• 検索結果がありません。

解析 I ・講義ノート

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "解析 I ・講義ノート"

Copied!
29
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

解析

I

・講義ノート

第2回

(2020

5

26

(

)

配信分

)

(2)

第2回本題

 教科書

§ 1

の数列の極限に続き、

§ 2

では

1

変数関数の極限を

扱っています。具体的には、

§ 1

では、無限数列

a 1 , a 2 , . . . , a n , . . .

の収束もしくは極限値について

a n α (n → ∞ )

すなわち

lim

n →∞ a n = α

n

を十分大きく選べば、

a

n

α

に限りなく近付く

(

収束する

)

n

が限りなく大きくなるときの

a

n の極限値は

α

である」

 そして発散について

a n + (n → ∞ )

すなわち

lim

n →∞ a n = +

n

を十分大きく選べば、

a

n は限りなく大きくなる

(

正の無限大に発散する

)

n

が限りなく大きくなるときの

a

n の極限は

+

である」

 などなど。

(3)

 続く

§ 2

では、関数

f (x)

の収束もしくは極限値について

f (x) α (x a)

すなわち

x lim a f (x) = α

x

a

に十分近付けるとき、

f (x)

α

に限りなく近付く

(

収束する

)

x

a

に限りなく近付くときの

f (x)

の極限値は

α

である」

 そして発散について

f (x) → −∞ (x a)

すなわち

x lim a f (x) = −∞

x

a

に十分近付けるとき、

f (x)

が限りなく小さくなる

(

負の無限大に発散する

)

x

a

に限りなく近付くときの

f (x)

の極限は

−∞

である」

 などなど。

 教科書では、有限な値に収束する場合も、単に極限と呼んでいますが、この 講義では極限値と呼んでおきます。どちらでも間違いではありませんが、正負 の無限大に発散するときは「値」をつけないように。

(4)

 万一、これらの用語そのもの、或いは等比数列が収束するため の条件などの基本的な事柄を忘れている人がいたら、

§ 1

をもう一

度読み返し、今の内にしっかり復習しておいて下さい。

 数学ではしばしば日常会話とは違った言葉遣いをすることがあります。収束 を表すときの「限りなく近付く」などもその類で、初めから収束する値そのも ので、ずっと一定だった場合も「近付く」に含めてしまいます。この意味合い の違いに気を付けましょう。

 曖昧さを避けて厳密に述べるためには、実は細心の注意が必要です。この点 については、後の方でもう少しだけ触れます。

(5)

 高校でも十分学んで来たと思うので、その繰り返しになると思 いますが、極限

(

)

を求める際に気を付けなければならないのは、

主に

0 × ∞ , 0

0 ,

の場合です。

 最近テレビのクイズ番組で、

0

0

1

ですなどと平気で言ってい るのを見かけたことがありますが、これはもちろん間違いです。

(6)

 でも、もしこれが

x lim 0

x x

は何でしょう?と言う問題なら、答えは

1

でよいわけです。

x x

x

0

に近付く前からずっと

1

ですから。

0

x- 6

y

y = xx 1

極限値

−→ ←−

 分母分子がどのように

0

に近付くのか、その速さの程度が重要 なことは、皆さんが高校で学んだ通りです。

(7)

 例えば

x

x

より速く

0

に近付くので、

x lim 0

x 2

x = 0

ですが、これは

x

0

になる前に割り算して、

x 2

x = x

としておけば、すぐにわかります。

x- 6

y y = xx2

0 極限値

(8)

 この例では当たり前すぎるので、皆さんもよくご存知の公式

x lim 0

sin x

x = 1

0

-x 6

y

y = sinxx

−π

π

1 極限値

PP

を用いる例題を作ってみましょう。例えば

(9)

x lim 0

sin x 3x

ではどうでしょうか?これは、あらかじめ

sin 2 x

3x = sin x

3 × sin x x

と変形しておけば、極限値の積の公式

(

教科書

17

頁、極限が有限

なものどうしの積は、極限値を先に求めてからかけてもよい

)

用いて、極限値は

0

とわかります。

 本質的には同じことですが、あらかじめ分母分子を

0

に近付く

速さが遅い方

(

この場合は

x )

