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好熱菌F1-ATPaseのα3β3複合体の構造解析

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(1)学位論文題目. 好熱菌F1−ATPaseのα3β腹合体の構造解析. 兵庫教育大学大学院 学校教育研究科 教科・領域教育専攻 自然系コV一一一・ス(理科). M94610J 神原 稔 主任指導教官 佐藤. 光. 教 授.

(2) 要旨 本研究は、好熱菌PS3のFl−ATPaseの主要サブユニットである、α,βサブユ ニットの複合体α3β3のX線結晶構造解析への取り組みである。 Fi−ATPase(Fl)はミトコンドリア、細菌原形質膜に存在するH+一ATPase(FoF1). の触媒部であり、α,β,γ,δ,εの5種類のサブユニットからできている。サ ブユニット構成はor 3β3γδε(分子量38万)で、α3β3複合体(分子量32万)が. 活性中心を形成すると考えられている。α3β3複合体はF1の1/5程度のATPase活 性を持っている。. 昨年までの研究で、ヌクレオチドが結合していないα3β3複合体の構造を解 くことができた。本研究では、ヌクレオチドが結合したα3β3複合体の構造解 析を進めるために、ヌクレオチドが結合したリガンド結合型α3β3複合体の構 造解析を行った。この結晶は、ヌクレオチドを溶かした安定化溶液の中に α3β3複合体の結晶を浸して作るので、良質な結晶が多数必要となる。カラム クロマトグラフィによる蛋白質の精製方法を改良することによって、純度の高 い蛋白質を得ることができ、これを使い従来の結晶化条件で行うと結晶が必ず. 得られるようになった。さらに、X線回折強度測定を行える大きな結晶を得る ために結晶化条件を探した結果、従来の条件に添加物としてDTT 1磁、 EDTA O.1酬を加えることによって0.5∼1.0㎜の結晶を確実に得ることができた。. また、x線回折強度測定を行なう結晶を保存するための安定化溶液の濃度は、 PEG20Kを18%以上にすれば良いことがわかった。この安定化溶液にヌクレオチ ドを溶かし結晶を入れることによって、リガンド結合型α3β3複合体の結晶を 作った。しかし、ヌクレオチドが結合することによって結晶にくすみができた. りひびが入ったりするので、X線回折強度測定を行う前日にリガンド結合型結 晶を作製することにした。. 高エネルギー物理学研究所での放射光を用いたX線回折強度測定では、各ヌ クレオチドともに分解能が3.1∼3. 6Aのデータを得ることができた。これらの データを結晶構造解析プログラムで処理するとAMPPNP、 Mg−ADP、 P iは、α3β3. 複合体に結合することによって構造に変化をもたらしていることがわかった。. さらに、F1のサブユニット構成には、γサブユニットがあるがα3β3複合体.

(3) にはγサブユニットがないので、γサブユニットを結合させそのことによる構. 造変化を調べるためにα3β3y複合体の結晶化実験を行った。その結果、 PEG20K濃度8%、 Na2SO47R度0.12M、 Tris pH8 BufferseniM、温度150Cの条件で O. 2mmの大きさの結晶ができた。. 機能がわかっているβミュータントをα3β3複合体結晶に使い機能の違いが どのような構造変化によるものかを調べるためにβミュータントからのα3β3 複合体の結晶化実験をした。βミュータントにE190Qを使った場合は、 PEG20K 濃度10∼12%、Na2SO4濃度0.12M、 Tris pH7.6Buffer50niM、温度5℃の条件で. 0.4㎜の大きさの結晶ができた。また、Y341AとY341Lを使った場合は、共に PEG20K濃度14%、 Na2SO4濃度0.12M、 Tris pH8 Buffer5(脳、温度15℃の条件で 0.2㎜∼0.3㎜の大きさの結晶ができた。.

(4) 目次. 要旨 1.序論. 1. 1.F i−ATPaseのα3β3複合体. 1. 2.X線結晶構造解析. 3. 3.X線結晶構造解析の原理. 5. H.実験方法 1.大腸菌の培養. 9 10. 1−1.培養液の作製. 11. 1−2.培養. 11. 1−3.サブユニットの発現の確認. 12. 2.サブユニットの精製. 12. 2−1.大腸菌破砕(リゾチーム使用). 13. 2−2.大腸菌破砕(超音波破砕機使用). 13. 3.カラムクロマトグラフ■一. 14. 3−1.αサブユニット、βサブユニット、βミュータント. 14. 3+1.DEAEイオン交換カラムクロマトグラフィー. 14. 3−1−2.HW65疎水カラムクロマトグラフィー. 14. 3−2.α3β3γ複合体サブユニット. 15. 3−2−1.DEAEイオン交i換カラムクロマトグラフィー. 15. 3−2−2.BUTYLイオン交i換カラムクnマトグラフィー. 15. 3−3.α3β3複合体の再構成・精製. 16. 3−3−1.α3β3複合体の再構成. 16. 3−3−2.α3β3複合体の精製. 16. 4。各複合体の脱塩・濃縮. 17. 4−1.α3β3複合体の脱塩・濃縮. 17. 4−2.or 3β3・V複:合体の脱塩・濃縮. 18. 5.精製された蛋白質標品の純度の確認. 18. 6.α3β3複:合体、α3β3γ複:合体の結晶化. 19.

(5) 6−1.ハンギングドロップ. 19. 6−2.結晶化条件. 19. 6−2−1.α3β3複合体. 20. 6−2−2.βミュv一一・一斗ントからのor 3β 3aj合体. 20. 6−2−3.α3β3γ複合体. 20. 7.結晶の取り出し・安定化溶液保存. 21. 8.リガンド結合型結晶の作製. 21. 9.X線回折強度測定. 22. 9−1.予備X線回折強度測定. 22. 9+1.結晶のマウント. 22. 9−1−2.X線回折強度測定. 22. 9−2.放射光X線回折強度測定. 23. 9−2−1.結晶のマウント. 23. 9−2−2.X線回折強度測定. 23. 9−2−3.IPの読みとり. 24. 10.データ解析. 25. 10−1.PSファイルの出力. 25. 10−2.AUTOの実行. 26. 10−3.DENZOの実行. 26. 10−4.SCALAGROの実行 10−5.DFOURIERの実行. 26. 皿.結果 1.リガンド結合型のα3β3複合体の構造解析 1−1.α3β3複合体の結晶化条件の改良. 26. 28 28. 28. 1−H.α3β3複合体の精製. 28. 1−1−2.βサブユニットの精製. 32. 1−1−2−1.DEAEイオン交換カラムクロマトグラフィー. 32. 1−1−2−2.HW65疎水カラムクmマトグラフィー. 33. 1−1−3.αサブユニットの精製. 35.

(6) 1−1−3−1.DEAEイオン交i換カラムクロマトグラフィー. 35. 1−1−3−2.HW65疎水カラムクロマトグラフィー. 36. 1+4.α3β3複:合体の結晶化条件. 38. 1−1−4−1.添加物存在下での結晶化実験. 38. 1−1−4−2.α3β3複合体の寿命について. 40. 1−2.安定化溶液. 43. 1−3.リガンド結合型結晶の作成. 45. 1−4.X線回折強度測定. 46. 1−4−1.予備X線回折強度測定. 46. 1−4−2.放射光でのX線回折強度測定. 51. 1−5.データ解析とその結果. 52. 2.α3β3γ複合体の結晶化実験. 54. 2−1.α3β3γ複合体の結晶化実験. 54. 2−1−1.PEG20Kでの結晶化. 54. 2−1−2.PEG6Kでの結晶化. 55. 2−2.大腸菌の培養. 56. 2−3.or 3β3 ’y nc合体の精製. 57. 2−3−1. DEAEイオン交i換カラムクロマトグラフィー. 57. 2−3−2.BUTYLイオン交換カラムクロマトグラフィー. 59. 2−4.PEG20K、 pH8での結晶化. 60. 3.βミュータントからのα3β3複合体の結晶化実験 3−1.βE190Qの結晶化実験. 62. 62. 3−1−1.βE190Qを使ったα3β3複合体の精製. 62. 3一一1−2.結晶化実験. 64. 3−1「3.X線回折強度測定. 65. 3−2.βY341Aの結晶化実験. 3−2−1.βY341Aの精製 3−2−2.βY341Aを使ったα3β3複合体の精製 3−2−3.結晶化実験 3−3.βY341しの結晶化実験. 66 66. 68 69 70.

(7) 3−3−1.βY341Lを使ったα3β3複合体の精製. 70. 3−3−2.結晶化実験:. 71. IV.討論. 1.リガンド結合型のα3β3複合体の構造解析. 73. 73. 1−1.サブユニットの精製. 73. 1−2.結晶化. 73. 1−3.X線回折強度測定. 74. 2.α3β3γ複合体の結晶化実験. 74. 2−1.サブユニットの精製. 74. 2−2.結晶化. 75. 3.βミュータントからのα3β3複合体の結晶化実験. 75. 3−1.サブユニットの精製. 75. 3−2.結晶化. 76. V.謝辞. 77. VI.参考・引用文献. 78.

