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Ⅰ 基本方針と重点推進事項 1 基本方針本県が消費者や実需者から選ばれる米産地となるよう 生産者 農業団体 行政が 課題や対応方向 目標を共有化し 販売を起点とした米づくりに取り組むための指針である 秋田米生産 販売戦略 を策定した 農地のほとんどを水田が占める本県においては 主食用米を中心に 加工

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Academic year: 2021

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[目 次] ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ Ⅰ 基本方針と重点推進事項 1 Ⅱ 奨励品種の特性 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 1 奨励品種の特性 3 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 2 品種別栽培管理の要点 9 ‥‥‥‥‥‥‥ 3 新品種の主要特性紹介(秋のきらめき、つぶぞろい) 23 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ Ⅲ 「あきたecoらいす」の必要性と取り組みについて 31 Ⅳ 栽培技術の解説 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 1 高品質・良食味米安定生産技術のポイント 35 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 2 土づくり 37 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 3 施肥法 45 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 4 栽培基本技術 55 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 5 病害虫・雑草防除(あきたecoらいす) 83 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 6 直播栽培技術のポイント 97 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ Ⅴ 環境にやさしい農業技術 119 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ Ⅵ 稲作の経営対策 125 Ⅶ 新技術情報 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 1 けん引式水田除草機の作業能率と除草効果 135 2 播種量増加と無加温出芽を組み合わせた省力育苗による ‥ 水稲安定生産技術 137 3 「秋田63号」によるソフトグレーンサイレージ用籾米生産 ‥ と籾水分変動 139 4 ソフトグレーンサイレージ用籾米収穫における ‥‥‥‥ 収量コンバインの利用 141 ‥‥‥‥ 5 水稲湛水直播(表面播種)栽培における播種同時防除技術 143 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ (参考)稲作指導参考事項 145 Ⅷ 気象災害に対する技術対策 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 1 冷害 149 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 2 日照不足 153 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 3 高温登熟 153 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 4 干害 157 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 5 風害 159 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 6 水害 161 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ Ⅸ 秋田県版農業生産工程管理(秋田県版GAP) 163 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ Ⅹ 飼料用米の安定多収栽培のポイント 173 (附)稲作関係資料 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ Ⅰ 水稲調査基準 178 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ Ⅱ 水稲病害虫調査方法 187 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ Ⅲ 収量状況 191 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ Ⅳ 品 種 202 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ Ⅴ 検 査 206 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ Ⅵ 米生産費および米価 208 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ Ⅶ 機械および農作業 214

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Ⅰ 基本方針と重点推進事項 1 基本方針 本県が消費者や実需者から選ばれる米産地となるよう、生産者・農業団体・行政が、 課題や対応方向、目標を共有化し、販売を起点とした米づくりに取り組むための指針 である「秋田米生産・販売戦略」を策定した。 農地のほとんどを水田が占める本県においては、主食用米を中心に、加工用米や備 蓄米、飼料用米等を取り入れた稲作を基幹として、大豆やそば等の土地利用型作物に、 エダマメやネギ、アスパラガス等の収益性の高い園芸作物を組み合わせ、水田を適切 に維持しつつ、そのフル活用を推進し、農業生産・農業所得の最大化を図っていくこ とが重要である。 米については、平成30年以降、行政による主食用米の数量管理が廃止されることか ら、実需との結びつきを強化して主食用米の需要を積み上げ、それに基づいた生産に 転換していくことが重要である。 (1)拡大が見込まれるマーケットへの対応 「 あ き た こ ま ち 」 を 中 心 に 多 彩 な 品 種 ラ イ ン ナ ッ プ で 、 中 食・ 外 食 等 の 業 務 用 か ら 、 日 本 酒 や 加 工 米 飯 、 海 外 市 場 な ど 、 今 後 成 長 が 見 込 まれ る マ ー ケ ッ ト の獲得に向け、実需の多様なニーズに対応 (2)米どころ秋田の強みを生かしたブランド力向上 秋田米の主力である「あきたこまち」について、レギュラー領域の品質の底 上げを図りつつ、食味等にこだわったプレミアム商品づくりを推進 (3)低コスト生産・流通体制の整備 プレミアム商品からレギュラー、エコノミーに至るまで、秋田米が産地間競 争に打ち勝ち、生産者が一定の所得を確保できるよう、多収性品種の導入や、 直播等の複数技術の組み合わせにより、高品質・低コスト生産技術体系を確立 (4)将来を見据えた米の高付加価値化と需要の創出 消費者の安全・安心志向は、ますます高まることが予想されることから、J A S 有 機 栽 培 や 特 別 栽 培 、「 あ き た e co ら い す 」 な ど 、 環 境に 優 し く 、 産 地 イメージを高め、付加価値に結びつく取組を推進

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【関連対策事業】 ・販売を起点とした秋田米総合支援事業(平成29年度~31年度) ・未来を拓く稲作イノベーション推進事業(平成30年度~32年度) ・秋田から醸す酒米生産拡大事業(平成30年度~32年度) ・主要農作物種子対策事業(平成26年度~) 2 重点推進事項 (1)秋田米の食味・評価の向上 ア 生育・栄養診断や水管理等による適正生育量の確保 ○「あきたこまち」のタンパク質含有率:6.2%以下 ○ 米の食味ランキング「特A」の継続獲得 イ 気象変動に対応した栽培管理技術の徹底 ○ 1等米比率:90%以上 ウ 多様な栽培仕様に応じたきめ細かな栽培技術の徹底 (2)環境に配慮した米づくりの推進 ア あきたecoらいす(農薬使用成分回数10回以下)の拡大 イ 農業生産工程管理(GAP)手法の導入定着 (3)省力・低コスト生産技術の導入・拡大 ア 低コスト・高収量を実現できる栽培技術の推進 イ 多様な実需ニーズに対応する低コスト稲作経営の実現 ○ 多収性品種の導入や既存の低コスト技術を組み合わせた生産コストの低減 ウ 飼料用米や加工用米等の高位安定生産技術の推進

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奨励品種の特性

1 奨励品種の特性 既存の栽培品種と比較して明らかに優れていると認められ、県が作付けの拡大を積極的 に奨励しようとするものを奨励品種、適地の範囲が比較的狭いものの、奨励品種に準じて、 県が作付けを奨励しようとするものを認定品種として、それぞれ秋田県農作物品種対策協 議会において決定される。 本 県 で は 、 粳 米 7 品 種 、 酒 造好 適 米 2 品 種 、 糯 米 2 品種 、 新 規 需 要 米 1 品 種の 計 12品うるち もち 種が奨励品種に、低アミロース米1品種が認定品種になっている。これらの品種は、栽培 特性や地域適応性、または加工適性等から、それぞれの品種を補い合うようにラインナッ プされている。 [ 粳 米]うるち 「秋のきらめき」(平成24年度採用 育成地:秋田県農業試験場) 出穂期は「 あきたこまち」より約3日、成熟期は「 あきたこまち」より約6日早い“早生 の早”品種である。草型は“穂数型”で、稈 長 は 「 あ き た こ ま ち 」 よ り や や 短 く 、 穂 長 は 「あきたこまち」並で、穂数は「あきたこまち」よりも多い。耐病性は葉いもちが“やや 強”、 穂い も ち は “ 強 ” で 「 あ きた こ ま ち 」 よ り も強 い 。紋 枯 病が “ やや 弱 ”の た め穂 数 が 多 い 場 合 は適 期 防 除 に 努 め る 。 耐 倒伏 性 は 「 あ き た こ ま ち」 よ り 強 い “ や や 強”、 障害 型耐冷性は「あきたこまち」より強い“極強”である。穂発芽性は“難”である。玄米収量、 千粒重は「あきたこまち」と同等で、品質は「あきたこまち」並に良好で、食味は「あき たこまち」並の良食味品種である。栽培適地は山間高冷地である。 「 あきたこまち」(昭和59年度採用 育成地:秋田県農業試験場) 5月中旬の移植で出穂期が7月末、成熟期が9月中旬となる“早生の晩”の品種である。 草型は“やや長稈・偏穂数型”で穂数の確保は容易であるが、1穂籾数が比較的少ない。 耐病性は葉いもち・穂いもちともに“やや弱”である。耐倒伏性は“中”であり、出穂前 後から上位節間が伸びやすく倒伏しやすいため生育・栄養診断に基づいた栽培・肥培管理 を行う。耐冷性は“中”であり、早生品種のため幼穂形成期頃から減数分裂期頃までに低 温に遭遇する危険性が高いため低温による白ふの発生に注意する。穂発芽性は“やや難” であり、種子の休眠性はやや強いので、浸種や催芽は温度を確保して発芽を均一にする。 食味は粘りが強く炊飯光沢があり、総合評価は「コシヒカリ」と同等の極良食味品種であ るが、減数分裂期を過ぎてからの追肥は、玄米蛋白質含量を増加させ食味を低下させるの で行わない。栽培適地は平坦部である。 「 ひとめぼれ」(平成8年度採用 育成地:宮城県古川農業試験場) 出穂期は「あきたこまち」より約5日遅く、成熟期は「あきたこまち」より約7日遅い “中生の晩”品種である。草型は“やや長稈・偏穂数型”で、1穂籾数は「あきたこまち」 並~ や や 少 な い 。 耐 病 性 は葉 い も ち ・ 穂 い も ち とも に 「あ き たこ ま ち」 並 の“ や や弱”、 耐倒伏性は「あきたこまち」並の“中”であるが、稈長が80cmを超えると倒伏しやすい。 耐冷性は“極強”である。穂発芽性は“難”であり、種子の休眠性が強い品種なので、浸

