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論文内容要旨

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Academic year: 2021

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論文内容要旨

論文題名

Decisive differences in the bone repair processes of the metaphysis and diaphysis in young mice

若年マウスの長骨骨幹端および骨幹部における骨修復過程の差異

掲載雑誌名

Bone reports 8, 1-8, 2018.

口腔解剖学 井上 知

内容要旨

【目的】ヒトにおける骨折の多くは橈骨遠位端、上腕骨近位端などの長骨 骨幹端で発生する。これまで骨損傷修復過程の研究は様々な動物、方法、

年齢で行なわれてきた。しかし多くの研究は長骨骨幹部を用いて行われて おり、骨幹端における治癒過程については不明な点が多く存在する。骨幹 端は海綿骨が豊富に存在し、間葉系幹細胞も多く存在することが報告され ており、骨幹部と比較し 損傷時にそれらの細胞を動員しやすく、治癒も 早いと考えられてきた。しかし、両部位の修復過程を直接比較した報告は ない。そこで、本研究ではマウス脛骨骨幹端および骨幹部における骨修復 過程を比較検討した。

【材料及び方法】

8

週齢雄性

ICR

マウスの脛骨骨幹端と骨幹部にそれぞ れドリルで骨孔を作製し、術後

3,4,5,7,14,21,28,35

および

42

日で試料を採取し,マイクロ

CT、トルイジンブルー染色、アルカリフォ

スファターゼ(ALP)染色、免疫組織化学(osteocalcin(OCN)、type

Ⅰcollagen)および

mRNA

発現(骨膜:

sox9、type 2 collagen、

骨髄:

osterix、runx2、typeⅠcollagen

)の解析を行った。

【結果】骨幹端では骨膜側に軟性仮骨は認められず、硬性仮骨もほとんど 観察されなかったが、骨幹部では軟性仮骨が

5

日目、硬性仮骨が

14

日目 をピークに観察された。骨髄内仮骨は骨幹端において、7日目をピークに 観察され、その後、徐々に減少していった。一方、骨幹部では

14

日目で ピークとなったが、21 日目にはほとんど認められなかった。また骨幹端 の骨髄において

ALP、OCN、typeⅠcollagen

が骨幹部より早期に発現が 認められた。骨孔部の

BMD

は骨幹端において早期に回復していたが、両 部位とも

42

日目の段階でも、もとの値までは回復しなかった。リアルタ イム

PCR

解 析 に おい て 、骨 幹 端の 骨髄 に おけ る

osterix、 runx2 、

type1collagen

mRNA

発現が早期に認められ、骨幹部と比較し高い値

(2)

を示した。骨幹部における

sox9、type 2 collagen

は早期かつ高い値で発 現していたが、骨幹端では低値であった。

【考察】骨幹端は骨髄内に形成された仮骨によって修復され、骨幹部の修 復過程とは異なっていた。骨膜や骨髄の存在する間葉系幹細胞は部位によ って組成が異なることが報告されており、骨損傷に対しても異なる反応を 示すことが示唆された。

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