で割っておくと言う考え方もあり、

実はこの方が応用が効いたりします。

sin 2 x 3x =

sin

2

x x

3 = sin x × sin x x

3

(10)

 分母と分子の少なくとも一方

(

上の例では分母

)

0

でない有限

な値に収束する

(

上の例ではずっと

3 )

状態に持ち込むのが重要な ポイントです。

 一方、簡単な例でも極限値が存在しない場合もあります。例 えば

x lim 0

| x | x

などです。この例では

x

が右から近付くか

(x +0)

左から近付

くか

(x → − 0)

で近付く

(

と言うか、この場合ずっと同じ

)

値が違

うので、右極限値と左極限値を区別する必要があります。

(11)

0 - x 6

y = |xx|

1

左極限値

−→

1 右極限値

←−

0

0

の例ではありませんが、

x lim 0 sin 1 x

のように、近付き方を左右に分けても極限値が存在しない例もあ ります。(詳しいことは、後半で。

(12)

 このように一般にはこの近付き方の扱いが難しく、極限

(

)

存在すると言うときは、近付き方によらないことが大前提です。

( 1

変数関数でもこのような例があるくらいですから、解析

II

で学

ぶ多変数関数ではもっと複雑で、どのような点列に沿って近付い ても同じと言う状況を考えなければならなくなります。

)

 厳密には

ϵ-δ

論法と言うものがあり、数学科の学生などは初年次にこれで苦 労します。ただし、数学ユーザー

(

予定

)

の皆さんには、そこまでの厳密性は要 求しませんので、参考書等にその記述があっても、あまり気にしないで下

さい。

(13)

 どんなものか、一応簡単にご紹介しておくと、たとえばx

lim

a

f (x) = α

つまり

x

a

に十分近付けるとき、

f (x)

α

に限りなく近付く」と言うことを、

厳密には

ϵ > 0, δ > 0, 0 < | x a | < δ = ⇒ | f (x) α | < ϵ

により定義します。これを漢文のように読み下すと、「任意の正の数

ϵ

に対し、

ある正の数

δ

が存在して、

0 < | x a | < δ

ならば

| f (x) α | < ϵ

が成り立つ」

となりますが、いくら翻訳調とは言え、慣れるまではこれではちょっとなの で、かみ砕いて言い直すと、「どんなに小さい正の数

ϵ

に対しても、それに合 わせて十分小さい正の数

δ

をうまく選べば、

a δ < x < a + δ

かつ

x ̸ = a

満たす任意の

x

に対して、

α ϵ < f (x) < α + ϵ

が成り立つ

(

つまり十分

a

近い

x ̸ = a

に対して

f (x)

の値が

α

に十分近い

)

ようにできる」となります。

 この講義では、この

ϵ-δ

論法には、これ以上深入りはしません。まあ、その ようなものがあって、極限に関する議論の厳密性は保証されていると言うこと を知っておいてもらえれば十分です。もちろん、その辺もしっかり身につけて おきたいと言う人は、取り組んでいただいても構いません。

(14)

 ところで、高校で学んだ対数関数は、

1

以外の任意の正の数

a

に対し、それぞれを底とする

y = log a x

が、指数関数

x = a y

逆関数として定義されました。中でも特に

10

を底とする

log 10 x

は常用対数、

e

を底とする

log e x

は自然対数と、それぞれ呼ばれ ました。昔は常用対数の方が重要だったので、自然対数の方は別 の記号で

ln x

などと表されることが多かったようです。

 なぜ常用対数の方が重要だったかと言うと、

(

以下、高校でも教

わった話かもしれませんが

)

今のように計算機が普及していな かった、いえ、そもそも存在していなかった時代に、桁数の多い 数どうしのかけ算をするのに便利だったからです。それは対数関 数一般に成り立つ、かけ算を足し算に変えてしまう性質

log a (xy) = log a x + log a y

のおかげです。

(15)

10

を底にとる理由はもちろん、私達が

10

進数を用いているた

めです。今

x, y

が共に桁数の多い正の整数

(

実数でも構いません

)

で、

x = p × 10 m , y = q × 10 n (p, q [1, 10))

と表せたとすると

log 10 (xy ) = log 10 (pq × 10 m+n ) = log 10 p + log 10 q + m + n

より、とりあえず

p

q

の常用対数を足し算して

(

かけ算より足

し算の方が容易!