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種や 催 芽 の 温 度 に 十 分 注 意す る 。「 あ き た こ ま ち 」並 の 良食 味 品種 で ある が 、減 数 分裂 期 を過ぎてからの追肥は食味を低下させるので行わない。成熟期が遅いため栽培適地は沿岸 平坦部である。 「 めんこいな」(平成11年度採用 育成地:秋田県農業試験場) 出穂期は「あきたこまち」より約2日遅く、成熟期は「あきたこまち」より約4日遅い “中生の晩”品種である。稈長は短く、茎数は早期に確保しやすいが、有効茎歩合はやや 低いので、目標茎数が確保されたら充実した茎を作るように努める。耐病性は葉いもち・ 穂いもちとも「あきたこまち」並の“やや弱”で、耐倒伏性は「あきたこまち」より強い “強”である。耐冷性は「あきたこまち」並みの“中”で、穂発芽性は“中”である。食 味は「あきたこまち」より粘りが少なく、あっさりした「ササニシキ」タイプの良食味品 種である。栽培適地は県内平坦部である。 「 ササニシキ」(昭和46年度採用 育成地:宮城県古川農業試験場) 出穂期は「あきたこまち」より約3日遅く、成熟期は「あきたこまち」より約7日遅い “中生の晩”品種である。草型は“やや長稈・穂数型”で穂数は確保しやすい。穂相は2 次枝梗比率が高いため登熟歩合が低下しやすい。収量構成は穂数に依存する。耐病性は葉 いもち・穂いもちともに“弱”であるため適期防除を行う。耐倒伏性は“弱”であるため 過剰な分げつを抑制し、倒伏防止に努める。耐冷性は“やや弱”のため、低温による生育 遅延や障害型冷害を軽減するように適切な水管理をする。穂発芽性は“易”であるため、 刈 り 遅 れ に よ る 穂 発 芽 粒 の 発 生 に 気 を つ け る 。 食 味 は 「 あ き た こ ま ち 」、「 ひ と め ぼ れ 」 とは異なり粘りの少ないタイプの良食味品種である。米質は良質であるが、登熟期の高温 遭遇で乳白粒や腹白粒などの未熟粒が多くなり品質が低下する。栽培適地は沿岸平坦部で ある。 「 ゆめおばこ」(平成20年度採用 育成地:秋田県農業試験場) 出穂期は「あきたこまち」より約4日遅く、成熟期は「あきたこまち」より約2日遅い “ 中 生 の 晩 ” 品 種 で あ る 。 草 型 は “ や や 長 稈 ・ 中 間 型 ”、 耐 病 性 は 葉 い も ち が “ 中 ”、 穂 いも ち が “ や や 強 ” で あ る。 耐 倒 伏 性 は “ や や 強” で 、耐 冷 性は “ 極強”、 穂発 芽 性は “ 中” で 穂 発 芽 し や す い 。 収量 性 は 「 ひ と め ぼ れ 」よ り 安定 し て多 収 であ る。「あ き たこ ま ち」、「ひとめぼれ」並の良食味品種である。栽培適地は県内平坦部である。 「 つぶぞろい」(平成24年度採用 育成地:秋田県農業試験場) 出穂期は「あきたこまち」より約5日遅く、成熟期は「あきたこまち」より約8日遅い “晩生”品種である。草型は“やや長稈・中間型”で、稈長は「あきたこまち」並~やや 短く、穂長は「あきたこまち」より長い。葉いもち・穂いもちの耐病性は「あきたこまち」 「ひ と め ぼ れ 」 よ り 強 く 、葉 い も ち が “ や や 強”、穂 い もち は “強 ” であ る 。耐 倒 伏性 は 「 ひ と め ぼ れ 」 に 優 る “ や や 強 ”、 耐 冷 性 は “ 極 強 ”、 穂 発 芽 性 は “ や や 難 ” で あ る 。 玄 米収量は、「あきたこまち」より多収で、千粒重は重い。玄米外観品質は「あきたこまち」 並に良好で、玄米タンパク質含有率が低い特徴を持つ。食味は「あきたこまち」並である

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が、「あきたこまち」よりも軟らかく、外観が優れる。栽培適地は県内平坦部である。 [低アミロース米] 「淡雪こまち」(認定品種 平成19年度採用 育成地:秋田県農業試験場) 出穂期は「あきたこまち」より約4日早く、成熟期は「あきたこまち」より約4日早い “早 生 の 早 ” の 低 ア ミ ロ ース 品 種 で あ る 。 草 型 は“ や や短 稈 ・偏 穂 数型”、 耐病 性 は葉 い もち が “ や や 弱”、 穂 い も ち が “中 ” な の で 、 適 期防 除 に努 め る。 耐 倒伏 性 は“ 中 ”で 、 生育期間を通じて葉色は淡い。耐冷性は「あきたこまち」並の“中”なので、冷害の常襲 地での栽培は避ける。穂発芽性は“やや難”である。登熟気温によってアミロース含量、 玄米の白濁程度が変動するので注意が必要である。炊飯米は「あきたこまち」より粘りが 強く、軟らかい。中山間部を含む県内一円で栽培が可能である。 [酒造好適米] 「美山錦」(昭和55年度採用 育成地:長野県農業試験場) 出穂期は「あきたこまち」より約1日遅く、成熟期は「あきたこまち」より約5日遅い “中生”の酒米品種である。草型は“長稈・穂重型”で、籾数は1穂籾数に依存する。耐 病性 は 葉 い も ち が “ や や 強”、 穂い も ち が “ 中 ” であ る 。長 稈 で耐 倒 伏性 が “弱 ” で倒 伏 しやすい。耐冷性は“やや強”であるが、低温で白ふの発生が多い。穂発芽性は“難”で ある。玄米品質は腹白状の心白発現が多い。玄米の蛋白含有量の増加を防ぐため多肥栽培 は避ける。栽培適地は雄物川流域平坦部である。 「 秋田酒こまち」(平成15年度採用 育成地:秋田県農業試験場) 出穂期は「あきたこまち」より約2日遅く、成熟期は「あきたこまち」より約5日遅い “中生”の酒米品種である。草型は“やや長稈・穂重型”である。稈長が「美山錦」より 短く耐倒伏性は「美山錦」よりも強いものの“やや弱”であるため倒伏に気をつける。穂 長は「美山錦」より長いが、2次枝梗籾が少なく、1穂籾数は同程度である。耐病性は葉 いも ち が “ や や 強”、 穂 い も ち が“ 中 ” で あ る 。 穂発 芽 性は “ やや 難 ”で あ る。 玄 米品 質 は点状・線状の心白発現が良好である。玄米の粗蛋白質含量が少なく、醸造特性は特に良 好である。高品質安定生産のために基肥重点とし、多肥栽培や過剰な追肥は避ける。栽培 適地は県内平坦部である。 [糯米]もち 「たつこもち」(平成4年度採用 育成地:秋田県農業試験場) 出穂期は「あきたこまち」より約5日早く、成熟期は「あきたこまち」より約6日早い “早 生 の 早 ” の 糯 品 種 で ある 。“短 稈 ” で 耐 倒 伏 性が 強 く“ 偏 穂重 型 ”で あ るが 、 穂数 が 比較 的 確 保 し や す い 品 種 であ る 。 耐 病 性 は 葉 い もち ・ 穂い も ちと も に“ 中”、紋 枯 病も “ 中 ” で あ る 。 耐 倒 伏 性 は “ 強 ”、 耐 冷 性 は “ 中 ”、 穂 発 芽 性 は “ や や 難 ” で あ る 。 本 田 中 期、下葉枯れがやや多いので水管理等に注意する。また、遅刈りにより品質の低下を招き やすいので、適期刈り取りに努める。極高冷地を除く県内全域で作付けできる。

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4 -「きぬのはだ」(平成4年度採用 育成地:秋田県農業試験場) 出穂期は「あきたこまち」より約4日遅く、成熟期は「あきたこまち」より約6日遅い “中 生 の 晩 ” の 糯 品 種 で ある 。“や や 短 稈 ” で 耐 倒伏 性 が強 く 、安 定 して 多 収を 得 られ る 品種 で あ る 。 耐 病 性 は 葉 いも ち ・ 穂 い も ち と も に“ 中”、紋 枯 病も “ 中” で ある 。 耐倒 伏 性は “ 強 ”、 耐 冷 性 は “ 中 ” で ある 。 穂 発 芽 性 は “中 ” であ る ため 穂 発芽 に 留意 す る。 本 田中期頃から下葉の枯れ上がりが目立つようになるが、葉色は淡く推移するので追肥のみ にたよらず水管理等に注意し根の健全化を図る。餅質がよい。栽培適地は県北部を除く平 坦部である。 [新規需要米] 「秋田63号」(平成23年度採用 育成地:秋田県農業試験場) 出穂期は「あきたこまち」より約4日遅く、成熟期は「あきたこまち」より約10日遅い “ 晩生”の極多収粳品種である。草型は“やや長稈・中間型”である。耐病性は葉いもち、 穂いもちともに不明であるが、防除は主食用品種と同様に行う。耐倒伏性は「あきたこま ち」 並 の “ 中”、 耐 冷 性 は “ や や弱 ” で あ る 。 穂 発芽 性 は“ 易 ”と 穂 発芽 し やす い ので 適 期刈 り 取 り に 努 め る 。 種 子の 発 芽 は 、「 あ き た こ まち 」 より 遅 いの で 、浸 種 や催 芽 の温 度 を十分に確保して発芽を均一にする。玄米は細長・大粒で腹白米や心白米が多く発現する ことから、主食用品種と識別性がある。栽培適地は県中央および県南の平坦部である。 (農試:原種生産部)

