と す る 実 行 系 を も 統 合 し た 情 報 シ ス テ ム の 構 築 方 法 を 含 み ,デ ー タ 交 換 に 関 す る 研 究 ,標 準 規 格 の 策 定 ,実 装 が 進 め ら れ て い る 。 しかし,生産・物流を統一的に取り扱うための標準策定は現在行われている最 中である。 さ ら に ,生 産・物 流 に 関 す る 問 題 を 統 合 的 に 取 り 扱 う ス ケ ジ ュ ー リ ン グ で は , 計算量の問題以外に,問題構造の変化が生じやすい点も重要である。複数の要 素を統合したスケジューリングにおいて,その中に含まれるいずれかの問題の 構造が変化した場合,その影響は問題全体に及ぶ可能性がある。例えば,生産 設備の保守や更新,資材の調達方法,倉庫の容量や位置,出荷タイミング,ま た生産や輸送のアウトソーシングなど様々な変更が考えられ,いずれもスケジ ューリングにおける制約や目的関数に大きく影響する。よって,これらの変化 に適応可能な頑健性の高いアルゴリズムが必要である。 解 析 的 な 近 似 解 法 に 関 す る 研 究 の 他 に , 遺 伝 的 ア ル ゴ リ ズ ム ( Genetic A l g o r i t h m ; G A ),シ ミ ュ レ ー テ ッ ド・ア ニ ー リ ン グ 法( S i m u l a t e d A n n e a l i n g ; S A ), タ ブ ー 探 索 法( Ta b u S e a r c h ; T S )な ど を は じ め と す る メ タ 戦 略 に よ る 最 適 化 の 研究が注目されている。これらの手法は従来の理論に基づく手法と比較して頑 健性が高く,現実の問題に含まれる複合問題や,時間と共に問題の構造が変化 するような制約の追加にも適応することができる。しかし,従来のメタ戦略に 関する研究の多くはシンプルにモデル化された部分最適化のスケジューリング 問題や輸送問題を対象としていた。 本研究の目的は,設備保守等によって条件が変化するスケジューリング問題 や,生産スケジューリングと配送計画といった複合問題に対して,柔軟に対応 可能なデータ構造の設計と,それらを処理し効率的に最適化を行う遺伝的アル ゴリズムによるスケジューラを中心とした生産・物流情報システムに関する基 礎研究およびその成果に基づく実装である。 このため,既存の生産スケジューリングおよび配送計画に関する研究の成果 を明らかにし,さらに研究対象となるスケジューリング問題への適用とその問 題点を明らかにする。また,生産と輸送の統合スケジューリング問題について 数学モデルを定式化し,このモデルに適した効率的な最適化手法を提案する。 具体的にはスケジューラを中心とした生産・物流情報システムの研究開発に ついて,以下の小テーマについて研究を行う。 1. 輸 送 を 考 慮 し た 生 産 ス ケ ジ ュ ー リ ン グ 問 題 の 数 学 モ デ ル に 関 す る 研 究 : 先 進 的 ス ケ ジ ュ ー リ ン グ( APS)を ベ ー ス と し ,生 産 ・ 物 流 の 統 合 ス ケ ジ ューリングモデルを定式化する。 2. ス ケ ジ ュ ー リ ン グ の た め の デ ー タ 形 式 に 関 す る 研 究 開 発 :. 生産スケジ. ューリングおよび配送計画に必要な要素について検討し,それらを統合.

