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蝿と各種:磁化器系病原菌との關係に座すろ研究

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(1)

286

蝿と各種:磁化器系病原菌との關係に座すろ研究

金澤蘭科大岡細菌學教室(主任谷教授)

伊  與  雄i 二     砂嚢

  (昭和24年1月17日受附)

第1章緒

 蠣は浩化器応急染病の傳播に重要なる役割を 演ずるものとして古くから認識せられた虚であ

る.浩化器系傳染病流行季節は恰も蠕の最盛期 に一致し,蠣の習性,禮構造は病毒義血に適合 し,其の危瞼なるは何人も首肯する虞であaり,

Howard(1916)の如きは蝿の傳播がチフス流行 の主因なりと考え,家蠕Musca domesticaを寧 ろチフス蠕(Typhoid fly)と呼んだ方がよv・と 述べて居る.

 蝿と消化器系戯画病との關係に獲ては多数の 報告があり,先づ媚とチフスとの關係に就て Veeder(1898)は米西職争に於て米軍内に蝿の 爲チフスが流行した事を報告し,Tooth u.

Calverley (1901), Hainilton (1903), Ainsworth

(i909),Torrey(1912), Ilona(1936)も重藤の 観察をして居る.:Firth and Horrocks(1902)は

蟷にチフス菌を與え其の禮表より之を送出し たが,其の糞申には存在しなかったと.:Ficker

(1903)は頭部,翅及び脚で5日後まで,腸で9日 後まで菌を槍出したと.Graham−Smith(1911)

は糞及び歩行せる跡より48時間,腸で6日後ま で該菌を誰明して居る.Hamilton(1903)はシ カゴに於けるチフス流行に際し患家の便所及び 便所の周園で捕獲iした蝿18匹中5匹に該菌を讃 明し,Ficker(1903), Buchanan(1907), Tho一

mson (1912), Bertarelli (1910), ・Odlum (1912),

Cochrane(1912)も自然の媚からチフス菌を分 離iした.之に反してMesserschmidt(1914)はチ フス患家及びチフス菌保有の家兎飼育小屋よb

探丸した蠣からチフス菌を謹明する事が出番な かった黙から媚はチフス尊見に關し重要な意義 なしと齢し,Drigalski(1912>も同様の報告を して居る.媚とパラチフスζの血判に就ては丈

、獄少く,Torrey(1912)は自然の蠕からパラチ フスA菌を3例に:於て謹明し,:Nicoll(1912)は 2例に当てパラチフ不:B菌を槍出した.蝿と赤 痢との血紅に就ては,Dansauer(1907)は南ア

フリカの赤痢流行に醜し蝿が確實に赤痢流行に 與って力ある事を報告し,Peter(1910), Orton

(1910), 一Ebeling (1913), Kruse(1915), Morison

and K:eyworth(1916)も同仁め報告をして居 り,:Bahr(1912)は:Fiji島の流行に際し蝿よb 志賀菌を謹明し,yau, yuan and Huie(1929)

も野外の蠕より赤痢菌を分離した.K:rontwski

(1913)は蠣に志賀菌を餌食せしめ共の脚及び腸 に2日,糞に3日後まで菌を讃明したと報告し

て居る.

 幼轟と浩化器系病原菌との關係に就て,

Krontwski(1913)は種:々の蝿の幼贔にチフス 菌,赤痢菌を與えたるに,羽化したものには全 く該菌を認めなかったと.之に反しFaichnie

(1909)はパラチフスA菌を蛆に食わしめ羽化 せる蝿の腸申にも之を認めたと。Wollmann

(1922)も同様の報告をして居る.Graham−Smith

(1911)は諸種の菌により槍した虞,チフス菌の 如き芽胞を形成しない菌は羽化後までは存在せ す,芽胞を形成する菌は蠣となった後にも誰明 されたと報告して居る.