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a 当 り 収 量 千 粒 重 一  重 蛋 白 質 含 有 率 ( 水 分 1 5 % ) ア ミ ロ ー ス 含 有 率 ( 乾 物 換 算 ) ( 枚 ) (月 日 ) (月 日 ) (c m ) ( c m ) (本 /㎡ ) (kg) (g) (g) (%) (%) 表 - 1 平 成 3 0 年 度 水 稲 奨 励 品 種 特 性 表 ( そ の 1 ) 穂 長 穂 数 稈 長 成 熟 期 出 葉 数 採 用 年 度 耐 冷 性 耐 倒 伏 性 穂 発 芽 性 病 害 虫 粒 着 疎 密 紋 枯 カ ラ バ エ 下 葉 枯 葉 い も ち 穂 い も ち 芒 の 有 無 長 短 出 穂 期 ふ 先 色 種 別 組 合 せ 品 種 名 草 型 早 中 晩 別 適 地 腹 白 心 白 品 質 概 要 白 米 食 味 注 意 点 優 点 玄 米 秋 の き ら め き 447.3 9. 8 黄 白 中 や や 短 中 強 や や 弱 強 7.2 8 7 4.9 17.7 11.4 早 生 早 岩南 16 号 / 秋 系 483 ( い わ て っ こ ) 中 稈 穂 数 平 24 穂 数 が 多 い 場 合 は 紋 枯 病 に 注 意 耐 冷 性 極 強 、 い も ち 病 強 、 米 質 上 、 食 味 極 上 山 間 部 、 冷 涼 地 上 の 中 23.2 17.6 上 の 中 難 極 強 や や 強 水 稲 粳 米 中 57.4 無 828. 4 無 6.2 や や 強 ( + ) や や 弱 ( a 、i ) や や 弱 ( i ) や や 弱 (a ) 弱 (a ) 中 ( a 、i ) や や 強 ( a ) 注 1 . 注 2 . 耐 病 性 等 の 抵 抗 性 あ る い は 草 型 等 は 特 性 検 定 ( 調 査 ) の 結 果 お よ び 病 害 担 当 の 資 料 と 東 北 地 域 ( 寒 冷 地 中 部 ) に お け る 特 性 分 類 の 申 し 合 わ せ を 考 慮 し て 評 価 し た 。 「 -」 は 未 評 価 を 示 す 。 注 3 . 葉 い も ち の( ) は 、 い も ち 病 真 性 抵 抗 性 遺 伝 子 型 を 示 す 。 注 4 . 玄 米 蛋 白 質 含 有 率 と ア ミ ロ ー ス 含 有 率 は 平 18 ~ 26 の 平 均 値 で あ る 。 コ シ ヒ カ リ / 初 星 秋 の き ら め き ひ と め ぼ れ 8. 3 7 2.4 447.3 8. 3 9. 13 9. 8 18.3 中 生 晩 昭 59 5.7 20.1 上 の 中 県 内 平 坦 部 多 収 、 米 質 上 、 食 味 極 上 、 耐 冷 性 極 強 、 い も ち 病 、 倒 伏 、 冷 害 に 注 意 。 収 量 ・ 米 質 変 動 大 。 食 味 極 上 海 岸 平 坦 部 上 の 中 中 無 6.0 -上 の 下 穂 発 芽 に 注 意 。 種 子 の 休 眠 性 が 強 い の で 、 催 芽 前 の 浸 種 は 十 分 に 行 う 。 い も ち 病 に 注 意 。 24.0 819. 7 上 の 中 無 無 上 の 中 県 内 平 坦 部 食 味 上 、 多 収 熟 期 が 中 生 晩 な の で 高 冷 地 は 避 け る 。 23.9 812. 1 上 の 中 無 上 の 中 海 岸 平 坦 部 稀 米 質 上 、 食 味 極 上 805. 3 難 極 強 弱 や や 弱 や や 強 66.8 易 中 多 秋 田 農 試 「 水 稲 奨 励 品 種 決 定 基 本 調 査 」 標 肥 区 に お け る 成 績 ( 数 値 は 平 20 ~ 29 の 平 均 値 。 ) 黄 白 昭 46 奥羽 22 4 号 / サ サ シ グ レ ( ハ ツ ニ シ キ ) 405.5 や や 弱 中 中 や や 長 稈 偏 穂 数 12.7 9. 19 - 中 強 中 中 63.7 22.7 中 中 黄 白 中 や や 短 黄 白 極 少 短 中 や や 多 黄 白 や や 疎 や や 多 や や 弱 や や 弱 強 強 強 や や 弱 強 黄 白 409.6 7.2 8 7 4.9 17.7 7 8.1 17.3 11.4 早 生 早 早 生 晩 あ き た こ ま ち 7.3 1 岩南 16 号 / 秋 系 483 ( い わ て っ こ ) 中 稈 穂 数 平 24 12.4 や や 長 稈 偏 穂 数 コ シ ヒ カ リ / 奥 羽 2 92 号 や や 少 短 極 少 短 8. 6 中 生 晩 中 生 晩 中 稈 中 間 12.5 平 11 サ サ ニ シ キ め ん こ い な 東北 14 3 号 / 秋 田 39 号 (ひ と め ぼ れ / あ き た 3 9 ) 平 8 7 8.0 18.4 黄 白 強 強 強 9. 21 7 5.8 8. 5 や や 強 9. 22 448.7 392.9 極 少 短 少 短 482.1 や や 長 稈 中 間 12.2 極 強 中 強 強 強 強 中 18.7 9. 21 7 9.1 12.9 や や 長 稈 穂 数 17.6 穂 数 が 多 い 場 合 は 紋 枯 病 に 注 意 耐 冷 性 極 強 、 い も ち 病 強 、 米 質 上 、 食 味 極 上 山 間 部 、 冷 涼 地 上 の 中 倒 伏 抵 抗 性 不 充 分 、 白 葉 枯 病 弱 。 低 温 に よ る 発 芽 の 遅 れ 、 白 ふ の 発 生 に 注 意 。 815. 8 6.3 強 23.2 強 上 の 中 上 の 中 17.6 上 の 中 難 極 強 中 や や 強 弱 18.8 406.4 中 中 黄 白 中 や や 強 平 20 水 稲 粳 米 無 5.8 18.4 上 の 中 25.4 807 上 の 中 無 25.4 813. 5 上 の 中 無 無 や や 難 中 中 中 17.6 57.4 無 828. 4 無 6.2 中 生 晩 ゆ め お ば こ 岩 南 8 号 / 秋 田 58 号 晩 生 つ ぶ ぞ ろ い 秋 田 59 号 / 奥 羽 366 号 (め ん こ い な / ち ゅ ら ひ か り ) 平 24 や や 長 稈 中 間 12.2 8. 6 9. 23 7 5.6 熟 期 が 晩 生 な の で 高 冷 地 は 避 け る 。 や や 強 極 強 や や 難 65.4 県 内 平 坦 部 多 収 、 米 質 上 、 食 味 極 上 、 耐 冷 性 極 強 、 5.8 18.5 6.0 18.3 米 質 上 、 食 味 極 上 高 冷 地 を 除 く 県 内 平 坦 部 62.8 23.3 57.8 61.8 無 無

