−33− 博士学位論文(乙、論文博士)の題目・概要等 (工学研究科 都市デザイン工学専攻) ① 氏 名 木村 元哉 ② 学 生 番 号 ③ 指 導 教 授 氏 名 松井 繁之 ④ 補 助 担 当 教 員 堀川 都志雄、栗田 章光 ⑤ 論 文 題 目 長期間供用された鋼鉄道橋の防食による長寿命化と維持管理に関する研究 ⑥ 論 文 の 概 要 わが国における鉄道網の多くは明治から大正期にかけて整備されたため、現在供用中の鋼鉄道橋の経年分 布を見ると、経年80〜90年の橋梁が最も多くなっており、鋼鉄道橋の高経年化は著しく進んでいると言える。 しかし、昨今の経済情勢下ではこれらを取り替えてゆくことは非常に困難であり、取替え時期を遅らせるな ど、供用期間をさらに延伸する必要がある。このような状況下で、防食による機能保持が最も重要な課題で ある。 このような背景から、本申請者は、主として腐食防食の観点から、鋼鉄道橋における損傷の現状把握を行 い、現状に整合した検査方法の検討や、適切な防食工法選定に関する研究、さらに、鋼鉄道橋で多く現存し ているリベット接合桁に関して、頭部が腐食したリベットの残存接合強度およびそれらの取替え補修工法に 関する研究を行ってきた。 本論文は、高経年鋼鉄道橋の長寿命化を目的とし、検査体系および既設橋梁の防食と機能保持に関する課 題解決のための研究についてとりまとめたものであり、全 8 章からなる。 第 1 章では、研究の背景と目的、既往の研究ならびに論文の構成について述べている。 第 2 章では、鋼鉄道橋に発生している変状を調査分析し、JR西日本が新しく導入した検査体系の優位性を 明らかにしている。さらに、変状分析の結果を踏まえて疲労と防食塗装に対する評価手法を提案している。 すなわち、疲労評価の効率化を目的とし、疲労センサの適用検討を行い、ひずみゲージによる従来法との適 用区分の明確にしている。また、防食塗装については、大面積剥離発生を予測評価するため、従来の碁盤目 試験を改良し、鋼鉄道橋特有の厚い塗膜に適用できる評価方法を考案している。 第 3 章では、鋼鉄道橋の塗り替え塗装に着目し、防食技術レベルの向上、経済情勢の変化や社会的要請の 変化に応じた防食システムを選定することを試みている。性能規定化を念頭においた各種環境での要求性能 と新たな評価試験方法を提案開示し、公募した塗り替え塗装の比較評価を行い、本手法による防食システム 選定の実用性を検証している。 第 4 章では、鋼鉄道橋特有の腐食であり、かつ維持管理上の問題点である、まくらぎ下の腐食に着目し、 まくらぎを介して塗膜に繰り返し荷重を作用させる実験を行い、実橋における塗膜の劣化状況と同様の塗膜 劣化の再現に成功している。すなわち、まくらぎ下に介在する塵埃と滞水が塗膜の劣化に影響を及ぼすこと を初めて実証している。さらに、この手法を基礎に、より効率的に試験できるまくらぎ下塗膜専用の繰り返 し載荷試験機を開発すると共に、この試験機を用いて、新しい材料の試験を行い、まくらぎ下の防食に適し た防食工法を見出している。 第 5 章では、JR西日本管内のほぼすべての耐候性鋼材を用いた橋梁のさび発生状況を詳細調査し、海岸近 くの橋梁では、飛来塩分の影響により非保護性の層状さびが生成していること、内陸部や豪雪地域でも湿潤 環境にある橋梁では部分的に非保護性さびが進行していることを究明している。これらの調査結果をもとに、 非保護性さびの生成しやすい部位や厳しい自然環境での検査の留意点をまとめ、今後の維持管理方法を提案 している。 第 6 章では、多くの古いリベット鋼鉄道橋の更なる長寿命化を図る視点から、リベットの腐食によるせん 断強度低下の研究を行っている。著しい腐食のため撤去された桁からリベット接合部を取り出し、独自の方 法によるせん断強度試験を行って残存接合強度を調査し、頭部が腐食しても軸部に緩みが発生していないも のでは、接合強度は低下しないことを見出している。なお、本試験では、リベット 1 本ずつ試験できる圧縮 タイプの試験方法を考案し、効率よく実験データを収集している。さらに、リベットを高力ボルトに置き換 えた場合のせん断強度試験も行い、高力ボルト置換工法による補修・補強の有効性を検証している。 第 7 章では、腐食が進行し、リベットが弛緩した場合の高力ボルト置換補修に着目し、被締め付け鋼板に