( 14 ]

(2)

伊 與 287

 翻って吾が國の文鰍を求むるに甚だ少く,乾

(明治34年)は媚が赤痢傳播の・一一・一iL大原因をなすと 報告し,原(明治44年)は釜山の赤痢流行に蝿が 與って力ある事を述べ,病院捕獲の蠣47匹中2 匹,市内にて採集せる蠕256匹中6匹に赤痢菌

を讃明し・村島(昭和4年)は赤痢患家捕獲iの蠣 より志賀菌1例,駒込:B菌1例計2例の赤痢菌 を槍出し,幼最に赤痢菌を餌食せしめて5日ま で,子フス菌で10日まで該菌を謹明し,徳川

(昭和15年)は蠕に各種:二化器系病原菌を餌:食せ しめ二二で3日,艦内で8日後まで保有する事 を認め,更に幼巌に餌食せしめ7日後まで生存 する事を確め,記しそ羽化後は全く認められな

かったと報告して居る.

 以上述べた如く,多数の學者は蠕が各種消化 器系傳染病の傳播に重要な役割を演ずる事を主 張して居るが,猫一部の學者は疑問を差挿んで 居り,更に:幼二期に撮取された之等細菌が,羽 化した後にも傳播するや否やに就ても異論のあ る庭である.私は二等の關係を閲明せんが爲,

恩師谷教授御指導の許に,之等細菌を蠕及び其 の幼轟に撮取せしめて之等細菌の運命を下し,

更にチフス患者牧容病棟に於て探漏した蝿に就 きチフス菌の楡索を行V・,聯か得る虚があった ので,蝕に大要を報告し,諸賢の御批判を乞わ んとするものである.

第2章蝿の髄内・外に於ける各種消 化器系病原菌の運命  媚の艦内・外に於ける各種:浩化器系病原菌の

運命を知らんとして,チフス菌,パラチフスA 菌,パラチフズB菌及び赤痢菌に就き次の如き 餌食試験を行った.

 蠕の飼育用器具としては次圖(1)の如く,縦 30cm.横20cm.高さ15cm・の網を用v・た.之

.は市販の蠣除け網を中央にて爾篤し,断面に布 を晒布して作った。而して布面の中央部に直径 5cmの圓孔を穿ち,布製の圓筒形のものを縫付 け蠣の出入口とした.亭時は先端を結び蝿の逃 亡を防止した.網の中の蠣を取出すには直径 4cm.長さ6cm.の:布製袋に長さ40cmの針金 柄を具した昆巌捕獲網を使用した.之を媚の出

し入れ口から中に入れ網に停止せる蠣を捕獲iし 手早く出し入れ口から取出し,滅菌試験管に移

し使用した.

(1) 蝿の飼 育器具

嫡ぐ謎\ミ〜

㌦撚贈&

 蝿の浩化管は次回(2)に示す如く,咽頭・食 道・康嚢・前胃・胃・小腸・大場及び直腸よりなり,

食道は大部分頭部に,皆皆及び胃は胸部に,而       1 

して腸及び暖嚢は腹部にある.

      (2)蝿の浩化管

       (Martin・氏に依る)

     ズ、、ズ「、\

 /

唇麟 唾液腺  葡胃  胃   瞭 小

         嚢腸

 k

大直 回腸

    第1節 チフス菌餌食試験      第1項實 験 方法

 餌食試訳用網に前日來一山状態に置いた家蝿25匹を 入れ,チフス菌の24時間ブイヨン培養液5ccに等量の

5%葡萄糖液を加えたものをシャーレに流し・某の中 に食パンの一片を置欧ものを鹸試下用幽とし

之を8時間餌食せしめ,毎日落下菌・翅・脚・醤辮。膿表

(翅・脚及び呼野を取った残り)・食道・前町及び胃(以 下軍に胃と記す)・腸及び環嚢(以下軍に腸と記す)・糞 及び嘔吐汚黙に就き三内の検出に努めた.

