ターミナル関連事業
航空運送事業
業績のポイント
コンテナ貨物の荷動き拡大が寄与
2010 年度は、世界的な景気回復に伴い、コンテナ貨物の荷動きが堅調に 推移したことにより、コンテナターミナルにおける貨物取扱量は前年度か ら増加しました。この結果、当年度の売上高は前年度比 121 億円( 11.0 %)
増の 1,224 億円、経常利益は同約 2 倍となる 66 億円となりました。
2011 年度も、既存ターミナルの品質と取扱い能力を強化するとともに、
高い経済成長が見込まれる新興国・地域を中心にターミナルのネットワー クを拡げて変化するニーズに柔軟に対応していきます。
業績のポイント
1
年前倒しで黒字化達成当事業を展開する日本貨物航空( NcA )における当年 度の業績は、売上高では前年度比 246 億円( 39.4 %)増 の 872 億円、経常利益では同 229 億円増の 78 億円とな
りました。当初の計画では、 2011 年度黒字化に向けて 体質改善を図ってきましたが、運賃水準の適正化、荷動 きの回復、 2009 年度より取り組んできたコスト削減が 奏功し、 1 年前倒しで黒字化へ転換、さらには NcA と して過去最高益を達成しました。
ターミナル関連事業売上高推移
07 08 09 10
(億円)
1,224 2,000
1,500
1,000
500
(年度)
0
積極的に運航する事業戦略の下、前年度より機材稼働 時間の向上に取り組んできました。柔軟な運航・整備 体制の構築に努め、チャーター便の依頼に対応できる 体制が整い、引き受けが増加した結果、 1 機 1 日当たり の機材稼働率は前年度の 12.3 時間から当年度は 13.5 時間まで大きく改善することができました。
今後の事業戦略 競争力のさらなる強化
今後もアジアを中心に高い航空輸送需要が期待される 中、さらなる競争力強化に努めます。特に注力するの が、 NcA の主要拠点である成田での競争力強化です。
これまで成田空港北部貨物地区に点在していた貨物上 屋 * を、 2011 年 5 月に成田空港南部貨物地区に集約し ました。この集約には 3 つの狙いがあります。 1 つは、
集約による効率化。 2 つ目は、さまざまな施設が混在す る北部地区から移動することで、荷作業がスムーズに なります。また、将来の施設拡張も可能です。 3 つ目は、
これまで委託していた輸入貨物の上屋業務を、自社運 営に切り替え顧客サービスを充実させます。これらの 取り組みを通じて、サービスの質を高め、さらなる差別 化を図っていきます。
* 貨物の荷捌き、積み降ろし、保管などに使用される建物。
業同様、海外市場、特にアジア市場での拡大が鍵を握り ます。しかし、航空は外資の参入規制が強い産業で、
NcA 単体での参入は困難です。そこで中国、あるいは 欧米でのパートナーの選択を研究していきます。
なお、チャーター便・臨時便の需要はまだ拡大余地 があり、引き続き新規需要の獲得に注力します。当年度 の売上高で 7.4 %となったチャーター便・臨時便の割 合を、 2016 年度までに約 2 倍の 14.9 %にまで拡大して いく計画です。
航空運送事業売上高推移
1,500(億円)
1,000
500
07 08 09 10
(年度)
872
0
(10億RTKs)
0
航空貨物の需要見通し
800
400
200 600
高
出典:Boeing社 World Air Cargo Forecast 2010-2011
基準 低
99 04 09 14 19 24 29 年間1.9%の成長率
平均年間成長率 2009−2029 高 6.6% 基準 5.9% 低 5.2%
東日本大震災による当部門への影響 加藤 正博
代表取締役・専務経営委員
不定期専用船戦略会議議長、自動車輸送本部長、エネルギー輸送本部長、客船本部長
「 more Than Shipping 2013 」における部門戦略
自動車船部門
中国のビジネスモデルを他の地域で
世界の自動車市場は、 2011 年以降、年率 5 %程度の成 長を持続していく見通しです。また、地域別の出荷動向 では、アジア(タイ・中国・インド)からの出荷が増加 傾向にあります。
日本からの出荷台数と三国間の輸送台数の割合は、
2006 年度に約 2 : 1 だったものが、足元ではほぼ 1 : 1 となっています。これは、日本からの出荷台数が減る一 方で、タイやインドネシアからの出荷台数が増えたこと によるもので、この傾向は今後も変わることがないと見 ています。当社グループが世界各地に輸送拠点を持つ 必要性は、これまで以上に高まっていると言えます。