腐食が生じていた場合でも、高力ボルトに所定の軸力が導入できる不陸調整樹脂を用いた高力ボルト接合工 法を開発している。この工法は樹脂に加わる高い圧縮力に耐えるため、樹脂の周囲を鋼製の拘束リングで囲 い、樹脂自体にも圧縮変形を抑制するフィラーを混入するものである。本工法によるボルト締結実験を行っ た結果、ボルト導入軸力や拘束リングの働きは所期のとおりであり、不陸調整樹脂を用いた高力ボルト置換 工法の実用性を検証している。さらに、長期クリープ試験を行い、その収束値を求めている。 第 8 章では、全体の研究成果を総括して結論を纏め、今後の展望を付記している。
−34− −35− (工学研究科 都市デザイン工学専攻) ① 氏 名 中山 太士 ② 学 生 番 号 ③ 指 導 教 授 氏 名 松井 繁之 ④ 補 助 担 当 教 員 堀川 都志雄、栗田 章光 ⑤ 論 文 題 目 各種損傷を受けた鋼鉄道橋の耐荷力および維持管理に関する研究 ⑥ 論 文 の 概 要 わが国の鋼鉄道橋は、JRだけでも約 4 万連が供用され、架設後60年以上経過したものが半数以上を占めて おり、その多くは、各種損傷を受け、維持修繕が継続的に行われている。鋼鉄道橋の損傷は、経年により生 じる損傷と異常外力により生じる損傷に大別できる。 経年により生じる鋼鉄道橋の損傷のうち、疲労に関しては維持管理体制も整っているが、進行が緩やかな 腐食に対しては、研究事例が少なく、特に、腐食事例が最も多い桁端部の腐食、鋼鉄道橋特有のまくらぎ下 の上フランジの腐食に関しては、耐荷力評価法や補修方法について維持管理上の大きな課題となっている。 近年、道路を跨線している鋼鉄道橋において、道路を走行する工事用自動車等に衝突されて損傷するケー スが増加傾向にある。また、火災により被災するケースも増加傾向にある。天災を省くこれらの異常外力に より鋼鉄道橋が損傷した場合には、公共輸送機関として停止時間を最小限に抑えるため、列車走行の安全性 確保、かつできるだけ早い運転再開に向けた判断基準の確立が課題になっている。 このような背景から、本申請者は、桁端部が腐食した鋼鉄道橋の耐荷力評価、まくらぎに接する上フラン ジが腐食した鋼鉄道橋の耐荷力評価および補修方法、衝突変形を受けた鋼鉄道橋の運転再開評価法および応 急補修方法、火災を受けた鋼鉄道橋の運転再開評価法等の維持管理問題を力学面から研究を行ってきた。本 論文は、これらの研究をとりまとめたものであり、全 7 章で構成されている。以下に各章の概要を示す。 第 1 章は序論として、本研究の背景と目的、ならびに論文の構成を述べている。 第 2 章では、鋼鉄道橋の損傷を疲労き裂や腐食等の経年による損傷と地震や火災、橋桁衝突事故等の異常 外力による損傷に大別して、それぞれの損傷の現状や既往の研究成果を整理して、維持管理上の課題を明ら かにしている。 第 3 章では、桁端部ウェブの局部腐食に着目し、腐食形状を整理した上で、せん断耐荷力低下度と支点部 柱耐荷力低下度について検討している。せん断耐荷力低下度に関しては、鋼鉄道橋の主桁にI形鋼、リベッ ト構造、溶接構造の 3 種が存在するため、各構造について、実験とFEM解析を行い、腐食形状の違いによる せん断耐荷力低下度について、維持管理基準の指標を導いている。支点部柱耐荷力については支点部ウェブ の腐食による耐荷力の低下が最も大きくなる溶接構造について実験とFEM解析を行い、その耐荷力低下特性 を見出し、維持管理対策の指標を検討している。 