 落下菌とは網から取出した蝿を,豫め作り置いた遠 藤亭板培養基中に途入し1分間放置したものである・

[ 15 ]

(3)

288 蝿と各種消化器系病原菌との關係に關する研究

而して該遠藤李板培養基を倒置しシャーレの蓋壁から クロロホルムを瓢滴すれば蝿は迷朦状態に掠る.直に 之を取出し,滅菌載物硲子上にて,翅・脚及び肉池を        滅菌ピンセット及び鋏にて切断し,夫々, :K:auffmann 氏複合培養基に投ず.膣表とは前記翅・脚及び唇辮を 切り取った残りの部で,之を2ccの滅菌生理的食職 水中に投じ暫時振盈し,充分洗回し其の液の1ccを

:Kauffmann 氏複合培養基に投入し24時間37。C培養 後遠藤培養基に塗布する・食道・胃及び腸は前記食盤水 に投入した蝿を取出し,70%アルコールに投じ,外表 を消毒,次で滅菌水中にて充分洗評し,滅菌吸取紙に て晶出を除去した後,頭・胸部,及び胸・腹部の境にて 切断し頭部・胸部及び腹部を夫々滅菌乳鉢にて研磨し つy,滅菌生理的食璽水を添加し,前者を食道,次を 胃,後者を腸の研磨液とした,其の一部を颪接遠藤培

養基に塗布,爾鯨の液を夫k:Kauffmann氏複合培養 基に投じ37。C,24時間培養後遠藤培養基に塗布した・

糞及び嘔吐歯跡は,検査1時間前に新しいパラフィン 紙を餌食試応用網内に手入し置き,之を取出し共の上 の糞及び嘔吐汚織を滅菌巻綿子にブイヨンを浸したも ので擦り取り夫ノもKa巡mann氏培養基に投入し,24 時間37。C三二器申に納め,遠藤培養基に塗布し型の 如くチフス菌の梅島に努めた,

     第2項童画成績.、

 第1表の如く,落下菌で1日,翅で12時間,

脚で3日,唇緋及び膿表で12時間,食道で1日,

胃で2日,腸では最も長く5日まで,糞で2日,

而して嘔吐汚黙に12時聞までチフス菌を検出し

た.」

第1表

チフス菌餌食試験成績

時 聞 6時闇 12時間  1

1Z

 g

 g

 量

10

H

落下菌

唇蜘

盟表

食道

嘔吐 汚識

氣 温

最高19・4。C 最低13・4。C

1! lt

11 21.90C 11 11.80C tl 21.80C t/ 10.50C rr 22.30C tf 13.60C 11 19.70C 11 12.10C tl 21.40C 11 10.80C tl 22.50C m 11.5eC t/ 23.80C tl 14.20C 11 20.60C m 16.00C

〃  21.40C   〃  14.ユOC

t/ 20.00C 1/ 11.90C

   第2節パラチフスA菌餌食試験      第1項 實 験 方 法

 昭和22年10月2日より11日聞に亘り,前節チフス菌 餌食試験と記録の方法で,パラチフスA菌を餌食せし め一定時間後悲心の検出に努めた

     第2項實 験 成 績

第2表に示す如き成績であった.帥ち,落下 菌で12時闇,翅で6時間,脚に3日,唇辮に12 時間,燈表va 6時間,食道に1日,胃に2日,

腸で6日,糞で3日,嘔吐汚黙に6時間後まで 該菌を槍出した.

   第3節 パラチフスB菌餌食試験

    ・第1項身幅方法

 昭和22年10月2日よ:り11日聞に亘り,前節同様の方 法でパラチフスB菌を以て實験した,

     第2項 實 験 成 績

 其の成績は第3表に示す如くであり,落下菌 で6時闇,翅で1日,脚で4日,魚油で12時聞,

禮表で6時間,食道で1日,胃で2日,腸で7 日,糞で3日,嘔吐汚黙で6時聞後まで該菌を 醸出した.

    第4節赤痢菌餌食試験

[ 16 ]

(4)

伊 輿 289

第2表

パラチフスA菌餌食試験成績

時 間

6時聞 12時聞

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

落下菌

唇難

燈表

食道

嘔吐 汚霜

最高19.4。C 最低13・4。C

tl tl

tt 21.90C tl 11.80C tl 21.80C rl 10.50C tl 22.30C tl 13.60C 11 19.70C t/ 12.10C t/ 21.40C 11 10.80C t! 22.50C 11 11.50C rl 23.80C t/ 14.20C 11 20.60C t/ 16.00C i! 21・4.C tl 14.10C tl 20.00C 11 11.90C

