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つの要素があるように思います。まず、

ドキュメント内 アニュアルレポート2011 (ページ 73-77)

1 輸送協力( 2010 年度実績)

その背景には 3 つの要素があるように思います。まず、

海運という事業の性質があるのでは。海は外向性、つま り世界に向いた志向を強く意識させるため、必然的に柔 軟でオープンな空気が醸成されるのだと思います。

 二つ目は、国際競争の中で重要なことですが、政府の 関与や規制が少ないことです。例えば、航空などは政府 の規制が残るため、国際競争力は決して高いと言えま せん。一方、海運は、これまで民間の自由な活力が存分 に発揮されてきました。

 三つ目は、世界を相手に勝負しているということです。

これが最も大きな要因だと思います。世界を相手にした 事業環境は千変万化、しかも早い速度で動いています。

海外の売上高比率が 50 %を超える企業は、柔軟な組織 構造を持たざるを得ません。そうでない企業との差は歴 然としてきます。

 当社は、海外の売上高比率が 80 %を超えます。また船 というものは、耐用年数が 20 年以上あるため、世界を相

当社では、幅広い分野から選任した社外取締役が積極的に経営に関与することで、

経営の健全性・客観性の向上に努めています。

今回のアニュアルレポートでは、社外取締役の

2

人に、コーポレート・ガバナンスに限らず 日本郵船全体の強みがどこにあるのか、外部から見た率直な話を聞きました。

左より

社外取締役 

百合

社外取締役 

岡本 行夫

手に長期的な視野での思考が求められます。常に自ら立 ち位置を検証し変化に対応していかなければ、仕事にな りません。

 これらのことが、人材面で、柔軟に戦略を考える体質 をもたらし、同時に会社の前進力にもつながっていると 思います。

Q.

経営陣およびコーポレート・ガバナンス体制への 評価を聞かせてください。

取締役会のメンバーとは、ずいぶん議論させてもらって います。取締役全員に「変革なくして生き残ることはでき ない」という危機感があり、貪欲に知識・情報を得ようと する姿勢が見られます。感心しています。

 コーポレート・ガバナンスについては、法令遵守など 基本的なガバナンス体制に問題はありません。より大切 なことは、広い意味でのガバナンスです。今の世界では、

法律上は問題なくても、社会的か、倫理的か、といった社 会正義が問われるようになりました。

 特に欧米では、それが重要な潮流となってきています。

教育関連の投資ファンドや年金基金などが、企業に対し て社会的・道徳的な要素も含めたガバナンスを要求する ようになったことも与っています。法令遵守だけでは不十 分なのです。

 当社は、企業の社会的責任について、確固たる考えを 持っていると思います。加えて、フットワークが軽く対応 が早い。東日本大震災への対応は好例でしょう。コーポ レート・ガバナンスは大変良い体制で実行されていると 思います。

Q.

この度、新中期経営計画「

More Than Shipping 2013

」が発表されました。どのような印象を持ちまし たか。また、計画の策定にどのように関わりましたか。

総合的な物流サービスという戦略の方向性は正しいと 思います。収益の機会を多くすることで、常に変化する 世界のニーズに対応できます。

 これまで収益を上げていた事業が、外的要因で損を 蒙るようになることもあります。そうした場合に備え、お 客さまのニーズを理解し、業態を成長・進化させ、利益 が見込める事業で収益を確保していこうという考え方 は、企業として正しい姿だと思います。

 計画の策定にあたっては、私の関心分野である世界 情勢の分析・見通しもご紹介しながら社内の議論に参 加させてもらってきています。そういった場を提供して もらっていることに感謝しています。

Q.

日本郵船が今後グローバルに成長していくための 条件とは何でしょうか。

日本郵船の特長である柔軟性と即応性をより一層伸ばす 必要があります。

 世界情勢は予想以上の規模と速度で変化し、主役が交 代しつつあります。 IT の普及が生産性向上のペースに大 きな変化をもたらし、経済の中心が先進国から新興国へと 移行しています。金型製造を例にとると、日本は、職人技 を武器に品質で他の追随を許しませんでした。しかし今で は、 cAd などを活用してデータ化し国境を越えて移転す ることで、どこでも同じような品質の金型を作ることが可 能になりました。