第 4 章では、まくらぎ下の上フランジの局部腐食に着目し、この腐食によるせん断耐荷力、曲げ耐荷力お よび局所荷重を受ける桁の耐荷力低下度を明らかにし、この腐食に対する補修方法についても検討している。 すなわち、解析によって腐食によるせん断耐荷力の低下は、純曲げ耐荷力に比べてわずかであることを示し ている。純曲げ耐荷力に関しては、解析と実験を行い、耐荷力評価式を導いている。局所荷重を受ける場合 の桁の耐荷力に関しても、滝本の評価式の適用性を検証するとともに、局所荷重と曲げの相互作用曲線を求 めて、耐荷力評価式を提案している。さらに、主桁上にレールとまくらぎがあることを考慮したFEM解析を 行い、レールとまくらぎの有無およびレール位置の偏心による耐荷力低下度への影響度について、維持管理 上の有用な資料を得ている。補修方法の検討に関しては、上フランジの下部に山形鋼を設置する慣用法につ いて、実験とFEM解析を行い、その効果を定量的に検証している。 第 5 章では、自動車の衝突による損傷に着目し、運転再開評価法の策定と応急補修対策の研究を行ってい る。検討が必要な衝突変形は、下フランジの残留局部変形および残留面外変形の 2 つであり、残留局部変形 に関しては、年代毎の鋼材に相当ひずみを与えて材料試験を行い、限界ひずみから限界量を求め、残留面外 変形に関しても実験およびFEM解析による桁の耐荷力特性の検討から、その限界量を求めている。そして、 運転再開に向けた具体的な評価法を導いている。応急補修対策の一つである、衝突事故により面外変形を受 けた部分の下フランジを切断し、ウェブの面外変形を矯正した上で、切断部を添接する方法を取り上げ、切
断部でウェブと下フランジが一体化していなくても安全性が確保できるとの応急補修方法の妥当性を検証し た。さらに、下フランジの切断幅を変化させて載荷実験を行い、支間の1/10程度であれば、本方法の適用に は問題はないことを証明している。 第 6 章では、火災による損傷に着目し、リベット桁の耐火特性および運転再開評価法の策定を検討してい る。鋼鉄道橋の多くはリベット桁であるので、加熱実験により、リベット桁の変形が急激に進行する温度を 究明している。運転再開評価には、桁の受熱温度を推定することが重要になるので、塗膜の燃焼試験を行い、 受熱温度と塗膜の劣化特性の有用な関係を収集している。また、加熱試験後の材料試験等により、受熱温度 毎の鋼材やリベットの材料特性および継手強度を定量化している。これらの成果を踏まえて、提案した運転 再開評価法を策定している。 第 7 章では、全体の研究成果を総括して「結論」を纏め、今後の課題を展望している。
−36− −37− 博士学位論文(甲、課程博士)の題目・概要等 (工学研究科 環境工学専攻) ① 氏 名 田中 寿弥 ② 学 生 番 号 D07-F02 ③ 指 導 教 授 氏 名 青木 一男 ④ 補 助 担 当 教 員 ⑤ 論 文 題 目 都市部における熱環境対策に関する研究 ⑥ 論 文 の 概 要 近年、都市部において様々な環境問題が発生している。特に、都市特有の熱環境問題である、「ヒートア イランド現象」が注目を集めている。さらには、ヒートアイランド現象との関連性が指摘されている、ゲリ ラ豪雨などにともない発生する、都市型洪水も問題となっている。これらの問題は、都市部において生活し ている人々にとって、深刻な環境問題となっており、都市部の人々が快適で安全な生活を送るためには、ヒ ートアイランド現象の抑制と、豪雨ともない発生する都市型水害の抑制が急務となっている。 ヒートアイランド対策としては、人工排熱の低減、地表面被覆の改善、都市形態の改善などが挙げられ、各々 について様々な対策方法が考案されている。地表面被覆の改善方法の一つとして、建物の屋上や壁面に植物 を植える屋上緑化、壁面緑化が注目されており、多く施工されている。さらに、地表面の大部分を占めてい る舗装道路への対策としては、保水性舗装、遮熱性舗装が挙げられる。