(4) 的に取り扱うためのデータ構造を設計する。 3. 最 適 化 手 法 の 研 究 開 発 :. 制約が変化する場合にも柔軟に対応可能な,. ハイブリッド型遺伝的アルゴリズムを提案する。また用途に応じて,多 目的最適化にも対応可能であることを示す。さらに,生産・物流の統合 スケジューリングにおいてもこのアルゴリズムが有効であることを示す。 本論文は以下の 7 章から構成されている。 第 1 章では,本研究の背景と目的および本論文の構成について述べる。 第 2 章では,従来のスケジューリング問題について述べ,本研究で提案する 生産・物流情報システムのための統合モデルとの違いを明らかにする。また, 遺伝的アルゴリズムによるスケジューリング手法の開発の必要性について述べ る。 第 3 章 で は ,APS シ ス テ ム に お け る ス ケ ジ ュ ー リ ン グ の 重 要 性 を 示 し ,遺 伝 的アルゴリズムを用いたスケジューリング・エージェントの提案を行い,有効 性を示すための実験システムを開発する。更に,設備保守の追加を例として, システム構築時に想定していなかった要素を追加する際に,最小限の変更で要 素を追加することができることを検証し,本手法の頑健性と柔軟性を示す。 第 4 章 で は ,A P S シ ス テ ム に お け る 生 産 ス ケ ジ ュ ー リ ン グ と 配 送 計 画 の サ ブ システム間の連携方法について述べる。その一手法として,生産スケジューリ ングの最適化を中心とし,輸送についても考慮した多目的最適化を行い,複数 の妥協解を求める。これらの解の中から配送計画に関する制約に基づく選択を 行い適切なスケジュールを決定する方法について示す。また,ランダムキーベ ー ス の GA に よ っ て , ス ケ ジ ュ ー リ ン グ の 計 算 量 を 減 少 さ せ る 。 第 5 章 で は , 製 造 BOM( Bill of Manufacturing ) を 拡 張 す る こ と に よ り , 生 産と物流に関するデータを統合的に取り扱う方法を提案し,これによって生産 スケジューリングのための手法を大幅に変更することなく,生産・物流の統合 スケジューリングが可能となることを示す。また,スケジュールの頑健性を向 上 さ せ る た め , 多 目 的 ハ イ ブ リ ッ ド GA を 用 い た ス ケ ジ ュ ー リ ン グ 手 法 を 取 り 入れ,その効果について検証する。 第 6 章では,ピックアップ・デリバリにおけるサービスを生産工程と同様に 作業として取り扱うことによって,異なる種類の資材,半製品,製品の混載輸 送を考慮したスケジューリングのためのモデルを示す。このモデルを基に,生 産と輸送の多目的スケジューリングを実現する。 第 7 章では,本研究から得られた知見についてのまとめを行う。 本論文では,生産・物流情報システムにおける統合スケジューリングを実現 す る た め の X M L を 用 い た デ ー タ 構 造 ,お よ び ハ イ ブ リ ッ ド 型 多 目 的 G A を 開 発 し,試作システムを作成し,その有効性を数値実験により検証した。.

(5) 研 究 業 績. 種 類 別 1. 論文. 著者、. 題名、 発表・発行掲載誌名、 発表・発行年月日、. 頁等. 学術誌原著論文. ○. [1]. 岡本 東, 玄 光男, 菅原光政: “スケジューラ moGA と XML による APS システム”, 日本設備管理学会誌, vol.17, no.2, pp.15-24, 2005.. ○. [2]. Okamoto, A., Gen, M. and Sugawara, M.: “Integrated Data Structure and Scheduling Approach for Manufacturing and Transportation using Hybrid Multistage Operation-based Genetic Algorithm”, Journal of Intelligent Manufacturing, vol.17, pp.411-421, 2006.. ○. [3]. Okamoto, A., Gen, M. and Sugawara, M.: “Integrated Scheduling Problem of Manufacturing and Transportation with Pickup and Delivery”, International Journal of Logistics and SCM Systems, vol.1, pp.19-27, 2006.. [4]. Okamoto, A., Gen, M. and Sugawara, M.: “Integrated Scheduling using Genetic Algorithm with Quasi-Random Sequences”, International Journal of Manufacturing Technology and Management (to appear).. 2. 国際 会議. ○. 査読のある国際会議・シンポジウム論文 [1]. Okamoto, A., Gen, M. and Sugawara, M.: “Scheduling Approach using Bill of Manufacturing and Genetic Algorithm in APS”, Proceedings of Workshop on Intelligent Manufacturing & Logistics Systems (IML2005), CD-ROM, no.3, pp.1-7, 2005.. [2]. Okamoto, A., Gen, M. and Sugawara, M.: “Data Integration for APS system based on Scheduler moGA”, Proceedings of International Symposium on Advanced Intelligent Systems (ISIS05), pp.816-822, 2005.. [3]. Okamoto, A., Gen, M. and Sugawara, M.: “Integrated Data Structure of Manufacturing and Transportation for Scheduling System”, Japan-Australia Workshop on Intelligent and Evolutionary Systems (IES2005), CD-ROM, 2005.. [4]. Okamoto, A., Gen, M. and Sugawara, M.: “Scheduling Agent for APS system based on Scheduler moGA and XML”, Proceedings of 6th Asia Pacific Industrial Engineering and Management Conference (APIEMS Manila 2005), CD-ROM, 2005.. [5]. Okamoto, A., Gen, M., Shiota, M. and Sugawara, M.: “Logistics Planning for Disposition of Polychlorinated Biphenyl using Genetic Algorithm”, Proceedings of International Conference on Logistics and Supply Chain Management (LSCM2006), CD-ROM, 2006..

