早 稲 田 大 学 リ ポ ジ ト リ の 公 開
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Library Annual Report
2 0 0 5 年 5 月 に 「 早 稲 田 大 学 リ ポ ジ ト リ
(DSpace@Waseda University) 」として学術機関リポジ トリ(以下、リポジトリという)を公開した。
それに先立ち、4月より学内関係箇所への説明を行い、
学内合意形成の構築を進めた。また、学外のワークショ ップ等にも積極的に参加し、情報を収集、コミュニティ とコレクション(注1)およびメタデータ(注2)を調 査・検討した。その間、搭載コンテンツの充実をはかり、
年度末までに2,000件を超える学術情報をリポジトリに登 録するにいたった。
以下、2005年度の主な動きとして、1.コミュニティ、
コレクション、メタデータの基準作成、2.最先端学術 情報基盤(CSI)構築推進委託事業、3. 「早稲田大学リ ポジトリに関する内規」の制定、4.学内推進体制につ いてとりあげる。
コ ミ ュ ニ テ ィ を F a c u l t y ( 学 術 院 等 )、 R e s e a r c h Institutes(付属機関等)、Projects(プロジェクト)、
Library(図書館)の4つに分類した。これはCOE・プ ロジェクト研究所など時限的な組織、あるいは機構改革 等により組織が再編された場合にも柔軟に対応できる
「器作り」を意識したものであり、永続的に学術資料を保 存することを意図している。当初より世界へ向けた情報 発信も目指しているので、コミュニティ名は英語と日本 語の併記とし、コレクション名についても同様に英語名 に続けてカッコ内に日本語名を付すこととした。メタデ ータについては、WINEの目録とは異なり、タイトル、
著者名等をコンテンツに記述されたまま記載し、典拠管 理は行わないこととした。また、タイトルと著者名のカ
ナヨミを省略し、漢字形の著者名には姓名の間にカンマ を入れないこととした。その理由は、WoSやScopusなど の抄録索引データベースやGoogle Scholarなどと整合性 をとるためである。
このメタデータは「大学からの情報発信支援 大学Web サイト資源検索」 (JuNii)にも対応している。
図書館は国立情報学研究所の平成17年度最先端学術情 報基盤構築推進委託事業(注3)の委託先に選出された。
委託事業の題目は「学術機関リポジトリの構築・整備・
拡充」であり、以下の成果を上げている。
1)学内研究成果のリポジトリへの登録
登録件数については、委託事業受託前の497件から 2,041件まで増加した(2006年3月31日現在) 。搭載コンテ ンツの種類についても新たに紀要論文、教材等を加え、
テキスト情報だけではなく音声資料も登録するなど、コ ンテンツの多様化も図った。
2)関連ソフトウェア・ハードウェアの更新
リポジトリ・システムとしてフリーソフトウェアであ るDSpaceを採用しているが、このソフトウェアのバージ ョンアップを遂次行うとともに日本語のインターフェイ スを作成した。また、メタデータのバッチ登録を行った ほか、PDFファイル全文検索インデックス作成、独自仕 様を持つJuNiiからのハーヴェスト対応などの開発を行っ た。
一方、ハードウェアについては増加するデータ量に対 応可能な新たなサーバを導入した。
最先端学術情報基盤(CSI)構築推進委託事業
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DSpace@Waseda University
コミュニティ、コレクション、メタデー タの基準作成
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早稲田政治経済学雑誌(政治経済学術院)
学術研究(教育・総合科学学術院)
早稲田商学(商学学術院)
早稲田社会科学総合研究(社会科学総合学術院)
人間科学研究(人間科学学術院)
スポーツ科学研究(スポーツ科学学術院)
演劇研究(演劇博物館)
語学教育研究所紀要 アイヌ語音声教材 合計
登録準備中のコンテンツ(冊数)
247 203 272 15 20 3 21 40 12 833 学術雑誌論文
学位論文 紀要論文 会議発表論文 教材 その他 25
599 1,321 48 27 21 合計 2,041
収載コンテンツの種類(件数)
2005年度末までの登録コンテンツ
日本語 アイヌ語 英語 中国語 1,904
27 109 1 合計 2,041
収載コンテンツの言語(件数)
29%
66%
2%
1%
1% 1% 0%
94%
1%
5%
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LibraryAnnual Report
ター)管理職者への説明を行った。また、コンテンツ登 録依頼のため5月より順次、早稲田大学政治経済学会、
COE-CAS「現代アジア学の創生」代表者への説明を行い、
同意を得ることができた。次いで、12月2日の学術院長会 における、図書館長からの各学術院を代表する紀要掲載 論文のリポジトリへの登録依頼を受け、学術情報課より 各学術院事務長および担当者に対して説明を行った。