)

log 10 r = log 10 p + log 10 q

を満たす

r

を対数表から探し出し、

(16)

log 10 (xy ) = log 10 r + m + n

= log 10 (r × 10 m+n )

より

xy = r × 10 m+n

を得る

(

あくまで「およそ」ですが

)

わけです。

 しかし微分を考えるようになると、微分しても変わらないと言

e x

の性質は何物にも代えがたい。また積分を考えても

1

x

の原

始関数

(

の一つ

)

であると言う

log e x

の性質も上に同じです。そこ で現在では、特に何も断らない限り、底と言えば

e

を選ぶことと

して、自然対数を底を明記せずに

log x

と表す習慣になってい

ます。

(17)

 ただ、何を底にとるにせよ、対数関数の重要な性質は、積を和 に変えること。そしてもう一つ、正の実数全体の集合

(0, + )

ら、実数全体の集合

R

への全単射であることです。そうでなけ れば、対数表からただ一つの

r (

あくまで「最も近い」ですが

)

選ぶことができなくなってしまいます。

 さらに、特に底を

a > 1

で選んだ場合

(

もちろん自然対数を含

みます

)

、対数関数

log a x

は単調増加で、かつ

x lim +0 log a x = −∞ , lim

x + log a x = +

が成り立つことも、併せて重要です。

(

連続性や微分可能性など、

重要なことはまだまだありますが、それはまた次回以降の話 です。

)

(18)

 さて、極限についての続きです。今回前半で、極限

(

)

を求め

る際に気を付けなければならないのは、主に

0 × ∞ , 0

0 ,

の場合ですと言うお話をしました。これと同じくらい気を付けな ければならないのが

∞ − ∞

です。でも実はこれは本質的には

を考えることと同じです。

(19)

 なぜなら、例えば

f (x), g (x)

は共に

x = a

の近くで正値な

(

の値を取る

)

関数で、さらに

x lim a f (x) = + , lim

x a g (x) = +

を満たすものとします。ここで

log f (x)

g (x) = log f (x) log g (x)

ですが、一方

x lim a log f (x) = + , x lim a log g (x) = +

も成り立ちます。

(20)

 つまり、極限として

を考える問題は、対数をとることで

∞ − ∞

を考える問題に置き替えられるのです。元に戻すにはも ちろん指数関数に代入すればよいだけです。

 では、実際に極限を求める際、どちらで考える方が簡単かと言 うと、これは問題によるとしか言えませんが、一般に、正の実数 の積や商

(

=逆数との積

)

に関する性質と、実数の和や差

(

1

との和

)

に関する性質とが、対数関数と指数関数と言う全単射とそ の逆関数を通して読み替えられることは、覚えておくとよいで しょう。

(21)

 数列と関数どちらの場合でも、極限値を求める際に重要な手段 として、和差積商に分ける以外に、はさみうちの原理

(

教科書

9,20

)

があります。

 教科書

20

21

頁にも出ていますが、重要な例なので、ここで も次の極限値について考えてみましょう。

x lim 0 x sin 1 x

今回、この講義ノート前半で

x lim 0 sin 1 x

は存在しないと言う事実に触れました。

(22)

 それは

x

0

に右から近付くにつれ、

1

x

+

に発散し、そ

の途中で

2n 1 2

π

2n + 1 2

π (n N)

を次々繰り返し通過するため、関数

sin 1

x

の値は

1

1

の間を無

限回振動し続けるためです。

 その結果、

x = 0

のいくらでも近くで、

1

1

の間の全ての

値をとることになり、

x +0

のときの極限値は存在しない。ま た、

x → − 0

の時も同様と言うわけです。

(23)

 狭い所で無限回なので、絵には描けません。

0

x- 6

y

y = sin 1x

y = 1 y = 1

(24)