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-2 -a 当 り 収 量 千 粒 重 一  重 蛋 白 質 含 有 率 ( 水 分 1 5 % ) ア ミ ロ ー ス 含 有 率 ( 乾 物 換 算 ) ( 枚 ) (月 日 ) (月 日 ) (c m ) ( c m ) (本 /㎡ ) (kg) (g) (g) (%) (%) 表 - 2 平 成 3 0 年 度 水 稲 奨 励 品 種 特 性 表 ( そ の 2 ) 食 味 適 地 品 質 概 要 穂 数 穂 長 病 害 虫 穂 発 芽 性 心 白 腹 白 芒 の 有 無 長 短 ふ 先 色 穂 い も ち 紋 枯 カ ラ バ エ 採 用 年 度 草 型 出 葉 数 出 穂 期 稈 長 成 熟 期 優 点 注 意 点 種 別 早 中 晩 別 品 種 名 組 合 せ 白 米 玄 米 粒 着 疎 密 下 葉 枯 耐 倒 伏 性 耐 冷 性 葉 い も ち 6.6 上 の 中 8.3 無 無 米 飯 の 粘 り が 強 い い も ち 病 に 注 意 。 炊 飯 の 水 分 は う る ち 米 の 場 合 よ り 1 0 % 程 度 減 ず る - 1 6.0 399.4 平 19 11.9 7.2 7 - 県 内 一 円 779. 5 中 の 上 稀 極 短 黄 白 や や 密 低 ア ミ ロ ー ス 米 早 生 早 淡 雪 こ ま ち ( 認 定 品 種 ) 中 - 9. 9 奥羽 343 号 / 秋 田 51 号 ( で わ ひ か り ) や や 短 稈 偏 穂 数 中 や や 難 56.0 21.1 72 .7 中 や や 弱 (a , i ) や や 強 ( a 、i ) や や 強 ( a 、i ) 中 (a) 中 (a) 59.9 多 少 や や 強 中 生 美 山 錦 た か ね 錦 に 6 0Co3 0kr 処 理 昭 55 長 稈 穂 重 - 6.6 上 の 中 - 多 窒 素 で 倒 伏 、 登 熟 低 下 。 低 温 で 白 ふ 発 生 。 黄 白 強 25.4 弱 上 の 下 下 葉 枯 れ や や 多 い 。 穂 揃 い や や 不 良 。 - 上 の 上 県 北 部 を 除 く 県 内 平 坦 部 強 稈 、 多 収 餅 質 極 良 - - や や 多 下 葉 枯 れ や や 多 い 。 過 剰 追 肥 避 け る 。 中 中 - や や 多 - 強 820. 7 中 の 上 - - 上 の 中 極 高 冷 地 を 除 く 県 内 全 域 中 中 61.2 23.5 823 上 の 下 強 稈 、 多 収 、 餅 質 良 好 - - 中 や や 難 56.9 24.4 27.5 - 県 内 平 坦 部 中 - 上 の 中 少 - - や や 難 中 58.6 中 中 中 - や や 多 強 815. 1 8.3 無 無 米 飯 の 粘 り が 強 い い も ち 病 に 注 意 。 炊 飯 の 水 分 は う る ち 米 の 場 合 よ り 1 0 % 程 度 減 ず る 大 粒 、 高 品 質 玄 米 蛋 白 質 含 量 が 低 い 大 粒 心 白 多 雄 物 川 流 域 平 坦 部 難 白 葉 枯 病 弱 。 粗 蛋 白 質 含 量 の 増 加 を 防 ぐ た め 、 多 肥 は 避 け る 。 814 多 - - や や 短 稈 中 間 平 4 12.5 13.6 平 4 や や 長 稈 穂 重 短 稈 偏 穂 重 419.6 1 6.0 399.4 1 7.2 2 0.1 黄 白 無 平 19 11.9 7.2 7 - 県 内 一 円 779. 5 中 の 上 中 褐 中 少 短 中 や や 短 稀 極 短 黄 白 や や 密 や や 弱 水 稲 糯 米 中 生 秋 田 酒 こ ま ち 中 生 晩 酒 造 好 適 米 12.6 8. 1 低 ア ミ ロ ー ス 米 秋系 酒 25 1 / 秋 系 酒 30 6 早 生 早 淡 雪 こ ま ち ( 認 定 品 種 ) 中 - や や 疎 8. 2 9. 18 9. 9 315.7 - 86 .8 無 弱 早 生 早 た つ こ も ち 中部 糯 37 号 / ア キ ヒ カ リ 9. 7 65 .5 1 7.6 奥羽 343 号 / 秋 田 51 号 ( で わ ひ か り ) 7.2 6 や や 短 稈 偏 穂 数 9. 18 78 .1 302.1 中 や や 難 56.0 21.1 中部 糯 37 号 / ア キ ヒ カ リ き ぬ の は だ 8. 4 9. 2 70 .5 397.1 2 1.3 中 中 72 .7 中 褐 11.9 平 15 新 規 需 要 米 晩 生 秋 田 6 3 号 北陸 130 号 / 秋 田 39 号 9. 24 75 .0 1 9.0 416.0 平 23 や や 長 稈 中 間 12.4 8. 4 - - 中 中 稀 極 短 黄 白 極 多 収 、 細 長 ・ 大 粒 で 主 食 用 粳 品 種 と 識 別 可 能 浸 種 お よ び 催 芽 時 間 は 長 め に 行 う 。 穂 発 芽 し 易 い た め 、 刈 り 取 り は 適 期 に 行 う 。 -中 の 中 県 内 中 央 、 県 南 平 坦 部 中 - 801. 4 中 の 下 多 多 や や 弱 易 78.7 30.2 - ( k、 ta2 ) 注 1 . 注 2 . 耐 病 性 等 の 抵 抗 性 あ る い は 草 型 等 は 特 性 検 定 ( 調 査 ) の 結 果 お よ び 病 害 担 当 の 資 料 と 東 北 地 域 ( 寒 冷 地 中 部 ) に お け る 特 性 分 類 の 申 し 合 わ せ を 考 慮 し て 評 価 し た 。 「 -」 は 未 評 価 を 示 す 。 注 3 . 葉い もち の( ) は 、 い も ち 病 真 性 抵 抗 性 遺 伝 子 型 を 示 す 。 注 4 . 認 定 品 種 と は 、 既 存 の 栽 培 品 種 と 比 較 し て 明 ら か に 優 れ て い る と 認 め ら れ る が 、 適 地 の 範 囲 が 比 較 的 狭 い 品 種 。 注 5 .淡 雪 こ ま ち の 玄 米 品 質 と 食 味 は 低 ア ミ ロ ー ス 米 と し て の 評 価 。 玄 米 蛋 白 質 含 有 率 と ア ミ ロ ー ス 含 有 率 は 平 18 ~ 26 の 平 均 値 で あ る 。 秋田 農試 「水 稲奨励 品種 決定基 本調 査」 標肥区 にお ける成 績( 数値は 平 20 ~ 29 の平均 値、 但し淡 雪こ まち 、美山 錦、 秋田酒 こま ちは 平 18 ~ 25 の 平均値 、秋 田 63 号は 18 ~ 19 、 24 ~ 29 の 平 均 値 ) 。 新 規 需 要 米 晩 生 秋 田 6 3 号 北陸 130 号 / 秋 田 39 号 9. 24 75 .0 1 9.0 416.0 平 23 や や 長 稈 中 間 12.4 8. 4 - - 中 中 稀 極 短 黄 白 極 多 収 、 細 長 ・ 大 粒 で 主 食 用 粳 品 種 と 識 別 可 能 浸 種 お よ び 催 芽 時 間 は 長 め に 行 う 。 穂 発 芽 し 易 い た め 、 刈 り 取 り は 適 期 に 行 う 。 -中 の 中 県 内 中 央 、 県 南 平 坦 部 中 - 801. 4 中 の 下 多 多 や や 弱 易 78.7 30.2

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2 品種別栽培管理の要点 「 秋のきらめき」 項 目 栽培の要点 播種~育苗期 浸種を十分に行い催芽を丁寧にし、出芽を揃える。 中苗の場合、100g/箱播き、35~40日間育苗する。 「あきたこまち」より発芽しにくい。 田 植 期 日平均気温13~14℃以上の日に行う。 栽植密度21~24株/㎡(70~80株/坪)。 基 肥 N:5~7㎏/10a程度で「あきたこまち」並とするが、栽培地域、土壌条件により加減する。 P5、Oの各成分は8~10㎏/10a程度とする。 最高分げつ期に土壌窒素が2mg/100g以下になるのが理想的である。 有効茎決定期 6/25頃、目標穂数と同数の茎数を確保したら、ただちに中干しを実施し、過剰分げつの 発生を抑え、一茎の充実を図る。 最高分げつ期 7/5頃。 追 肥 減数分裂期に窒素追肥2㎏ /10aを基本とするが、葉色が濃い場合は行わない。 幼穂形成期と減数分裂期の2回追肥は合わせて3㎏/10a以内とし、以後の追肥は行わ ない。 幼穂形成期 7/10頃、葉色の急激な低下に気をつける。草丈は倒伏の危険性を考慮して60㎝以下を 目標とする。 減数分裂期 7/20頃、穂ばらみ期から出穂期の適切な水管理により根、茎を充実させて健全な稲体を 維持する。低温時には深水管理を行う。 出 穂 期 7/28頃、出穂後10日間は湛水し、出穂後30日頃までは間断かん水する。早期落水は 収量・玄米品質の低下を招くので注意する。 成 熟 期 9/8頃、出穂後日数で45日前後、日平均気温の積算値で 950~1,050℃を目安とする。 刈り取り適期は、籾・枝梗の黄化程度から判断する。 草 姿 主稈総葉数は11~12枚。上位節間が伸びやすく出穂前後の草丈の伸びに注意する。 稈長は75㎝以下を目標とする。 葉 色 葉色は「あきたこまち」と同程度。 穂 相 粒着は“中”で、1穂籾数が比較的少ない。 穂発芽性 “難”で穂発芽しにくい。 耐倒伏性 “やや強”、「あきたこまち」より強い。成熟期の稈長が80㎝以上で倒伏しやすくなる。 耐 病 性 葉いもち“やや強”、穂いもち“強”。「あきたこまち」より強いが適期防除に努める。 耐 冷 性 障害型耐冷性は“極強”。 収量構成要素 穂数型、1穂籾数は「あきたこまち」並、㎡当たり総籾数は「あきたこまち」と同程度。 登熟歩合が高く、玄米千粒重は 23.2gで「あきたこまち」と同程度。 収 量 性 570㎏/10aを目標収量とする。 品 質 上の中、玄米の色沢・光沢が良く、良質である。 食 味 上の中、「あきたこまち」と同等。 生 育 時 期 生 育 の 特 徴 障 害 収 量 食 味

