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解析 I ・講義ノート

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Academic year: 2021

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(1)

解析 I ・講義ノート

第4回

(2020

6

9

(

)

配信分

)

(2)

第4回本題

x = a の近くを ( x = a も含めて ) 定義域に含む関数 f (x) に対

し、その x = a における微分係数 f

(a) は、平均変化率 f (x) f (a)

x a

x a のときの極限値

f

(a) = lim

xa

f (x) f (a) x a

として定義されることは、皆さんが高校で学んだ通りです ( 教科書 35 頁参照 )

 物体の運動に例えれば、時刻を x ( 通常は t を使いますが ) で、

進んだ距離を f (x) ( とりあえずは直線的に進むとしましょう ) で、

表すとき、平均変化率は平均の速さに、微分係数は瞬間の速さに、

それぞれ対応していました。

(3)

 この微分する x の値 ( 運動の例では時刻 ) の方も動かすと、微分

係数は x の関数となり、これを関数 f (x) の導関数 ( または単に微

分 ) と呼んで、 f

(x) で表しました。つまり、

f

(x) = lim

h→0

f (x + h) f (x) h

です。

 極限値である以上、微分係数或いは導関数は常に存在するとは 限らず、それらが存在するとき、微分可能であると言いました。

 微分可能であると言う代わりに、滑らかと言う表現が用いられることもあり ます。通常は無限回微分可能

(

次々回扱います

)

であることを意味しますが、無 限回でなくても使われるときもあります。どちらの意味で使うにせよ、これは 微分可能性が、グラフの曲線の滑らかさに対応しているためと思われます。

 実際、動きがなめらかでない下手な運転で移動する車の進んだ距離をグラフ にすると、所々微分できない角がある曲線になっている、と言ったイメージで しょうか?

(4)

 微分の基本的な性質や、初等関数の微分の公式などについては、

今更なので、この講義ノートでは触れません。教科書で復習して おいて下さい。特に、計算が苦手と言う人は、合成関数の微分は 要注意です。これについては、後の例題で少し触れます。

 本題の前に、三角関数と双曲線関数について、ちょっとだけ補

足しておきます。

(5)

 皆さんは高校で、三角関数 sin x, cos x, tan x については、詳し

く学んだことと思います。実は、名前の付いている三角関数は他 にもあって、その中でも、余接関数 ( コタンジェント )

cot x := 1

tan x = cos x sin x

は、時々用いられることがあるので、一応、記号を覚えておきま しょう。

0 -

x 6

y y = tanx

π π2 π2 π

y = cot x

(6)

 一方、教科書 41,45 頁で紹介されている双曲線関数

sinh x := e

x

e

x

2 , cosh x := e

x

+ e

x

2 ,

tanh x := sinh x

cosh x = e

x

e

x

e

x

+ e

x

0 -

x y 6

y = sinh x

y = 12ex 12 1

y = cosh x

(7)

についても、対応する双曲線余接関数 ( ハイパボリックコタンジェ ント )

coth x := 1

tanh x = cosh x

sinh x = e

x

+ e

x

e

x

e

x

があります。

0 -

x y 6

y = tanhx

1 1

y = coth x

(8)

 これらの関数も加えて、関連する微分の公式について、次回少 しお話します。

 さて、今回は、初等関数そのものではなく、それから人工的に、

二つの初等関数の定義域を区切ってつなげたり、定義域を拡張し

て定義した関数の微分についてお話しておきましょう。

(9)

 最初の例は f (x) = | x | です。教科書 37 頁にも出ていますが、も う少しだけ詳しく説明します。この講義ノートの第1回でもお話 しましたが、この関数を、場合分けしてきちんと定義すると、

f (x) :=

x (x 0)

x (x < 0)

となります。

0 -

x y 6 y = f(x)

@@

@@

@@

(10)

 この関数は、 x > 0 では1次関数 x と、 x < 0 では1次関数

x と一致していますから、それぞれの範囲で導関数も一致しま す。つまり、

f

(x) =

1 (x > 0)

1 (x < 0)

です。

 もう少しだけ厳密に説明すると、各点

x ̸ = 0

で微分係数を考えるとき、極限 を取る前の平均変化率が、

−| x | < h < | x |

かつ

h ̸ = 0

を満たすくらいに十分

0

に近い任意の

h

に対し、

x

または

x

の平均変化率 と完全に一致してしまうので、微分係数も

x

または

x

の微分係数と一致し ます。

(11)

 問題は x = 0 での微分です。関数自身が x = 0 を境に場合分け

で表されているので、平均変化率

f (0 + h) f (0)

h = f (h) f (0) h

についても、 h > 0 h < 0 で次のように場合分けしなければな りません。

f (0 + h) f (0)

h =

h 0

h = 1 (h > 0)

h 0

h = 1 (h < 0)

その結果は明らかで、右極限値、左極限値はそれぞれ

h

lim

+0

f (0 + h) f (0)

h = 1, lim

h→−0

f (0 + h) f (0)

h = 1

(12)

