More Than Shipping
アニュアルレポート
2011
日本郵船株式会社
ア ニ ュ ア ル レ ポ ー ト 2 01 1将来見通しに関する注意事項 このアニュアルレポートには、リスク・不 確実性を内包した将来見通しが記載されて おり、実際の結果とは異なる可能性があり ます。これらの見通しは、現時点での情報 に基づいており、過度に依拠できないこと をご承知おきください。なお、日本郵船で は、将来に関する見通しの記載について、 現時点以降の出来事や環境、予期せぬ事 象の発生を反映し、更新して公表する義務 を負うものではありません。 10
Our Sustainability
16 財務ハイライト 14経営陣から皆さまへ
18特集:アジアの成長を世界へ繋ぐ
20 中期経営計画を振り返って22 「more Than Shipping 2013∼アジアの成長を世界へ繋ぐ∼」計画概要
24 工藤社長に聞く、新中期経営計画「more Than Shipping 2013」 「自社の強みを活用した差別化戦略で、コモディティ化する
競争環境からの脱却を図る」
36 「more Than Shipping 2013」重点戦略研究
44 アジアの現場から MAnAgeMent 45
営業概況
46 マーケットデータ 48 部門別ハイライト 50 一般貨物輸送事業 56 不定期専用船事業 63 その他事業 64 東日本大震災被災地への支援活動について PerforMAnce 73コーポレート・ガバナンス
74 社外取締役インタビュー 78 コーポレート・ガバナンス 84 取締役および監査役ならびに経営委員一覧 86 独立役員一覧 governAnce 65サステナビリティ
66 環境 68 安全 70 人材 72 社会貢献活動 sustAinAbility 87企業情報
fAct dAtA 93財務情報
finAnciAl dAtA日本郵船は、
2011
年
3
月、
中期経営計画「
More Than Shipping 2013
」を新たに策定し、
海運業の枠を超えた新たな成長モデルの確立に向け、
その決意と戦略を示しました。
いかにして歩みを進めていくのか。本アニュアルレポートでは、
基本理念
わたくしたちは、海・陸・空にまたがるグローバルな
総合物流企業グループとして、安全・確実な「モノ運び」を通じ、
人々の生活を支えます。
経営方針
お客様とともに
お客様から選ばれ信頼されるパートナーであり続けるために、 現場第一に徹し、創意工夫に努め、新たな価値の創造を追求します。株主・投資家の皆様とともに
公正かつ透明な経営を実践し、効率的な事業活動を通じて、 企業価値の増大を目指します。社会とともに
良き企業市民として積極的に社会の課題に取り組み、 環境の保全をはじめとして、より良い地球社会の実現に貢献します。グループ社員とともに
グローバル企業として、社員の多様性と挑戦する気概を尊重し、 人材育成に力を注ぎ、夢と誇りを持って働ける日本郵船グループを目指します。nYK
グループ・バリュー「誠意・創意・熱意(
3 I
’
s
)」
「日本郵船グループ企業理念」を実現していく際の心構え。
「誠意」Integrity
うそいつわりのない心・私利私欲のない心。まごころ。 お客様をはじめ、相手を尊重して、相手の立場を徹底的に考え抜く気持ち。 思いやり。 「創意」Innovation
これまでだれも考え付かなかった考え。新しい思い付き。 現状に満足せず、より良いものにするための『原動力』、つまり『変革』や『挑戦』。 「熱意」Intensity
一途にそれに打ち込んでいる気持ち。熱心な気持ち。 困難なものに対して、継続して達成するまでやり遂げる熱い思い。創意工夫とたゆまぬ努力がありました。
強靭な精神は、今も脈々と受け継がれています。
売上高構成比
*
定期船事業22.3%
物流事業18.9%
不定期専用船事業38.5%
自動車船部門 ドライバルク部門 エネルギー輸送部門 ターミナル関連事業5.9%
航空運送事業4.2%
客船事業1.7%
不動産業0.6%
その他の事業7.9%
一般貨物輸送事業
その他事業
不定期専用船事業
* 連結消去前 2010年度 事業ポートフォリオKEY FIGURES
連結運航船腹量827
隻/
6,019
万
Kt
物流センター世界
36
カ国/
412
事業所
(2010年9月時点) ターミナル拠点世界
43
港
航空貨物輸送23
億
7,459
万
Ton Km
(2010年度輸送実績) その他 47 コンテナ船 143 (セミコンテナ船 などを含む) 客船 3 LNG船 29 タンカー 86 バルカー 109 (ケープサイズ) バルカー 235 (パナマックス&ハンディサイズ) チップ船57 自動車専用船 118 (単位:隻) 2010年度1870 1875 1880 1885 1890 1895 1900 1905 1910 1915 1920 1925 1930 1935 1940 1945 1950 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 1,000 750 500 250 0
運航隻数の推移
三川商会(旧九十九商会*) は、後に三菱グループの創 始者となる岩崎彌太郎を 社主として三菱商会に改 組。翌年には郵便汽船三菱 会社へと改称 * 土佐藩が1870年に3隻の汽船 をもって設立。彌太郎が事業を 監督する役割を担った。1873
郵便汽船三菱会社と 共同運輸会社が合併し、 日本郵船会社を設立1885
日本初の遠洋定期 航路としてボンベイ (現、ムンバイ、インド) 航路開設1893
「徳島丸(I)」が 日本船として初めて パナマ運河を通航1914
北米、欧州航路に 「浅間丸」、「秩父丸」、 「氷川丸」などの 客船を次々に投入。 豪華客船時代を開いた1929
大型タンカー Diamond Graceが 東京湾で原油流出事故1997
・ NYKグループ・バリュー 「3 I s」策定 ・フィリピン商船大学設立2007
創業
125
周年
日本貨物航空㈱設立1978
日本郵船初の鉱石専用船竣工1960
ドリルシップによる 海洋事業への 参入開始2009
創業100周年1985
日本初の フルコンテナ船竣工1968
欧州、北米、豪州へも 航路を拡大し、 欧米の海運会社と 肩を並べるまで成長1896
設立後、上海・マニラ・ウラジオストックなど への定期航路を相次いで開設し、海外航路主体 の外航海運会社への道を歩み始めた。 プラザ合意で急激な円高に直面。 これに対応するため、構造改革 を断行するとともに、マンニン グオフィスを通じて外国人船員 の積極的な採用を開始。 1950年代、日本経済の急速な発展により、国 際貨物の海上荷動きは一般貨物から石油などの 資源エネルギーへと大きくシフト。日本郵船は 素早い決断により、タンカーや鉱石船、チップ 船といった専用船を順次投入していった。 日本郵船初の 原油タンカー竣工1959
「廣島丸」 郵便汽船三菱会社幹部 写真提供:三菱資料館 航海命令書 「徳島丸(I)」 「平安丸(II)」 「丹波丸」 「戸畑丸」 「箱根丸(II)」 投入されるドリルシップの類似船次の
50
年、
100
年も持続的に成長できるよう、
歩みを止めることなく挑み続けます。
創意工夫とたゆまぬ努力がありました。
強靭な精神は、今も脈々と受け継がれています。
売上高構成比
*
定期船事業22.3%
物流事業18.9%
不定期専用船事業38.5%
自動車船部門 ドライバルク部門 エネルギー輸送部門 ターミナル関連事業5.9%
航空運送事業4.2%
客船事業1.7%
不動産業0.6%
その他の事業7.9%
一般貨物輸送事業