(8) 1.序論 1.F・i−ATPaseのα3β3複合体. H+一ATPase(FoF1)は、 F1と呼ばれる膜表在性部分とFoと呼ばれる膜内在性. 部分の2つの部分から形成され、ミトコンドリア内膜、葉緑体チラコイド膜、 細菌形質膜に存在している。このH+一ATPase(FoF1)は、電子伝達系の形成す. るH+の電気化学的ポテンシャル差を駆動力としてMPとリン酸(Pi)からATP を合成している(ADP+Pi→ATP)。すなわち、 H+一ATPase(FoF1)は酸化的リ. ン酸化あるいは光りン酸化においてATP合成反応をつかさどっている。. H+一ATPase(FoF1)はまた逆反応としてATPを分解しH+を輸送することがで きる(ATP→ADP+Pi)D。. FlrATPase(F1)は、酸化的リン酸化の共役因子1そのものであり、ATP水解活 性をもつ可溶部分である。このために、FrATPaseと呼ばれることが多い2)。 Fl はFoF1の触媒部であり、α,β,γ,δ,εの5種類のサブユ=ットからできている。 サブユニット構成はor 3β3γδε(分子量38万)で、α3β3複合体(分子量32万). が活性中心を形成すると考えられている。ATPase活性についてだけいえば、 α3β3だけで活性がある。Fl部分はFo部分から分離して調整することができる。. γはα、βの結合を安定化するために必要なサブユニットである。そして、H +の輸送とATPの合成と分解の制御にγサブユニットのN末端側とC末端側が重要 と考えられている。α3β3γ複合体は、Fo部分に結合することができないが、 これにδとεを加えF1を再構成するとFo部分に結合でき、 ATPの分解に伴って. H+の輸送が見られる。単離したαとβサブユニットにはATPを結合する活性が 存在した。このことからF1の活性中心がαサブユニットとβサブユニットの境 界面にあると考えられている。αは分子量が最も大きく、βと2096の相同性が あり、いずれもATP(ADP)を特異的に結合することができる3)。 F1は精製品でも. 結合ADPあるいはATPを含んでいる(tightly boundヌクレオチド)。精製方法 や出発材料によりその個数や親和性が変わる。また、外から加えたADPやATPも 結合する(loosely boundヌクレオチド)2)。. 好熱菌の場合、F1はα、β、γ、δ、εの5っのサブユニットから、 Foはa、. b、cの3つのサブユニットから成り、α3β3γδεa。byC。というサブユ. 1.

(9) ニットの構成(a、b、 cサブユニットの構成は生物の種類ごとに異なる。好. 熱菌においてはまだわかっていない)で1っの膜酵素を形成している。図1が H+rATPase(FoF1)の構造式の模式図である。分子量が86,000(a:26,000 b:ls, ooo c:s, ooe) . Frb ss 3ss, ooo( or :ss, ooo B :s2, ooo y :32, ooo 6 :20, ooo. ε:14,000)となっている3)。また、好熱菌のF1についてのみ、0.2MのNa2SO熔南 中でα3β3複合体が安定に存在することができる2>。. Fl. B. cr. 6. r lg b. b. 生体膜. c. c. Fo. 図1H++一ATPase(FoF1)の構造. F1は遺伝子の解析もすみ、遺伝子クローニングによって作られた各サブユ ニットからの再構成もなされている。本研究のターゲットであるα3β3複合体 も、好熱菌から抽出したものではなく、α、βサブユニットの遺伝子を組み込 んだプラスミドを持つ大腸菌を用い、大腸菌にα、βサブユニットを発現させ、. それを精製・再構若したものを用いている(図2)。また、α3β3γ複合体は、 α、β、γサブユニットの遺伝子を組み込んだプラスミドを持つ大腸菌を用い、 それを精製したものを用いている。. 2.

(10) 370 C インキュへ“一ト. a. B. 十硫酸アンモニウム. .. 大義気勢と瓠. a. B. α3β3複合体. 図2 α、βサブユニットとα3β3複合体. 2.X線結晶構造解析 蛋白質などの生体巨大分子の機能や性質を理解する上でそれらの詳細な立体 構造は不可欠な情報である。蛋白質の立体構造を決める情報は、アミノ酸配列 に含まれているが、その情報を読み取り予測することはできないので、現状で はアミノ酸配列から蛋白質の立体構造を解き明かすことはできない4)。. 蛋白質の立体構造と機能相関を理解するためには、蛋白質分子を高い分解能 で見ることが必要であり、立体構造と機能の相関を明らかにするために、構成. 原子の位置を厳密に決定する必要がある。X線結晶解析は、これらの分子の立 体構造を原子レベルの分解能で決定する最も有効な手段である。. X線解析の理論は、1970年までにほとんど確立され蛋白質の解析例も急速に 増加している。これは、蛋白質工学の手法が蛋白質結晶学に取り入れられ、変. 異蛋白質の解析例が多くなったことも1つの要因だが回折強度の測定や解析計 算に要する時間が大幅に短縮されたことも大きく関係している。また、最近の コンピューターの計算能力の向上に加え解析ソフトウエアーの整備により、回 折データから分子モデルを構築するまでの機械的な計算の迅速化と省力化が大 きく進んだことが解析のスピV一一・・ドアップに寄与している。. 最近、NMRによる解析法が開発され注目を浴びているが、現在までのとこ ろ、分子量20, OOO以下の分子に適応することができるが分子量の大きなものに. は適応できず、また、分解能や精度の点でもX線解析に及ばない5)。. 蛋白質分子の立体構造を解析するために、X線を用いる理由は、分子の原子. 3.

(11) 問距離が1∼2A程度であり、回折が効率よく観測できる点にある。問題は、 X. 線の屈折率は極めて小さいのでレンズを造れないことである。そこで、X線構 造解析では、このレンズの役割を電子計算機によるフーリエ変換に置き代える。. これによって得られるX線解析の結果は、結晶内で規則的に並んだ分子の電子 密度分布図である。これを原子座標(X,y,Z)と原子の熱振動に由来する因子で. 表現する。これらの座標により分子の立体構造をグラフィックス上に表示する ことができる6)。. 蛋白質のX線構造解析の大きなネックとなるのが、蛋白質の結晶化である。 結晶化は、どの蛋白質に対しても行えば必ずできるといった方法が未だなく経 験と勘に頼った方法で試行錯誤をしているのが現状である。その大きな理由は、 対象としている生体高分子、特に蛋白質の性質が極めて多様であることによる。. つまり、ある蛋白質の結晶化条件がそのまま他の蛋白質に応用できないことで あり、個々の蛋白質について条件及び方法を最適化していかなくてはならない. からである。結晶化はX線解析の出発点であるだけではなく、得られた結晶の 良否が解析終着点である分子モデルの制度を大きく作用するので、分解能の高 いデータを得るためには大きく、規則性の良い結晶が必要である。. 本研究で立体構造解析のターゲットにしたのは、F1部分にあるα3β3複合体 である。昨年までの研究で、α3β3複合体の構造を解くことができた。しかし、. この複合体には、ヌクレオチドが結合していないので、ヌクレオチドが結合し たα3β3複合体の構造解析を進めた。そのために、リガンド結合型α3β3複合 体の結晶を作った。このα3β3複合体はα,βサブユニットから再構成するこ とができ、この実験でもこの性質を利用して行なっている。これによって、好 熱学から抽出することなく、大腸菌にα,βサブユニットを発現させ、それら を再構成させてα3β3複合体にして結晶化に用いている。. 最終目標はH+一ATPase(FoF1)全体の立体構造解析であるが、全部を一度に 解析することはあまりにも難しい。また、過去においてF1の結晶化は成功して. いるが、その結晶からは8A分解能程度のデータしか得られていない。α3β3 複合体の良質な結晶からは3A分解能程度のデータを得ることが可能であり、 α3β3複合体の構造が解明できれば、そのα3β3複合体の構造を部分構造とし て、F1の構造を分子置換法によって解明することができる。つまり、F1は分子. 4.