この結果、箇所からの協力を取り付けており、資料に ついてもすでに大部分の学術院から提供を受けている。
現在、登録のための手続きを進めているコンテンツは以 下のとおりである。
学内研究者の執筆論文等の調査及び知的財産権の処理 に関する調査の結果をもとに、学内関係箇所にリポジト リの意義を説明し、各学術院および紀要編集委員会等か らリポジトリに当該論文を掲載することについて同意を 得た。今後、学内研究者個人からの登録申請を受けるた めの知的財産権の処理手続きを進めるにいたっている。
なお著作権については著者あるいは出版社等がそのまま 保持することとし、著作権自体の譲渡は受けないことを 前提としている。そのうえでリポジトリに期限を設けず コンテンツを保存し無料で公開する許諾を得ることとし た。また利用にあたっては、著作権法を遵守し、同法に 定める目的と範囲内で登録された学術資料を使用する旨 の注意を与えることとした。
この方針のもと、知的財産処理にあたって、研究推進 部や早稲田大学リーガル・クリニックに所属する法律専 門家の意見を取り入れて「早稲田大学リポジトリに関す る内規」および「早稲田大学リポジトリ登録申請書」を 策定した。
全学的な事業推進体制としては、本学の情報化推進プ ログラム(2006年〜2014年) 、すなわち、大学全体の情報 化(教育研究系、事務系、図書館博物館系、情報基盤)
計画の事業のひとつとして推進していくこととしている。
学内合意形成のプロセスとして、リポジトリの概要と 意義を知ってもらうため、4月に内覧会、6月に館員への 説明会(内覧会) 、関係箇所(メディアネットワークセン
注1. リポジトリにおける収録単位。コミュニティはDSpaceサイトの最大 の管理単位であり、学術院などの機関名により構成される。一方、
コレクションはコンテンツの種類や研究領域などにより成る。
注2. データについてのデータ。タイトル、著者名、作成日付等から成る 目録データの一種。ダブリンコアという国際規格に準拠している。
注3. 大学等学術研究機関との連携および支援を目的とする国立情報学研 究所(NII)の委託事業。最先端学術情報基盤(サイバーサイエン ス・インフラストラクチャー:CSI)とは「コンピュータ等の整備,
基盤的ソフトウェア,コンテンツ及びデータベース,人材,研究グ ループそのものを超高速ネットワークの上で共有する」ための基盤 である。このCSI構想における学術コンテンツ基盤整備の一環として、
平成17年度に早稲田大学を含む19大学を対象とした機関リポジトリ 構築・連携委託事業を開始した。
「早稲田大学リポジトリに関する内規」の制定
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学内推進体制
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Library Annual Report
(目的)
第1条 早稲田大学図書館(以下、「本学図書館」という。)は、早稲田大学
(以下、「本学」という。)の構成員が作成に関わった電子的形態の学術情報資 料を登録して収集・蓄積し、本学をはじめ国内外に広く提供することにより、
教育・学習活動の支援と研究活動の推進を図り、学術研究の一層の振興に貢献 することを企図して、早稲田大学リポジトリに関する内規(以下、「本内規」
という。)を定める。
(登録の対象となる学術情報資料)
第2条 本学図書館は、次の各号の要件を充たす学術情報資料(以下、「学術 情報資料」という。)について、早稲田大学リポジトリ(以下、「リポジトリ」
という。)に登録する。
一 学術的な研究の成果、又は、学術的に意義のあるもの。
二 本学の構成員(教職員、学生、校友)及び構成員であった者が作成に関与 したもの。
三 電子的フォーマットで作成されているもの。
四 リポジトリに供するサーバに格納し、電子的手段により送信できるもの。
(登録する権利を有する者)
第3条 次の各号に定める者(以下、「登録権者」という。)は、自己が作成に 関与した学術情報資料をリポジトリに登録することができる。
一 本学の構成員(教職員、学生、校友)及び構成員であった者。
二 その他、本学図書館長が特に認めた者。
(登録された学術情報資料の利用)
第4条 本学図書館は、次の各号に掲げる方法により、リポジトリに登録され た学術情報資料を利用することができる。
一 登録された学術情報資料を複製し、リポジトリに供するサーバに期限を設 けず格納する。
二 リポジトリに供するサーバに格納し、又はサーバより送信するに際して、
保存及び利用の便宜のために必要に応じて、登録された学術情報資料の電子的 フォーマットを変更する。
三 リポジトリに供するサーバに格納された学術情報資料を公開し、その複製 物を学内外の不特定多数の者からの要求に応じて電子的手段により無償で送信 する。なお、学術情報資料の複製物を電子的手段により送信するに際して、本 学図書館は、著作権法を遵守し、同法に定める目的と範囲内で当該複製物を使 用する旨の注意を受信する者に対して与える。
(学術情報資料のリポジトリへの登録)