その他事業
不定期専用船事業
* 連結消去前 2010年度 事業ポートフォリオKEY FIGURES
連結運航船腹量827
隻/
6,019
万
Kt
物流センター世界
36
カ国/
412
事業所
(2010年9月時点) ターミナル拠点世界
43
港
航空貨物輸送23
億
7,459
万
Ton Km
(2010年度輸送実績) その他 47 コンテナ船 143 (セミコンテナ船 などを含む) 客船 3 LNG船 29 タンカー 86 バルカー 109 (ケープサイズ) バルカー 235 (パナマックス&ハンディサイズ) チップ船57 自動車専用船 118 (単位:隻) 2010年度あらゆる輸送モードを駆使し、世界で拡大し続ける物流を
多面的に取り込んでいきます。
当社は、環境保全や法令遵守など、持続可能性に関する 活動に積極的に取り組んでいます。これらの活動が高く 評価され、ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド・
インデックスや
FTSE4 Good Global Index
などの主要 な指標に選定されています。KEY FIGURES
Dow Jones Sustainability Indexes
世界的な社会的責任投資(SRI)の指標であるダウ・ジョーンズ・サステナ ビリティ・ワールド・インデックス*の構成銘柄に8年連続で選定されました。 *ダウ・ジョーンズ社(米国)と企業の持続可能性評価を行うSAM社(スイス)が提示する SRI投資指標。
FTSE4Good
FTSE4 Good Global Indexの組み入れ銘柄として、9年連続で選定を受 けました。FTSE4Good指標では、独自の環境や企業の社会的責任に関 する国際基準の下、グローバル分野での組み入れ銘柄は25カ国720社、 そのうち日本企業は190社が選定されています。
sam 2011 silver class
World’s Most Ethical Companies MS-SRI
スイスのSRI格付評価会社、SAM社によるCSR格付で、「Silver Class」2
年連続選定。運輸業は世界でGold 3社、Silver 5社が選ばれましたが、 日本企業は当社のみとなりました。 米国のシンクタンクであるエシスフィア・インスティチュートが、世界の 企業を対象に選ぶ「世界で最も倫理的な企業」に4年連続で選定されまし た。2011年は上位110社が選定を受け、そのうち日本企業は当社を含 め6社が選定されました。海運会社では当社が世界で唯一となります。 モーニングスター社のMS-SRIに2004年より7年連続で選定されていま す。MS-SRIは、日本企業150銘柄を選定する日本最初のSRI株価指数 です。 Global 100
「Global 100 Most Sustainable Corporations in the World」(最も 持続可能な世界の100社)に5年連続で選出されました。全世界3,000 の企業から22カ国の100社が選ばれ、日本からも保険会社、電気機器 メーカーなどさまざまな業種から19社が選出されました。
NYK
スーパーエコシップ2030 CO
2排出量マイナス
69
%
燃料電池32
% 摩擦抵抗削減10
% 船体重量削減9
% 推進効率向上5
% 風力4
% 太陽光2
% 超伝導2
% 船内電力需要削減2
% 最適船型2
% 風圧抵抗削減1
% 遅延時間*
マイナス
20.9
時間
1993
2010
年度年度33.0
12.1
時間時間 * 日本郵船では、事故やトラブルによって船舶の運航が止まった時間を指標として取り入れ、遅延時間のゼロ化を目指しています。当社では、当期より各事業を「一般貨物輸送事業」と「不定期専用船事業」の
2
部門にまとめ、ますます拡大する世界の荷動きにしっかりと対応していきます。
関連事業 定期船(コンテナ船)事業 航空運送事業 ターミナル関連事業 物流事業 関連事業 自動車船部門 ドライバルク部門 (鉄鉱石、石炭、穀物など) エネルギー輸送部門 (原油、石油製品、LPG、LNGなど) 強み 世界各地に展開する輸送インフラ 各インフラをニーズに合わせて組み合わせる提案力 強み 世界最大級の船隊規模 長期契約を主体とした安定的な収益基盤 先進的で高水準の技術力 経済のグローバル化の進展に合わせ、各企業の販売・生産・調達拠点は多 極化しています。物流はより高度で複雑なものとなってきており、お客さま から物流業務を一括委託し、物流の全体最適化を求める声が増えてきまし た。当社はこうしたニーズに対応して、最適な物流サービスを提供する体制 を整えています。 自動車や原油、LNG
などの輸送には、高い専門性が求められます。当社は、 長年培ってきた世界トップレベルの輸送技術と安全管理システムを持ち、国 内外のお客さまから高い信頼を得てきました。この信頼性の高さが、次のビ ジネスを生み出す重要なポイントとなります。また、長期での輸送契約を基 本方針としており、市況に左右されにくい安定的な収益構造となっているこ とも大きな特長です。 コンテナ船 大型鉱石専用船 トラック チップ船 自動車専用船 倉庫 原油タンカー(VLCC) ターミナル ケミカルタンカー 貨物専用機 LNG船 出典:Drewryおよび日本郵船予測 ①コンテナ荷動き量 0 09 10 (予想)(予想)11 (予想)12 (予想)13 (予想)14 (予想)15 (予想)16 228 134 100 200 300(百万TEU) ③世界自動車荷動き台数(地域間荷動き) 出典:日本郵船調査グループ 0 09 10 1,364 11 (予想)(予想)12 (予想)13 (予想)14 (予想)15 (予想)16 500 1,000 1,500 2,000 1,837 1,197 (万台) (10億RTKs) 0 ②航空貨物の需要見通し 800 400 200 600 高 年間1.9%の成長率 平均年間成長率 2009−2029 高 6.6% 基準 5.9% 低 5.2%出典:Boeing社 World Air Cargo Forecast 2010-2011 基準 低 99 04 09 14 19 24 29 (百万トン) 4,269 2,622 2,058 5,000 1,000 4,000 3,000 2,000 0 ④ドライバルク海上荷動き量と見通し 2000 2005 10 (予想)(予想)11(予想)12(予想)13(予想)14(予想)15 (予想)2020 出典:Clarkson Shipping Review & Outlook (Spring 2010,
Autumn 2010)、Dry Bulk Trade、Oil and Tanker Trade Outlook、通関統計・EIA より日本郵船調査グループ作成 鉄鉱石 原料炭 穀物 マイナーバルク一般炭 消費財・ その他 鉄鉱石・ 石炭 家電・ 電子部品・ 機械 原油・ 石油製品・ LNG 衣類・ 日用品 自動車 食品・ 飲料 穀物・ チップ・ その他
一般貨物
輸送事業
不定期
専用船
事業
あらゆる輸送モードを駆使し、世界で拡大し続ける物流を
多面的に取り込んでいきます。
当社は、環境保全や法令遵守など、持続可能性に関する 活動に積極的に取り組んでいます。これらの活動が高く 評価され、ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド・
インデックスや
FTSE4 Good Global Index
などの主要 な指標に選定されています。KEY FIGURES
Dow Jones Sustainability Indexes
