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水平振動試験による斜角桁の回転変位に関する一考察

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第69回年次学術講演会(平成26年9月). Ⅰ‑320. 水平振動試験による斜角桁の回転変位に関する一考察. 1.はじめに 1995 年の兵庫県南部沖地震や,2010 年のチリ地震で は,斜角桁の回転移動による変位及び落橋が発生して いる.また,2011 年の東北地方太平洋沖地震では,当. 正会員 ○加藤 格. 東日本旅客鉄道株式会社. 正会員. 黒田 智也. る.ここにθは斜角度,b は桁幅,L は桁長である. sin 2 b > ・・・・(1) 2 L (1)試験体概要及びパラメータ. 社在来線の斜角桁においても,回転が原因と想定され る変位が発生した(写真-1).. 東日本旅客鉄道株式会社. 試験体は,式(1)より回転判定となる形状寸法とし, スケールは実橋の 1/10 程度を考慮して,桁長 1500mm,. 当社では,東北. 桁幅 250mm とした.試験体のパラメータは桁斜角度及び. 地方太平洋沖地震. 重量とした.斜角度は 40°,60°とし,重量は,合成桁,. の事象を踏まえ,. 下路桁,上路桁を想定して,一般的な鉄道橋を参考に,. 鋼・合成構造の斜. それぞれ 5.4kN,3.9kN,2.1kN とした.水平振動装置に. 角桁の回転変位対. よる加振方向は橋軸方向,橋軸直角方向とした.. 策を進めている.. また,斜角桁の変位挙動の確認を目的としているた. 一般的な斜角桁の. め,支承等の移動制限装置は設けず,橋台と桁は接触. 回転変位の過程は,. 写真-1. 状態とした.実験ケースの一覧を表-1 に,試験体を写真. 斜角桁の被害状況. ①横移動制限の損. -2 に示す.. 傷による桁の自由移動 ②桁がパラペットへ接触することでの水平変位の拘束 ③桁に働く慣性力の合力 HP と鈍角部の水平変位の拘束 HR による偶力の発生 であり,鈍角を基点に 鋭 角 側 へ回 転 する と 考えられている.1) 写真-2. (図-1).今回,斜角 (2)実験方法. 桁 の 基 礎的 な 変位 挙 動を把握するため,水. 斜角度 40°試験体. 本実験では,試験体桁端部の変位をレーザー変位計. 図-1 斜角桁の回転変位. 平 振 動 試験 装 置 に よ. で計測し,時刻暦の回転角を算出することで変位挙動. る縮小模型加振実験. を確認することとした(図-2).また,水平振動装置の 表-1 実験ケース. を行った. 2.実験概要 道路橋示方書 2)では, 斜角桁の回転につい て幾何学的条件より 判定することとされ ており,一般的には式 (1)にて規定されてい. ケース 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12. 斜角度 60° 60° 60° 60° 60° 60° 40° 40° 40° 40° 40° 40°. 桁重量 5.4kN 5.4kN 3.9kN 3.9kN 2.1kN 2.1kN 5.4kN 5.4kN 3.9kN 3.9kN 2.1kN 2.1kN. 入力波はサイン波とし,入力加速度と斜角桁の変位の. 加振方向 L C L C L C L C L C L C. 状況を確認しながら適宜振幅と周期を調整した.. 図-2 変位計による回転角の算出. キーワード 斜橋,斜角桁,回転,水平振動,振動台 連絡先 〒331-8513 埼玉県さいたま市北区日進町 2-479 JR 東日本研究開発センター. ‑639‑. フロンティアサービス研究所 TEL048-651-2552.

(2) 土木学会第69回年次学術講演会(平成26年9月). Ⅰ‑320. 3.実験結果 実験結果の抜粋を図-3~図-5 に示す. (1)重量による比較 図-3 は,ケース 1 とケース 3 の入力加速度及び回転 角であり,試験体の斜角度と加振方向を一定として桁 重量の違いによる挙動を比較した.両ケースとも加振 ごとに試験体がパラペットに接触し,鈍角を基点に回 転して,回転角が増加していくことが分かる.また、回 転角の増加量は試験体の重量が重いほうが大きいこと. 図-3. 60°橋軸方向加振による比較. が分かる. (2)斜角度による比較 図-4,図-5 では,試験体の斜角度と重量を一定とし て加振方向の違いによる挙動を比較した. ①橋軸方向加振 図-4 はケース 1 とケース 7 の入力加速度及び回転角 である.60°の試験体は加振ごと回転角が増加するの に対して,40°の試験体では加振中に変位計のデータ 取得が不可能となった.これは,試験体が回転よりも橋 図-4 試験体 5.4kN 橋軸方向加振による比較. 軸方向へ滑動する挙動の方が卓越したため,試験体上 のレーザー変位計視準点が測点外に外れたためであ る. ②橋軸直角方向加振 図-5 はケース 6 とケース 12 の入力加速度及び回転角 である.40°の試験体は加振ごとに回転角が増加して いくのに対して,60°の試験体では回転角が一定の傾 向を示さないことが分かる.これは,試験体が回転より も橋軸直角方向へ滑動する挙動の方が卓越したためで. 図-5 試験体 2.1kN 橋軸直角方向加振による比較. ある. 4.まとめ. 実験は一軸方向の. ①桁の斜角度,加振方向が一定であれば,試験体の重. 加振であったため,. 量が重いほうが回転量は大きくなった.. 実際の地震動では,. ②橋軸方向加振では 60°の試験体は回転挙動を示した. 回転と滑動の複合. が,40°の試験体は橋軸方向への滑動挙動の方が卓越. 的な挙動を示すこ. した.. とが想定される.. ③橋軸直角方向加振では 40°の試験体は回転挙動を示. 参考文献. したが,60°の試験体は橋軸直角方向への滑動挙動の. 1)大塚他:斜橋の水平地. 方が卓越した.. 震動による回転挙動解. ②,③について,試験体がパラペットに接触した際. 析,土木学会論文集. の斜辺なりの分力をA,これと直交する分力をBとし. No.570/I-40,1997.12. た時,A>Bの時に滑動,B>Aの時に回転が発生す. 2)日本道路協会(編):道. るといえる(図-6).また,斜角桁の角度が 45°を境に. 路橋示方書・同解説 Ⅴ. に回転挙動と滑動挙動が逆転すると考えられるが,本. 耐震設計編,2012.3. ‑640‑. 図-6 加振方向における分力.

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参照

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