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4 -「 あきたこまち」 項 目 栽培の要点 播種~育苗期 浸種を十分に行い催芽を丁寧にし、出芽を揃える。 中苗の場合、100g/箱播き、35~40日間育苗する。 低温により発芽が遅れるので注意が必要。短苗で、葉色が濃い。 田 植 期 日平均気温13~14℃以上の日に行う。 栽植密度21~24株/㎡(70~80株/坪)。 基 肥 N:5~7㎏/10a程度とするが、栽培地域、土壌条件により加減する。 P2O5、K2Oの各成分は8~10㎏/10a程度とする。 最高分げつ期に土壌窒素が2mg/100g以下になるのが理想的である。 有効茎決定期 6/25頃、目標穂数と同数の茎数を確保したら、ただちに中干しを実施し、過剰分げつの 発生を抑え、一茎の充実を図る。 最高分げつ期 7/5頃。 追 肥 幼穂形成期は生育・栄養診断により窒素追肥を行う。減数分裂期の窒素追肥は2㎏/10a 程度とし、以後の追肥は食味を低下させるので行わない。 幼穂形成期 7/15頃、葉色の急激な低下に気をつける。草丈は倒伏の危険性を考慮して62㎝以下を 目標とする。 減数分裂期 7/25頃、穂ばらみ期から出穂期の適切な水管理により根、茎を充実させて健全な稲体を 維持する。低温により、障害不稔・白ふが発生しやすいので、低温時には深水管理を行 う。 出 穂 期 7/31頃、出穂後10日間は湛水し、出穂後30日頃までは間断かん水する。早期落水は収 量・玄米品質の低下を招くので注意する。 成 熟 期 9/13頃、出穂後日数で45日前後、日平均気温の積算値で950~1,050℃を目安とする。 刈り取り適期は、籾・枝梗の黄化程度から判断する。 草 姿 主稈総葉数は12~13枚。上位節間が伸びやすく出穂前後の草丈の伸びに注意する。稈 長は80㎝以下を目標とする。 葉 色 育苗期を含め、生育期間を通して葉色が濃い。幼穂形成期の葉緑素計値で40を目標と する。極端な葉色低下は籾数不足を招くので、生育・栄養診断に基づく肥培管理を行う。 穂 相 粒着は“中”で、1穂籾数が比較的少ない。 穂発芽性 “やや難”、倒伏時には穂発芽に注意する。 耐倒伏性 “中”、上位節間が伸長しやすい。成熟期の稈長が80㎝以上で倒伏しやすくなる。 耐 病 性 葉いもち・穂いもちともに“やや弱”。「ササニシキ」より強いが適期防除に努める。 耐 冷 性 低温により分げつの発生が抑制されるので、遅延型冷害に注意する。 障害型耐冷性は“中”、低温により白ふの発生が多くみられる。 収量構成要素 偏穂数型、1穂籾数が比較的少なく、㎡当たり総籾数は30~32千粒程度。 登熟歩合が高く、玄米千粒重は23.3g程度。 収 量 性 570㎏/10aを目標収量とする。 品 質 上の中、玄米の色沢・光沢が良く、良質である。 食 味 上の中、粘りが強く、炊飯光沢あり食味極上。 総合評価では「コシヒカリ」「ひとめぼれ」と同等。 食 味 生 育 時 期 生 育 の 特 徴 障 害 収 量

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5 -「 ひと めぼれ」 項 目 栽培の要点 播種~育苗期 種子の休眠性が強いので、浸種を十分に行い催芽を丁寧にし、出芽を揃える。 中苗の場合、100g/箱播き、35~40日間育苗する。 田 植 期 日平均気温13~14℃以上の日に行う。 栽植密度21~24株/㎡(70~80株/坪)。 基 肥 N:5~7㎏/10aで「あきたこまち」並とするが、栽培地域、土壌条件により加減する。 P2O5、K2Oの各成分は8~10㎏/10a程度とする。 最高分げつ期に土壌窒素が2mg/100g以下になるのが理想的である。 有効茎決定期 6/25頃、目標穂数と同数の茎数を確保したら、ただちに中干しを実施し、過剰分げつの 発生を抑え、一茎の充実を図る。 最高分げつ期 7/5頃。 追 肥 幼穂形成期は原則として追肥を行うが、葉緑素計値で38以上の時は追肥を行わない。減 数分裂期の窒素追肥は2㎏/10a程度とし、以後の追肥は行わない。 幼穂形成期 7/18頃、葉色の急激な低下に気をつける。草丈は倒伏の危険性を考慮して60㎝以下を 目標とする。 減数分裂期 7/28頃、穂ばらみ期から出穂期の適切な水管理により根、茎を充実させて健全な稲体を 維持する。低温時には深水管理を行う。 出 穂 期 8/6頃、出穂後10日間は湛水し、出穂後30日頃までは間断かん水する。早期落水は収 量・玄米品質の低下を招くので注意する。 成 熟 期 9/22頃、出穂後日数で50日前後、日平均気温の積算値で1,050~1,150℃を目安とす る。刈り取り適期は、籾・枝梗の黄化程度から判断する。 草 姿 主稈総葉数は12~13枚。草丈は「ササニシキ」と同程度。 稈長は80㎝以下を目標とする。 葉 色 葉色は「あきたこまち」より淡く、「ササニシキ」より濃い。幼穂形成期の葉緑素計値は「あき たこまち」より3ポイント程度低い。 穂 相 粒着は“やや疎”で、1穂籾数は「あきたこまち」並~やや少ない。 穂発芽性 “難”で穂発芽しにくい。 耐倒伏性 “中”、「ササニシキ」より強いが「あきたこまち」と同程度。成熟期の稈長が80㎝以上で倒伏 しやすくなる。 耐 病 性 葉いもち・穂いもちともに“やや弱”。「ササニシキ」より強いが適期防除に努める。 耐 冷 性 障害型耐冷性は“極強”。 収量構成要素 偏穂数型、穂数は「あきたこまち」よりやや多く、1穂籾数は「あきたこまち」よりやや少ない。 ㎡当たり総籾数は「あきたこまち」と同程度~やや少ない。 登熟歩合が高く、玄米千粒重は23.9g程度。 収 量 性 570㎏/10aを目標収量とする。 品 質 上の中、玄米の色沢・光沢が良く、腹白・心白は「ササニシキ」より少なく良質である。 食 味 上の中、「ササニシキ」より粘りがあり、「あきたこまち」と同等。 食 味 生 育 時 期 生 育 の 特 徴 障 害 収 量

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6 -「めんこいな」 項 目 栽培の要点 播種~育苗期 浸種を十分に行い催芽を丁寧にし、出芽を揃える。中苗の場合、100g/箱播き、35~40 日間育苗する。「あきたこまち」に比べ発芽しやすい。 田 植 期 日平均気温13~14℃以上の日に行う。 栽植密度21~24株/㎡(70~80株/坪)。 基 肥 N:5~7㎏/10aで「あきたこまち」並とするが、栽培地域、土壌条件により加減する。 P2O5、K2Oの各成分は8~10㎏/10a程度とする。 最高分げつ期に土壌窒素が2mg/100g以下になるのが理想的である。 有効茎決定期 6/25頃、目標穂数と同数の茎数を確保したら、ただちに中干しを実施し、過剰分げつの 発生を抑え、一茎の充実を図る。 最高分げつ期 7/5頃。 追 肥 減数分裂期に窒素追肥2㎏/10aを基本とするが、葉色が濃い場合は行わない。 幼穂形成期と減数分裂期の2回追肥は合わせて3㎏/10a以内とし、以後の追肥は行わ ない。 幼穂形成期 7/18頃、倒伏には強いが、草丈は60㎝を目標とし、過繁茂を避ける。 減数分裂期 7/28頃、穂ばらみ期から出穂期の適切な水管理により根、茎を充実させて健全な稲体を 維持する。低温時には深水管理を行う。 出 穂 期 8/3頃、出穂後10日間は湛水し、出穂後30日頃までは間断かん水する。早期落水は収 量・玄米品質の低下を招くので注意する。 成 熟 期 9/19頃、出穂後日数で50日前後、日平均気温の積算値で1,050~1,150℃を目安とす る。刈り取り適期は、籾・枝梗の黄化程度から判断する。 草 姿 主稈総葉数は12~13枚。稈長は77㎝を目標とする。 葉 色 葉色は「あきたこまち」よりやや淡い。 穂 相 粒着は“中”で、穂長が長く、1穂籾数は「あきたこまち」より多い。 穂発芽性 “中”で「あきたこまち」より穂発芽しやすいので、適期刈り取りをする。 耐倒伏性 “強”、「あきたこまち」より強い。成熟期の稈長が80㎝以上で倒伏しやすくなる。 耐 病 性 葉いもち・穂いもちともに“やや弱”。「ササニシキ」より強いが適期防除に努める。 耐 冷 性 障害型耐冷性は“中”。熟期も考慮し山間地での栽培は避ける。 収量構成要素 中間型、穂数は「あきたこまち」並、1穂籾数は「あきたこまち」より多く、㎡当たり総籾数は 「あきたこまち」よりやや多い。 登熟歩合が高く、玄米千粒重は24.0g程度。 収 量 性 630㎏/10aを目標収量とする。 品 質 上の中、玄米の色沢・光沢が良く、良質である。 食 味 上の中、「あきたこまち」より粘りが少なく、さっぱりとした食感。 食 味 生 育 時 期 生 育 の 特 徴 障 害 収 量

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7 -「 ササニシキ」 項 目 栽培の要点 播種~育苗期 浸種を十分に行い催芽を丁寧にし、出芽を揃える。中苗の場合、100g/箱播き、35~40 日間育苗する。「あきたこまち」に比べ発芽しやすい。 田 植 期 日平均気温13~14℃以上の日に行う。 栽植密度21~24株/㎡(70~80株/坪)。 基 肥 N:3~4㎏/10aとし、基肥窒素を控える。P2O5、K2Oの各成分は8~10㎏/10a程度とす る。最高分げつ期に土壌窒素が1mg/100g以下になるのが理想的である。 有効茎決定期 6/25頃、目標穂数と同数の茎数を確保したら、ただちに中干しを実施し、過剰分げつの 発生を抑え、一茎の充実を図る。 最高分げつ期 7/5頃。 追 肥 幼穂形成期の追肥はムラ直し程度とし、減数分裂期は窒素追肥2㎏/10a程度とする。以 後の追肥は行わない。 幼穂形成期 7/18頃、草丈は60㎝を目標とする。 減数分裂期 7/28頃、穂ばらみ期から出穂期の適切な水管理により根、茎を充実させて健全な稲体を 維持する。低温時には深水管理を行う。 出 穂 期 8/3頃、出穂後10日間は湛水し、出穂後30日頃までは間断かん水する。早期落水は収 量・玄米品質の低下を招くので注意する。 成 熟 期 9/21頃、出穂後日数で50日前後、日平均気温の積算値で1,050~1,150℃を目安とす る。刈り取り適期は、籾・枝梗の黄化程度から判断する。 草 姿 主稈総葉数は約13枚。稈長は78㎝を目標とする。 葉 色 葉色は「あきたこまち」よりかなり淡く、幼穂形成期の葉緑素計値は「あきたこまち」より5ポ イント程度低い。 穂 相 粒着は“中”で、1穂籾数は「あきたこまち」よりやや多い。籾数は二次枝梗籾に依存す る。 穂発芽性 “易”で穂発芽しやすいので、適期刈り取りをする。 耐倒伏性 “弱”で倒伏しやすので留意する。成熟期の稈長が80㎝以上で倒伏しやすくなる。 耐 病 性 葉いもち・穂いもちともに“弱”。適期防除に努める。 耐 冷 性 障害型耐冷性は“やや弱”。 収量構成要素 穂数型、穂数及び1穂籾数は「あきたこまち」よりやや多く、㎡当たり総籾数は「あきたこま ち」より多い。登熟歩合が低く、玄米千粒重は22.7g程度。 収 量 性 収量は年次変動が大きい。600㎏/10aを目標収量とする。 品 質 上の下、良質であるが年により乳白・腹白が目立ち、変動が大きい。 食 味 上の中、炊飯光沢があり、総合評価は良い。 食 味 生 育 時 期 生 育 の 特 徴 障 害 収 量