世界的な社会的責任投資(SRI)の指標であるダウ・ジョーンズ・サステナ ビリティ・ワールド・インデックス*の構成銘柄に8年連続で選定されました。 *ダウ・ジョーンズ社(米国)と企業の持続可能性評価を行うSAM社(スイス)が提示する SRI投資指標。
FTSE4Good
FTSE4 Good Global Indexの組み入れ銘柄として、9年連続で選定を受 けました。FTSE4Good指標では、独自の環境や企業の社会的責任に関 する国際基準の下、グローバル分野での組み入れ銘柄は25カ国720社、 そのうち日本企業は190社が選定されています。
sam 2011 silver class
World’s Most Ethical Companies MS-SRI
スイスのSRI格付評価会社、SAM社によるCSR格付で、「Silver Class」2
年連続選定。運輸業は世界でGold 3社、Silver 5社が選ばれましたが、 日本企業は当社のみとなりました。 米国のシンクタンクであるエシスフィア・インスティチュートが、世界の 企業を対象に選ぶ「世界で最も倫理的な企業」に4年連続で選定されまし た。2011年は上位110社が選定を受け、そのうち日本企業は当社を含 め6社が選定されました。海運会社では当社が世界で唯一となります。 モーニングスター社のMS-SRIに2004年より7年連続で選定されていま す。MS-SRIは、日本企業150銘柄を選定する日本最初のSRI株価指数 です。 Global 100
「Global 100 Most Sustainable Corporations in the World」(最も 持続可能な世界の100社)に5年連続で選出されました。全世界3,000 の企業から22カ国の100社が選ばれ、日本からも保険会社、電気機器 メーカーなどさまざまな業種から19社が選出されました。
NYK
スーパーエコシップ2030 CO
2排出量マイナス
69
%
燃料電池32
% 摩擦抵抗削減10
% 船体重量削減9
% 推進効率向上5
% 風力4
% 太陽光2
% 超伝導2
% 船内電力需要削減2
% 最適船型2
% 風圧抵抗削減1
% 遅延時間*
マイナス
20.9
時間
1993
2010
年度年度33.0
12.1
時間時間 * 日本郵船では、事故やトラブルによって船舶の運航が止まった時間を指標として取り入れ、遅延時間のゼロ化を目指しています。持続的な社会の実現に向けて、
私たちが取り組むべき技術革新に終わりはありません。
前列左より(座) 代表取締役会長・会長経営委員 宮原耕治 代表取締役社長・社長経営委員 工藤泰三 後列左より(立) 社外取締役 岡本行夫 取締役・常務経営委員 水島健二 代表取締役・専務経営委員 山下俊憲 代表取締役・専務経営委員 諸岡正道 代表取締役・専務経営委員 宝納英紀 代表取締役・専務経営委員 加藤正博 代表取締役・専務経営委員 内藤忠顕 代表取締役・専務経営委員 田澤直哉 取締役・常務経営委員 平松宏 取締役・常務経営委員 長澤仁志 社外取締役 翁百合過去
2
年間の経営環境の厳しい時代を乗り越え、
日本郵船はより強固な事業基盤を築き上げました。
この事業基盤を武器に、新中期経営計画の下、着実な成長を目指します。
海上貨物輸送が毎年
3
%増加すると、
2050
年には約
3
倍に増加するため、
船腹量が拡大し、地球環境に与えるインパクトも大きくなります。
日本郵船は、海運が世界経済の発展に寄与し、同時に環境負荷の低減に貢献できるよう、
CO
2排出削減に向けた技術の革新を進めています。
2050
年までにゼロエミッション船の開発を目指し、その中間地点となる
2030
年のコンセプトシップとして「
NYK
スーパーエコシップ
2030
」を描きました。
スーパーエコシップ
燃料電池や太陽光、風力などの自然エネルギーを使う一方、船体の軽量化などにより、CO
2排出 量を69
%削減できる未来のコンテナ船です。NYK
スーパーエコシップ2030
で搭載を目指す技 術は、新造船に試験的に導入され、実証実験を続けています。 当社は、三菱重工業㈱と共同で、海水による摩擦抵抗を低減する空気潤滑システムを開発。その技術は、船 底に気泡を送り込むことで、CO2の10%削減効果を実現するものです。2010年には、本システムを搭載した モジュール船“Yamatai”“Yamato”の2隻が竣工しました。外航船と しては世界初の実船搭載です。今後は、外洋航海や荒天時など、実務運 用レベルでの効果の測定を行うとともに、石炭運搬船への転用を計画し ています。摩擦抵抗削減
持続可能な社会の発展のためには、消費 エネルギーを節約するだけでなく、その エネルギー源を化石燃料からクリーンな ものに変えていくことが必要です。その 一つとして、燃料電池に注目しています。 エネルギーの未来を描く 透明で布のように曲げることのできるパネルでコンテナを覆い、太陽光 を最大限に活かすことを想定しています。すでに当社の自動車船 “Auriga Leader”には、40kW級の太陽光パネルが搭載されており、 陸上と同等程度の発電量が記録されています。太陽光
32
%
燃料電池2
%
太陽光2
%
船内電力需要削減9
%
船体重量削減10
%
摩擦抵抗削減2
%
超伝導5
%
推進効率向上4
%
風力2
%
最適船型1
%
風圧抵抗削減 (MW) 0 エネルギー転換ロードマップ 2010 2020 2030 2040 2050 ディーゼル エンジン 推進に必要な エネルギー 太陽光、風力など 自然エネルギー利用 (2∼5MW) 重油 メタノール LNG 水素 C O 2エ ミ ッ シ ョ ン 必 要 な エ ネ ル ギ ー 燃料電池 100 31 64 40 (年) 送風機より 送りこまれた気泡 海面 送風機 摩擦低減持続的な社会の実現に向けて、
私たちが取り組むべき技術革新に終わりはありません。
前列左より(座) 代表取締役会長・会長経営委員 宮原耕治 代表取締役社長・社長経営委員 工藤泰三 後列左より(立) 社外取締役 岡本行夫 取締役・常務経営委員 水島健二 代表取締役・専務経営委員 山下俊憲 代表取締役・専務経営委員 諸岡正道 代表取締役・専務経営委員 宝納英紀 代表取締役・専務経営委員 加藤正博 代表取締役・専務経営委員 内藤忠顕 代表取締役・専務経営委員 田澤直哉 取締役・常務経営委員 平松宏 取締役・常務経営委員 長澤仁志 社外取締役 翁百合過去
2
年間の経営環境の厳しい時代を乗り越え、
日本郵船はより強固な事業基盤を築き上げました。
この事業基盤を武器に、新中期経営計画の下、着実な成長を目指します。
株主・投資家の皆さまをはじめ、お客さま、お取引先、地域社会の皆さ まなど、日本郵船グループに関わるすべてのステークホルダーの皆さま には、日頃より当社グループの事業にご理解・ご支援をいただき、厚く 御礼を申し上げます。 まず、
2011
年3
月11
日に発生した東日本大震災により、被災された 皆さまに心よりお見舞い申し上げます。想像をはるかに超えた甚大な被 害の実態を知るたびに言葉を失うばかりですが、被災地の復興支援に少 しでもお役に立てるよう、私たちが今できることに一つひとつ取り組んで まいります。(支援活動の内容については、P64
をご覧ください) さて、当社はこれまで、中期経営計画「New Horizon 2010
」と緊急 構造改革「宜候プロジェクト」の下、成長分野での事業拡大を進めながら、 外部環境の変化に左右されにくいビジネスモデルへの転換に全力を注 いできました。
2011
年4
月からは、新中期経営計画「More Than Shipping 2013
