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岐阜砂4号の内部摩擦角と傾斜崩壊角度

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Academic year: 2022

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(1)

             

岐阜砂4号の内部摩擦角と傾斜崩壊角度

       

    日本大学理工学部 正会員 梅津 美喜夫 日本大学大学院 学生会員 ○小林 真 

1.  はじめに 砂斜面の傾斜崩壊角度θ

f

は無限傾斜地盤の考え 方を適用すると内部摩擦角φとして考えられる。そこで、当研究 室ではSLB砂(D

50

=0.62mm)、豊浦砂(同0.16mm)、岐阜砂6 号(同0.32mm)について傾斜実験を行い1)〜3)、さらにこの崩壊 角度を簡単に計測できる簡易傾斜箱を考案し4)、岐阜砂6号と4 号(同0.96mm)について検討実験を行ってきた4)5)。その結果

、どの場合にも、θ

f

は平面ひずみ圧縮試験によるφより数度高 くなる(SLB砂;3〜4°,豊浦砂;約5°,岐阜砂6号;3〜4°)ものの

、間隙比や異方性の影響は両者ともよく対応していることがわか った。しかしながら、平均粒径の一番大きい岐阜砂4号について はθ

f

とφの差が他のものに比べて小さめの結果(4号砂;約2°)

が得られた。内部摩擦角φを測定する平面ひずみ圧縮試験は、

通常側方の拘束を剛板で行うので、砂粒子の径が大きくなると

、この測方の摩擦がφに大きく影響し、実際のφより高めの値 が測定されると考えられる。そこで今回、この平面ひずみ圧縮 試験について4号砂を用いて検討実験を行い、あわせて簡易傾 斜箱によるθ

f

と比較を行ってみたので、その報告をする。

2.  装置と実験方法

2−1. 平面ひずみ圧縮試験 図−2に今回実施した2種類の平面 ひずみ圧縮試験における供試体の概要を示す。(a)図は、通常用 いられる供試体(本供試体)の両側に、ゴムスリーブで密閉され た独立のダミー供試体を設置したものである。実験は空中落下法 によりモールドに詰めた供試体(本供試体6.8×12×12cm,ダミー 供試体6.8×3.5×12cm)を飽和度60%で凍結させゴムスリーブで 密閉した後、負圧20kPa(0.2kgf/cm )で解凍し、飽和状態で負圧50  kPa(0.5kgf/cm )をかけ、非排水条件で、3供試体を同時に圧縮 していった。(最大主応力σ

1

と体積面のなす角δは90°)なお、ダ ミー供試体と本供試体の間にはシリコングリースを塗布したが、こ の面のゴムスリーブ張力の影響を除去する目的で接着剤を塗布した 実験も行った。次に、(b)図は、通常の平面にずみ圧縮試験の載荷 板(幅L=12cm)にロードセルを内蔵させたもので、荷重測定の載荷 板は中央のLt(=6cm、10cm)の部分である。実験は上記と同様の方 法で供試体を作成して行った。以上の平面ひずみ圧縮試験の種類を まとめると表−1のようになる。なお,表中のマークは図−4のマー クと対応している。

2−2. 簡易傾斜箱 簡易傾斜箱の概要を図−3に示す。傾斜箱(アク リル製)は(a)図に示すように上下に傾斜角α°で分割されており、

上から砂を堆積させて詰めるが、実験には下箱を用いる。この下箱の寸 法は表のように分割面の面積(12×20cm)が変わらないように分割面の 角度により4種類用意した。分割部には、(b)図に示すような厚さ5㎜

及び8㎜のスチレンボード(それぞれの重さ2.0g,2.9g)が挟まれてお キーワード 内部摩擦角,傾斜崩壊角度,砂,平面ひすみ圧縮試験

連絡先 〒101‑8308

  東京都千代田区神田駿河台1‑8‑14 日本大学理工学部土木工学科 梅津研究室 TEL 03‑3259‑0688

A

B

ロードセル(σ  外部

(載荷板外)