(12) 量38万と巨大で、複雑なサブユニット構造(α3β3γδε)をしているので、そ の原子レベルの構造を解明するために、α3β3複合体を利用するのである。α3. β3複合体も分子量32万と巨大であるが、良好な対称性をもっているので、現 在のX線結晶構造解析の標準的技術だけで、その高分解能構造が解明できる可 能性が高いのである7)8)。. 蛋白質の結晶の結晶学的な鑑定は、プレセッションカメラを用いることが多 い。一般的にこのカメラは、その結晶についての何の情報もない場合の出発点 としては不向きとされている。しかし、蛋白質の場合は、歳差角μを非常に小 さく設定した写真を撮ることによりかなり大きくずれた主軸を修正することが 可能な場合もある。蛋白質の結晶では、その回折斑点(逆格子点)の密度が大. きいので逆格子面が比較的見やすい4次曲線として現れる傾向があるからであ. る。1つまたは2つの主軸に対して赤道面及び1、2の高次の胃線の写真を撮 れば、結晶系、格子定数、空間群などを決定することができる。. 放射線照射時間と放射線損傷の程度を知る必要がある。放射線損傷が起きる と一般に回折写真の外周部の斑点の強度が弱くなり、ついには消滅してしまう。. このようなとき、結晶を光学的に観察してみると最初透明であったものが白く 濁っていたり、結晶の中でX線ビームが当たっていた部分に穴があいたりする。 プレセッション写真から得られる他の情報としては、結晶の割れの有無、双 晶かどうか、結晶の分解能などがある。プレセッション写真は、結晶のひび割 れには比較的鈍感であるが、ひび割れが非常にミクロな単位で起こった場合に は、いわゆるモザイクの広がりの増大という形になって現れる。一般には、ひ び割れや双晶の存在は結晶の光学的な観察によってわかる場合が多い。この目 的には、偏光顕微鏡よりも実体顕微鏡を用い、結晶をいろいろな角度から観察 すると良い5)。. 3。X綜結晶構造解析の原理 蛋白質分子の立体構造を解析するために、X線を用いる理由は、分子の原子 問距離が1∼2A程度であり回折が効率よく観測できることである。問題は、 X線の屈折率は極めて小さいのでレンズを作れないことである。. X線が結晶に当たると、X線の大部分はそのまま結晶を透過してしまう。し. 5.

(13) かし、一部は結晶内の原子を構成する電子と相互作用をして電子を振動させる。. 振動した電子は新しいX線源となってX線をあらゆる方向に放出する。この現 象を散乱と呼んでいる。原子と原子内の電子が規則的な三次元配列になってい る結晶(単位格子の密度分布をρ(x,y,z)とする)の場合には、振動している. 電子から出るX線は相互に干渉しあう。ほとんどの場合、これらのX線はあら ゆる方向に放出されるために打ち消しあう。しかし特定の方向のX線は加算さ れて回折X線を生じ、これが写真乾板やIP、または検出器上にその強度(1, その平方根をとったものがiFi,すなわち振幅)が一定のパターンとなって記 録される。. ブラッグは、X線の実験から得られる回折パターンと、回折をおこす結晶と の関係は、入射波が結晶中の単位格子を通過する際に受註もの平行な面(平行 な鏡とみなしてよい)によって反射される現象とみなせることを明らかにした。. 回折が起こるのはX線の波長とこの光路差が一致するときのみであることを示 し、面間隔dの結晶格子面に、波長λのX線が入射すると ,1 2d. sine = 一:一:’一. を満たす角度θで、反射するブラッグの法則を見いだした。この関係から、単 位格子の大きさが決定できる。簡単に言えば、回折データのフィルム上の位置 は、回折斑点の1っずつを結晶中の特定の一組の面に関係づけているのである。 フィJVム. 入射波. T. 諺導 2e. 結晶. r. −. eA. ・an 2θ一云. 結晶. 図3 結晶によるX線の回折. 6.

(14) 結晶中の各原子はX線をあらゆる方向に散乱するので、ブラッグの法則で与 えられる回折波が生じ、これが回折斑点となって記録される。各回折斑点は、. すべての電子が放出するX線のうち同じ回折角度をもったもの全部が干渉し あった結果といえる。このようなデータから個々の原子に関する情報を引き出 すには、膨大な計算をしなければならないが、これはフーリエ変換によって数. 学的に処理することができる。この1副とρとはフーリエ変換によって関係 づけられるので、X線構造解析ではこのレンズの役割をコンピュ・一躍による フーリエ変換に置き換えられる。 ρ(x,y,z)=Σ1㌦11・xpiα(h,k,1)・xp卜2痂伽+ky+lz)](1). h.k.1. ここで、α城1は回折波を記述するための位相項である。数学的には、この 逆変換が存在して、 IFh.k,i 1 exp ia(h, k, 1) = f..,,.., dudydzp(x, y, z) exp[2 nt(hr + kiy + lz)] (2). このことからすべての反射(h、k、1)で表される回折波の情報(振幅・ 位相)を集めると電子密度がわかる9)10)。. これを原子座標(x,y, z)と原子の熱振動や規則的な並びからのずれに由来. する因子で表現する。これらの座標により分子の立体構造をグラフィクス上に 表示することができ、この因子の値から、その部分の揺らぎを知ることができ る。. 結晶内の電子密度分布は、各々の構造因子の振幅と位相を用いてフーリエ合 成により計算される。振幅は、X線回折強度測定により求めることができるが、 位相の情報は失われてしまう。しかし、目的とする蛋白質の結晶と同形の結晶 がすでに構造解析されている場合には、解析された結晶の構造因子の位相を目 的の結晶の構造因子の位相の近似値とすることができる。したがって、近似的 な電子密度分布が求められる。一方構造解析された同形の結晶がない場合には、 それを解決する方法として分子置換法がある。. 分子置換法とは、目的とする蛋白質の類似体が存在し、その立体構造が既知 の場合に使える方法で、この構造を解析しようとする結晶の格子の中での位置 を決定し、位相の近似値を求める。すなわち、類似の蛋白質の立体構造を単位 格子に納める。蛋白質分子の格子内原子位置が決定できたので、計算により構. 7.

(15) 造因子を求めることができる。. 構造因子の位相がわかれば、構造因子の振幅とでフーリエ合成し電子密度図 を計算することができる。電子密度図を解釈するには、蛋白質分子のアミノ酸 配列が決定されていることが重要である。連結したアミノ酸の鎖を無理なく合 理的に電子密度分布に合わせることができれば、電子密度の解釈ができたもの とする。また、分子置換法によって解けた構造であれば、立体構造既知の分子 構造をそのまま電子密度に合わせ、解析の対象となっている蛋白質の構造との 小さな差を見つけだし修正するになる。ポリペプチド鎖を正確に電子密度分布 図に合わせるにはコンピュータグラフiックスを利用する。 このようにして決定された数千個の原子座標の数字の中から分子の姿を見る には、分子模型を作るかコンピュータグラフィックスで分子を表示しなければ ならない。原子間距離や角度は、直接算出することができる。それらの精度は、 収集した強度データの分解能、精密化の程度によるが十分な精密構造解析では、 原子間距離が0.1∼0.2Aの誤差範囲で決定される11)。. 8.

(16) 皿.実験方法 ①リガンド結合型α3β3複合体の構造解析、②α3β3γ複合体の結晶化実 験、③βミュータントからの結晶化実験について、それぞれの実験の概要を. 図4、図5、図6に示した。. αサブユニットを生産する. βサブユニットを生産する. t大腸繍. !大回養 βサブユニットの精製. αサブユニットの精製. /. α3β3複合体の再構成. s. α3β3複合体の精製. t. α3β3複合体の結晶化 !. リガンド結合型α3β3複合体の作製. t. X線回折強度測定 !. データ解析. t. 結晶構造の解析 図4.リガンド結合型α3β3複合体の構造解析. 9.

(17) α3β3γサブユニットを生産する大腸菌の培養 S (JMIO3A (uncB−uncD) /pKABGI). 大腸菌破砕. 仁 リゾチーム 超音波破砕. α3β3γ複合体の精製 上. DE肥カラムクuマトグラフィー. BUTYLカラムクロマトグラフィー. α3β3γ複合体の結晶化 図5.α3β3γ複合体の結晶化実験. βミュータントを生産する. αサブユニットを生産する. i 大腸菌の培養. ↓大腸繍. (B Y341A). αサブnニットの精製. βミュ・一一・一二ントの精製. /. α3β3複合体の再構成. t. α3β3複合体の精製. i. α3β3複合体の結晶化 図6.βミュータントからの結晶化実験. 1.大腸菌の培養. αサブユニット、βサブユニット、βミュータントサブxニット、α3β3 γサブユニットの遺伝子を組み込んだプラスミドをもった大腸菌を培養し、そ の大腸菌からそれぞれのサブユニットをカラムクロマトグラフィーによってそ れぞれ抽出・精製する。それらの大腸菌は東京工業大学から提供を受けた。 以下に培養の詳細について示した。. 10.