」 がスタートしました。前中期経営計画で築き上げた事業基盤を武器に、 市況の上昇という追い風がなくとも、安定収益を積み上げることで着 実な成長を目指します。新中期経営計画の詳細については、P18
以降、 詳しくご説明します。 当社は、2010
年に125
周年を迎えました。さらにここから125
年、日 本郵船が発展し続けていくために出した答えが、新中期経営計画「More
Than Shipping 2013
」です。従来の海運業の枠を超えた発想・仕組 みを確立していくことで、これからも成長を続けていくことができると確 信しています。今後の飛躍にどうぞご期待ください。単位:百万円 単位:千米ドル 2011 2010 2009 2011 当期業績: 売上高 ¥1,929,169 ¥1,697,342 ¥2,429,972 $23,201,079 売上原価 1,622,045 1,520,932 2,054,595 19,507,462 販売費及び一般管理費 184,777 194,504 230,463 2,222,219 営業利益(損失) 122,346 (18,094) 144,914 1,471,397 経常利益(損失) 114,165 (30,445) 140,814 1,373,012 当期純利益(損失) 78,535 (17,447) 56,151 944,504 設備投資 278,570 237,969 417,555 3,350,214 減価償却費 100,198 98,019 100,124 1,205,031 年度末財政状態: 総資産 2,126,812 2,207,163 2,071,270 25,578,026 有利子負債 981,972 1,081,870 1,077,956 11,809,647 自己資本 684,627 661,232 544,121 8,233,648 キャッシュ・フロー: 営業活動によるキャッシュ・フロー 174,585 62,105 150,474 2,099,639 投資活動によるキャッシュ・フロー (162,781) (43,706) (170,253) (1,957,687) 財務活動によるキャッシュ・フロー (100,161) 137,396 29,571 (1,204,586) 単位:円 単位:ドル 1株当たり情報: 当期純利益(損失) ¥ 46.27 ¥ (12.71) ¥ 45.73 $0.56 純資産 403.46 389.46 443.16 4.85 年間配当金 11.0 4.0 15.0 0.13 配当性向 23.8% ̶ 32.8% 23.8% 経営指標: 自己資本当期純利益率(ROE) 11.7% (2.9)% 9.5% 総資産利益率(ROA) 3.6% (0.8)% 2.6% 投下資本利益率(ROIc) 4.6% (0.4)% 5.9% デット・エクイティ・レシオ(倍) 1.43 1.64 1.98 自己資本比率 32.2% 30.0% 26.3% ESGデータ: 従業員数(人) 28,361 31,660 29,834 当社運航船cO2排出量(千トン) 14,525 13,991 16,739 当社運航船燃料消費量(千トン) 4,662 4,491 5,373 注:1. 米ドルへの換算は、2011年3月31日の為替レート1米ドル=83.15円の換算率で行っています。これらのドル金額は、日本国外の読者の便宜のために 表示したものであり、この換算率で日本円金額が米ドルに交換された、または交換され得ることを意味するものではありません。 2. 1株当たり情報は各連結会計年度における発行済普通株式総数の加重平均株数に基づいて計算しています。
(億円) 19,291 30,000 20,000 10,000 0 売上高 07 08 09 10 11 21,642 25,846 24,299 16,973 (%) (倍) 1.43 32.2 40 35 30 25 2.0 1.5 20 1 07 08 09 10 11 1.36 1.60 1.98 1.64 30.8 27.9 26.3 30.0 自己資本比率(左軸) デット・エクイティ・レシオ(右軸) 自己資本比率/ デット・エクイティ・レシオ (億円) 785 1,500 1,000 500 –500 0 当期純利益 07 08 09 10 11 650 1,141 561 –174 (千トン) 4,662 14,525 20,000 15,000 10,000 5,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 0 07 08 09 10 11 5,069 5,444 5,373 4,491 15,922 16,969 16,739 13,991 当社運航船CO2排出量/ 燃料消費量 CO2排出量(左軸) 燃料消費量(右軸) 格付け (2011年3月31日現在) 種類 格付け 日本格付研究所 (JcR) 長期格付け AA-格付投資情報 センター(R&I) 発行体格付け短期格付け A+a-1+ moody’s 発行体格付け Baa1
成長性指標
安定性指標
収益性指標
ESG
指標
2011
年
3
月期業績のポイント
当期純利益は前期比959億円増加の785億円と 大幅に改善。ほとんどの部門で増収増益を達成 アジアを中心とする新興国の旺盛な需要により、定期船事業や航空運送事 業で荷動きの増加や運賃修復などが見られ業績改善に寄与。完成車輸送 も年度を通じて順調に回復しました。 利益の積み増しにより、自己資本はさらに充実 利益剰余金が642億円増加し、株主資本とその他の包括利益累計額の合 計である自己資本は6,846億円となりました。有利子負債も圧縮した結果、 デット・エクイティ・レシオは1.43と前期比0.21ポイント改善しました。 年間配当金は前期比7円増配の11円に 連結配当性向25%を基本に、業績の見通しなどを総合的に勘案しながら利 益配分を決定しています。当期は、業績予想と実績に大きな乖離がなかっ たため、年間配当金を1株当たり11円としました。 0 0 –10 –5 (%) 3.6 4.6 11.7 20 10 10 5ROE/ROA/ROIC
07 08 09 10 11 3.2 5.2 2.6 –0.8 4.7 7.8 5.9 –0.4 10.6 17.6 9.5 –2.9 ROE(左軸) ROA(右軸) ROIC(右軸)
アジアの成長を世界へ繋ぐ
新中期経営計画「
More than Shipping 2013
」
中期経営計画を振り返って
1
アジアの現場から
5
「
More than Shipping 2013
∼アジアの成長を世界へ繋ぐ∼」計画概要
2
工藤社長に聞く、新中期経営計画「
More than Shipping 2013
」
3
「自社の強みを活用した差別化戦略で、コモディティ化する競争環境からの脱却を図る」
「
More than Shipping 2013
」重点戦略研究
4
・一般貨物̶物流事業を活かしてアジア域内・発着輸送に対応
・自動車̶自動車物流・ターミナルを活かしてアジアでの完成車輸送に対応 ・資源エネルギー① ̶ 技術力を活かしてより高度なエネルギー輸送に対応 ・資源エネルギー② ̶ 世界ネットワークを活かして海外資源エネルギー輸送に対応
新中期経営計画のポイント
■
従来の海運業の枠にこだわらないプラスアルファを提案することで
差別化を図る
■
合計
1
兆
8,000
億円の投資計画。自動車船、資源エネルギー輸送事業に重点
的に配分
■
2014
年
3
月期までに、売上高
2
兆
3,000
億円、経常利益
1,300
億円、
当期純利益
950
億円を目指す
■
拡大するアジアの荷動きを確実に取り込む。物流事業と