今日、世界最大の自動車市場に成長した中国におい て、当社グループは、陸上輸送、内航船による完成車の 中国沿岸輸送、主要 4 大港(大連、天津、上海、広州)で の完成車専用ターミナルへの参画、物流センターや PdI* の運営、生産部品調達に関する物流サービス提供
完成車輸送事業においては、震災直後、部品不足から自動車メーカーの生産がストップし、輸送する完成車がない 状態が続きました。発生から
1
カ月後にはほぼすべての自 動車メーカーで生産が再開されましたが、稼働率は5
割程 度に留まりました。しかしその後は、稼働率も徐々に改善 の兆しを見せており、9
月ごろからはフル稼働に戻ると見 込んでいます。船隊については、需要そのものが落ち込んでいるわけ ではないため、縮小することは考えていません。完成車の 生産・出荷再開を待ちます。ただし、待機中のコストを極 力削減します。例えば、海上でエンジンを切り、潮流の力 だけで航行することで、燃費を抑えます。また、運航再開
まで一部の船員を残した状態で船を止める係船の検討を 行うなど、必要最低限の体制にしてコストを切り詰めてい く予定です。
一方、石油や石油製品については、被災した一部のお 客さまから、精製工場の稼働停止などを理由に、長期契 約を見直す動きが出てきています。しかし部門業績への 影響は限定的であると予想しており、基本的には生産・出 荷の再開を待つ考えです。
また、震災の影響で電力供給が心配されており化石燃 料の緊急輸入が必要とされています。当社としては
LNg
輸送、石炭輸送、原油輸送を通して電力供給に貢献すべ く全力で取り組んでいます。エネルギー輸送部門(石油、ケミカル・ LPG 船、 LNG 船、海洋事業)
長期安定収益と新たなビジネスチャンスの追求
世界の原油海上荷動きは年率約 0.6 %で成長していく 見通しです。当社グループとしては、特に需要が底堅い アジア向けの輸送に注力していきます。また、川上のオ イルメジャーとの輸送契約獲得だけでなく、中間にい る石油精製企業との長期契約獲得の可能性も探ること で、さらなるビジネスチャンスの拡大を目指します。
その一環として 2011 年 2 月には、タイ国営石油会社 傘下の石油精製企業 Thai Oil 社(タイ)と原油輸送の合 弁会社を設立しました。合弁会社は、当社が保有する vLcc タンカー Tenyo を買い取り、 Thai Oil 社と 10 年間の長期定期用船契約を締結しました。船会社とし ては珍しい石油精製企業との新たな合弁事例として、
他にも応用していく考えです。
LNg 事業は、 2015 年頃からナイジェリア、インド、
オーストラリアなどで新プロジェクトが次々に動き始 めます。 30 〜 40 隻程度の新たな船腹需要が見込まれ、
大きなビジネスチャンスとなりそうです。プロジェク トの動向に合わせて船隊整備を進めるとともに、長期 契約を確実に獲得することで、長期安定収益を確保し ていきます。
海洋事業は、陸上および浅い海底での石油・ガス採 掘に限界が見えてきている中、資源メジャーが深海油 田への投資を拡大させており、高い成長性が期待でき ます。将来的には深海のガス田開発も本格化する見通 しです。当社グループがこれまで培ってきた高い技術 力を武器に、海洋事業は将来間違いなく長期安定収益 源となります。 (詳しくは P40 をご参照ください)
など、あらゆるメニューとソリューションを提供でき る体制を整えています。今後は、中国で完成車に関わる 物流ニーズを多角的に取り込んだノウハウを、他の新 興市場へと展開させていく考えです。
特に注力する地域がインドです。専用トレーラーに よる陸上輸送、物流センターおよび PdI 拠点の運営、さ らには完成車鉄道輸送への参画など、事業体制はある
程度整いつつありますが、市場の成長性を考えればま だ不十分です。また、完成車の輸出国としても期待され るインドでは、輸出基地となる港湾の整備も重要です。
インド北西部のムンドラ港をはじめ、インド東岸、西岸 のそれぞれで完成車ターミナルの建設を検討・推進し ていきます。
* Pre delivery Inspectionの略。完成車の納品前点検・補修・部品補給 サービス
世界の完成車荷動き 中国完成車物流サービスマップ
• 天津ROROターミナル
• 天津グローバルROROターミナル
• 広州南沙ROROターミナル
内航沿岸輸送 主要航路 カーキャリアに よる内陸輸送 天津 大連
上海
• 上海海通ROROターミナル
• 大連ROROターミナル
広州
計画前提②:世界の完成車荷動き
00 02 04 06 08 10 12 14 16
出典:日本郵船予測
(万台)
年率8%成長 年率5%成長
0
2010年はリーマン ショック前の87%
0 500 1,000 1,500 2,000 2,500