また、都市型洪水抑制として車道な どで多く施工されている透水性舗装においても、ヒートアイランド対策の一つの方法として期待されている。 しかし、植物を用いた対策方法である屋上緑化や壁面緑化などは、緑化基盤材の荷重が屋根に付加されるた め、既存の建物に施工することが困難なことや、施工コストが高いことに加え、施工後の植生維持などメン テナンス上の問題を多く抱えている。特に、緑化基盤材の軽量化、施工コストの低減、メンテナンスの簡略 化などの早期解決が求められている。また、道路への対策方法として、歩道などで多く施工されているイン ターロッキングブロックにおいても、透水性や保水性能を有するインターロッキングブロックの開発がされ ており、それらによる、熱環境改善効果や都市型洪水抑制についても期待されている。 このような背景から、本論文では、建物へのヒートアイランド対策として主に行われている屋上緑化など に比べて、軽量、低コスト、さらには、植物の生育維持のための水遣りなどのメンテナンスを必要としない 対策方法として、自然植生リサイクル材料である葦を使用したヨシズに着目し、ヨシズを用いたヒートアイ ランド対策方法について提案するため屋外での実験を行い検討した。また、路面へのヒートアイランド対策 として行われている、透水性舗装および保水性舗装について、室内実験を行いそれらの温度低減効果につい て検討した。さらに、歩道などで多く施工されているインターロッキングブロックで、産業廃棄物である、 コンクリートや溶融スラグなどを主原料として作られており、保水性・透水性能を有しているインターロッ キングブロックに着目し、それらの熱環境改善効果と雨水浸透機能について、室内実験を実施し検討したも のである。 その結果、ヨシズの枚数の違いが日射遮蔽効果に与える影響は少ないことがわかった。また、ヨシズを屋 上コンクリート表面から約30㎝程度浮かして設置することにより、ヨシズを屋上コンクリート表面に直置き する方法よりも、日射遮蔽効果を 2 割程度向上させられる。さらには、ヨシズ表面への散水や、ヨシズ表面 を白色に着色することによりヨシズの表面温度は下がるものの、日射遮蔽効果に変化は見られなかった。こ れらのことより、ヨシズ 3 枚重ねを屋上コンクリート表面から30㎝浮かして、設置する方法が最適であるが 明らかになった。さらに、ヨシズを設置することにより冷暖房負荷が削減することがわかった。 次に道路における熱環境改善方法としてまず、透水性舗装および保水性舗装について、室内照射実験を行 い温度低減効果について検討した結果、舗装体内に水分が存在しない乾燥状態における舗装表面温度は、舗 装表面の反射率に大きく依存していることがわかった。また、湿潤状態においては、透水性舗装よりも舗装 体内に水分を多く保持している保水性舗装の方が舗装表面温度は低かった。 さらに、歩道などで多く施工されているインターロッキングブロックで、リサイクル材料を使用し、透水 性・保水性機能を有しているインターロッキングブロックによる熱環境改善効果について検討した結果、イ ンターロッキングブロック内に水分が存在しない乾燥状態においては、供試体によっては表面温度に約 5 ℃ 程度の温度差がみられた。ブロックへの散水後には、各供試体ともに温度低減効果が確認された。また、イ
ンターロッキングブロックの種類によっては、インターロッキングブロック下の敷砂から水分を吸上げてい ることがわかった。 最後に、透水性機能を有しているインターロッキングブロックの雨水浸透機能についての評価をした結果、 降雨強度によっては雨水が地下に浸透せずに、ブロック表面から溢流することが明らかになった。また、イ ンターロッキングブロックの表面及び、内部に存在する空隙が土粒子などで詰まることによって、透水性能 が大幅に減少することが明らかになった。しかし、空隙詰まりを発生させているブロック表面にある土粒子 などをハンドクリーナーで除去することにより、透水性能が多少回復することが明らかになった。