不定期専用船事業がその鍵を握る
収益基盤
売上高/経常利益 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 12,492 11,429 11,339 19,293 16,060 13,983 19,291 16,973 1,408 21,642 (億円) 30,000 20,000 10,000 −10,000NYK21 新世紀宣言 NYK21 Forward 120 New Horizon 2007 New Horizon 2010
+宜候プロジェクト −1,000 0 0 (億円) 売上高(左軸) 経常利益(右軸) 3,000 2,000 1,000 503 501 713 1,404 1,548 746 24,299 −304 1,141 25,846 1,984 1,075 (年度)
財務基盤
自己資本/デット・エクイティ・レシオ 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 2,883 3,200 2,787 6,570 5,753 4,277 3,580 6,612 6,846 5,441 6,379 (億円) 8,000 6,000 2,000 4,000 (年度)0 (倍) 4.0 3.0 2.0 1.0 0 2.40 1.83 2.26 2.97 1.36 1.33 1.47 1.43 1.64 1.60 1.98 自己資本(左軸) DER(右軸)NYK21
新世紀宣言
2000∼2002年度NYK21 Forward 120
2003∼2004年度 ・中国市場における事業拡大 ・欧米企業の買収による 経営基盤拡大 ・グループ内統合による シナジー創出 ・最終年度で史上最高益を達成 ・船隊整備計画の遂行 ・物流事業のグローバル展開 ・環境問題への取り組み加速 ・中国での完成車専用ターミナルへの 参画 ・自動車関連ビジネスの拡大 ・新規ビジネスの創出 ・着実なコスト削減 実績New Horizon 2007
2005∼2007年度 実績New Horizon 2010
(見直し)+宜候プロジェクト
2008
∼
2010
年度
実績事業基盤
2000
年度→2010
年度 運航隻数 1.4倍 603隻827
隻
物流拠点数 4.8倍 85カ所412
カ所
運航船腹量 1.9倍 3,198万Kt(dWT)6,019
万
Kt
(
DWt
)
連結従業員 2.0倍 14,082人28,361
人
中期経営計画「
New Horizon 2007
」で「ロジスティクス・ インテグレーターへの飛躍」を掲げ、総合物流事業の規 模拡大を推進。「New Horizon 2010
」にも、その考え は引き継がれ、成長戦略の一つとして「海・陸・空の総 合物流戦略の深化」を掲げました。このほか、資源エネ ルギー輸送や、アジア地域など高い成長が見込める分野 への積極投資なども重要戦略として位置付けました。 しかし、リーマン・ショックから1
年後の2009
年10
月に 「New Horizon 2010
」を見直し。緊急構造改革「宜候プ ロジェクト」と合わせ、「市況変動からの脱却」を目指し、 過剰なアセットの削減や事業ポートフォリオの変革、あら ゆる事業での徹底的なコスト削減などに取り組みました。 これら「守り」の戦略によりムダをそぎ落としながら、 当初掲げた成長分野への投資も着実に実施したことで、 さらに強い経営基盤を確立することができました。数値目標は達成。成長投資+構造改革も実施済み
経常利益目標 (億円) 計画(2009年10月時点) 実績 計画比 2009年度 –330 –304 +26 2010年度 400 1,141 +741 実績 取り組み「攻め」の戦略と「守り」の戦略で、より強く、より筋肉質に
NYK21
新世紀宣言
2000∼2002年度NYK21 Forward 120
2003∼2004年度 ・中国市場における事業拡大 ・欧米企業の買収による 経営基盤拡大 ・グループ内統合による シナジー創出 ・最終年度で史上最高益を達成 ・船隊整備計画の遂行 ・物流事業のグローバル展開 ・環境問題への取り組み加速 ・中国での完成車専用ターミナルへの 参画 ・自動車関連ビジネスの拡大 ・新規ビジネスの創出 ・着実なコスト削減 実績New Horizon 2007
2005∼2007年度 実績New Horizon 2010
(見直し)+宜候プロジェクト
2008
∼
2010
年度
実績 攻め ①物流事業の拡大・強化 • 当社物流事業NYKロジスティクスと郵船航空サービスを統合 ②完成車輸送と自動車物流の強化 • タイ・中国などで自動車物流へ積極投資 ③資源エネルギー輸送分野の強化/ 新規ビジネスへの取り組み • 中国などの新興国で長期契約の獲得• NYK Bulkship(Atlantic)社による大西洋商権拡大
• シャトルタンカー事業世界第2位のKnutsen Offshore Tankers社に出資
守り ①コンテナ船隊のライトアセット化 • 長期固定船隊を縮小 • 運営を世界3極体制からシンガポール1極体制へ ②航空運送事業の抜本的見直し • コスト削減により損益分岐点を大幅に下げる • 臨時便・チャーター便/リース事業の拡大 ③徹底したコスト削減 • 総額1,000億円以上のコスト削減を達成
(億円) 既決投資 投資計画 合計 コンテナ船 290 0 290 自動車船 800 1,100 1,900 大型バルカー 3,200 0 3,200 中小型バルカー 3,700 1,000 4,700 タンカー 500 200 700 LNG・海洋事業 600 2,000 2,600 その他船舶 1,600 0 1,600 物流 10 300 310 その他非船舶 2,300 400 2,700 13,000 5,000 18,000
従来の海運業プラスアルファの戦略により
さらなる成長を目指す
投資計画 重点戦略(従来型海運業プラスアルファの戦略) 一般貨物 物流事業を活かしてアジア域内・発着輸送に対応1
キーワード:コントラクトロジスティクスを活かす→
P36
資源エネルギー 1 技術力を活かしてより高度なエネルギー輸送に対応3
キーワード:日本郵船グループの技術・安全・信頼→
P40
自動車 自動車物流・ターミナルを活かして アジアでの完成車輸送に対応2
キーワード:ハブ&スポーク、完成車一貫輸送→
P38
資源エネルギー 2 世界ネットワークを活かして 海外資源エネルギー輸送に対応4
キーワード:お客さまの近くへ→
P42
コンテナ船への投資額をゼロとしましたが、 事業規模を縮小するということではありま せん。世界のコンテナ荷動きに合わせ、船腹 量を拡大させる計画です。ただし、市況の下 振れリスクを最小化するために、船隊ポート フォリオを変化させていきます。詳しくは P50をご覧ください。Point
自動車船、中小型バルカー、
LNG
・海洋事業を中心に
1
兆
8,000
億円を投資
(百万TEU) 年率11.5%成長 250 200 100 50 年率7%成長 150 0 計画前提①:世界のコンテナ荷動き 01 03 05 07 09 11 13 15 出典:Drewryおよび日本郵船予測 2010年はリーマン ショック前の105% (万台) 年率8%成長 2,500 2,000 1,000 500 年率5%成長 1,500 0 計画前提②:世界の完成車荷動き 00 02 04 06 08 10 12 14 16 出典:日本郵船予測 2010年はリーマン ショック前の87%収益計画 船舶は投資決定から竣工ま で長期間を要します。この た め、2013年 度 の 計 画 値 と、目指す姿である2016年 度の目標値を掲げています。 運賃安定型事業とは、日本 郵船の強みを活かせる物流 事業と不定期専用船事業* を指します。この事業の経 常利益を毎年10%上積みし ていく計画です。 * 短期cOA(数量輸送契約)・スポッ トを除く
