rotX, rotY, rotZ入力 Xbeam値, Y beam値入力 SCALAGRO
DFOUR l ER
グラフィックス
図9 X練回折強度測定データ解析
皿.結果
本研究では、好熱菌のF1−ATPaseの触媒機構を理解するために、
(1)リガンド結合型のα3β3複合体の構造解析
(2)α3β3γ複合体の結晶化実験
(3)βミュータントからのα3β3複合体の結晶化実験 の研究を行った。
1.リガンド結合型のα3β3複合体の構造解析 1−1.α3β3複合体の結晶化条件の改良
リガンド結合型結晶を作るためには、確実にα3β3複合体の結晶ができるこ ととX線回折強度測定にかけられる大きな結晶(直径0.5mm以上)を作れるこ とが必要である。
後述するように、α3β3複合体とそれを作っているαサブユニットとβサブ ユニットをSDS電気泳動で調べてみるとα3β3複合体の純度は、αサブユニッ トとβサブユニットに依存していて、特にβサブユニットの影響を受けること が分かった。そこで、α、β、α3β3複合体の精製方法を改良して純度の高い 蛋白質の回収及び結晶化条件の改良を行い安定して結晶ができるようにした。
以下の方法により以前では、結晶のできかたにばらつきがあったが、確実にX 線回折強度測定に使える結晶を得られるようになった。
1−1−1.α3β3複合体の精製
いくつかのαサブzニットとβサブユニットの組み合わせで、α3β3複合体 を作ると結晶ができるものとできないものができる(表1)。そこで、SDS電 気泳動で蛋白質の様子を調べた。
表1 α3β3複合体の精製結果
α.βの量
HW 65後
α3β3
W品No
タンパク量 ピーク濃度 収率結晶化
TT
75.6mg15.7mg 0.24M
21%級ハ
△TR
56.3mg38.4mg 0.18M
68% ○WT
57.6mg25.Omg 0.17M
43% ×*YV
57.6mg21。8mg 0.18M
38% ×*ZX
43.8mg23.1mg 0.18M
53%○
*YX
42.Omg15.4mg 0.18M
37% ○*AX
45,0mg25.Omg 0.24M
55%○
*ZY
43.8mg20.4mg 0.24M
47% ○*BY
28.Omg11.7mg 0.18M
41%○
*AY
38.Omg13.8mg
0.26M ・ 36%○
*CA
35.7mg17.Omg 0.14M
47% ○*DA
37.4mg25.3mg 0,70M
67% ○*FD
33,0mg16。7mg 0.24M
50% ○α3β3三品のNoは、α・βサブユニット標品Noをつなげたものである。
(αサブユニットの標品No.Aとβサブユニットの標品No.Bとで作ったα3β3標品のNoはABとしてあ
る。)
*のマークがある物はピークより後のフラクションを回収したのも
*のマークがない物はピーク前後のフラクションを回収したもの 精製結果について ○はこのタンパクを使って結晶ができたもの
Xはこのタンパクを使って結晶ができなかったもの
△はこのタンパクを使って結晶はできたが大きくならなかったもの
収率は、回収された蛋白質量:をα3β3複合体を再構成するために用いたαとβサブユニットの合計の蛋白量で割って 求めた。 (以下同様)
ピーク前後のフラクション(図1035番〜38番)を回収した蛋白質標品
WTは結晶ができなかった。この蛋白質標品WTのピーク前後のフラクション
をSDS電気泳動で調べるとα3β3複合体のバンドの中にβサブユニット由来 のバンドが多く現れている。さらに、βサブユニットだけに着目してみるとβ のバンドの上下に他の蛋白質のバンドが見られた(図11)。
ピークより後のフラクション(図1232番〜33番)を回収した蛋白質標品 FDは結晶ができた。この蛋白質標品FDのピーク前後のフラクションをSDS
電気泳動で調べるとα3β3複合体のバンドの中にも同様にβサブユニット由 来のバンドが現れているが、バンドの種類も少なく特にα3β3複合体のバンドの上部にはほとんど見ることができなかった。βサブユニットだけに着目して
みると、βのバンドの上部にはほとんど他の蛋白質のバンドを見られなかった
(図13)。このことから、蛋白質の純度を上げるためにピークより後のフラク ションを回収することにした。
その結果、結晶化実験においては、必ず結晶ができるようになった。また、
蛋白質の収率は40%〜50%で、溶出濃度は0.14M〜0.26Mであった(表1)。
以上のことから、α3β3複合体の純度を決めるのは、α3β3複合体の精製 だけでなく、α3β3複合体を作るために用いたαサブユニットとβサブユニッ
トの純度にも影響され、α3β3複合体の結晶をつくるためには、αサブユニッ トとβサブユニットの純度を上げて他の蛋白質をなくすことが必要であること がわかった。