 内部

(載荷板内)

 ロードセル幅Lt Lt=

  10 cm Lt=

     6 cm 側方の拘束 剛板 ダミー 供試体

本供試体 との境界

グリース 接着剤

剛板

マーク

表−1 平面ひずみ圧縮試験     の種類(岐阜砂4号)

図‑1 粒径加積曲線

0.1 0.2 1 3

0.07 20 40 60 80 100

0

粒 径(㎜)

0.5 4号A

4号B 6号 岐阜産珪砂

ゴムスリーブ ダミー供試体用   下部載荷板 ダミー供試体

重り 側方拘束板 ダミー供試体用   上部載荷板 ダイヤルゲージ 給排水口(負圧を載荷)

給排水口(負圧を載荷)

LT L

内蔵ロードセル

本供試体 ロードセル

ロードセル

(a)ダミー供試体使用 (b)内蔵ロードセル使用

図‑2 平面ひずみ圧縮試験装置

(a)傾斜箱概要

B A

堆積面

サンドボックス

間隙比測定用   モールド h C

分割部 (スチレンボード)

α

下箱の種類と寸法( B) 種  類 α A B C

0°24°40°64°

1.8 1.8 1.8 1.8 20 18 15 8.5 1.8 9.9 14 20

上箱

下箱

(b)下箱と傾斜部の詳細

図‑3 簡易傾斜箱と実験方法の概略 (c)最大主応力の方向と      堆積面の角度δ

σ1

δ α

45°‑θf/2

θf 厚さ 5 @

   8 @ 傾ける プラ板 固定棒 α

スチレンボード

12cm㎝ 20cm

土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月)

‑1371‑

III‑686

土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月)

‑1371‑

III‑686

(2)

τ τ

σ

σ

 1f

σ

3f

σ φ:内部摩擦角   =θf:崩壊角度

τ= σtanφ φ

c θf

図‑6 拘束圧の影響

粒子間のインターロッキング による微少な見かけの粘着力

【参考文献】

 1)梅津:Silver LeightonBuzzard砂と豊浦砂の傾斜実験 第30回土質工学研究発表会 p515(H.7)

 2)梅津、石神:砂の傾斜実験における崩壊角度について 土木学会第51回年次学術講演会 p30(H.8)

 3)梅津、石神:砂の傾斜実験と一面せん断試験 第32回地盤工学研究発表会  p517(H.9)

 4)梅津、石神:岐阜産珪砂の簡易傾斜実験と平面ひずみ圧縮試験 第33回地盤工学研究発表会 p527(H.10)

 5)梅津、小林:簡易傾斜箱による岐阜産珪砂の崩壊角度の測定 土木学会第56回年次学術講演概要集 p22 (H.13)

り,砂を詰めた後、上箱を取り外して表面を整形する。尚、スチレ ンボードと下箱との間には、プラ板(厚さ0.1㎜)が挟んであり、

下箱を傾斜させる直前に抜き取る。実験は、固定棒を抜いて傾斜 させ、スチレンボードの下で砂試料をせん断破壊させて崩壊角度 θfを測定する。なお、最大主応力σ

1

の方向は粘着力を0として破 壊基準に接するモール円の関係から(C)図に示すように推測した。

従って、σ1方向と堆積面の角度はδ=45°‑θf/2+αとなる。

3. 実験結果と考察

3−1. 平面ひずみ圧縮試験 図−4は、A砂B砂について平面ひず み圧縮試験による内部摩擦角を間隙比に対してプロットしたもので ある。これより以下の諸点が認められる。(1)同じ4号砂でも購入時 期の異なるA砂、B砂では強度が異なり、3°ほどB砂の方が高い。

(2)A砂について、ダミー供試体の効果をみてみると、本供試体と の間にグリースを塗布したもの(◇印)は,若干であるが効果が表 れφが小さくなっている。しかしながら間に接着剤を塗布したもの