(6) 研 究 業 績. 種 類 別 ○. 著者、 題名、 発表・発行掲載誌名、 発表・発行年月日、 頁等 [6]. Okamoto, A., Gen, M. and Sugawara, M.: “Integrated Scheduling of Manufacturing and Transportation using Multiobjective Hybrid Genetic Algorithm”, Proceedings of The 5th International Conference on Information and Management Sciences (IMS2006), pp.440-447, 2006.. [7]. Okamoto, A., Gen, M. and Sugawara, M.: “Robust Scheduling for APS using Multiobjective Hybrid Genetic Algorithm”, Proceedings of 7th Asia Pacific Industrial Engineering and Management Conference (APIEMS Bangkok 2006), pp.1038-1045, 2006.. 3. 総説. なし. 4. 講演. 査読のない国際会議、査読のないシンポジウム. ○. [1]. 岡本 東, 玄 光男, 菅原光政: “APS システムにおけるスケジューリング・エージェ ントと輸送管理エージェントの連携”, 平成 17 年度 日本ロジスティクスシステム 学会 九州支部 第 1 回講演会・研究会予稿集, pp.1-11, 2005.. [2]. 岡本 東, 玄 光男, 菅原光政: “moGA ベースの APS システムのための XML データ 表現”, 平成 17 年度 日本設備管理学会 春季研究発表大会 論文集, pp.49-56, 2005.. [3]. 岡本 東, 玄 光男, 菅原光政: “多段階決定型遺伝的アルゴリズムによる輸送計画を 考慮した生産スケジューリング”, 日本ロジスティクスシステム学会 第 8 回全国大 会予稿集, pp.111-116, 2005.. [4]. 岡本 東, 玄 光男, 菅原光政: “スケジューラ moGA ベースの APS システム用エージ ェント”, 平成 17 年度 電気学会 電子・情報・システム部門大会 講演論文集, pp.664-669, 2005.. [5]. 岡本 東, 玄 光男, 菅原光政: “複数工場間における生産・輸送の統合スケジューリ ング”, 電気学会 進化技術応用調査専門委員会 第 4 回研究発表会, 講演論文集, CD-ROM, 2006.. [6]. 岡本 東, 玄 光男, 菅原光政: “生産・輸送統合スケジューリングのための多目的遺 伝的アルゴリズム”, 平成 18 年度 日本設備管理学会 春季研究発表大会 論文集, pp.119-124, 2006..

(7) 研 究 業 績. 種 類 別. ○. 著者、. 題名、 発表・発行掲載誌名、 発表・発行年月日、. 頁等. [7]. 岡本 東, 玄 光男, 菅原光政: “ハイブリッド GA による輸送を考慮した多目的生産 スケジューリング”, 日本ロジスティクスシステム学会 第 9 回全国大会予稿集, pp.17-22, 2006.. [8]. 岡本 東, 玄 光男, 菅原光政: “多目的 GA による生産と輸送の統合スケジューリン グ”, 平成 18 年度 電気学会 電子・情報・システム部門大会 講演論文集, pp.394-399, 2006.. [9]. 岡本 東, 玄 光男, 菅原光政: “生産・物流の統合スケジューリングのためのハイブ リッド型遺伝的アルゴリズム”, 電気学会 進化技術応用調査専門委員会 第 3 回研 究発表会, pp.22-38, 2006.. 5. 著書. なし. 6. その他. なし.

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