(18) 1−1.培養液の作製. 1−1−1.αサブユニット、βサブユニット、βミ=・・一丁ントサブnニット NaC15g/1、 Trypton 16g/1、 Yeast Extract 10g/1を4N NaOHでpH7前後にし、. 培養直前にオートクレーブで滅菌して(121。C,20分間)、大腸菌を入れる前に 100g/1のA㎞picillinを1mlに対し1μ1加えたものを用いる。. 1−1−2.α3β3γサブユニット. 3m1培養i・100ml培養i用では、上記の培養液を用いる。500m1培養では、 Terrific Broth培地(A培養液:1.20/oTrypton、2.4%Yeast extract、0.4% Glycerol B培養液:0.017M KH 2 PO 4、0.072M K 2 HPO 4)を使用し、 A培養. 液とB培養液を別々にオートクレーブで滅菌して使用直前に2っの液を混合し て、50㎎/1のAmpicllinを入れたものを用いる。. 1−2.培養. Dimethyl Sulfoxide(DMSO)、8%(V/V)、一80℃で保存されている菌体を、滅菌. した白金線にとり、培養i液が3m1入った試験管にっける。37℃に設定したBIO− SHAKERに試験管を入れ、振動数を150min’1にして、一晩おく。. 大腸菌が培養され培養液が濁っていることを確認し、白金線で大腸菌をとり、 プレートにまき37℃のインキュベーターに一晩おく(18時間)。 プレ・一一・一Lト上で培養された大腸菌のColonyの中からSingle Colonyを選び、培. 養液が3ml入った試験管10本に植菌する。370Cに設定したBIO−SHAKERに試験管 を入れ、振動数を150miガ1にして、一晩おく(18時間)。. 10本の試験管のうち培養液が濁っていないものと濁りすぎのものを除いて4. 本を選び、培養液が100mlはいった200ml三角フラスコ各4っに試験管の3mlを 注ぎ込み、振動数を13(imin 1,37℃に設定したBI(〉一SHAKERに200ml三角フラスコ. を入れる(6時間)。. 培養液の様子をみて濁っていないものと濁りすぎのものをのぞいて、培養液. が500m1はいった21三角フラスコ各4つに50皿1ずつ注ぎ込む。ただし、この 500mlの培養液は注ぎ込む前に、目的の蛋白質(α,β)を発現させるために、 100g/1のlsopropyl一β一D(一)一Thiogalactopyranoside(IPTG)を500mlに対し50μ1. 11.

(19) 加える。37℃に設定したBIO−SHAKERに21三角ブラスコを入れ、振動数を90min“1. にして、一晩おく(18∼20時間)。 21で培養された大腸菌は遠心分離器にかけて集菌する。大腸菌は一本のス トックが3g∼4gになるようにして、菌体を一80℃の冷凍庫で保存する。 1−3.サブユニットの発現の確認. 3ml培養、100ml培養、500ml培養で少量の大腸菌を別にとって:おきSDSポリア. クリルアミドゲル電気泳動で目的のサブユニットが発現しているかどうか確認 する。. このようにしてそれぞれのサブユニットを生産する大腸菌を別々に培養して、 サブユニットの精製に用いる。. 2.サブユニットの精製 αサブユニット、βサブユニット、βミュータントはD臥Eイオン交換カラム とHW65疎水カラムを用いた。また、α3β3γサブユニットは、 DEAEイオン交. 換カラムとBUTYLイオン交換カラムを用いて、大腸菌から蛋白質を抽出・精製 する。. まず溶液として以下のものを準備する。. ①αサブユニット、βサブユニット、βミュータント共通溶液 ’ pH8−Buffer (Tris−HCI pH8 50mM. EDTA O. 5rAM) ’ (NH4)2SO4 1. 2M pH8−Buffer ((NH4)2SO4 1. 2M. Tris−HCI pH8 50rtiM. EDTA O. 5inM). ②αサブユニット精製用溶液 . Solution 1 (Tris−HCI pH8 50inM. EDTA 3tnM). ’ Solution 2 (Tris−HCI pH8 50iirv{. CaC12 2mM. MgC12 10inM. Nonidet P’40 O. 5%(V/V)). 12.

(20) ③βサブユニット、βミュータント精製用溶液 ’ Extraction buffer (Tris−HCI pH8 50MM. EDTA 2mM). ④・r 3β3γサブユニット精製用溶液 ・ Buffer A. (Tris−HCI pH8 50BiM. EDTA 1inM) ’ Buffer B ((NH4)2SO4 O.75M. Tris一一HCI pH8 50mM. EDTA IiniV[). ’ Extraction buffer (Tris−HCI pH8 50iriM. EDTA 2niM). 2−1.大腸菌破砕(リゾチーム使用) 2一・1−1.αサブユニット. 大腸菌1gあたりに3.125m1のSolution 1を入れ、 Phenylmethyl−Sulfonyl Fluoride(PMSF)2ntMを0.5mlのDimethyl Fo㎜amideで溶かして入れる。次に大腸. 菌1gあたり8田gのりゾチームを入れ、更にSolution 1と等量のSolution 2を入れ. る。30分程よくかきまぜたら、1㎎のDNase 1を加え更によくかき混ぜる。. 2・一1−2.βサブユニット、βミュータント、α3β3γサブユニット. 大腸菌1gあたりに6.25mlのExtraction bufferを入れ、 Phenylmethyl− Sulfonyl Fluoride(PMSF)2副を0.5mlのDimethyl ForTnamideで溶かして入れる。. さらに、大腸菌1gあたり8㎎のりゾチームを入れよくかき混ぜる。. 2−2.大腸菌破砕(超音波破砕機使用). 蛋白質溶液をなるべく泡立てないように超音波破砕機に出力7、Duty− sycle50%で30秒間かける。これを4回繰り返して大腸菌の破砕をする。この 溶液を遠心分離器(15K rpm,5℃,18分間)にかけ、上澄み液をピー一一カーにとりカ ラムにかける。. 13.

(21) 3.カラムクロマトグラフィー 3−1.αサブユニット、βサブユニット、βミュータント 微粒子を取り除いた28m1のDEAE TOYOPEARL、 HW65 TOYOPEARL 20mlをそれぞ れのカラム(底面積1.7cm2)につめる。 DEAE TOYOPEARLは90m1(カラム溶積の3倍 量)のpH8−Bufferをポンプを用いて流し、平衡にしておく。 HW65 TOYOPEARLは、 60ml(カラム溶積の3倍量)の(NH4)2SO41.2M pH8−Bufferをポンプを用いて流し、. 平衡にしておく。. 3一一1−1。D㎜イオン交換カラムクロマトグラブィー. 大腸菌を破砕して得た蛋白質溶液をDEAEイオン交換カラムにポンプを用いて 流し、蛋白質質を吸着させる。. DEAEイオン交換カラムを通して、フラクションをとる。αサブユニットの場 合は、グラディエンターで、pH8−bufferから0.4M NaC1のpH8−bufferの濃度勾配 をかける。. αは、NaCl濃度が0.15Mあたりで溶出されるので、その近辺の蛋白質濃度測 定を行い、ピークから後の蛋白質濃度:の高いFractionを回収する。. βサブユニットとβミュータントサブユニットの場合は、グラディエンター で、pH8−bufferから0.5M NaClのpH8−bufferの濃度勾配をかける。βとβミュー. タントは、NaCl濃度が0.25Mあたりで溶出されるので、その近辺の蛋白質濃度 測定を行い、ピークから後の蛋白質濃度:の高いFractionを回収する。回収した 溶液の蛋白質濃度測定を行い、次にHW65疎水カラムにかける。. 3+2.田65疎水カラムクロマトグラフィー DEAEイオン交換カラムクuマトグラブィーで回収した蛋白質溶液を(NH4)2SO4 1.2Mの濃度にして、}柵65疎水カラムにポンプを用いて流し、蛋白質を吸着させ. る。HVV65疎水カラムを通してフラクションをとる。グラディエンターで、 (NH4)2SO41.2M pH8−BufferからpH8−Bufferの濃度勾配をかける。280㎜の紫外部. 吸収スペクトル法による蛋白質濃度測定を行う。 αは、〈NH4)2SO4濃度が0.6Mあたりで溶出されるので、ピs一一・一・クより後の蛋白質. 濃度の高いFractionを回収する。回収した溶液の蛋白質濃度測定を行う。. 14.