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8 -「ゆめおばこ」 項 目 栽培の要点 播種~育苗期 浸種を十分に行い催芽を丁寧にし、出芽を揃える。中苗の場合、100g/箱播き、35~40日 間育苗する。「あきたこまち」に比べ発芽しやすい。 田 植 期 日平均気温13~14℃以上の日に行う。 栽植密度21~24株/㎡(70~80株/坪)。 基 肥 N:4~6㎏/10aで「あきたこまち」並~やや少なくするが、栽培地域、土壌条件により加減 する。P2O5、K2Oの各成分は8~10㎏/10a程度とする。 最高分げつ期に土壌窒素が2mg/100g以下になるのが理想的である。 有効茎決定期 6/25頃、目標穂数と同数の茎数を確保したら、ただちに中干しを実施し、過剰分げつの発 生を抑え、一茎の充実を図る。 最高分げつ期 7/5頃。 追 肥 減数分裂期に窒素追肥2㎏/10aを基本とするが、葉色が濃い場合は行わない。 幼穂形成期と減数分裂期の2回追肥は合わせて3㎏/10a以内とし、以後の追肥は行わな い。 幼穂形成期 7/18頃、葉色の急激な低下に気をつける。草丈は倒伏の危険性を考慮して64㎝以下を目 標とし、過繁茂を避ける。 減数分裂期 7/28頃、穂ばらみ期から出穂期の適切な水管理により根、茎を充実させて健全な稲体を維 持する。低温時には深水管理を行う。 出 穂 期 8/5頃、出穂後10日間は湛水し、出穂後30日頃までは間断かん水する。早期落水は収量・ 玄米品質の低下を招くので注意する。 成 熟 期 9/21頃、出穂後日数で50日前後、日平均気温の積算値で1,050~1,150℃を目安とする。 刈り取り適期は、籾・枝梗の黄化程度から判断する。 草 姿 主稈総葉数は約12枚。稈長は80~84㎝程度が理想。 葉 色 葉色は「あきたこまち」よりやや淡い。 穂 相 粒着は“中”で、1穂籾数は「あきたこまち」並。 穂発芽性 “中”で「あきたこまち」より穂発芽しやすいので、適期刈り取りをする。 耐倒伏性 “やや強”、「あきたこまち」より強い。成熟期の稈長が85㎝以上で倒伏しやすくなる。 耐 病 性 葉いもち“中”、穂いもち“やや強”。「あきたこまち」より強いが適期防除に努める。 耐 冷 性 障害型耐冷性は“極強”。 収量構成要素 中間型、穂数は「あきたこまち」並~やや少なく、1穂籾数は「あきたこまち」並。㎡当たり総 籾数は「あきたこまち」と同程度。 登熟歩合は「あきたこまち」よりやや低く、玄米千粒重は25.4g程度。 収 量 性 630㎏/10aを目標収量とする。 品 質 上の中、玄米の色沢・光沢が良く、腹白・心白は「ササニシキ」より少なく良質である。 食 味 上の中、「あきたこまち」「ひとめぼれ」と同等。やや軟らかい食感。 食 味 生 育 時 期 生 育 の 特 徴 障 害 収 量

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「 つぶぞろい」 項 目 栽培の要点 播種~育苗期 浸種を十分に行い催芽を丁寧にし、出芽を揃える。中苗の場合、100g/箱播き、35~40日 間育苗する。 田 植 期 日平均気温13~14℃以上の日に行う。 栽植密度21~24株/㎡(70~80株/坪)。 基 肥 N:5~7㎏/10aで「あきたこまち」並とするが、栽培地域、土壌条件により加減する。 P5、Oの各成分は8~10㎏/10a程度とする。 最高分げつ期に土壌窒素が2mg/100g以下になるのが理想的である。 有効茎決定期 6/25頃、目標穂数と同数の茎数を確保したら、ただちに中干しを実施し、過剰分げつの発 生を抑え、一茎の充実を図る。 最高分げつ期 7/5頃。 追 肥 減数分裂期に窒素追肥2㎏/10aを基本とするが、葉色が濃い場合は行わない。 幼穂形成期と減数分裂期の2回追肥は合わせて3㎏/10a以内とし、以後の追肥は行わな い。 幼穂形成期 7/18頃、葉色の急激な低下に気をつける。草丈は倒伏の危険性を考慮して64㎝以下を目 標とし、過繁茂を避ける。 減数分裂期 7/28頃、穂ばらみ期から出穂期の適切な水管理により根、茎を充実させて健全な稲体を維 持する。低温時には深水管理を行う。 出 穂 期 8/5頃、出穂後10日間は湛水し、出穂後30日頃までは間断かん水する。早期落水は収量・ 玄米品質の低下を招くので注意する。 成 熟 期 9/23頃、出穂後日数で50日前後、日平均気温の積算値で1,050~1,150℃を目安とする。 刈り取り適期は、籾・枝梗の黄化程度から判断する。 草 姿 主稈総葉数は約12枚。稈長は75~80㎝程度が理想。 葉 色 葉色は「あきたこまち」よりやや淡い。 穂 相 粒着は“中”で、1穂籾数は「あきたこまち」並。 穂発芽性 “やや難”で「あきたこまち」と同程度。 耐倒伏性 “やや強”、「あきたこまち」より強い。 耐 病 性 葉いもち“やや強”、穂いもち“強”。「あきたこまち」より強いが適期防除に努める。 耐 冷 性 障害型耐冷性は“極強”。 収量構成要素 中間型、穂数は「あきたこまち」並~やや少なく、1穂籾数は「あきたこまち」並。㎡当たり総 籾数は「あきたこまち」と同程度。 登熟歩合は「あきたこまち」よりやや低く、玄米千粒重は25.4g程度。 収 量 性 600㎏/10aを目標収量とする。 品 質 上の中、玄米の色沢・光沢が良く、良質である。 食 味 上の中、「あきたこまち」並。 生 育 時 期 生 育 の 特 徴 障 害 収 量 食 味

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「 淡雪こまち 」 ( *直播栽培) 項 目 潤土直播栽培の要点(鹿角・小坂地域の事例) 播種期 5月10~20日頃。播種後10日間の日平均気温が14℃以上の時期が好適。 土壌条件 泥炭土、黒泥土を除く 播種量 4kg/10a(乾籾) 種子予措 催芽籾(ハト胸)に乾籾重比1~2倍量のカルパーを粉衣。 粉衣はできるだけ播種前日に行う。やむを得ず粉衣種子を保存する場合は種子の水分低 下と保存温度に気をつける。 目標苗立数 80本/㎡(60~90本) 基肥 N:4~6kg/10aとするが、栽培地域、土壌条件により加減する。肥効調節型肥料を利用す る場合は10%程度減肥する。 有効茎決定期 7~8葉頃、目標穂数と同数の茎数を確保したら、ただちに中干しを行う。程度は移植栽 培より強めに行い、溝きりを実施する。 追 肥 減数分裂期の追肥を基本とし、 N:1~2㎏/10a程度とし、以後の追肥は行わない。幼穂 形成期は原則として追肥を行わない。 幼穂形成期 草丈は倒伏の危険性を考慮して57㎝以下を目標とする。 減数分裂期 低温時には深水管理を行う。 出 穂 期 出穂後10日間は湛水し、出穂後30日頃までは間断かん水する。早期落水は収量・玄米 品質の低下を招くので注意する。 成 熟 期 出穂後日数で45日前後、日平均気温の積算値で 950~1,050℃を目安とする。刈り取り適 期は、籾・枝梗の黄化程度から判断する。 草 姿 やや短稈。主稈総葉数は約 12枚。稈長は75㎝以下を目標とする。 葉 色 「あきたこまち」と比較して葉色がやや淡い。 穂 相 穂長が短く、粒着は“やや密”、1穂籾数は「あきたこまち」よりやや少ない。 穂発芽性 “やや難”、倒伏時には穂発芽に注意する。 耐倒伏性 “中”、「あきたこまち」並。成熟期の稈長が75㎝以上で倒伏しやすくなる。 耐 病 性 いもち病真性抵抗性遺伝子型はPia とPiiを有する。ほ場抵抗性は葉いもちは“やや弱”、 穂いもちは“中”。適期防除に努める。 耐 冷 性 低温により分げつの発生が抑制されるので、遅延型冷害に注意する。 障害型耐冷性は“中”で「あきたこまち」並。白ふの発生が多くみられる。 収量構成要素 偏穂数型、穂数470本程度、㎡あたり総籾数は 30千粒程。登熟歩合は 80%程度で「あき たこまち」よりやや低い。玄米千粒重は21.1g程度でやや小さい。 収 量 性 520㎏/10aを目標収量とする。 品 質(D) 中の上、玄米が白濁する低アミロース米。ただし出穂後20日間の平均登熟気温が22.5℃ 以下では飴色~白濁が混在する。 食 味(D) 上の中、粘りは「あきたこまち」より強く、ややもち臭がある。 総合評価では「スノーパール」と同程度。 炊飯の加水量はうるち米に比べて10%減ずる。 1)Dは低アミロース米としての品質・食味の評価 2)「スノーパール」は同じ低アミロース遺伝子をもつ品種 食 味 生 育 時 期 生 育 の 特 徴 障 害 収 量