第3表

パラチフスB菌餌食試験成績

時欄

於誌ト

6時間 12時間

1 2

3,

4,

5 6 7 8 9 10

i翅

辱辮

腿表

7

食道

嘔吐 汚瓢

氣 温

最高19・4。C 最低13・4。C

11 tl

tl ri 21.90C   11.80C t/ 21.80C tl 10.50C 1! 22.30C 1! 13.60C tt 19.70C tl 12.10C

〃 21.40C  グ 10.80C lt 22.50C 1! 11.50C t/ 23.80C 1! 14.20C t/ 20.60C tl 16.OeC t/ 21.40C 1/ 14.10C tl 20.00C tl 11.90C

第4表

赤痢菌餌食試験成績

時 間落下菌 翅 脚  唇辮

6時間

12時…間

1 日 、十 2 日

3 日

4 日

5 日

6 日

7 日

8 日 t 馴

9 日

10 日

戸表 食道

嘔吐     氣

汚黙 温

最高30.2。C 最低22.6。C

tl 11

11

t/

tl

t1

11

11

tl

t1

1/

I1

28.30C 28.Ooc 29.20C 33.20c 29.20C 26.60C 27.20C 25.60C 26.Ooc 22.50C

tl

tl

tx

1/

11

11

tl

tl

l1

1/

20と1。C 21.60C 20.50C 21.90C 22.10C 21.70C 21.90C 18.10C 17.40C 17.80C

[ .17 ]

(5)

290 蝿と各種消化器系病原菌との驕係に關する研究

     第1項 實 験 方 法

 昭和23年9月4日から11日間に亘り,前節同病の方 法で赤痢菌を以て實験した.赤痢菌は志賀菌を使用し

た.

     第2項 實 験 成 績

 第4表に示す如く,落下菌で1日,翅で6時 聞,脚で2日間,唇辮で6時間,食道で12時聞,

胃で1日,腸で4日,糞で1日,嘔吐汚黙で6 時聞まで該菌を槍出した.艦表からは槍出され

なかった.

         第3牽 蝿の幼贔の髄内に於ける各種滑化器系病原菌の王命

 先に緒言に於て述べた如く蝿の病毒傳播の一     第5表 産墨汁3日目幼轟を用いて 方法として,其の幼端緒に撫細した病原菌を羽       のチフス菌餌食試験 化後撒布するや否やに就ては賛否爾論のある塵

である.私も亦之を究明せんとして次の如き實 験を行った.         .

 實験に:は最も屡々便所から稜生する肉蠕の蛆 を使用した.蛆の飼育培地としては豆腐粕209 に:魚肉109をカ1え乳鉢で研磨したものを大試験 管に入れ,管口を綿嘉し,心心滅菌したものを 用v・た.蛆は此の中で盛に食餌を掻取して襲育 し,綿栓の綿の中にもぐつて蠣化する.蠕化し た時は綿ぐるみ小野子器に移し,前章記載の如

き飼育網の中で羽化するを待つ.

     箪1節 チフス菌餌食試験     第1項 産蛆第3日目幼轟を         用V・ての實験

 1「實験方法 上記蛆の嗣育培地に・チフス菌24 時聞ブイヨン培養液10ccをよく混和し餌食試験用食 餌とする.之に産蛆第3日目の肉蝿の幼轟20匹を入れ 5時間餌食せしめて後,幼轟を取出し,70%アルコー ルに浸し外表を消毒し,i欠で滅菌生理的州内水帖で聯 盟,罪源し滅菌吸取紙で水分を除去して後,別の薪鮮 な飼育培地に移す.而して一定時聞後取出し前記の如 く髄表を消毒,解剖して鐘化管を取出し,滅菌乳鉢申 で滅菌生理的食盤水を注漏しつx研磨し,其の1エー ゼを直接遠藤培養基に塗布,残りをKauffmann氏複 合培養基に投じ37。C 24時間培養後遠藤培養基に塗 布,型の如くチフス菌の橡出に努めた.

 2.實験成績第5表に示す如く,蛆はチフ ス菌餌食後7日目に蠣化し,13日目に朋化した が,チフス菌は5日まで槍出され,それ以後は 橡出されなかった.

