• 検索結果がありません。

解析 I ・講義ノート

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "解析 I ・講義ノート"

Copied!
21
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

解析 I ・講義ノート

第3回

(202062()配信分)

(2)

第3回本題

 関数

f(x)

x a

のとき極限値

α

に収束すると言うとき、

x

x ̸= a

を満たしつつ、限りなく

a

に近付くことを考えていて、

x = a

f(x)

がどのような値をとるかは、全く考慮されず、それ どころか、

x = a

f(x)

は定義されている必要さえありませんで した。

 以下では、まず

f(x)

x = a

でも、とりあえず定義はされて

いる状況を考えてみましょう。

(3)

 よく整備された、なだらかな道を歩いていて、その途中に穴

(

し穴とか、倒木を抜いた跡とか、蓋の空いたマンホールとか…

)

が開いていても、その穴が小さすぎて、ぎりぎりまで気付けない ような場合を思い浮かべてみて下さい。ちょっとでも離れた所か らは、そこでも道がちゃんと続いているように見えているわけで、

その見かけのその地点での地面の高さが、極限値です。

 でも、実際にはそこだけ、地面は低くなっているわけです。こ の場合、地面の高さを表す関数のグラフはつながっていません。

0

x- 6

y

a

y =f(x) α

f(a)

(4)

 この道が、離れた所から見えているままに、見かけ通り穴も無 い状態ならば、地面の高さを表す関数のグラフはちゃんとつなが ります。

 このように、関数

f(x)

x = a

で連続 であるとは、

xlima f(x) = f(a)

が成り立っていること

(

つまり周囲からどう見え ているかと、実際にどうかが一致していること)を言います

(

教科

23

頁参照

)

0 -

x 6

y

a

y =f(x) f(a) = α

(5)

 それでは、

f(x)

x = a

では定義はされていない場合はどうで しょうか?

 ただし、

x = a

以外の

x = a

の近くではちゃんと定義されてい て、極限値

lim

xa f(x) = α

が存在するものとします。

0

x- 6

y

a

y =f(x) α

(6)

 そのときは、関数の値が定義されていなかった

x = a

で、その

極限値

α

を値とする関数を、新たに

ff(x) :=

f(x) (x ̸= a) α (x = a)

により定義すれば、この

ff(x)

については、

xlima

ff(x) = limxa f(x) = α = ff(a)

が成り立つので、

x = a

で連続と言うことになります。

(7)

0 - x 6

y

a

y =fe(x) fe(a) := α

 定義域を拡げて定義したので、fe(x) f(x) は、あくまで違う関数と言うこ とで、別の記号(文字)で表記していますが、このような自然な拡張のときは、

そのまま同じ記号(文字)で表すことも少なくありません。

(8)

 たとえば、関数

sin x

x

は、

x = 0

では定義されていませんでした が、

x 0

のときの極限値については

xlim0

sin x

x = 1

が成り立ちましたから、

g(x) :=

sin x

x (x ̸= 0)

1 (x = 0)

と定義すれば、関数

g(x)

x = 0

で連続になります。

(9)

0 - x 6

y

y = g(x)

π

π

1

y = 1x y =1x

y = x1 y = x1

(10)

 また、前回も登場した関数

xsin 1

x

も、

x = 0

では定義されてい

ませんでしたが、

x 0

のときの極限値については

xlim0 x sin 1

x = 0

が成り立ちましたから、

g(x) :=

x sin 1

x (x ̸= 0)

0 (x = 0)

と定義すれば、関数

g(x)

x = 0

で連続になります。

(11)

0

x- 6

y

y = g(x)

@@

@@

@@

@@

@@

@@

y = |x| y = |x|

y =−|x| y = −|x|

 一方、関数

sin 1

x

は、

x 0

のときの極限値が存在しませんで したから、

x = 0

での値をどのように定義しても、

x = 0

で連続

な関数に拡張することはできません。

(12)

f(x)

が定義域の各点で連続のとき、連続関数であると言いま す

(

教科書

23

頁参照

)

。直観的には、グラフがちゃんとつながって いると言うことです。基本的な初等関数は皆、連続関数です。連 続関数に関する基本的な性質は、教科書でしっかり復習しておい て下さい。

 有理関数 1

x や三角関数の内 tanx などは、グラフがつながっていないので は?と思われるかもしれませんが、これらの関数は、グラフが途切れている所 ( x = 0 x = n

2π(n は奇数)) では、そもそも定義されていませんから、「定義 域の各点で連続」と言う条件は、ちゃんと満たしています。

 その意味では、x sin 1

x sin 1

x も連続関数であると言えます( x = 0 は定義 域の外)。このような曖昧さを避けたいときには、連続である範囲を明言して、

x ̸= 0 で連続な関数とか、(−∞, 0) (0, +) 上の連続関数のように言えばよ いでしょう。

(13)

 連続関数に関する重要な定理に中間値の定理があります。その 主張は、

 閉区間

[a, b]