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「美山錦」 項 目 栽培の要点 播種~育苗期 種子の休眠性がやや強いので、浸種は10~15℃の水温で均一に吸水させる。十分に吸 水させ催芽を丁寧にし、出芽を揃える。中苗の場合、100g/箱播き、35~40日間育苗す る。 田 植 期 日平均気温13~14℃以上の日に行う。 栽植密度21~24株/㎡(70~80株/坪)。分げつ数が少ないのでやや密植とする。株当た りの植え付け本数が多いと茎が細くなりやすい。 基 肥 長稈で耐肥性が弱く、また酒米という用途からN:4㎏/10a程度とし、栽培地域、土壌条件 により加減する。P2O5、K2Oの各成分は8~10㎏/10a程度とする。 有効茎決定期 6/25頃、目標穂数と同数の茎数を確保したら、ただちに中干しを実施し、根の健全化と一 茎の充実を図る。 最高分げつ期 7/5頃。 追 肥 追肥により玄米の蛋白質含量が高くなりやすいので、幼穂形成期以降は行わない。 幼穂形成期 7/15頃、葉緑素計値で40程度が望ましい。 減数分裂期 7/25頃、登熟の向上を図るため、適切な水管理が重要である。 出 穂 期 8/1頃、出穂後10日間は湛水し、出穂後30日頃までは間断かん水する。早期落水は収 量・玄米品質の低下・胴割れの増加を招くので注意する。 成 熟 期 9/18頃、日平均気温の積算値で1,050~1,150℃を目安とする。刈り遅れによる胴割れの 発生を防ぐため適期に刈り取る。 草 姿 長稈。主稈総葉数は12~13枚。稈長は85~90㎝以下を目標とする 。 葉 色 「秋田酒こまち」より濃い。 穂 相 穂長は「秋田酒こまち」より短い。2次枝梗籾が少なく、粒着は“疎”である。 穂発芽性 “難”、穂発芽しにくい。 耐倒伏性 “弱”、長稈で倒伏しやすい。 耐 病 性 いもち病真性抵抗性遺伝子型はPia とPiiを有する。ほ場抵抗性は葉いもちは“やや強”、 穂いもちは“中”で「秋田酒こまち」並。適期防除に努める。 耐 冷 性 障害型耐冷性は“やや強”であるが、白ふの発生が多い。 収量構成要素 穂重型で、㎡当たり総籾数は1穂籾数に依存する。玄米千粒重は25.4g程度で「秋田酒こ まち」より小さい。倒伏すると登熟歩合が極端に低下する。 収 量 性 570㎏/10aを目標収量とする。長稈で倒伏しやすく、玄米の蛋白質含量の増加を防ぐた め、多肥栽培は避け、稲体の健全化、登熟歩合の向上、粒揃いの良化を図る。 品 質 品 質 上の下、大粒で腹白状の心白が多い酒米。品質はやや不安定。粒が厚いので胴割れに 注意して、適期刈り取り、丁寧な乾燥を心がける。 生 育 時 期 生 育 の 特 徴 障 害 収 量

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「 秋田酒こまち 」 項 目 栽培の要点 播種~育苗期 種子の休眠性がやや強いので、浸種は 10~15℃の水温で均一に吸水させる。十分に吸 水させ催芽を丁寧にし、出芽を揃える。中苗の場合、100g/箱播き、35~40日間育苗す る。 田 植 期 日平均気温13~14℃以上の日に行う。 栽植密度21~24株/㎡(70~80株/坪)。分げつ数が少ないのでやや密植とする。株当た りの植え付け本数が多いと茎が細くなりやすい。 基 肥 耐肥性は「美山錦」より強いが酒米という用途からN:5㎏/10a程度とし、栽培地域、土壌 条件により加減する。P2O5、K2Oの各成分は8~10㎏/10a程度とする。 有効茎決定期 目標穂数と同数の茎数を確保したら、ただちに中干しを実施し、根の健全化と一茎の充実 を図る。 最高分げつ期 7/5頃。 追 肥 幼穂形成期は生育・栄養診断により窒素追肥を行う。幼穂形成期の窒素追肥は2㎏/10a 程度とし、以後の追肥は玄米蛋白質含量を増加させるため行わない。 幼穂形成期 7/15頃、草丈は64~68cm、茎数400~420本、葉緑素計値38~40程度を目安とする。 減数分裂期 7/25頃、腹白状心白を増やさないために、この時期の追肥はひかえる。低温時には深水 管理を行い、登熟の向上を図るため適切な水管理が重要である。 出 穂 期 8/2頃、穂揃い期の葉緑素計値は 36~38程度を目安とする。出穂後10日間は湛水し、出 穂後30日頃までは間断かん水する。早期落水は収量・玄米品質の低下・胴割れの増加を 招くので注意する。 成 熟 期 9/18頃、出穂後日数で45~50日、平均気温の積算値で1,000℃を目安とする。刈り遅れ による胴割れの発生を防ぐため適期に刈り取る。 草 姿 やや長稈。主稈総葉数は 12~13枚。稈長は84~87㎝を目標とする。 葉 色 「美山錦」よりやや淡い。 穂 相 穂長は「美山錦」より長いが2次枝梗籾が少なく、粒着は“やや疎”である。 穂発芽性 “やや難”、倒伏時には穂発芽に注意する。 耐倒伏性 “やや弱”、「美山錦」より強いが稈長が90cm以上になると倒伏しやすい。 耐 病 性 いもち病真性抵抗性遺伝子型はPia とPii を有する。ほ場抵抗性は葉いもちは“やや強”、 穂いもちは“中”で「美山錦」並。適期防除に努める。 耐 冷 性 障害型耐冷性は“中”、「美山錦」より弱いが「あきたこまち」並である。 収量構成要素 穂重型で、㎡当たり総籾数は 1穂籾数に依存する。穂数は 300~350本、登熟歩合は 90%、㎡当たり総籾数は 23~25千粒程度。玄米千粒重は 27.5g程度で「美山錦」より大き い。 収 量 性 570㎏/10aを目標収量とする。玄米の蛋白質含量の増加を防ぐため、多肥栽培は避け、 稲体の健全化、登熟歩合の向上、粒揃いの良化を図る。 品 質 品 質 上の中、「美山錦」より大粒で、点状・線状の心白発現が良好な酒米。玄米蛋白質含量は 7.0%以下を目標とする。胴割れに注意して、適期刈り取り、丁寧な乾燥を心がける。 生 育 時 期 生 育 の 特 徴 障 害 収 量

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「 た つこもち 」 項 目 栽培の要点 播種~育苗期 浸種を十分に行い催芽を丁寧にし、出芽を揃える。中苗の場合、100g/箱播き、35~40 日間育苗する。 田 植 期 日平均気温13~14℃以上の日に行う。 栽植密度21~24株/㎡(70~80株/坪)。 基 肥 N:7~9㎏/10aで「あきたこまち」より増肥するが、栽培地域、土壌条件により加減する。 P2O5、K2Oの各成分は8~10㎏/10a程度とする。 最高分げつ期に土壌窒素が2mg/100g以下になるのが理想的である。 有効茎決定期 6/25頃、目標穂数と同数の茎数を確保したら、ただちに中干しを実施し、過剰分げつの 発生を抑え、一茎の充実を図る。 最高分げつ期 7/5頃。 追 肥 幼穂形成期は原則として追肥を行うが、葉色が濃い場合は追肥を行わない。減数分裂 期の窒素追肥は2㎏/10a程度とし、以後の追肥は行わない。 幼穂形成期 7/7頃、倒伏に強いが草丈は 50㎝を目標として、過繁茂を避ける 減数分裂期 7/17頃、穂ばらみ期から出穂期の適切な水管理により根、茎を充実させて健全な稲体を 維持する。低温時には深水管理を行う。 出 穂 期 7/26頃、出穂後10日間は湛水し、出穂後30日頃までは間断かん水する。早期落水は 収量・玄米品質の低下を招くので注意する。 成 熟 期 9/7頃、出穂後日数で45日前後、日平均気温の積算値で 950~1,050℃を目安とする。 刈り取り適期は、籾・枝梗の黄化程度から判断する。 草 姿 主稈総葉数は約12枚。稈長は64㎝程度が理想である。 葉 色 「あきたこまち」と比較して葉色がやや淡い。 穂 相 粒着は“中”、1穂籾数は「あきたこまち」並~やや多い。 穂発芽性 “やや難”で「あきたこまち」と同程度。 耐倒伏性 “強”、「あきたこまち」より強い。成熟期の稈長が70㎝以上で倒伏しやすくなる。 耐 病 性 葉いもち・穂いもちともに“中”。「あきたこまち」よりやや強いが適期防除に努める。 耐 冷 性 障害型耐冷性は“中”。「秋のきらめき」より弱く「あきたこまち」並。極高冷地での栽培は 避ける。 収量構成要素 偏穂数型、穂数は「あきたこまち」よりやや少なく、1穂籾数は「あきたこまち」よりやや多 い。㎡当たり総籾数は「あきたこまち」よりやや多い。 登熟歩合が高く、玄米千粒重は24.4g程度。 収 量 性 570㎏/10aを目標収量とする。 品 質 中の上、玄米の色沢、光沢が良く、良質である。 食 味 餅質は上の中。 食 味 生 育 時 期 生 育 の 特 徴 障 害 収 量