 ところが、似たような関数

x sin 1

x

で、事情は変わります。

 大事なのは

sin 1

x

( 1

x

) sin

との合成関数であるばかりに、

1

1

の間の値しかとれない。つまり不等式

1 sin 1

x 1

が任意の

x ̸ = 0

に対して成り立っていると言うことです。

 これから直ちに不等式

−| x | ≤ x sin 1

x ≤ | x |

も任意の

x ̸ = 0

に対して成り立っていることが導かれ、ここで

x lim 0 ( −| x | ) = 0, lim

x 0 | x | = 0

ですから、

(25)

はさみうちの原理により、

x lim 0 x sin 1

x = 0

が得られます。

0

x- 6

y

y =xsin 1x

@@

@@

@@

@@

@@

@@

y = |x| y = |x|

y =−|x| y = −|x|

(

この例は次回も登場します。

)

(26)

 はさみうちの原理と同じ考え方は正負の無限大に発散する場合 にも使えます。

 例えば

f (x), h(x)

x = a

の近く

( x = a

自身は除く

)

で定義

された関数で、

x = a

の十分近くでは

f (x) h(x)

が成り立って

いるとしましょう。ここでもし

lim

x a f (x) = +

ならば

x lim a h(x) = +

も成り立ちます。

 正の無限大

(

ある意味一番上

)

に発散してしまうので、さらに上から

g(x)

はさむ必要はありません。

 負の無限大に発散してしまう場合は、どのような命題になるか、

書き下してみましょう。

(27)

 例題として、次の極限を考えてみましょう。

x lim 0



1 x 2

2 + sin 1 x



 ここで任意の

x ̸ = 0

に対して

1 2 + sin 1

x 3

が成り立っていますから、

1

x 2 1 x 2

2 + sin 1 x

3 x 2

も成り立ちます。左の不等式と

lim

x 0

1

x 2 = +

から

x lim 0



1 x 2

2 + sin 1 x



= +

が得られます。

(

右の不等式は使いませんでした。

)

(28)

 これを

x lim 0



1 x 2

2 + sin 1 x



= lim

x 0

2

x 2 + lim

x 0

1

x 2 sin 1 x

と分けて考えたりすると、ちょっと面倒なことになります。なぜ なら、第1項については、

x lim 0

2

x 2 = +

ですが、第2項の関数

1

x 2 sin 1

x

x = 0

の近くで激しく振動して しまって極限

x lim 0

1

x 2 sin 1 x

を持たないからです。これは

∞ − ∞

以上に厄介です。

(29)

第1回練習課題の解答

 あくまで終集合は

R

として

関数 定義域 値域 ?射

x 2 R [0, + )

どれでもない

x 3 R R

全単射

e x R (0, + )

単射

log x (0, + ) R

全単射

sin x R [ 1, 1]

どれでもない

cos x R [ 1, 1]

どれでもない

tan x ( ) R

全射

x [0, + ) [0, + )

単射

( ) tan x

の定義域は

(

x R

x ̸ = n

2 π (n

は奇数

)

)

参照

関連したドキュメント

に着目すれば︑いま引用した虐殺幻想のような﹁想念の凶悪さ﹂

731 部隊とはということで,簡単にお話しします。そこに載せてありますのは,

に関して言 えば, は つのリー群の組 によって等質空間として表すこと はできないが, つのリー群の組 を用いればクリフォード・クラ イン形

この数字は 2021 年末と比較すると約 40%の減少となっています。しかしひと月当たりの攻撃 件数を見てみると、 2022 年 1 月は 149 件であったのが 2022 年 3

最後に要望ですが、A 会員と B 会員は基本的にニーズが違うと思います。特に B 会 員は学童クラブと言われているところだと思うので、時間は

子どもが、例えば、あるものを作りたい、という願いを形成し実現しようとする。子どもは、そ

本論文での分析は、叙述関係の Subject であれば、 Predicate に対して分配される ことが可能というものである。そして o

LF/HF の変化である。本研究で はキャンプの日数が経過するほど 快眠度指数が上昇し、1日目と4 日目を比較すると 9.3 点の差があ った。