(◆印)は,グリース塗布の場合に比べφは大きめの値になってお り,グリースを使用していないもの(□印)に近い値になってい る。(3)B砂について、内蔵ロードセルのデータ(◎印、●印)

を見てみると外部ロードセルの場合(○印)より小さくなっており、

若干の効果が認められる。なお、内蔵ロードセルの載荷板の幅

(Lt)の影響はない様である。

3−2. 傾斜崩壊角度と内部摩擦角 図−5に傾斜実験の結果(体積 面とσ1方向のなす角度がδ=90°の場合)を示す。図中の●、□印 はスチレンボード厚t=5㎜、◇印はt=8㎜のθfを示している。な お,図には前述の平面ひずみのφ(−線)、および参考までに,A 砂についてのみだが三軸圧縮試験のφも示した。これより次のこと が認められる。(1)傾斜崩壊角度θfは前述の内部摩擦角φと同様,

A砂よりB砂のほうが高い値を示している。(2)A砂,B砂,それぞ れについて見てみると,いずれの場合もθfはφより2〜3°程高い値 になっている。(3)A砂のθfについては,スチレンボード厚が薄い t=5㎜(□印)の方がt=8㎜(◇印)より若干高い値になっている。

 以上、θfがφより高くなる理由は、前報5)でも述べているように 図−6にしめす粒子間の微少なインターロッキングの影響と拘束圧の 大きさの違いによるものと考えられる。なお,上記 ̀のスチレンボ ード厚さの影響も、この観点から考えることができる。

4.まとめ 以上の結果をまとめると以下のようになる。

(1)平面ひずみ圧縮試験の拘束方向の摩擦の影響を除くためにダミー 供試体を用いる方法と内蔵ロードセルにより測定する方法の2つについ て実験を行なった結果,拘束方向の摩擦の影響はそれほど大きくない ようである。(2)傾斜崩壊角度は,使用するスチレンボードの厚さに より若干異なるが,内部摩擦角φより2〜3°高くなる。

5.おわりに 当初,粒径の大きい岐阜砂4号は,平面ひずみ圧縮試験の 際,拘束方向の摩擦を大きく受けるのではと考えていたが,それほど大 きな影響はないようである。従って,今までの結果を総合すると,崩壊 角度θfと内部摩擦角φの差は粒径が大きくなるとその差が小さくなる 傾向があるということになる。(豊浦砂(D50=0.16㎜);約5°,6号砂

(同0.32㎜);3〜4°,SLB砂(同0.62㎜);3〜4°,4号砂(同0.96㎜)

;2〜3°)今後は,この点についても検討していこうと考えている。

 最後に実験を行なってくれた卒業研究生の野村,武井,中村君等に 感謝いたします。

図‑5 内部摩擦角φと崩壊角度θf 図‑4 平面ひずみ圧縮試験結果(φとeの関係)

0.6 0.62 0.64 0.66 0.68 0.7 48

50 52 54 56 58 60

間 隙 比 e 

     φ

岐阜砂4号(A,B砂) δ=90°

     L.C   側方拘束      □      剛板            ◇ 外部 ダミー グリース   ◆      供試体 接着剤   

σ

(A砂)

  L.C   側方拘束   外部                Lt=10cm  剛板       Lt= 6cm      

σ

(B砂)

○             

●       

B砂

A砂

0.6 0.62 0.64 0.66 0.68 0.7 48

50 52 54 56 58 60

間 隙 比 e 

θfφ°

岐阜砂4号 δ=90°

A砂平面φ

B砂平面φ B砂θf

A砂θf

42 44 46

A砂三軸圧縮試験のφ

   φ 図−4より

●    B砂 t=

□ θ

f         5mm

◇     t=8㎜ A砂 

土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月)

‑1372‑ III‑686

土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月)

‑1372‑

III‑686

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