−38− −39− (情報科学研究科 情報科学専攻) ① 氏 名 竹林 佑介 ② 学 生 番 号 D07-A01 ③ 指 導 教 授 氏 名 小堀 研一 ④ 補 助 担 当 教 員 ⑤ 論 文 題 目 モーションキャプチャデータの検索に関する研究 ⑥ 論 文 の 概 要 近年、映像制作分野や産業分野など様々な分野でモーションキャプチャ技術が広く利用されている。モー ションキャプチャ技術とは、人間の動きをセンサで計測し、計算機上にデジタルデータとして取り込む技術 である。モーションキャプチャ技術を用いることで、手作業で作成することが困難な複雑な動きを効率よく 作成することができる。しかし、モーションキャプチャ技術は高価な専用機器や専門の技術が必要であるた め、誰もが容易に用いることができない技術でもある。そこで、一度取得したモーションキャプチャデータ を再利用する試みが行われている。その一例として、既存のモーションキャプチャデータを使用用途に合っ たデータに変換する手法が数多く提案されている。このような手法を用いることで、既存のモーションキャ プチャデータから3DCGキャラクタアニメーションを作成することができる。しかし、データベースに格納さ れた既存のモーションキャプチャデータは膨大な数に及ぶ場合が多く、目的の動作を検索することに多くの 時間を要し、効率的に再利用することができない。 そこで本研究では、モーションキャプチャデータを効率よく再利用するために、2 種類の検索方法を提案 する。また、それらの方法の長所・短所について考察し、2 種類の方法の使い分けについても合わせて提案 する。 まず、1 番目の方法として、モーションキャプチャデータから動作の特徴を抽出し、抽出した特徴を用い て類似動作を検索する手法を提案する。また、動作の特徴を抽出する際、詳細度に応じた特徴を抽出し、段 階的に類似動作を絞り込む方法についても提案する。提案手法の処理手順は次の通りである。まず、四肢と 頭の 5 カ所の部位に対して、可動範囲を考慮した特徴空間を作成し、その空間を量子化する。このとき、量 子化する領域数を変化させ、複数の量子化された空間を作成する。そして、量子化された小空間ごとに動作 の特徴を抽出する。次に、動作の特徴をもとに類似度を算出する。そして、量子化された空間の大きさに応 じて、類似動作を絞り込む。この手法では、検索したい動作と大きく異なる動作は検索結果として提示され ることはないため、微細な変化を含む動作群の中から検索したい動作を見つけ出すような場面で適している といえる。 そして、2 番目の方法として、モーションキャプチャデータを 2 次元静止画像上で表現する方法について 提案する。提案手法では、モーションキャプチャデータからキャラクタの動きを表す矢印を抽出し、その矢 印とキャラクタが良く見える視点を求めることによって、2 次元静止画像として表現する。提案手法の処理 手順は次の通りである。まず、最適視点の候補となる初期視点群をキャラクタの周りに作成する。次に、初 期視点群の中から運動の全体像を把握する上で不適切な視点を除外することで視点候補群を作成する。そし て、視点候補群の中に対して、最適視点であるかどうかの評価値を求め、その評価値が最大となる視点を最 適視点とする。最後に、最適視点からキャラクタと矢印を見ることによって 2 次元静止画像を作成する。こ の手法では、対象の運動の概要が画像で提示されるため、膨大なデータの中から検索したい動作を目視で見 つけ出すような場面で適しているといえる。 最後に、これら 2 種類の手法について、それぞれの検索結果や使用方法などの面から長所・短所を考察し、 2 種類の手法の使い分け方法について検討し、応用例を提示する。以上のことより、本研究で提案する手法 は、膨大なデータベースの中から目的のデータを検索する手間を省き、効率的にモーションキャプチャデー タを再利用することができる。