Point
Point
地域別売上高 アジア売上高 2010年度 2013年度 2016年度 アジア(除く中国) 中国 欧州 北米 南米 オセアニア アフリカ 日本28%
30%
34%
(億円) (年度) 2,000 1,000 09 (実績) (実績)10 (計画)13 (目標)16 360 396 400 300 −664 745 1,000 1,300 –1,000 0 運賃安定型事業 それ以外の事業 年率10%成長 事業別経常利益 経常利益計画 (億円) 2,000 1,500 500 1,000 0 定期船事業 航空運送事業 ターミナル関連事業 物流事業 不定期専用船事業 その他事業 10 (実績) (計画)13 (目標)16 1,700 1,300 1,141 (年度)実現に向けて
アジアと運賃安定型事業を拡大
(百万トン) 年率5.0%成長 4,500 4,000 3,500 3,000 2,500 2,000 1,000 500 年率2.6%成長 1,500 0 計画前提③:ドライバルク荷動き 00 02 04 06 08 10 12 14 16 出典:Clarksonおよび日本郵船予測 マイナーバルク 穀物 石炭 鉄鉱石 計画前提④:石油・天然ガス消費量 00 02 04 06 08 10 12 14 16 18 20 出典:IEAおよび日本郵船予測 (石油換算百万トン) 年率1.6%成長 5,000 3,000 年率0.6%成長 年率2.7%成長 年率2.2%成長 4,000 2,000 石油 天然ガス 2010年度(実績)1
兆9,291
億円 2013年度(計画)2
兆3,000
億円 2016年度(目標)2
兆7,000
億円 売上高計画自社の強みを活用した
差別化戦略で、コモディティ化する
競争環境からの脱却を図る
Q
1
前中期経営計画「New Horizon 2010
」および2010
年度 (2010
年4
月1
日∼2011
年3
月31
日)の総括をお願いします。Q
2
2013
年度までの3
カ年を期間とする新中期経営計画を発表されました。計画策定の背景として、どのような経営課題を認識していますか。
Q
8
企業価値向上と株主還元について、基本的な考え方を聞かせてください。Q
5
「More Than Shipping 2013
」を実現する上でのポイントは。Q
3
「More Than Shipping 2013
」にはどんな思いが込められているのでしょうか。Q
7
「More Than Shipping 2013
」におけるCSR
への取り組み方針について聞かせてください。Q
6
新中期経営計画の初年度、2011
年度をどう位置付けますか。Q
4
副題にアジアを掲げていますが、この狙いと背景は何ですか。前中期経営計画の振り返り
新中期経営計画「
More than Shipping 2013
」
2
つのプロジェクトを完遂
2008
年4
月にスタートした「New Horizon 2010
」では、 「成長」「安定」「環境」の3
つをキーワードに、企業価値お よび利益のさらなる拡大を目指しました。しかし、計画初 年度にリーマン・ショックが発生し、世界の荷動きが激減 するなど、これまでに経験したことのない危機に直面しま した。私たちはこうした状況に対応すべく、緊急構造改革 プロジェクト「宜候(ようそろ)プロジェクト」を即座に策 定し、2009
年1
月から抜本的なコスト削減の実施に踏み 切りました。 同プロジェクトでは、燃料費などの削減だけでなく、船 や倉庫、トラックなどあらゆるアセット(事業資産)の棚卸 処分にも注力しました。この結果、2
年間で総額1,000
億円以上のコスト削減を実現す ることができました。徹底したコスト削減は、現在も継続しています。 また、2009
年10
月には「New Horizon 2010
」を見直し、従来の戦略を再考する事 業と、より強化する事業とを見極めることで、事業ポートフォリオの再構築を図りました。 高い成長と安定収益が見込める物流事業や資源エネルギー輸送などに積極的に投資す る一方、コンテナ船隊のライトアセット化とノンアセットビジネスであるフォワーディン グ事業の強化を同時に進め、市況変動からの脱却を図りました。このように、短期間で 大きな構造改革を完遂したことで、今後さらに「攻め」の戦略に集中できる体制が整い ました。Q
1
前中期経営計画「New Horizon 2010
」および2010
年度 (2010
年4
月1
日∼2011
年3
月31
日)の総括をお願いします。 コスト削減額 09 (実績) (年度) (実績)10 (計画)11 (計画)12 (計画)13 746 282 100 100 (億円) 100 1,000 750 500 250 0 new Horizon 2010 2008年4月より3年間を対象とし た中期経営計画。海・陸・空の事 業拡大で過去最高益となった前中 期経営計画の路線をさらに発展さ せ、「モノ運び」グローバル企業を 目指しました。また、成長と同時に 環境問題を最重要課題と捉え、環 境先進企業になることも示し、さま ざまな技術開発に取り組みました。 フォワーディング事業 船舶や航空機を直接運航するので はなく、輸送スペースを調達した り、陸上で輸出入に必要となる諸 手配を、お客さまのニーズに合わ せて組み合わせて提供する輸送 サービス。荷受地から仕向地まで の貨物輸送を手がける。2010
年度の業績は、コスト削減および
定期船事業の収支回復で大きく改善
「New Horizon 2010
」の最終年度となった2010
年度の経常利益は、1,141
億円とな りました。緊急構造改革によるコスト削減に加え、定期船事業における収支の急回復が 大きな要因です。同事業の経常利益は、2009
年度に554
億円の赤字でしたが、当年度 は302
億円の黒字に回復するなど、この1年で856
億円の大幅な改善となりました。 この背景には、世界中のコンテナ船各社による運航船の減速運航あるいは係船の広 がりがあります。これは、荷動きが減少したことを受けてコンテナ船各社が個別に行っ たことですが、燃料代の高騰もあり運航費の削減効果もありました。こうした状況の中 で、荷動きが想定以上に早く回復し需給が急速に逼迫することとなり、運賃の急上昇に つながったのです。 しかし、コンテナ船には長期契約がなく、その時々の需給状況によって運賃レベルが 決まります。実際、当年度の定期船事業の経常利益を上期と下期で見ると、上期261
億 円に対し、下期は40