(22) βとβミュータントは、(NH4)2SO4濃度が0.5Mあたりで溶出されるので、ピー クより後の蛋白質濃度の高いFractionを回収する。. このようにしてαサブユニット、βサブユニット、βミュータントを精製し、 その溶液は(NH4)2SO4濃度が3Mになるように、(NH4)2SO4を加え沈殿させて冷蔵保 存しておく。. 3−2.α3β3γサブユニット 微粒子を取り除いた28mlのDEAE TOYOP臥RL、 BUTYL TOYOPEARL 2()m1をそれ. ぞれのカラム(底面積1.7cm2)につめる。 DEAE TOYOPEARLは90m1(カラム溶積の3 倍量)のBuffer Aをポンプを用いて流し、平衡にしておく。 BUTYL TOYOPEARLは、. 60ml(カラム溶積の3倍蜀のBuffer Bをポンプを用いて流し、平衡にしておく。. 3−2−1.DEAEイオン交換カラムクロマトグラフィー. 大腸菌を破砕して得た蛋白質溶液をDEAEイオン交換カラムにポンプを用いて 流し、蛋白質質を吸着させる。. DEAEイオン交換カラムを通して、フラクションをとる。グラディエンターで、 Buffer Aから0.5M NaClのBuffer Aの濃度勾配をかける。波長595nmに調節した. 分光光度計で色素結合法による蛋白質濃度測定を行う。蛋白質濃度のピークは 2カ所出てくるが、α3β3γは、NaC1濃度が0.3Mあたりで溶出されるので、. 2つ目のピークから後の蛋白質濃度の高いFractionを回収する。回収した溶液 の蛋白質濃度測定を行い、次にBUTYLカラムにかける。. 3−2−2..BUTYLイオン交換カラムクロマトグラフィー1. DEAEイオン交換カラムクロマトグラフィーで収集した蛋白質溶液を(NH4)2SO4. 1.2Mの濃度にして、 BUTYLイオン交換カラムにポンプを用いて流し、蛋白質を 吸着させる。. BUTYLイオン交換カラムを通してフラクションをとる。グラディエンターで、 Buffer BからBuffer Aの濃度勾配をかける。 Buffer Aの溶液がなくなったら、. さらにBuffer Aだけを100ml流す。α3β3γは、 Buffer Aをさらに100mi流した. 直後あたりから溶出される。. 15.

(23) 280㎜の紫外部吸収スペクトル法による蛋白質濃度測定を行い、グラフをか く。or 3β3 ’yの溶出ピークのすぐ後には、高分子量のGroELのピーク(サブユ. ニットの分子量60000)があるので、溶出ピーク付近のフラクションをSDS電 気泳動にかけて、GroELの含まれていないフラクションを回収する。回収した 溶液の蛋白質濃度測定を行う。. このようにしてα3β3γサブユニットを精製し、その溶液は(NH4)2SO4濃度 が3Mになるように(NH4)2SO4を加えて蛋白質を沈殿させて冷蔵保存しておく。. 3−3.α3β3複合体の再構成・精製. 3+1.α3β3複合体の再構成 まず溶液として以下のものを準備する。 ’ or 3 B 3−Buffer. (Na2SO4 O. 2M, NaOH−Pipes pH7 10”iM) ・ (NH4)2SO4 IM a 3 B 3−Buffer ( (NH4) 2SO4 IM, Na2SO4 O. 2M, NaOH−Pipes pH7 10illM) ・ (NH4) 2SO4 3M or 3 13 3−Buffer. ((NH4)2SO4 3M, Na2SO4 O. 2M, NaOH−Pipes pH7 10mM). さきに精製した、α,βサブユニットをそれぞれ30mg前後とり、遠心分離器 (15K rpm,5℃,10分)にかけ、上澄み液を捨てる。α,βサブユニットのそれぞ れの沈殿に(NH4)2SO43M cr 3 B 3−Bufferを加え、更にα3β3−Bufferを加え (NH4)2SO4濃度を1M、蛋白質濃度5∼10mg/mlになるように調整する。. α,βサブZニットをそれぞれの蛋白質質量を測定し、α,βサブユニットの 分子量比の55:52で等モルになるようにα,βサブユニットをまぜ合わせ、37℃. のインキュベーターに18∼20時間おくことによって、α3β3複合体を再構 成する。. βミュータントからのα3β3複合体の再構成も上記の方法で同様に行う。. 3一一3−2.α3β3複合体の精製. 再構成したα3β3複合体をHW65疎水カラムを用いて精製する。α3β3複合体 は、温度が低くなると他の蛋白質に分解していくので25℃以上の実験室で実験. 16.

(24) を行う。. 微粒子を取り除いた8m1∼10inlの㎜65 TOYOPEARLをカラム(底面積1.7cm2)につ. める。HW65 TOYOPEARLはカラム充填下積の3倍量の(NH4)2SO41Mα3β3−Buffer をポンプを用いて流し、平衡にしておく。. 再構成したα3β3複合体溶液をHW65疎水カラムにポンプを用いて流し、蛋白 質を吸着させる。. 田65疎水カラムを通してフラクションをとる。グラディエンターで、 (NH4)2SO41M cM 3 B 3−Bufferからα3β3−Bufferの濃度勾配をかける。280㎜の紫. 外部吸収スペクトル法による蛋白質濃度測定を行い、グラフをかく。g(NH4)2SO4 濃度が0.2Mあたりで出てくるα3β3複:合体のピークのFractionを適当にとって おく。回収した溶液の蛋白質濃度測定を行い、(NH4)2SO膿度が3Mになるように、 (NH4)2SO4を加え沈殿させて冷蔵保存しておく。. βミュータントからのα3β3複合体の精製上記の方法で同様に行う。. 4.各複合体の脱塩・濃縮 4−1。α3β3複合体の脱塩・濃縮. 精製したα3β3複合体は脱塩透析しなければ、結晶化の実験に用いることが できない。(NH4)2SO43Mで保存されているα3β3複合体溶液を適当量チューーブ にとり、遠心分離器(15K xpm,25QC,10分)にかける。上澄み液を捨て、 Ct 3β 3−. Bufferを加えα3β3複合体を溶かし懸濁状態にする。蛋白質濃度を測定し、14K の透析膜に入れ500mlのα3β3−Bufferで一晩透析する。ただし、25。Cの室温の 部屋で行なう。. 一晩透析した溶液を、蛋白質濃度測定後、α3β3−Bufferで洗浄した濃縮用 チューブに入れ、遠心分離器(6Krp搬、25℃)にかける。約40∼60分間遠心分離 器にかけ、蛋白質濃度が30mg/ml程度に濃縮する。濃縮後、 or 3 B 3−Bufferで洗. 浄したフィルター用チューブ(ゴミ取り)に入れ、遠心分離器(6K rpm、25℃、. 10分)にかけた後、蛋白質濃度を測定する。α3β3−Bufferを蛋白質濃度が 20mg/mlになるように加える。. このように作製した20mg/mlのα3β3複合体を、結晶化実験に用いる。. βミュータントからのα3β3複合体の脱塩・濃縮も上記の方法で同様に行い、. 17.

(25) 結晶化実験に用いる。. 4−2.α3β3γ複合体の脱塩・濃縮 まず溶液として以下のものを準備する。 ’ ct 3 B 3’y ’Buffer. (NaOH−Pipes pH7 10inM). 精製したα3β3γは脱塩透析しなければ、結晶化の実験に用いることができ ない。(NH4)2SO43Mで保存されているα3β3γ複合体溶液を適当量チューブに とり、遠心分離器(15K rpm、5QC、10分)にかける。上澄み液を捨て、α3β3γ一. Bufferを加えα3β3γ複合体を溶かし懸濁状態にする。蛋白質濃度を測定し、 10Kの透析膜に入れ500m1のα3β3γ一Bufferで、5。Cのクロマトチェンバーの中 で一晩透析する。. 一晩透析した溶液を、蛋白質濃度測定後、α3β3γ一Bufferで洗浄した濃縮用 チューブに入れ、遠心分離器(6K xpm、5。C)にかける。約40∼60分間遠心分離 器にかけ、蛋白質濃度が3(㎞g/ml程度に濃縮する。濃縮後、 ct 3β3γ一Bufferで. 洗浄したフィルター用チューブ(ゴミ取り)に入れ、遠心分離器(6K rpm、5℃、. 10分)にかけた後、蛋白質濃度を測定する。α3β3γ一Bufferを蛋白質濃度が 20mg/mlになるように加える。. このように作製した20mg/mlのα3β3γ複合体を、結晶化実験に用いる。. 5.精製された蛋白質標品の純度の確認 αサブユニット、βサブユニット、βミュータントの各精製段階の蛋白質溶 液と、精製したα3β3複合体、α3β3γ複合体をSDSゲル電気泳動にかけて、純. 度を確認しておく。このときゲルにかける蛋白質量は通常5μgであるが、必 要に応じて10μgかける。結晶化においては結果が使用する標品の純度に大き く左右されるので、特にαサブユニット、βサブユニット、βミュータントの 最終段階とα3β3複合体、α3β3γ複合体の標品については目的蛋白質以外の 蛋白質の混入がないかどうかを調べるために必ず10μgで確認する。. 18.