 このように IT 化により各国の生産性格差が縮小する中 で、重要なのは人口の増加です。人口というものが国の 潜在成長力を規定するようになってきています。

 中国をはじめインド、ブラジル、アフリカなど、人口の多 い地域が確実に成長しています。物流需要もこれに比例し て増加しています。一方、先進国では多様性を活かせる国 が競争を勝ち抜いています。会社としていま持っている戦 力を改めて点検し、多様な価値観を包摂した新たなプラッ トフォームを構築することが重要です。

 グローバル化の中で競争条件は厳しくなってきていま

す。勝ち抜いていくためには、アンテナを高くして、常に

事業環境や世界的な構造の変化を捉えておく必要があり

ます。ますます対応の速さや柔軟性が重要になってきてい

ます。

考えますか。

私は徹底した現場主義なので、抽象的な議論ではなく、

常に具体的なケースについて、少しなりとも貢献してい きたく思っています。

 具体的な議論をするには、日本郵船の現場をより深く 理解する必要があります。そのためにも、現場の最前線 にいる社員の人たちと密に接する機会が多くなるように 心がけたいです。特に若い社員と接したいですね。これ は、若手に私自身が積み重ねてきた経験を伝えるという

な意味があります。

 常に人間は実力勝負です。年齢、性別、国籍は関係あ りません。自分の経験にあぐらをかいてはいけません。

自らを成長させ続けていかなければ競争についていけな くなると、自戒しています。

 単に会話を交わすだけでなく、若い社員の人たちが持 つ情熱や意識から学びたいです。さまざまな議論をしな がら当社の発展に寄与できれば、こんなに嬉しいことは ありません。

翁社外取締役インタビュー

Q.

社外取締役就任から今年で

3

年が経ちました。この

3

年間で日本郵船への印象に何か変化はありましたか。

リーマン・ショック後、宜候プロジェクトを通じて相当なコ スト削減に取り組んできました。コスト削減の目途もつ き、これから新興国の成長をにらんだ攻めの戦略への転 換が進んでいきます。こうした一連の流れを見てきて、

工藤社長の所信が社内にかなり浸透してきたという印象 を持っています。東日本大震災の影響は依然不透明な部 分を残していますが、世界経済の方向性が見えてきて、

当社の戦略も明確になってきたと感じます。

Q.

外部の視点で見て、日本郵船の強みは どこにあるでしょうか。

世界にはりめぐらしたネットワークが物流事業において結 実したグローバル企業であるということです。日本市場 は高齢化で市場が縮小していくと考えられますが、世界 を主戦場とする当社には、成長の余地が随所にあると考 えています。長年蓄積してきたネットワークや世界各地 の顧客基盤は大きな強みです。

 さらに、人材も当社ならではの強みとなっています。

大企業であっても、社員同士のコミュニケーションが活 発で社風も明るく、ロイヤリティも高い。社員は世界各地 で仕事をするため、グローバルに通用する能力を自然と 身に付けていると思います。また、外航海運というのは 船員が非常に大切です。このため、当社は早くからフィリ

ピンに商船大学を設立し、地域に貢献しながら、優れた 人材を育成し受け入れる努力をしています。

Q.

経営陣およびコーポレート・ガバナンス体制への 評価を聞かせてください。

経営陣の対応は迅速で的確です。リーマン・ショック後、

緊急構造改革の策定・実行も早かったですし、今回の新 中期経営計画の発表のタイミングも大変よかったと思い ます。長期的な視点に立ち、さまざまな視点から経営の 方向について早め早めに検討を重ねていく姿勢を見て、

極めて重要な取り組みだと思いました。ただ、取締役会 では、社内の取締役からの意見があまり多くはありま せん。事前に議論が尽くされているため、それ以上発展 させるのは難しいのかもしれませんが、もう少し自由な 発言、活発な議論があってもよいと思います。

 ガバナンス体制に目を向けてみると、上場企業の中で も社外取締役を入れている企業が半数程度にとどまる 中、当社の導入は比較的早かったほうではないでしょう か。社外監査役も選任されています。海外投資家の目は 特に厳しくなってきているため、経営の透明性を高めるこ とは、世界で事業を展開する当社にとって大変重要です。

2009 年秋に実施した公募増資により、外国人株主比率

のウエイトも高くなりましたが、期待に十分応えられる体

制になっています。

ドキュメント内 アニュアルレポート2011 (ページ 73-77)

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