億円と低下しました。これは荷動きの回復に伴い、世界中で係船し ていた船が一斉に動き出したことで需給が緩み、運賃レベルが下落したことによります。 しかしながら、リーマン・ショックを教訓に、需給環境の急激な悪化による影響を軽減 すべく、当社はコンテナ船隊に占める短期用船比率の増加やフォワーディング事業強化 などを通じて一般貨物輸送事業のライトアセット化を推進していきます。 (億円) 2,000 1,000 08 09 10 (年度) –1,000 0 セグメント別 経常利益 定期船事業 ターミナル関連事業 物流事業 航空運送事業 客船事業 不定期専用船事業 その他 不動産業 (億円) 200 100 –100 0 –200 定期船事業 四半期経常利益 –186–179 –120 –68 103 158 68 –28 09 10 3Q 2Q 4Q 1Q 1Q 2Q 3Q 4Q (年度) (%) 13 10 20 10 –10 –20 0 世界コンテナ需給動向 (対前年増減率対比) 06 (年) 07 08 09 10 10 16 12 14 5 12 –10 6 船腹増減率 コンテナ荷動き増減率 出典:Drewry, Fairplay/各種報道 減速運航 最大速度24ノットで運航する船舶 を7∼8割まで船速を落とすこと で、燃費効率が格段に上がります。 一般的に、8,000TEU(20フィート コンテナ換算個数)型のコンテナ 船の場合、24ノットで運航すれば、 1日当たり220トンの燃料を消費し ますが、これを18ノットに下げれば 燃料消費は100トンと半分以下に。 燃料価格650ドル/1トンとする と、18ノット運航で、1日当たり約 520万円もコストを削減できます。 係船 運航船を安全な場所で完全に止め ること。船員も全員下船するため コストを最小限にとどめることがで きますが、通常の維持管理もでき なくなるため、マーケットが回復し てもすぐには運航を再開できない というデメリットもあります。海運業界における価格競争から、
付加価値競争へのシフト
残念ながら、コンテナ船業界はコモディティ化が進んで います。1980
年代半ばまでは、欧米からシフトした世界 の生産の中心は日本であり、欧米への輸出のほとんどが 日本からのものでした。そのため、大手欧米船社と邦船 社が、アジア−欧州、北米航路を寡占した状態が続き、あ る意味コンテナ船業界はニッチ産業でもありました。 しかし1985
年のプラザ合意以降、急激な円高に対応 するため韓国、台湾、続いてASEAN
や中国における廉 価な労働資源を求め、生産のアジアシフトが急速に進み ました。この結果、欧米への荷物で日本が占める割合は わずか5
%に激減し、今や中国が7
割程度を占めるに至っ ています。日本からの輸出量に比べて、他のアジア諸国 からの輸出量の割合が増大するに伴い、またトレードの 規模も飛躍的に拡大した結果、アジアやその他欧州船社 の新規参入が相次ぎ、ニッチ産業だったコンテナ船業界の様相は一変しました。運航船 腹量の急速な増加は、常に運賃に下方圧力をかける状況となりました。 一般的に、コモディティ化が進んだ産業では価格競争が激化します。それはコンテナ 船業界も例外ではありません。私は、価格競争に真っ向から挑むのではなく、事業の付 加価値化・差別化により、こうした状況からいち早く抜け出したいと考えています。これ は、当社グループがこれから先50
年、100
年と成長を続けていくためには、避けること のできない最大の経営課題です。Q
2
2013
年度までの3
カ年を期間とする新中期経営計画を発表されました。 計画策定の背景として、どのような経営課題を認識していますか。 プラザ合意 1985年9月22日、G5( 先 進5カ 国蔵相・中央銀行総裁会議)によ り発表された、為替レート安定化に 関する合意。発表の翌日の1日(24 時間)で、ドル円レートは1ドル235 円から約20円下落。1年後にはド ルの価値はほぼ半減し、150円台 で取引されるようになりました。 aSean 東南アジア諸国連合(Association of South‐East Asian Nations)。 東南アジア10カ国の経済・社会・ 政治・安全保障・文化での地域協 力機構。インドネシア、シンガポー ル、タイ、フィリピン、マレーシア、 ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、 ラオス、カンボジアが加盟。従来型海運業にプラスアルファの戦略で
差別化を
「
more than just a shipping company
」を略して「more Than Shipping
」としました。 私たちは船会社ですが、単なる船会社としてでなく、プラスアルファの戦略で差別化を 図り、より独自性のある船会社として成長を目指していこうとの意味が込められてい ます。 私たちが考えるプラスアルファの戦略は、以下の両輪から成り立ちます。まずコンテ ナなどの一般貨物や自動車関連では、当社の特徴である物流事業・ターミナル事業を 活かして差別化を図ります。つまり、船以外の輸送インフラを組み合わせるという意味 でのプラスアルファです。 具体的な戦略として、ワン・ストップの物流サービス提供があります。物流業界では 最近、自らアセットは持たず、海上・陸上輸送はもちろん、倉庫、通関業務から場合によっ ては航空貨物まで、ワン・ストップで物流サービスを提供するフォワーダーの存在感が 増しています。お客さまからすれば、複雑な物流を一括で任せることで、業務の手間が 省けるだけでなくコストも抑えることができるからです。こうした動きは、自前でワン・ス トップ・サービスを実現する当社グループにとってまさに大きなビジネスチャンスです。 従来のコンテナ船サービスの提供だけでは価格競争に巻き込まれがちですが、ワン・ス トップ・サービスを提供することで、幅広くビジネスチャンスを得ることができるのです。 次にタンカー・ドライバルクなど資源エネルギー関連では、長年積み上げてきた船舶 管理などの技術力を活かし、より高度なエネルギー輸送や海洋事業を行います。これ は、高度な技術を要する船で差別化を図るという意味でのプラスアルファです。また、 不定期専用船に関する現地法人の世界的ネットワークを活用し、地域密着型でお客さま と密にコンタクトしながら営業を展開することも考えています。(それぞれの詳しい内容 については、P36
以降をご覧ください)Q
3
「More Than Shipping 2013
」にはどんな思いが込められているのでしょうか。日本郵船の差別化戦略 事業環境 海運業のコモディティ化+価格競争 経営課題 価格競争からの脱却→付加価値競争(差別化)へ 日本郵船の差別化戦略
More Than Shipping =従来型海運業 の戦略
仕掛け①+②で、戦略の実効性をより確かなものに 市況上昇の 追い風がない中、 安定収益の積み上げで、 さらなる成長を目指す 仕掛け① 日本郵船が有する あらゆる輸送 インフラの活用 仕掛け② ハードを活かし、 付加価値を創出する 人材の育成 プラスアルファ① 船 + 船以外の輸送モード プラスアルファ② 単純な輸送 + 高度な技術 プラスアルファ
Q
4
副題にアジアを掲げていますが、この狙いと背景は何ですか。世界の経済成長の中心はアジアに
今後、日本発着貨物の大きな伸びが見込めない中、当社の成長にとってアジアはどうし ても欠かせない市場です。 ご承知の通り、日本は少子高齢化と人口減少が同時に進行しています。これらと全く 違う動きを見せるのがアジアです。生産年齢人口の多さを表す人口ボーナスは2
倍に達 し、豊富な労働力で高い経済成長が可能であることを示しています。この人口ボーナス 期は2030
年ごろまで続く見通しです。物流は人口に比例する産業ですから、アジア地 域が大きなポテンシャルを秘めていることは間違いありません。実際、アジア地域諸国 は生産国から消費国へと移行しつつあり、アジア域内の荷動きも2
ケタ成長が続くと予 想されています。アジアで「飛躍する」準備はできている
成長市場ではあるものの、輸送距離の短いアジア域内ビジネスでは、欧州航路や北米 航路のような利益規模を期待することはできません。欧州航路に比べ運賃レベルは低 く、また他社も同様にこの拡大する荷動きを狙っているため、アジア域内は世界で最も 熾烈な競争にさらされているともいえます。 こうした市場で海運だけのビジネスを展開しても、利益をあげるのは難しいのが現状 です。しかし当社は、アジアが急速な経済発展を遂げる以前から同地域に着目し、海運 以外の事業基盤も築き上げてきました。すでに「NYK