(26) 6.α3β3複合体、α3β3γ複合体の結晶化. 結晶化の方法として蒸気拡散法のハンギングドロップを用いた。. 6−Lハンギングドロツプ タンパク溶液(10μ1) タンパク濃度(to−15㎎/mE) pH8−buffer (50tTM) Na2SO4 (准20m闇). シリコン化ガラス. in PEG. _tt. 。,。ンオ.ル/. リザーバー(4ml) pH8−buffer (50frM) Na2SO4 (120nthn) PEG(タンパウ溶液Yij.2%高ク). バイアル瓶. 図7 ハンギングドロップ 約5ml容:量のバイアル瓶と、このバイアル瓶をふたをすることができる、 Dimethyl dichlorosilane Solutionでシリコン化処理した直径22㎜のガラス片 を用意する。. リザー一一Lバー溶液の沈殿剤濃度は、液滴の沈殿剤濃度よりも2%高くする。こ. の濃度差によって液滴の沈殿剤の蒸気拡散を起こし、液滴の沈殿剤濃度が上昇 することにより結晶化する。 バイアル瓶の中に、pH−Buffer(50醐),Na2SO4(200醐)と沈殿剤(PEG)で調整し. たリザーバー溶液を入れ、ガラス片に蛋白質溶液(10∼15mg/m1),沈殿剤 (PEG),pH8−Buffer(5()iiiM),Na2SO4(12(剛)をまぜ合わせた全量IO U 1の液滴をピ. ペットマンで載せ、バイアル瓶にふたをする(図7)。また、バイアル瓶とガ ラス片め間は気密をよくするために、シリコンオイルを塗っておく。こうして. セットアップしたバイアル瓶を5℃、15℃、25℃のそれぞれのインキュベー ターに入れる。. 6−2.結晶化条件. 蛋白質質の結晶をつくるためには様々な結晶化条件の設定が必要となってく る。そのための条件設定においてこれまでの実験を参考に以下のような条件の 組み合わせで結晶化を試みた。. 19.

(27) 6+1.α3β3複合体 (a)沈殿剤. PEG20000 (b)pH(水素イオン濃度). pH8 (Tris−HCI pH8−buffer 50MM) (c)温度. 150C (d)添力口斉玉. EDTA O. lmM, D T T lriiM. (e)蛋白質濃度. 1 Omg/ml (f)塩濃度. Na2Se4 12einM. 6−2−2.βミュータントからのα3β3複合体 (a)沈殿剤. PEG20000 (b)pH(水素イオン濃度). pH7.6 p H 8 p H 8.4 (Tris−HCI pH8−buffer 50rbM). (c)温度. 50C 150C 250C (d)蛋白質濃度. 10mg/ml (e)塩濃度. Na2SO4 120mM 6−2−3.α3β3γ複合体 (a)沈殿剤. PEG20000. 20.

(28) (b)pH(水素イオン濃度). pH7.6 p H 8 p H 8.4 (Tris−HCI pH8−buffer 50mM) (c)温度. 50C 150C 250C (d)蛋白質:濃度. 10mg/ml (e)塩濃度. NaxSO4 50mM 120mM 200mM 7.結晶の取り出し・安定化溶液保存 ハンギングドロップで作った結晶は、セットアップしてからしばらく成長を 続けるがある程度のところで成長は止まる。成長を止めた後もそのまま放置す ると表面がくすんだり、かびが生えたり分解してしまうので、セヅトアップし. てから2週間から3週間で取り出して結晶安定化溶液につける。 ただし、安定化溶液につけてからも結晶の劣化は進行するのでX線回折強度 測定にかける場合には取り出しをおこなってからなるべく数日以内に結晶を使. 用しなければならない。そのためにはX線回折強度測定にかける日から逆算し て結晶化実験を行う必要がある。. 結晶を安定に保存するための条件を探すために、結晶安定化溶液を結晶を 作ったセットのリザーバーと同じ組成でPEG濃度だけを3%、5%、7%にした溶 液や添加剤(DTT lniM、 EDTA O.1mhC)を入れて実験を行った。. 8.リガンド結合型結晶の作製 安定化溶液の中にリガンドを加えた溶液に取り出した結晶を数日間つけて、. リガンドを結晶に結合させる。この場合もX線回折強度測定にかける日を考慮 して溶液につける。各種リガンドが結合することによる結晶の影響を調べるた めに以下のリガンドを用いた。. ATP O. lmM Mg−ATP O.lmM ADP O. lmM Mg−ADP O. lmM AMPPNP O.1mM Mg−AMPPNP O.1mM 21.

(29) TNPATP O.lmM Mg−TNPATP O.lmM (TNPATPは東工大より供与、それもとにMg一({NPATPを作った。). NBD−Cl O.lmM Pi 35mM 9.X練回折強度測定 9−1.予備X線回折強度測定 本研究室にあるプリセッションカ:メラを用いた。使用したプリセッションカ. メラのカメラ長は100㎜、波長は1.5Aである。使用したフィルムは、ポラロイ ド社のポラロイドフィルムである。. 9−1−1.結晶のマウント. 安定化溶液の中の結晶をX線回折用のガラスキャピラリーの中に吸い上げる。 先を細くしたガラスキャピラリーで結晶の回りの溶液を取り除く。溶液が少な くなると結晶がガラスキャピラリーの内壁に固定される。さらに結晶のまわり に溶液がついているので、毛細管で取り除く。このとき、結晶にさわらないよ. うに注意する。キャピラリーを適当な長さ(4∼5cm)に切断し、気密のため 両端にシリコンオイルを注入してから樹脂で密閉する。これをプラスティク粘 土でゴニオメーターにできるだけ回転軸と一致するように固定する。. 9−1−2.X線回折強度測定. 結晶をマウントしたゴニオメーターをX線回折装置に取り付け、ゴニオメー ターが回転したときに常に結晶にX線が当たるようにゴニオメーターとX線回 折装置を調節する。ポラロイドフィルムをプリセッションカメラに取り付け、. X線が出ていることを確認して照射する。1時間経過後、X線の照射を止めて 写真の現像をする。15秒以上経ったらフィルムのカバーを外し固定液を塗って. 乾くまで放置する。このとき、フィデューシャルマークはセンターに1つだけ 打たれる。. フィデューシャルマークと回折斑点の距離から分解能を調べる。. 22.

(30) 9−2.放射光X線回折強度測定. 強度データの収集には、高エネルギー物理学研究所の放射光施設のワイセン. ベルクカメラを用いた。高エネルギー物理学研究所の放射光施設では18番の ビームラインを使ってデータ収集を行なった。ワイセンベルグカメラのカメラ 長は430㎜、波長は1Aである。. 9−2−1.結晶のマウント. プリセッションカメラを使ったX線回折強度測定のときと同様に結晶をガラ スキャピラリーの一端から15㎜の位置にくるように固定する。両端にシリコン オイルを注入してから樹脂で密閉する。先端の平らなゴニオメータ選び、これ をフ。ラスティク粘土で結晶が15㎜∼20㎜の位置にくるようにガラスキャピラ リーをセットして、ゴニオメーターにできるだけ回転軸と一致するように固定 する。. 9−2−2.X線回折強度測定. 回折データの記録は、イメージングプレート(IP)を用いた。IPは、富 士写真フイルムによって開発されたものである。これは、X線エネルギーを受 容し貯蔵できる蛍光物質をプレート上にコートしたもので、いったん蓄えたエ ネルギーはヘリウムネオンのレーザービームで走査することにより、蛍光とし. て取り出すことができる。IPの分解能は走査するビームの大きさによって限 定されるので、0.1㎜×0。1㎜程度で、従来のフィルムより劣るが、読み出し時. 間、感度、ダイナミックレンジについては、はるかにまさっている。また、 フィルムとは違って、再成可能で1枚のプレートを繰り返し使用できるという 利点を持っている。. 結晶をマウントしたゴニオメーターをワイセンベルグカメラのモーター部に. 取り付け、ゴニオメーターが回転したときに常に結晶にX線が当たるようにゴ ニオメーターとワイセンベルグカメラを調節する。準備ができたらワイセンベ ルグカメラの中にHeガスを充填;しIPをセットして撮影を行う。 撮影に関しては、はじめに結晶のスチル写真を0.、45.、gooの3枚撮影して、. 結晶の状態を確認する。もし、このスチルによって明らかに結晶が破損してい. 23.