と存在しますが、それらが一致しないため、極限値は存在せず、

f (x) = | x | x = 0 では微分不可能です。

 上の右左片方の極限値は、それぞれ、右微分係数、左微分係数と呼ばれます。

定義域が閉区間

(

有界無限を問わず

)

のときには、左

(

)

端点では右

(

)

微分係 数しか考えられませんから、その存在だけで微分可能であると考えます。

 上の例に即して言えば、もし最初から定義域として

x 0

しか考えていなく て、定義が

f (x) := x (x 0)

或いは、

x 0

しか考えていなくて、定義が

f (x) := x (x 0)

のどちらか一方だけなら、この

f (x)

x = 0

でも微分可能であると考えるわ けです。

(13)

 それでは、次の例はどうでしょうか?

f (x) :=

x

2

(x 0)

x

2

(x < 0)

2次関数 y = x

2

のグラフである放物線の左半分を下に折り返し て、ちょっと見た目は3次関数 y = x

3

風につなげたものです。

0

x- 6

y y = f(x)

(14)

x ̸ = 0 では x

2

または x

2

と一致しているので、上の例同様、

そこでは公式通りに微分出来て、

f

(x) =

2x (x > 0)

2x (x < 0)

です。

(15)

 一方、 x = 0 では、平均変化率は

f (0 + h) f (0)

h =

h

2

0

h = h (h > 0)

h

2

0

h = h (h < 0)

ですが、この場合には、

h

lim

+0

f (0 + h) f (0)

h = 0, lim

h→−0

f (0 + h) f (0)

h = 0

で、右左の極限値が一致しますから、この f (x) x = 0 でも微

分可能で、 f

(0) = 0 が成り立ちます。

x ̸ = 0 の場合と併せると、 f

(x) = 2 | x | と言うことになります。

(16)

 次に、前回も扱った関数

g (x) :=

x sin 1

x (x ̸ = 0)

0 (x = 0)

について考えてみましょう。

0

x- 6

y

y = g(x)

@@

@@

@@

@@

@@

@@

y = |x| y = |x|

y =−|x| y = −|x|

(17)

x ̸ = 0 では、 g (x) x sin 1

x の積で、さらに sin 1

x は、 sin u

u = 1

x の合成関数です。登場した3個の関数は、どれも微分可 能ですから、 g (x) も公式を用いて微分できます。

 復習を兼ねて、まず sin 1

x から微分してみましょう。

(sin u)

= cos u,

1 x

= (x

1

)

= ( 1)x

2

= 1 x

2

より、合成関数の微分の公式 ( 教科書 42 頁参照 ) を用いると、

sin 1 x

= 1

x

2

cos 1 x

を得ます。

(18)

 次に積の微分の公式 ( 教科書 38 頁参照 ) を用いれば、

g

(x) = (x)

sin 1

x + x

sin 1 x

= sin 1

x 1

x cos 1 x

が得られます。

 一方、 x = 0 では、平均変化率は g(0 + h) g (0)

h = h sin

h1

0

h = sin 1 h

ですが、残念ながら h 0 のとき、これが極限を持たないこと は、第2回でお話した通りです。よって、この g (x) x = 0

は微分不可能です。

(19)

 そこで今度は、

g (x) :=

x

2

sin 1

x (x ̸ = 0)

0 (x = 0)

と定義してみると、上の例同様の理由から、この g (x) も、 x ̸ = 0

では微分可能です。公式を用いて、導関数 g

(x) を求めてみて下

さい。

0

x- 6

y = x2 y

y = x2

y = x2

y = x2 y = g(x)

(20)

 一方、 x = 0 では、平均変化率は g (0 + h) g (0)

h = h

2

sin

h1

0

h = h sin 1 h

で、 h 0 のとき、これが極限値 0 を持つことも、第2回でお話 した通りです。よって、この g(x) x = 0 でも微分可能で、

g

(0) = 0 が成り立ちます。

(21)

第3回練習課題の解答

 実係数の奇数次 (2n 1 ) 方程式

a

2n1

x

2n1

+ a

2n2

x

2n2

+ · · · + a

2

x

2

+ a

1

x + a

0

= 0 (a

2n1

̸ = 0) の場合は、

a

2n1

x

2n1

+ a

2n2

x

2n2

+ · · · + a

2

x

2

+ a

1

x + a

0

= a

2n1

x

2n1

1 + a

2n2

a

2n1

× 1

x + · · · + a

2

a

2n1

× 1 x

2n3

+ a

1

a

2n1

× 1

x

2n2

+ a

0

a

2n1

× 1 x

2n1

より、以下3次の場合と全く同様。

 実係数の偶数次 (2n ) 方程式で、実数解を持たない例は、たと

えば、 ax

2n

+ bx

n

+ c = 0 (b

2

4ac < 0) など。

参照

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