第5条 学術情報資料をリポジトリに登録することを希望する登録権者は、第 9条に定める事項を遵守して、「早稲田大学リポジトリ登録申請書」(別紙)を 本学図書館長に提出しなければならない。
2 本学各箇所に関わる学術情報資料を本内規に基づきリポジトリに登録する 旨の合意が当該箇所と本学図書館との間にある場合には、その合意に従い、前 項に定める申請書の提出を省略することができる。
3 登録権者が本内規に従うことを予め同意し、学術情報資料を本学図書館の 定める方法により指定したサーバに送信した場合には、本学図書館は当該学術 情報資料の受信をもって第1項に定める登録申請書の提出があったものとみな す。
4 本学図書館は、登録権者が関与して作成した学術情報資料の著作権が登録 権者以外の者に帰属している場合に、登録申請に関わらず、著作権者の同意を 得て、リポジトリに当該学術情報資料を登録することができる。
(登録の通知)
第6条 登録申請に基づき、学術情報資料を第4条に定める利用に供した場合 には、本学図書館は、前条により登録を申請する者(以下、「登録申請者」と いう。)に対して、遅滞なく通知するものとする。
2 前条第2項の定めに従い、本学各箇所との合意により登録申請を省略する 場合には、前項の通知を省略することができる。
3 前条第4項により、著作権者の同意を得て、本学の構成員が作成に関与し た学術情報資料をリポジトリに登録した場合には、当該構成員に対する登録の 通知を行わない。
(登録の拒絶)
第7条 本学図書館は、次の各号に掲げる事由がある場合には、学術情報資料 をリポジトリに登録することを拒絶できる。
一 学術情報資料の内容が他の者に帰属する著作権を侵害する場合。
二 学術情報資料が公序良俗に反する内容を含み、あるいは社会的にみて著し く不適切な内容である場合。
2 前項により登録を拒絶した場合には、本学図書館は、登録申請者に対して、
遅滞なく通知するものとする。
3 第1項により登録を拒絶された者は、拒絶の理由を文書で示すよう本学図 書館長に対して請求することができる。
(登録の抹消等)
第8条 本学図書館は、次の各号に定める事由がある場合には、第4条に定め る利用を一時的に停止し、又は、学術情報資料のリポジトリへの登録を抹消し て、第4条に定める利用を終了することができる。
一 学術情報資料の内容が他の者に帰属する著作権を侵害するものと判断され る場合。
二 学術情報資料が公序良俗に反する内容を含み、あるいは社会的にみて著し く不適切な内容であると判断される場合。
三 第4条により利用に供した学術情報資料の内容に対して異議の申し出があ り、その異議に正当な理由があると判断される場合。
2 前項により、リポジトリに登録された学術情報資料について、利用の一時 的停止又は登録抹消をされた者は、その理由を文書で示すよう本学図書館長に 対して請求することができる。
3 リポジトリに学術情報資料を登録した者(以下、「登録者」という。)は、
理由を付して登録抹消の申請を本学図書館長に対して行うことができる。正当 の理由があると判断する場合には、本学図書館は、当該学術情報資料のリポジ トリへの登録を抹消し、当該学術情報資料について第4条に定める利用を終了 しなければならない。
4 登録者は、前項の登録抹消の申請を拒絶された場合には、その理由を文書 で示すよう本学図書館長に対して請求することができる。
(著作権等に関する事項)
第9条 リポジトリに登録する学術情報資料の著作権が登録申請者にのみ帰属 している場合には、登録申請者は第4条に定める利用を本学図書館に対して無 償で許諾する。
2 リポジトリに登録する学術情報資料の著作権が登録申請者を含む複数の者 に帰属している場合には、登録申請者は、第4条に定める利用を本学図書館に 対して無償で許諾する旨の同意書を著作権の帰属する全員より予め取得して申 請手続をしなければならない。
3 リポジトリに登録する学術情報資料の著作権が登録申請者以外の者に帰属 している場合には、登録申請者は、第4条に定める利用を本学図書館に対して 無償で許諾する旨の同意書を著作権の帰属する者より予め取得して、申請手続 をしなければならない。
4 リポジトリに登録する学術情報資料の公開が登録申請者以外の者の肖像権 又は個人情報に関する権利と抵触する場合には、登録申請者は肖像権又は個人 情報に関する権利が帰属する者(以下、「肖像権者等」という。)より同意書を 予め取得して、申請手続をしなければならない。
5 リポジトリに登録する学術情報資料に含まれる古書資料を所蔵する者(以 下、「所蔵者」という。)がおり、当該学術情報資料の公開に所蔵者の同意を要 する場合には、登録申請者は所蔵者より同意書を予め取得して、申請手続をし なければならない。
6 リポジトリに登録された学術情報資料の著作権は、登録後も原著作権者に 帰属し、本学図書館は、第4条に定める利用を超えた利用を一切することがで きない。
(その他)
第10条 本内規に記載されていない事項については、必要に応じて、登録申請 者又は登録者と本学図書館が別途協議するものとする。
2 登録者と本学図書館との間で本内規に関わって疑義が生じた場合には、登 録者と本学図書館は誠実な話合いにより解決するものとする。
附則
本内規は、2006年4月12日から施行する。