(31) ることや、劣化していることがわかればその結晶の測定は中止する。スチルの 状態が良好であることが確認できたら、開始の位置を決めオシレーション写真 の撮影を行う。. α3β3複合体結晶の場合、オシレーション写真は1画面あたり、回転角を 3.∼4. Aカップリング定数を100、露出時間を1分20秒に設定して、10枚∼. 20枚、角度にして30度∼60回分のデータを収集する。. 9−2−3.IPの読みとり. 消去保持機の中にIPを入れて、IPに記録されているデータを消去する。 次に、UNIX COMPUTERを起動させIPのデータを記録するためのデレクトリー を作る。. X線の照射が終わったIPを暗室の中で、 IPリーダー(BAS2000)用マガ ジンの中に入れて、IPリーダー(BAS2000)の中に入れて、 IPに記録され たX線回折強度を読みとる。データはすぐにモニターに映し出すことができる ので、フィデューシャルマークが画面の中央とその真上の1.9cmと2.5cmに出て. いることを確認して、大まかな分解能を読みとりデータの記録をする。最初の スチルは、すぐにレーザープリンターに出力をして、結晶の状態を確認する。. オシレーションでは、露出時間を3分間で行い、このときの画面調整は、白黒 の度合いを丁度を130∼140、黒度を130位にする。. 最初のオシレーションと最後のオシレーションはピクトログラフィーで出力. する。画面調整は、少し濃いめに設定をして、拡大率2倍を選択して画面上で 拡大したい場所(リングの中心が真ん中)にもつていく。. その他は、レーザープリンターに出力をする。画面調整は、うすめに設定す. る。IPデータが読み終えたら次のIPデータをIPリーダー(BAS2000)に 読み込ませていく。IPデータは、 UNIX COMPUTERに作ったデレクトリーに自 動的に記録される。. 最後のオシレーションが終わったら、スチル0.をもう一度X線回折強度測 定をして、すぐにレーザープリンターに出力をして最初のスチルと比べて結晶 が移動していないか確認をする。. すべての撮影が終了したら、データをDATに保存する。. 24.

(32) 以上のようなX線回折強度測定の流れを図8に示した。 粘土. ↓. 億 プ ガ。。キ。ピヲト 樹脂 結晶 シリコンオイル. 不. 凸\ ゴ フード→ 謄 ● 9. \、 「㌧ 嚇、 もSs. Heガス充填. 7イゼンベルグカメラ. 薦存φ欄脚日 lPプレート. 図8 ワイゼンベルグカメラによるX綜回折強度測定 10.データ解析. 持ち帰ったデータを研究室のワークステーションで処理をする。. 10−1.PSファイルの出力 DATに入っているデータをUNIX COMPUTERに入れて、 PSファイルに変換をする。. このPSファイルをレーザプリンタで出力をする。. 25.

(33) 10−2.AUTOの実行 プリントアウトされた回折斑点から、スチル3枚のフィデューシャルマーク. の中央とその真上の2点の位置をプリントの右下から定規で測りX値とY値を 求めて、その値を4/3倍する。この値を入力してf/l TOプログラムを実行させ結. 晶の方位φX、φY、φZの値を求める。計算の結果ACCが70%以上なければ、パ ラメータの値を変えて再計算をさせる。. 10−3.DENZOの実行 結晶の方位φX、φY、φZの値から結晶のrotX、 rotY、 rotZの値を求める。 フ.. 潟塔gアウトされた回折斑点から、各オシレーションのフィデューシャル. マークの中央の位置をプリントの右下から定規で測りX値とY値を求めて、そ の値を4/3倍する。この値からXbeamの値とYbeamの値を求める。 rotX、 rotY、 rotZの値とXbeamの値、 Ybeamの値を入力してDENZOを実行させ. る。門門シレーションごとにrotXの値とXbeamの値、 Y beamの値を入力してす べてのオシレーションについて実行させる。. 10−4.SCALAGROの実行 DENZOでの処理が済んだら、計算で得られたデータと実際のデータが正しい かどうかの確認をする。. DENZOのデータをasciiファイルに変換をする。次にmtzファイルに変換をし て、このファイルをソートして順番に並べて、すべてのデータを全部足してい く。最後に、scalagroを実行して、計算上での分解能(dmax)とRmergeの値を 確認する。この値が7∼8%くらいになっていれば良い。. 10−5.DFOURIERの実行 scalagroを実行した後、 dfourierを実行して、フーリエ変換を行いマップを 見るためのデータに変換をする。Over a11のR−FA()TORとRmsdensityの値を確認 する。. このデータから、リガンドが結合したα3β3複合体の結晶構造をグラフィッ クスで確認して、各リガンドによるα3β3複合体に対しての影響を見る。. 26.

(34) データ解析の流れを次の図9に示した。. データ. DAT. UNlX. 入力. COMPUTEIR l PSファイル出力 フィデューシャル位置測定. スチル3枚. オシレーション. MMDD…]. フイデュ フィデューシャル位置入力. AUTO 結晶方位. DENZO rotX, rotY, rotZ入力. Xbeam値, Y beam値入力. SCALAGRO. DFOUR l ER. グラフィックス. 図9 X練回折強度測定データ解析. 27.

(35) 皿.結果 本研究では、好熱菌のF1−ATPaseの触媒機構を理解するために、. (1)リガンド結合型のα3β3複合体の構造解析 (2)α3β3γ複合体の結晶化実験 (3)βミュータントからのα3β3複合体の結晶化実験 の研究を行った。. 1.リガンド結合型のα3β3複合体の構造解析 1−1.α3β3複合体の結晶化条件の改良 リガンド結合型結晶を作るためには、確実にα3β3複合体の結晶ができるこ ととX線回折強度測定にかけられる大きな結晶(直径0.5mm以上)を作れるこ とが必要である。. 後述するように、α3β3複合体とそれを作っているαサブユニットとβサブ ユニットをSDS電気泳動で調べてみるとα3β3複合体の純度は、αサブユニッ トとβサブユニットに依存していて、特にβサブユニットの影響を受けること. が分かった。そこで、α、β、α3β3複合体の精製方法を改良して純度の高い 蛋白質の回収及び結晶化条件の改良を行い安定して結晶ができるようにした。. 以下の方法により以前では、結晶のできかたにばらつきがあったが、確実にX 線回折強度測定に使える結晶を得られるようになった。. 1−1−1.α3β3複合体の精製. いくつかのαサブzニットとβサブユニットの組み合わせで、α3β3複合体 を作ると結晶ができるものとできないものができる(表1)。そこで、SDS電 気泳動で蛋白質の様子を調べた。. 28.

(36) 表1 α3β3複合体の精製結果 α3β3. W品No. TT TR. WT. *YV *ZX *YX *AX *ZY *BY *AY *CA *DA *FD. α.βの量. 結晶化. HW 65後 タンパク量. ピーク濃度. 収率. 級ハ. 15.7mg. 0.24M. 21%. △. 56.3mg. 38.4mg. 0.18M. 68%. ○. 57.6mg. 25.Omg. 0.17M. 43%. ×. 57.6mg. 21。8mg. 0.18M. 38%. ×. 43.8mg. 23.1mg. 0.18M. 53%. ○. 42.Omg. 15.4mg. 0.18M. 37%. ○. 45,0mg. 25.Omg. 0.24M. 55%. ○. 43.8mg. 20.4mg. 0.24M. 47%. ○. 28.Omg. 11.7mg. 0.18M. 41%. ○. 38.Omg. 13.8mg. 0.26M ・. 36%. ○. 35.7mg. 17.Omg. 0.14M. 47%. ○. 37.4mg. 25.3mg. 0,70M. 67%. ○. 33,0mg. 16。7mg. 0.24M. 50%. ○. 75.6mg. α3β3三品のNoは、α・βサブユニット標品Noをつなげたものである。. (αサブユニットの標品No.Aとβサブユニットの標品No.Bとで作ったα3β3標品のNoはABとしてあ る。). *のマークがある物はピークより後のフラクションを回収したのも *のマークがない物はピーク前後のフラクションを回収したもの 精製結果について ○はこのタンパクを使って結晶ができたもの. Xはこのタンパクを使って結晶ができなかったもの △はこのタンパクを使って結晶はできたが大きくならなかったもの 収率は、回収された蛋白質量:をα3β3複合体を再構成するために用いたαとβサブユニットの合計の蛋白量で割って 求めた。 (以下同様). ピーク前後のフラクション(図1035番∼38番)を回収した蛋白質標品. WTは結晶ができなかった。この蛋白質標品WTのピーク前後のフラクション をSDS電気泳動で調べるとα3β3複合体のバンドの中にβサブユニット由来 のバンドが多く現れている。さらに、βサブユニットだけに着目してみるとβ のバンドの上下に他の蛋白質のバンドが見られた(図11)。. ピークより後のフラクション(図1232番∼33番)を回収した蛋白質標品 FDは結晶ができた。この蛋白質標品FDのピーク前後のフラクションをSDS 電気泳動で調べるとα3β3複合体のバンドの中にも同様にβサブユニット由 来のバンドが現れているが、バンドの種類も少なく特にα3β3複合体のバンド の上部にはほとんど見ることができなかった。βサブユニットだけに着目して. 29.