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14 -「 きぬのはだ」 項 目 栽培の要点 播種~育苗期 浸種を十分に行い催芽を丁寧にし、出芽を揃える。中苗の場合、100g/箱播き、35~40 日間育苗する。 田 植 期 日平均気温13~14℃以上の日に行う。 栽植密度21~24株/㎡(70~80株/坪)。 基 肥 N:7~9㎏/10aで「あきたこまち」より増肥するが、栽培地域、土壌条件により加減する。 P2O5、K2Oの各成分は8~10㎏/10a程度とする。 最高分げつ期に土壌窒素が2mg/100g以下になるのが理想的である。 有効茎決定期 6/25頃、目標穂数と同数の茎数を確保したら、ただちに中干しを実施し、過剰分げつの 発生を抑え、一茎の充実を図る。 最高分げつ期 7/5頃。 追 肥 幼穂形成期は原則として追肥を行うが、葉色が濃い場合は追肥を行わない。減数分裂 期の窒素追肥は2㎏/10a程度とし、以後の追肥は行わない。 幼穂形成期 7/17頃、倒伏に強いが草丈は50㎝を目標として、過繁茂を避ける。 減数分裂期 8/27頃、穂ばらみ期から出穂期の適切な水管理により根、茎を充実させて健全な稲体を 維持する。低温時には深水管理を行う。 出 穂 期 8/4頃、出穂後10日間は湛水し、出穂後30日頃までは間断かん水する。早期落水は収 量・玄米品質の低下を招くので注意する。 成 熟 期 9/20頃、出穂後日数で50日前後、日平均気温の積算値で1,050~1,150℃を目安とす る。刈り取り適期は、籾・枝梗の黄化程度から判断する。 草 姿 主稈総葉数は13~14枚。稈長は70㎝程度が理想である。 葉 色 「あきたこまち」と比較して葉色が淡い。 穂 相 粒着は“中”、1穂籾数は「あきたこまち」より多い。 穂発芽性 “中”で「あきたこまち」より穂発芽しやすいので、適期刈り取りをする。 耐倒伏性 “強”、「あきたこまち」より強い。成熟期の稈長が75㎝以上で倒伏しやすくなる。 耐 病 性 葉いもち・穂いもちともに“中”。「あきたこまち」よりやや強いが適期防除に努める。 耐 冷 性 障害型耐冷性は“中”で、「あきたこまち」並。 収量構成要素 中間型、穂数は「あきたこまち」よりやや多く、1穂籾数は「あきたこまち」より多い。㎡当た り総籾数は「あきたこまち」より多い。 登熟歩合は「あきたこまち」よりやや低く、玄米千粒重は23.5g程度。 収 量 性 570㎏/10aを目標収量とする。 品 質 上の下、玄米の色沢、光沢が良く、良質である。 食 味 餅質は上の中。こしが強く「たつこもち」に優る。 食 味 生 育 時 期 生 育 の 特 徴 障 害 収 量

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「 秋田63号」 項 目 栽培の要点 播種~育苗期 浸種や催芽の時間は「あきたこまち」より長めに行い、出芽を揃える。大粒のため「あきた こまち」よりスリット幅を広くする。中苗の場合、 120g/箱播き、35~40日間育苗する。苗丈 はやや長く葉色は「あきたこまち」より淡い。 田 植 期 晩生であるため、極端な遅植えはしない。日平均気温13~14℃以上の日に行う。 栽植密度21株/㎡(70株/坪)。 基 肥 N:6~7㎏/10a程度とするが、栽培地域、土壌条件により加減する。 P2O5、K2Oの各成分は8~10㎏/10a程度とする。 最高分げつ期に土壌窒素が2mg/100g以下になるのが理想的である。 有効茎決定期 6/25頃、目標穂数と同数の茎数を確保したら、ただちに中干しを実施し、過剰分げつの 発生を抑え、一茎の充実を図る。 最高分げつ期 7/5頃。 追 肥 幼穂形成期は原則として追肥を行わないが、葉色が著しく低下した場合は追肥を行う。 追肥は減数分裂期に2㎏/10a程度とし、以後の追肥は行わない。 幼穂形成期 7/18頃、葉色の急激な低下に気をつける。草丈は70㎝を目標として、過繁茂を避ける。 減数分裂期 7/28頃、穂ばらみ期から出穂期の適切な水管理により根、茎を充実させて健全な稲体を 維持する。低温時には深水管理を行う。 出 穂 期 8/2頃、出穂後10日間は湛水し、出穂後30日頃までは間断かん水する。特に早期落水 は収量の低下を招くので注意する。 成 熟 期 9/24頃、出穂後日数で50日前後、日平均気温の積算値で1,200~1,250℃を目安とす る。刈り取り適期は、籾・枝梗の黄化程度から判断する。 草 姿 主稈総葉数は12~13枚。稈長は80㎝前後が望ましく、成熟期にはややなびく。 葉 色 「あきたこまち」と比較して、育苗期を含め生育期間全般に葉色はやや淡い。 穂 相 粒着は“中”で、1穂籾数は「あきたこまち」よりやや多い。 穂発芽性 “易”で「あきたこまち」より明らかに穂発芽しやすいので、適期刈り取りをする。 耐倒伏性 “中”で「あきたこまち」並。成熟期の稈長が85㎝以上で倒伏しやすくなる。 耐 病 性 葉いもち・穂いもちともにほ場抵抗性は不明である。真性抵抗性遺伝子型が“Pik 、 Pita2 ”と特殊であるが、「あきたこまち」と同様に適期防除に努める。 耐 冷 性 障害型耐冷性は“やや弱”で、「あきたこまち」より弱い。 収量構成要素 中間型、穂数は「あきたこまち」よりやや多く、1穂籾数は「あきたこまち」より多い。㎡当た り総籾数は「あきたこまち」と同程度。 登熟歩合は「あきたこまち」より低く、玄米千粒重は30.2g程度で、形状は細長で極大。 収 量 性 720㎏/10aを目標収量とする。 品 質 中の下、腹白、心白が多く品質は「あきたこまち」より明らかに劣る。 食 味 中の中、食味は「あきたこまち」より劣る。 生 育 時 期 生 育 の 特 徴 障 害 収 量 食 味

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3 新品種の主要特性紹介(秋のきらめき、つぶぞろい) (1)「秋のきらめき」の主要特性 ア ねらい 秋田県では、これまで中山間地域向けとして早生品種の「たかねみのり」を奨励し てきたが、消費者ニーズに対応した「あきたこまち」並の食味で耐冷性、耐病性の強 い「たかねみのり」に替わる早生品種として育成した。 イ 育成経過 水稲「秋のきらめき(秋田96号)」は、秋田県農業試験場において早生の耐冷・耐 病・ 良 食 味 品 種 を 目 標 とし 「 岩 南 16号 ( い わ て っ こ ) 」 を母 、 「 秋 系 483」 を 父と し て1999年に人工交配を行い、その後代より育成した品種である。2012年8月24日に種 苗法に基づいて品種登録申請し、2013年3月22日に品種登録された。 ウ 主要特性(表-1) (ア)「たかねみのり」より出穂期、成熟期ともに2日遅く、「あきたこまち」より 出穂期は2日早く成熟期は5日早い、育成地では“早生の早”に属する。 (イ)稈長、穂長ともに「でわひかり」より長く「たかねみのり」並である。穂数は 「たかねみのり」、「でわひかり」より多く、草型は“穂数型”に属する。耐倒 伏性は「でわひかり」より弱く「たかねみのり」並 の“やや強”である。芒の多 少・長短は“中・やや短”、穎色は“黄白”、ふ先色は“白”である。 (ウ)いもち病真性抵抗性遺伝子型は“+”であると推定され、ほ場抵抗性は葉いも ちが「でわひかり」より強く「たかねみのり」並の“やや強”、穂いもちが「た かねみのり」、「でわひかり」よりも強い“強”である。耐冷性は「たかねみの り」、「でわひかり」よりも強く“極強”、穂発芽性は「たかねみのり」、「で わひかり」よりし難い“難”である。 (エ)収量性は「たかねみのり」、「でわひかり」より優る。玄米は千粒重が「たか ねみのり」よりやや小さく「あきたこまち」並、品質は「あきたこまち」並に良 好で“上中”である。 (オ)玄米粗タンパク質含有率は「たかねみのり」、「でわひかり」より低い。 (カ)食味は「あきたこまち」並の“上中”である。 エ 普及・栽培上の留意事項 (ア)茎数が多く紋枯病の発生が懸念されるため、適期防除に努める。 (イ)耐 倒伏性は「やや強」であるが、安定的に良質米を得るために多肥栽培は避け る。

図 -1 代 か き か ら 播 種 ま で の 日 数 と 処 理 早 限 が イ ネ 1.5葉 期 で 処 理 晩 限 が ノ ビ エ 3 葉 期 の一発剤の処理適期との関係(2002年) 図-2 初期剤と一発剤の体系処理による雑草防除体系 図-3 乾田直播(早期湛水)播種前の除草剤散布-25-20-15-10-5 +0播種前日数タッチダウンiQ液剤(耕起前まで)耕起播種ラウンドアップマックスロード(耕起前まで) ノビエ残草量代かき後日数035710121314161820212326g/㎡(本)ノビエ

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