   箪2項 第3期幼轟を用v、ての實験

時 間 6時間 12時間 1 日 2 日 3 目 4 日 5 日 6 日 7 日 8 日 9 日 10 日 11 日 12・日 13 日 14 蛆

材料 種類 蛆

t!

or

r!

t/

tl.

rl

le/

11

t/

t/

st

11

11

菌検査 成 績

氣 温

最高28,6。C 最低21・2。C

t/ 11

11 28.30C 1/ 22.40C tt 26.80C 1! 21.40C 11 31.30C 11 21.70C t/ 28.60C 11 20.60C.

ff 28.60C tt 20.10C t/ 29.30C tl 18.70C tt 31.10C 11 21.30C  34.00C tt 21.30C 11 31.90C 1! 24.20C rl 30.20C tl 22.60C tl 28.30C t/ 20.10C 1/ 28.00C e 21.60C

,1 29.20C tl 一20.50C tl 33.20C n 21.90C

第6表第3期幼贔を用いての    チフス菌餌食試験

時 間 材料

嵭゙

菌瞼査

ミ 績 氣     温 6時間 蛆 最高28.6。C 最低20.1。C 12時間 〃         〃

1 日 〃 29.30C  〃  18.70C 2 日 〃 31.10C  〃 21.30C 3 日 〃  34.OOC   〃  21.30C

4 日 〃 31.90C  〃 24.20C 5 日 〃  30.20C   〃  22.60C

6 日 〃 28.30C  〃 20.10C 7 日 〃 28.むOC  〃  21.60C 8 日 蝿 肖 〃 29.20C  々 20.50C 9 日 〃 33.20C  〃  21.90C 10 日 々29.2。C 〃22.1。C

調

[ R8 ]

(6)

興 291

 1.實験方法充分成長して蝋化目近い肉蝿の蛆 20匹に前項同報の方法を以て,チフス菌を餌食せしめ

た。

 2.實験成績 蛆期,踊期,成無期に於ける 成績は第6表の如くであり1,蛆期に於てはチフ ス菌餌食後6時聞から1日迄は3例共に菌を掛 出した.蠣期に於ては菌解食後2日より6日の 聞第2日,第3日及び第5日に菌を検出,印ち

6例中3例に:於て菌を認めた.成贔期に於ては       ノ1例も菌を槍出しなかった.   ,

     簗2節 赤痢菌餌食試験

第7表 産蛆第3肩目引轟を用   いての赤痢菌餌食試験

時 間 6時聞 12時聞

  日   日

114日

I H

2 日 3 日 4 日 5 日 6 日 7 日 8 目 9 t日 10 日 11 日 12 13

秘料 種類 蛆

t!

Jt

t!

1/

11

t1

11

t!

11

1/

11

1/

菌橡三 三 績

最高28.60C  最低21.20C

tl 11 」

fl

ll

t/

tl

ll

t!

It

11

1!

tt

ll

t/

1/

1!

28.30C 26.80C

31.30C 

28.60C 28.60c 29.30c 31.10C 34.eOC 31.90C

,30.20C 28.30C 28.OOC 29.20C 33.20C

t/

t/

1/

t/

1!

11

1/

rl

s

t/

tt

1/

11

1/

22.40C 21.40C 21.70C 20.60c 20.10C 18.70C 2し3。C 21e39C 24.20C 22.60C 20.10C 21.60C 20.50C 21.90C

    第1項 産蛆第3日目幼轟を         用V・ての實験

 前節同様の方法で赤痢菌を以て行った.成績 は第7表の如く,蛆期に於ては赤痢菌餌食後6 時間から3日目迄は5例中5例共に該菌を認め たが,それ以後は認められなかった.

  第2項 第3期幼轟を用いての實験  前節同様の:方法で第3期幼轟に赤痢菌を餌食 せしめた庭,第8表の如き成績を得た.帥ち,

蛆期に於ては菌餌食後6時間から1日まで3例 共に菌を槍出した.蝋期に於ては菌餌食後2日 より6日の間,第2日,第;3日に菌を槍出,師 ち6例中2例に菌を認めた・廊下には1例も 菌を認めなかった。

第8表 第3期幼贔を用いての    赤痢菌餌食試験

時曜鎌蟷

6時閲

ユ2時間 1 日 2 日 3 日 4 日 5 日 6 日 7 日 8 日 9 日 10 日

「蛆

tl

t/

Il

t/

t/

hr

ht

1!