」のブランドは地域に根付き、知 名度も非常に高いものとなっています。地道に取り組んできた陸上輸送サービスや倉 庫、通関業務などのフォワーディング業務を活かさない手はありません。すでにアジアで 「飛躍する」準備は整っています。 • 輸出ターミナルの運営 • カーキャリア約75台を運行 • ステベドアリング事業をJVで開始 • 中国4大港での自動車専用 ターミナルへの参画 • カーキャリア約1,000台を運行。 外資系で最大規模 • ムンドラ港にてPDI業務を展開 • トップシェアメーカーとの関係を構築。 欧州へ約10万台を輸出 • カーキャリア約50台を運行 • 積み替えターミナルを整備 • アジア諸国からの貨物を一旦集め、 世界各地に向かう船に積み替え アジアでの事業基盤(完成車輸送) 天津 大連 上海 広州 シンガポール タイ ムンドラ 人口ボーナス (15∼64歳人口)÷(∼14歳+65 歳∼)の値が2以上になると、経済 成長が加速する期間のこと。人口 ボーナス期は原則1国1度だけ。日 本の高度成長も人口ボーナス期に あたります。 主要国・地域の人口ボーナス 1950 1970 1990 2010 2030 (年) 2050 日本 中国 アセアン インド EU27 米国 3.0 2.5 1.5 1.0 2.0 出典:日本郵船調べQ
5
「More Than Shipping 2013
」を実現する上でのポイントは。ハードを活かし、付加価値を創り出す
社員一人ひとりの力
アセット(事業資産)は、差別化を図る大きな源泉ですが、 持っているだけでは意味がありません。差別化は、ハード (アセット)ではなく、ソフト(社員)の部分でこそ生み出 せると考えています。お客さまのニーズを掴み、アセット を効率よく動かす。そして低コストで高品質のサービス を提供することが我々の差別化の基本です。それができ るのは、アセットを活かせる人間(社員)だけです。だから こそ、私たちは人材育成に何より力を注いでいるのです。 その育成方針としては、まず船が基本です。 私自身、入社して初めての仕事は不定期船の運航に関 わる業務でしたが、そこで学んだ知識やノウハウは、その 後大きく役立ちました。社長就任後すぐに、「宜候プロ ジェクト」で燃費の節減に取り組んだ時も、当時の経験か ら燃料消費に関するメカニズムについて具体的なイメー ジを持つことができ、机上の空論になることなく、適切に指揮を執ることができました。 ぜひ若手社員には船舶の運航経験をさせたいと考えています。 また、船以外の事業に関する知識・ノウハウの習得にも、それなりの時間とコストが かかります。しかし、船と倉庫、トラックは荷役作業や安全対策の面で共通しています。 船とは一見違うように思える倉庫管理やトラック輸送業務も、船が基本にあれば、ゼロか ら覚えるより短期間で習得することが可能です。 すでに人事部門には、新入社員全員が最初に船の運航を経験するように、指示してい ます。その後は、あらゆる事業・セクションを経験してもらいます。ただ、当社グループ の業容は多岐にわたる上、社員一人ひとりの適性もありますので、すべての事業を経験 するというのは難しいでしょう。そこで、ある一定の年次になれば、海運、倉庫、物流、 航空などあらゆる知識を必要とする一般貨物輸送事業と、ファイナンス組成などにおい て専門性を必要とする不定期専用船事業に分かれて、それぞれでキャリアアップを実現 してもらう制度の導入を検討しています。「安定収益」の創出に注力する
1
年
「New Horizon 2010
見直し」と「宜候プロジェクト」では、2
つの「安定」に取り組んで きました。ひとつは、コンテナ船隊のライトアセット化によるボラティリティ(業績変動) の「安定」。もうひとつは、資源エネルギー輸送での長期契約の獲得による「安定」した 収益の確保です。狙いは、2007
年度のようなドライバルク市況の高騰という追い風が ない中、定期船事業の業績下振れリスクを極力減らし、安定収益を積み上げて着実な成 長を目指すことでした。この方針は新中期経営計画においても踏襲していきます。 そうした中、2011
年度に特に注力したいのが、運賃安定型事業です。運賃安定型事 業とは、一般貨物輸送事業における物流事業と、不定期専用船事業のうちの長期契約 船を指します。物流事業は、利益率が低いと思われがちですが、お客さまとの接点も広 く、実は収益的に安定しています。不定期専用船も長期契約を基本とするため、安定的 な収益が見込めます。長期契約比率は、一部の船種で約5
割ですが、ほとんどが8
割以 上となっています。今後もできる限り長期契約を獲得するよう努力する考えです。また 長期契約をきっかけに、お客さまとの信頼関係も深まればcOA
も任せていただけ、さ らにスポット輸送にも対応していけます。このように、ビジネスの間口が広がっていくこ とが期待できます。「
more Than Shipping 2013
」では、経常利益目標の大半をこの運賃安定型事業で 稼ぐ計画です。2013
年度、運賃安定型事業による経常利益目標1,000
億円の達成に向 け、初年度からしっかりと取り組んでいきます。Q
6
新中期経営計画の初年度、2011
年度(2011
年4
月1
日∼2012
年3
月31
日)をどう位置付けますか。 バルク・エネルギー輸送で長期契約の獲得 当社運航隻数 長期契約比率 ケープサイズ 105 80% パナマックス 84 55% チップ船 50 80% vLcc 35 85% LNG船 63 100% COa 数量輸送契約。一定の期間に一定 数量の特定貨物を、特定の積地か ら特定の揚げ地に一定の運賃で輸 送するという契約。 (億円) (年度) 2,000 1,000 09 (実績) (実績)10 (計画)13 (目標)16 360 396 400 300 −664 745 1,000 1,300 –1,000 0 運賃安定型事業 それ以外の事業 年率10%成長 運賃安定型事業で稼ぐ環境保全と安全対策が経営の軸
cSR
は当社グループの成長戦略を支える基盤であるとい う認識は、新中期経営計画でも変わりません。 環境保全については、これまでと同じく燃料消費量の 削減がポイントとなります。船舶のcO
2排出は、運航に よる燃料消費が約9
割を占めます。また、燃料油が高騰 しています。現在1
トン当たり燃料費は約650
ドル、船腹 量の大きいコンテナ船なら1
日に220
トンもの燃料油を 消費するため、その燃料コストは約14
万ドルにも上りま す。つまり、燃料消費を削減することができれば、cO
2排 出量を削減するだけではなく、収益改善にも大きく貢献 します。今後、2015
年度までに2010
年度比で燃料消費 効率10
%の向上を目指します。 安全対策もこれまでの方針と変わりはありません。物 流は世界経済の血管です。だからこそ、海難事故などに より環境に重大な悪影響を及ぼし、経済発展に支障をきたすようなことは、絶対にあっ てはなりません。安定したモノ運びを提供し続けることが、当社グループの社会的使命 であり、長期的な企業価値の向上に向けた道筋だと考えています。当社グループの事 業そのものがある意味cSR
だと考えています。 今、持続可能な社会の発展に向けて自らの社会的責任(Social Responsibility: SR
) を認識し、その責任を果たすべきとの考えが世界中で広まっています。当社グループ は、果たすべき責任の大きさを十分に認識し、より一層グローバルな視野を持ってcSR
を強化していきます。必要な投資は積極的に進める
「