(37) みると、βのバンドの上部にはほとんど他の蛋白質のバンドを見られなかった (図13)。このことから、蛋白質の純度を上げるためにピークより後のフラク ションを回収することにした。. その結果、結晶化実験においては、必ず結晶ができるようになった。また、 蛋白質の収率は40%∼50%で、溶出濃度は0.14M∼0.26Mであった(表1)。. 以上のことから、α3β3複合体の純度を決めるのは、α3β3複合体の精製 だけでなく、α3β3複合体を作るために用いたαサブユニットとβサブユニッ トの純度にも影響され、α3β3複合体の結晶をつくるためには、αサブユニッ トとβサブユニットの純度を上げて他の蛋白質をなくすことが必要であること がわかった。. 7 ?6 喜5 画4 騨3. S2 葦1. 0 O 5 10 15 20 25 30 35 40 フラクション番号. 図10蛋白質標品WTのH:W 65カラムによる精製. 30.

(38) T一. 爵. .. 巨 キ. ・. 螂. レ. 〆 もヘミ. ホサうヒミ. ジ. ド. 。 、/ ヰ. う. 辱轟 一ド 、ふtl,ll・ ・. バ…・㌧1 ・. 鱒讐鯉搬∴準撫二£. 環鹸ズ与 ギナゆネ ヒタつ. ぜ ゆ ノ .・藪嚢縫峡灘轟曝轟ジ{;童漏露毒嫁憲議・脚. ド. 拶“懇. 濃鱒鱒購書φ鰍 町ト. 、. 司. 喰硬. ,. {. ∼「. リ ヂ ヂノレ ゐ 嘱 ’∵汽鉾還轟. 離讐羅難欝愁 ヂ. モ. チマノボ. バ. し. へ. あ. い. ナ 〆 ∴∵∴門証’藏、♂・、一望瀞誌_〔. ../ヒ ・ 一 v. l. キへ く イ ボ ・了㌔。織浩く【 ゆ 。hr.1・tt・.“㌦ r , ・㌦r”. ,. 匹. マーカー 5ug 10ug 5ug 10ug. WT. 35. 36. 37. 38. − L_」. α(W) β(T). フラクション番号35番∼38番を回収して蛋白質標品WTにした。. 図11蛋白質標品WT精製の電気泳動. 7. 一. ㎝一一 M 帥. 『. 「㎝ 帥榊 …. 06. 32. ・ミ5. i. 31 3$. ね。. 竃遜4 Il. 襲3. 30. 婁2ハ阜 1. 34. 1. @. …. @ …. 5. 0 0. 5. 25 30. 10 15 20. 35 40. フラクション番号. 図12蛋白質標品FDのHW65カラムによる精製. 31.

(39) マーカーα(F)β(D)精製前FD 31. 32. 33. フラクション番号31番∼33番を回収して蛋白質上品FDにした。. 図13 蛋白質三品FD精製の電気泳動 1−1−2.βサブnニットの精製. 従来、DEAEイオン交換カラムクロマトグラフィとHVV65疎水カラムクロマト グラフィの2段階で精製を行い、それぞれにおいて蛋白濃度のピークの前後を 標品として回収していた。そこで、βサブユニットの純度を上げるためにカラ. ム後のピーク付近の各フラクションを採って、SDS電気泳動で不純物の有無を 調べ、どのプロファイルを標語として回収したらよいかを検討した。. 1−1−2一一1.DEAEイオン交換カラムクロマトグラフィ 蛋白濃度がピーク付近のフラクションを見てみると、ピー・一クより1つ前(20. 番)ではβサブユニットのバンドの上下に他の蛋白質のバンドが表れて、バン ドも濃く不純物が多く混在している。ピーク後になると他のバンドが薄くなっ. て不純物が少なくなっている。ピークのフラクションより3つ目(24番)より 後は、蛋白濃度が低すぎる(図14)。このような結果から回収する蛋白質は、 ピーク以降で蛋白濃度もピークのときと比べて1/2以上あるものにした。ピー. クより後(21番∼23番)を回収して次の冊65疎水カラムクロマトグラフィに. 32.

(40) かけることにした(図14)。 このような結果は、他のβサブユニットの精製の時でも同様になり、NaCl OM ∼0.5Mまでの濃度勾配をかけたとき、蛋白質溶出濃度のピークは0.22∼0.27M であった。 (表2)。. 20(. 」「.1閥「幽申桐,LF..縛. .−唖「−吻即」呪戸.”..り・.7胸.7. 21. 一 E瀞5. 20. 22. i. 絹. ). 19. 髄0. 23. i. 騨. 斜5. を4. く. ムへ0. 0. 5. 10. 15. 20. フラクション番. 25 号. 30. 35. 図14 β(A)のDEAEカラムによる精製 1−1−2−2.HW 65疎水カラムクロマトグラフィ. 蛋白溶出濃度がピーク付近のフラクションを見てみると、ピークより1つ前 (17番)ではβサブユニットのバンドの上下に他の蛋白質のバンドが表れて、. バンドも濃く不純物が多く混合している。それが、ピーク後では、他の蛋白質 のバンドが薄くなっていて不純物が少なくなってきている。ピークのフラクシ. ョンより3つ目(21番)より後は、蛋白濃度が低すぎる(図15)。 このような結果から回収する蛋白質は、ピ・…一・ク以降で蛋白濃度もピークのと. きと比べて1/2以上あるものにした。このことによってαサブユニットは、ほ とんど不純物が混ざらないものになった。これをα3β3複合体の精製に使うこ とにした。この実験では、ピークより後(18番∼20番)を回収した。. このような結果は、他のβサブユニットの精製の時でも同様になり、 (NH4)2SO41.2M∼OMまでの濃度勾配をかけたとき、蛋白質の溶出濃度ピークは 0.50∼0.54Mになった(表2)。. 33.

(41) 3. ’綿∼一弼喀. ∼∼脚榊…炉. … 榊. 蓬. §. 18. 2.5. @ り酬1. P9. ,. 鎚. 2 。 口。. 17. 魔P・5 0 1. 20. 1. 旨. 婁 Q1. ・. 0.5. 0. 0 5 10. 20. 15. 25 30. フラクション番号. 図15 β(A)のHW65カラムによる精製. マーカー20 21 22 23 17 18 19 20精製前DEAE後β(A). 一 一. DEAEカラム HW65カラム DAEAフラクション21番∼23番を回収して、冊65カラムで精製をした。 HW65フラクション18番∼20番を回収して蛋 白質標品β(A)にした。. 図16 β(A)精製の電気泳動. 34.

(42) 表2 βサブユニットの精製の結果. No. R T. V *X *Y. *A *D. 菌種. 菌量 SONIFIER後. ^ンハ。ク量. ピーク濃度. 150mg 243mg 210mg 150mg 176mg 176mg 174mg. 0.29M. 77mg 125mg 113mg 86mg 67mg 84mg 92mg. 0,46M. ○. 0.52M. △. 0.66M. ×. 4.39 3.89. 500溢g. puc118β/HB 101. 3.79. 624mg 573mg 550mg 599mg. puc 118β/HB 101. 3.89. puc 118β/HB 101. 3.79. puc118βノHB 101. 4.19. 級ハ. ピーク濃度. puc 118β/HB 101. puc118β/DK8. 3.19. 精製. HW 65後. ^ンパク量. 483mg 858mg. puc118β/HB 101. DEAE後. ^ンハ.ク量. 0.24M 0.27M 0.27M 0。25M 0.22M 0.26M. 0.48M. ○. 0.50M. ○. 0.54M. ○. 0.54M. ○. *のマークがある物はピークより後のフラクションを回収したのも *のマークがない物はピーク前後のフラクションを回収したもの 緒製結果について ○はこの蛋白質を使って結晶ができたもの. Xはこの蛋白質を使って結晶ができなかったもの △はこの蛋白質を使って結晶はできたが大きくならなかったもの. 1−1−3.αサブユニットの精製. βサブユニットの精製と同様にDEAEイオン交換カラムクロマトグラフィと HW65疎水カラムクロマトグラフィの2段階で精製を行い、それぞれにおいて蛋 白濃度のピークの前後を標品として回収していた。そこで、αサブユニットの. 純度を上げるためにカラム後のピーク付近の各フラクションを採ってSDS電気 泳動で不純物の有無を調べて、どのプロファイルを二品として回収したらよい かを検討した。. H−3−1.DEAEイオン交換カラムクロマトグラフィ 蛋白溶出濃度がピーク付近のフラクションを見ると、βサブnニットでは、 βサブユニットのバンドの上下に他の蛋白質のバンドがはっきり見えていたが、. αサブユニットでは、αサブユニットのバンドより上のバンドが薄くなってい た。ピーク前(16番)では、ピーク後(17番∼19番)と比べてαサブユニット. のバンド部分も細くαサブユニットの蛋白溶出濃度が低かった。さらにαサブ ユニットのバンドの下に他の蛋白質のバンドがあり、このバンドも濃く不純物. が多く混在していた。ピーク(17番)では、ピーク以降(18番と19番)と比 べてαサブユニットのバンドより下で他の蛋白質のバンドが見られるがピーク. 前(16番)と比べてこのバンドが薄く、αサブユニットのバンドも太く蛋白溶. 35.

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