で連続な関数

f(x)

は、両端での異なる値

f(a) = α

f(b) = β

をとるものとします。このとき、

α < β

ならば

α < γ < β,

β < α

ならば

β < γ < α

を満たす任意の実数

γ

に対し、

f(c) = γ

を満たすような

c

が、開

区間

(a, b)

内に、少なくとも一つは存在する

と言うものでした。

(14)

 これは、阪和線で関西空港から天王寺に向かう電車は、全て一 度は杉本町を含め途中の各駅を、少なくとも一度は通過または停 車すると言うことと同じで、当たり前のことに思えますが、実は、

阪和線のレールが一本につながっていて

(

値域が閉区間

)

、電車が

タイムスリップ

(

定義域がつながっていない

)

もワープ

(

関数が連

続でない

)

もしない、と言う大前提の下で言えることなわけです。

関空 -

時刻 天王寺 6

杉本町

(15)

 中間値の定理の応用の代表例の一つとして、

 実係数の3次方程式

a3x3 + a2x2 + a1x + a0 = 0 (a3 ̸= 0)

は、少

なくとも

1

個の実数解を持つ

と言う事実の証明があります。

 今、

f(x) = a3x3 + a2x2 + a1x + a0

とおけば、

x ̸= 0

では

f(x) = a3x3

1 + a2

a3 × 1

x + a1

a3 × 1

x2 + a0

a3 × 1 x3

ですから、

(16)

a3 > 0

の場合、

x→−∞lim f(x) = −∞, lim

x+ f(x) = +

が、

a3 < 0

の場合、

x→−∞lim f(x) = +∞, lim

x+ f(x) = −∞

が成り立ちます。

 以下、

a3 > 0

として、話を進めます。

 このとき、

lim

x→−∞ f(x) = −∞

から十分小さい

(

負で絶対値が大

きい

) x

に対しては

f(x) < 0

が、

lim

x+ f(x) = +

から十分大き

x

に対しては

f(x) > 0

が、それぞれ成り立っていることにな

ります。

(17)

 そこで、それぞれの

x

たちから一つずつ選んで

x1(< 0) (

十分

小さいので、負の数から選べます

)

x2(> 0) (

十分大きいので、

正の数から選べます

)

とすれば、

f(x1) < 0, f(x2) > 0

です。

0 -x

6y y =f(x)

x1

−∞

−∞

x2 + +

+

 ここでx1 < 0, x2 > 0 と選んだのは、x1 < x2 を保証するためで、この大小 関係さえ成り立っていれば、x1, x2 の符号は、この場合、実は正負どちらでも 構いません。一方、f(x1) f(x2) の符号の違いは本質的で、外せません。

(18)

 今、関数

f(x)

R

全体で連続ですから、特に閉区間

[x1, x2]

でももちろん連続です。よって中間値の定理が適用できて、この 閉区間の両端での値

f(x1)(< 0)

f(x2)(> 0)

の中間にある任意

の実数を

x1

x2

の間の少なくとも1箇所で、

f

の値としてとり

ます。

 従って、特に正負の境目である

0

と言う値もどこかで取る

(

言い

換えると、3次関数

y = f(x)

のグラフが

x

軸を横切る

)

、ことも

言えます。そのときの

x (

の一つ

)

c

とすれば、

f(c) = 0

が成り

立つ、つまり3次方程式

f(x) = 0

x = c

を実数解として持つと

言う結論が得られます。

(19)

0 -x 6y y =f(x)

x1

x2 +

cW

a3 < 0

の場合も、途中の符号の違いに注意すれば、全く同様に

して、主張を示すことができます。

(20)

 一般に実係数の奇数次方程式が少なくとも

1

個の実数解を持つ

ことを、同様に証明できます。確かめてみて下さい。

 一方、実係数の偶数次方程式については、実数解を持たない場

合があります。任意の偶数に対して、そのような例を挙げてみて

下さい。

(21)

第2回練習課題の解答

g(x), h(x)

x = a

の近く

( x = a

自身は除く

)

で定義された

関数で、

x = a

の十分近くでは

h(x) g(x)

が成り立っていると

する。ここでもし

xlima g(x) = −∞

ならば

xlima h(x) = −∞

も成り

立つ。

参照

関連したドキュメント

「臨床推論」 という日本語の定義として確立し

・ 継続企業の前提に関する事項について、重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認め

に関して言 えば, は つのリー群の組 によって等質空間として表すこと はできないが, つのリー群の組 を用いればクリフォード・クラ イン形

スライド5頁では

これらの定義でも分かるように, Impairment に関しては解剖学的または生理学的な異常 としてほぼ続一されているが, disability と

・ 継続企業の前提に関する事項について、重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認

なお、相続人が数人あれば、全員が必ず共同してしなければならない(民

その太陽黒点の数が 2008 年〜 2009 年にかけて観察されな