1最高28.6・C最低20.1・C

〃      庁

tl 29.30C 11 18.70C t/ 31.10C s/ 21.30C tl 34.00C r/ 21.30C e 31.90C t/ 24.20C ti 30.20C ti 22.60C tl 28.30C t/ 2e.10C t/ 28.00C 1/ 21.60C 11 29.20C   20.50C t/ ・33.20C t/ 21.90C t/ 29.2CC 11 22.10C

第4章 チフス零墨牧容病棟に待て採集した 蝿に就でのチフス菌搬索試瞼  昭和22年8月6日から9月22日に亘る48日間

に某病院チフス患者隔離病棟に於て探尽した蠣 70匹に就てチフス菌の槍索を次の如く行った.

     第1簾 實 験 方 法

 自家製埋葬捕獲網にて捕獲した蝿を1匹宛滅菌試験 管に入れ,之に滅菌生理的食盤水5ccを加え,充分振 回し之を膿外表の洗蘇液とする.次で蝿を取出し70%

       N

アルコールに外し外表を消毒し蝿を取出し滅菌生理的 食盤水申で充分振盈洗際した早旦を取出し滅菌吸取紙 にて水分を除去し,滅菌乳鉢申で滅菌生理的食旱水を 注嘱しつΣ研磨し,之を謹内部研磨液とす.而して贋 者の夫,々1エーゼを直接遠藤培養基に塗布,残りの部 を夫・々カウフマン氏複合培養基に加え,37。C 24時間 培養を行い,遠藤培養基に塗布し,型の如くチフス菌

[ 19 )

(7)

292 蝿と各種消化器系病原菌との關係に關する研究

の橡出に努めた.

     第2節自験成績

 第9表に示す如く,8月27日病室の壁に停止 し居れる姫家蠣の龍表及び同日便器の蓋に停止

し居れる肉媚の丁丁の2例に於てチフス菌を槍 出した.而してそれ以外は何れも菌が槍出され なかった.8月27日目於ける入院患者は11名で あり,各病期の患者が概容されて居た.

第9表 チフス菌掃出成績

No.

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19

20

21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35

蝿の

種類 捕獲日 家蝿1

 1!

 1!

大家蝿i 姫家蝿i

 1!

家 蝿  11  1/

肉 蝿 大家蝿 姫家蝿

 t/

家 醐

tl

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1!

tl

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11

8月6日

1!

11

t/

11

11

肉 郷 家 蝿  1/  1 11  11  1 11 大家蝿  〃 姫家蝿  〃 金 蝿, 〃 家 囎8月27日

 11  1 ll 姫家蝿  〃 肉 蝿  〃  r/  1 tl  t/  1 ll

家 蝿8月30日  11 1 1/

8月9日  11  11  11  t/

 !/

 tl  t1 8月22日  1!

 11  11  tl  t/

 11 8月25日

捕獲場所.

病  室  1/

廊  下  t!

便器置場 廊  下 病  室

1/

廊  下 病  室

炊事場

1/

病  室

t/

1!

1!

t/

ll

tl

t/

便器置場

炊事場

1/

廊  下 病  室

tl

t!

11

下 室 下 室

便器置場

炊事場

 11

菌梅田 成 績

乱臣

v

一1一 入院患 者 数

11名

10名

10名

11名

11名

11名

P

iNo.

§

蝿の 種類 36「家蝿

37 1 1i 38 1 t/

39 1 ,i

40姫家醐 41金 蝿 42家 蝿

43 1 1!

44 1 t/

45 1 11 46 1 ti 47 1 II

48肉 蝿

49 1 t/

50家 蝿 51大家蝿 52 1 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70

姫家蝿

 r/

 11 肉 彌

.家 蝿

11

1/

1/

1/

rl

姫家蝿 大家蝿 姫家蝿 家 蝿  11  11 姫家蝿

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肉 蝿

捕獲日

8月30日

1/

1/

t/

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9月3日  tt  t/

9月6日  tl  t/

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9月10日  tl  t!

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 tl  11 9月14日  1/

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 1!

