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Academic year: 2022

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図‑1 Lees が示した角張り度 Ag の視覚印象図

角張り度に関する Lees の視覚印象図と規則図形の形状評価

名城大学理工学部 正会員  板橋一雄 名城大学理工学部 学生員 ○森 隆・神谷圭吾

1.はじめに   粗粒土質材料の物理的・力学的性質に影響を与える要因の一つに粒子形状が挙げられている。

種々の形状評価方法が提案され用いられている。例えば、最大・最小間隙比と視覚印象図による円磨度や角張 り度との関係1),2)、内部摩擦角と凹凸係数 FU やフラクタル次元 FD との関係3),4)が示されている。一方、著者 らは、生成過程や環境が異なる5つの自然礫の粒子形状解析と均一粒度試料の最密充填実験を通して、円磨履 歴や最密充填特性の相違を評価できる粒子形状パラメータは、凹凸係数 FU やフラクタル次元 FD であることを 示してきた5)。また、円磨度に関する Krumbein の視覚印象図の形状解析も行ってきた6)。ここでは、角張り 度に関する Lees の視覚印象図ならびに角張り度の異なる規則図形の形状解析を行ったので、報告する。 

2.種々の形状パラメータ   砂や礫の粒子形状の表現は、さほど簡単ではない。堆積学の分野で始められ、

三軸径(長径・中径・短径)、球形度、細長比などが提案されてきている。さらに、Wadell は角の丸み具合に着 目した円磨度の、また Lees は角の尖り具合に注目した角張り度の定義式を提案しており、Krumbein や Lees は利用しやすい視覚印象図も提案している。一方最近では、数学的な表現方法を利用し、フーリエ解析やフラ クタル解析の結果も用いられてきている。   

3.形状データの作成    角張り度に関する Lees の視 覚印象図には、角張り度 0〜1599 の間を 100 間隔の 16 ク ラスに区分し、合計 110 個の図形が示されている。各ク ラスには、6〜10 個の図形が描かれている(図‑1)。また、

角張り度の異なる規則図形としては、正三角形、正四角 形、正五角形、正六角形、正八角形を考えた。これらの 図形をデジタイザーによってパソコンにビットマップデ ータとして入力し、外形座標をビットマップデータとし て読み取った。一図形を 400〜800 点で近似した後、種々 の粒子形状パラメータ(細長比 L,球形度 S,中心からの距 離の変動係数δ,残差一定次数 Mi,凹凸係数 FU,フラクタ ル次元 FD)を求めた。図形を近似した点数に大きな幅がで きた原因は、図形の大きさの差異に加え、表面凹凸の相 違も考えられる。 

 なお、各粒子形状パラメータは次のような定義である。細長比 L は、図形の重心で考えて、直交する二方向 の長さの比が最大になる値を取った。球形度 S は同じ面積を持つ円の直径と外接する最小円の直径の比とした。

中心からの距離の変動係数δは、図形の重心からの距離の平均値と標準偏差から求めた。残差一定次数 Mi は フーリエ近似と元の形状の差から Schwarcz・Shane の定義により、また、凹凸係数 FU は図形の面積と周長から 吉村・小川の定義により計算した。フラクタル次元 FD は、一定長さの折れ線で近似する方法を用いた。なお、

ここで解析する図形は、自己相似性を有していないので、セグメント長さや繰返し回数の範囲の取り方によっ てフラクタル次元の値が異なるので、種々の検討の結果、繰返し回数を 10〜1000 の範囲に統一した。 

4.形状パラメータの比較   図‑2には、種々の粒子形状パラメータと角張り度との関係を示してある。

図中には、角張り度クラス毎の平均値を●印で示してある。また、規則図形の解析結果も■印で示してある。

キーワード:粗粒土,粒子形状,フラクタル次元,角張り度  連絡先:名城大学理工学部建設システム工学科  (〒468‑8502 名古屋市天白区塩釜口 1‑501,TEL.052‑832‑1151,E‑mail itabashi@ccmfs.meijo-u.ac.jp) 

土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月)

‑1405‑

III‑703

(2)

0 500 1000 1500 1

2 3 4 5

角張り度

Ag

細長比

L

L=1.00000+8.42602×10-4Ag +6.87639×10-7Ag2   (相関係数=0.950)