9月22目

tl

t1

11

1/

1/

捕獲場所

廊  下 病  室  11 便器置場

1/

廊  下 病  室

tl

廊  下 病  室

tl

炊事場

 tl 廊  下 病  室 便器置場

11

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1/

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廊  下

t/

病  室

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炊事場

 11  t!

廊  下 便器置場 病  室:

 1/

炊事場

病  室 便器置場 廊  山

岨拙1

成 績  f饅表二二

 i

入院患 者 数

11名

・2名1

12名

12名

13名

12名

[ 20 ]

(8)

伊 與 293

第5章

 以上の馬田を総括・考案するに,

 1.蝿にチフス菌を餌食せしめ一定時聞後置 の髄内・外に於ける二二の二二を観察せるに,

落下菌(蠣を1分間遠藤培養基上に放置した後 蝿を取出し培養せるもの)で1日,翅で12時間,

脚で3日,唇緋及び罷表(翅・脚・門下を切断し た淺り)で12時聞,食道で1月,胃(胃及び前 胃)で2日,腸(腸及び簾嚢)では最も長く5日,

糞で2日直して嘔吐汚血で12時間後まで讃明さ れた.髄外表の他の部分からは比較的早く菌が 溝失するに關はらす,脚に於て3日後までチフ ス菌が生存する事は注目すべき事項である.蠕 の脚では褥盤がよ.く護達して大きく,一種の粘 液を分泌する絨毛が密生して居b,肢端が常に 漁潤である爲,かく長時間チフス菌力1生存出睡 るものと考える.胃よの比較的早く浩失するの

は其の酸度(P.H.6.O一一一6.4)張V・爲と、思はれる.

腸に於て6日後まで謹明されるに關はらす,糞 よりは2目迄しか検出されざるは,移身方法に 猶一段の研究を要すべきか.

 パラチフスA菌では,落下菌で12時間,翅で 6時聞,脚で3日,唇騨で12時間,艦表で6時 間,胃に2日,腸で6日,糞で3日,嘔吐汚黙 で6時間後まで槍出した.

 パラチフスB菌では,落下菌で6時間,翅で 1日,脚で4H,唇辮で12時間,髄表で6時聞,

食道で1日目胃で2日,腸で7日,糞で3日,

嘔吐汚黙で6時間後まで之を誰明した.

総括並に考案

   赤痢菌では落下菌で1日,翅で6時聞,脚で  2日聞,七二で6時陶,食道で12時聞,胃で1  日,腸で4日,糞で1日,嘔吐汚黙で6時予後  まで讃明された.

  2.チフス菌を産蛆第3日目の幼生に餌食せ  しめた庭,5日後まで槍出され,踊化直前の蛆  に餌食せしめた虞1日後迄は全例に於て誰明,

 最長6Hまで誰明された.而して蛆期に於ては

.全例,歯磨に於ては6例中3例に於て詮明さ  れ,成直後は之を讃明する事が出酷なかった.

  赤痢菌を産蛆第3日目の幼轟1に餌:食せしめた  Pt 3日後まで謹明された.蝋化直前の幼巌に餌  食せしめた塵,1日後迄は全例,:最長4日まで  謹明された.而して蛆期では全例,蝋期では6  野中2例に於て誰明したが,成轟後は全く槍出  されなかった.

  以上の事より蛆の膿内に於ては,之等の菌は  比較的長く生存するも,踊期に於ては比較的早  く溝失するを知る.

  3.チフス患者面容病棟に於て採集した蝿70  匹に就きチフス菌の楡索に努めた虚2例に於て  細菌を槍出した.而して其の1例は病室捕獲の  姫家蝿であり,他は便器置場捕獲の肉蠕であっ  た.何れも禮表より菌を槍出した.

  以上の成績より私は蝿が各種消化器細塵病の  媒介者たる事を信ずるものである.而して面面  に癬秘した浩化器系病原菌を成轟後傳毒する事  は先づ無V・と考える.