Lees全粒子 (a) Lees平均 規則図形

正六角形 正三角形

正四角形 正八角形 正五角形

0 500 1000 1500

0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1

角張り度

Ag

球形度

S

S=1.00000-0.00026Ag

(相関係数=0.955)

(b)

正三角形 正四角形 正五角形

正六角形 正八角形

0 500 1000 1500

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5

角張り度Ag

変動係数δ

δ=0.00030Ag

(相関係数=0.937)

(c)

正三角形 正四角形

正五角形 正六角形 正八角形

0 500 1000 1500

0 10 20 30 40 50 60

残差一定次数

Mi

角張り度Ag

mI=6.035537+0.02258192Ag (相関係数=0.822)

(d)

正三角形

正四角形 正五角形 正六角形

正八角形

0 500 1000 1500

0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1

角張り度Ag

凹凸係数

FU

FU=1.00000-0.00034Ag  (相関係数=0.957)

(e)

正三角形 正四角形

正五角形 正六角形 正八角形

0 500 1000 1500

1 1.02 1.04 1.06 1.08

角張り度Ag

フラクタル次元

FD

FD=1.01489+1.01953×10-5Ag +1.34505×10-8Ag2   (相関係数=0.965)

(f)

正三角形

正四角形 正五角形 正六角形

正八角形

図-2 種々の粒子形状パラメータと角張り度Agとの関係 全体的に見ると、どの

粒子形状パラメータで も角張り度との関係に は高い相関性が認めら れる。ただし、角張り 度が同じでも、その他 の形状パラメータには 大きな幅が認められる。

特に、角張り度が 800 以上の図形においてこ の傾向は顕著になって いる。これが、Lees の 視覚印象図に示されて いる図形の特徴とも考 えられる。細長比 L と 角張り度 Ag との関係 において、その下限の 細長比はほぼ一定であ り、規則図形と一致し ているが、角張り度の 増加と伴に細長比の上 限値は急激に増加して いる。球形度 S に関し ては、細長比と逆の傾 向が現われており、そ の上限値はほぼ一定で あるが、下限値が急激

な減少を示している。また、規則図形には明確な直線関係が認められ、正三角形と正八角形は範囲の下限と上 限に対応している。凹凸係数 FU は球形度 S とほぼ同様の傾向を示しており、距離の変動係数δ、残差一定次 数 Mi、フラクタル次元 FD については、球形度 S の場合と逆の関係を描いている。 

5.まとめ  本報告では、角張り度に関する Lees の視覚印象図と角張り度が異なる規則図形の形状解析を 実施し、種々の形状パラメータとの比較を実施した。その結果、種々の粒子形状パラメータと角張り度との間 には、高い相関性が認められるが、角張り度の大きな範囲では、大きなばらつきの認められることが明らかに なった。また、規則図形の正三角形と正八角形の値がほぼ上限と下限に対応していることも明らかになった。 

参考文献   1)Youd,T.L.:Factor Controlling Maximum and Minimum Densities of Sands,ASTM STP.523,  pp.98‑112,1972.  2)三浦均也・松本吉英他:砂の物理的性質に及ぼす粒子形状および粒度分布の影響,北海道 大学工学部研究報告 第 148 号,pp.17‑31,1989. 3)吉村優治・小川正二:粒状体の間隙比およびせん断特性に 及 ぼ す 一 次 性 質 の 影 響 , 土 木 学 会 論 文 集 No.487/ Ⅲ ‑26,pp.99‑108,1994.  4)Gori,U. and M.Mari.:The  Correlation between the Fractal Dimension and Internal Friction Angle of Different Granular Materials,  S & F,Vol.42,pp.17‑23,2001.  5)板橋一雄・松尾稔他:均一な粗粒材料の粒子形状評価と壁効果を考慮した最 密充填特性,地盤工学会論文集(投稿中). 6)神谷圭吾・板橋一雄他:種々の粒子形状パラメータによる Krumbein の視 覚印象図の評価,土木学会第 56 回年次学術講演会,Ⅲ‑A003,pp.6‑7,2001.  

土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月)

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