第6章結

 1.蝿にチフス菌・パラチフスA菌・パラチフ ズB菌及び赤痢菌を餌食せしめ一定時二巴,落 下菌(餌食蠣を1分間遠藤培養基面上に放置し た後下を取出し培養せるもの)・翅・脚・二二・艦 表(翅・脚及び丁丁を除いた残りの部)・食道・前 胃及び胃・腸及び即下・糞及び嘔吐汚黙から該菌 の槍出に努めた塵,落下菌で6時聞から1日,

翅で6時間から1日,脚で2日から4日,唇緋

で6時間から12時聞の聞に亘り何れの菌も槍出 され,二三では赤痢菌以外の菌は何れも6時間 から12時闇の間に亘り槍出された.食道では12 時聞から1日,胃で1Hから2日,腸では最:も 長く生存し4日から7日,糞で1日から3日,

而して嘔吐汚黙では6時間から12時間の聞に亘 b何れの菌も槍出された.要:するに一・度蠕が之 等の細菌を揖取するや,髄外表では6時聞以上

[ 21 ]

(9)

294 蝿と各種消化器系病原菌との關係に開する研究

4日聞,膿内部では6時間以上7日聞生存可能 であり,画期間中は傳染の危瞼がある.

 2.蛆にチフス菌及び赤痢菌を餌食せしめ一 定旧聞後其の内臓より該菌の槍出に努めた虞,

6時聞より5日の間に亘り之を槍出した.領し        ノて三期及び蠕期に於ては槍出したが,成巌後は

之を誰明する事が出來なかった.

 3.チフス患者牧容病棟に於て採集した蠣70f

匹に就きチフス菌の槍索に努めた庭,2例に於 て該菌を謹明した.

 (欄即するに當り恩師谷敢授の終始御懇篤なる伽指 導と御校閲とを深す感謝す,)

t

1) Ainsworth: J. Roy. Arm. med. Corps.

12, 485, (1909). 2) Bahr: Brit. med. J.

1, 294, (1914). 3) Bertarelli: Zbl. Bakter.

usw. Orig. 53, 486, (1910). 4) Buchanan:

Brit. med. J. 2, 1369, (1913). 5) Coehrane:

1. Roy. Arm. med. Corps. 18, 271, (1912).

6) Dansaller: Arch. Schiffs−u. Tropenhyg. 11,

45, (1907). 7) Ebeling: Z. Hyg. 74, 447,

(1913). 8) Faichnie: J. Roy. Arm. med.

Corps. 13, 580, (1909). 9) Ficker: Arch.

Hyg. 46, 274, (1903). 10) Grahm−Smith:

Zbl. Bakter. usw. Ref. 50, 311, (1911).

11)Grakm−Smith:∫. Hアg。11,390,(1911).

12) Grahm−Smith: Zbl. Bal〈ter. usw. Ref.

53, 36, (1912). 13) Hamilton: J. amer.

med. Assoc. 42, 1034, (1904)・ 14) Howard:

The hause fly (1916). 15) llona: Zbl.

Bakter. usw. Orig. 137, 223, (1936). 16)

乾: ;化越醤塩冶雑誌, 126, 26, (1901).     17)

Krontowski: Zbl. Bakter. usw. Orig. 68,

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Wschr. Nr. 36, 1057, (1915). 19) Martin:

Brit. med. J. 1, 1, (1913). 20)

Mesgersehmidt: Zbl. Bakter. usw. Orig. 74,

1, (1914). 21) Morison & Keyworth:

Ind. J. Med. Res.  3, 119, (1916). 22)

村膓: 實験署學難…誌, 13, 335, (1929).    23)

Nicoll: J. Hyg. 11, 381, (1911). 24)

Odlum: J. Roy. Arm. med. Corps. 10, 528,

(1908)・ 25) Peter: J. Hyg. 10, 602,

(1910).  ・26) Thomson: J. Trop. Med. 15,

273, (1912). 27) Tooth u, Calverley:

Zbl. Bal〈ter. usw. Ref. 35, 180, (1904).

28) Torrey: J. infect. Dis. 10, 166, (1912).

29)御lI:千葉醤學會雑誌,18,954,(1940)・

30) Yau, Yuan & Huie: Nat. med. J. China.

15, 410, (1929).

繋LM

       留晒

本邦最初の無痛性ビタミンC注射液で、ビ タミンCの効力を些も減することなく疹痛 を殆んど除去し、然も安定度を保持した理 想的な製剤で用法、用量、適慮症は局方ビ タミンC注と攣りありませんQ

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66

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