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区名 6月12日 6月27日 7月20日 8月15日

鉄 3.8 6.9 10.3 12.9

カルパー 4.3 7.3 10.6 12.6

表-4 播種法が主稈葉齢に及ぼす影響(2013年)

(葉)

区名 6月12日 6月24日 7月18日 8月15日

鉄 4.0 6.5 10.2 12.4

カルパー 4.2 7.0 10.3 12.4

表-5 収量及び収量構成要素、玄米品質

茎径 稈長 倒伏程度 精玄米重 穂数 籾数 登熟歩合 千粒重 外観品質

mm cm 0-4 kg/a 本/㎡ 千粒/㎡ % g 1-9

点播 - 82 0.2 53.4 506 25.9 89.9 22.2 3.0 5.9

条播 - 76 0.0 52.9 565 25.1 90.9 22.4 3.0 5.7

点播 - 77 0.0 53.2 536 27.0 89.5 22.6 2.7 5.7

条播 - 77 0.0 52.1 531 26.9 88.5 22.5 2.7 5.9

点播 3.4 81 2.2 56.0 556 31.8 84.7 21.8 5.7 6.5

条播 3.4 80 3.0 53.1 535 29.4 85.8 22.0 5.3 6.4

点播 3.6 80 0.7 55.2 512 29.2 91.1 22.1 4.0 6.2

条播 3.7 79 0.9 53.1 536 28.3 91.7 22.2 4.0 6.2

注1)外観品質は、穀物検定協会東北支部調べ。カメムシ斑点米、胴割れ粒は、除く。

注2)玄米タンパク質は、玄米窒素含有率に5.95を乗じて求めた。

年次 区名 点播・

条播

玄米タンパ ク質(%)

2012

2013 鉄 カルパー

鉄 カルパー

(2) 無代かき湛水直播栽培 ア 特徴

水稲播種前に代かきを行わず、乾田状態で砕土・整地し、飽水状態にすることで、

市販の湛水直播機により土中播種する栽培法である(図-1)。乾田直播と異なりカ ルパーコーティング種子を用い、潤土直播と同様に落水出芽法により出芽促進を図る ため、苗立ちが安定する。耕うん・整地作業は天候に左右されるが、湛水直播機を用 いるため播種時は天候に左右されにくい。代かきをしないため透水性が高まり、排水 不良田の土壌環境改善等が期待できる。グライ土、泥炭土などに適しており、排水性 の高い土壌は不適である。

イ 作業方法

(ア)播種の方法

播 種 前 の ほ 場 は 耕 起 ・ 耕 う ん ( 均 平 作 業 ) を 粗 め に 行 い 土 塊 表 面 の 乾 燥 を 促 進 し 、 バ ー チ カル ハ ロ ー 等 を 用 い て 田 面表 層 の 砕 土 率 ( 20mm未 満 土 塊 率 ) 65%以上 を 目標に砕土・整地する。この際にスタブルカルチとバーチカルハローを用いること で 、 代 か き 体 系 よ り 作 業 時 間 が 40%短 く な り 、 燃 料 消 費 量 で 26%削 減 で き る こ と か ら、大規模経営に有効である(表-1) 。播種の3~7日程度前にかん水し、飽水 状態(ヒタヒタ水の湛水状態)に水管理して土塊を壊れやすくする。播種前に落水 して湛水直播機(高精度)によりカルパーコーティング種子を土中播種する。播種 後は落水出芽法により出芽を促進し、以降は、前述「(1)湛水直播栽培」と同様 に管理する。

(イ)苗立ち期までの生育

無代かき直播の苗立ち率は代かきをした場合と同等であり、生育の遅れも認めら れないことから、同程度の播種量で目標の苗立ち数が確保できる。播種深度(白化 茎 長 ) が 浅 く な る の で 、 播 種 機 の フ ロ ー ト 感 度 を 堅 め に 調 整 し 、 対 応 す る ( 表 - 2)。

(ウ)生育及び収量・玄米品質

無代かき直播は代かきをした場合より最高茎数が少なくなり、有効茎歩合が高ま る生育特性を示すため、初期生育を促進し、省力的な施肥技術である側条施肥を行 うことが有効である。収量や玄米外観品質は代かきをした場合と同等であり、玄米 タンパク質含有率は低下する傾向で ある (表-3)。

(エ)田畑輪換利用における無代かき直播の効果

無代かき直播跡地土壌では透水性が良好になり、耕うん後の砕土率(20mm未満土 塊率)が、代かきをした場合に比べ高まることから、翌年の転換作物栽培に有利で ある(図-2)。

(農試:作物部作物栽培担当)

図-1 無代かき湛水直播栽培の作業工程 耕起・耕うん 砕土・整地

(施肥)

かん水・飽水 管理

播種(土中播

種) 落水出芽

スタブルカルチ・

ロータリ等

バーチカルハ ロー・代かきロー タリ等

湛水直播機(高 精度、側条施肥 付)

出芽10%を目安

表-1 1ha(200×50m)圃場における無代かき体系が作業能率及び燃料消費に及ぼす影響(2009~2011年の平均)

試験区 作業時間 燃料消費 作業時間 燃料消費 作業時間 燃料消費 作業時間 燃料消費 h/ha L/ha h/ha L/ha h/ha L/ha h/ha L/ha 無代かき 0.93 13.3 1.56 20.5 - - 2.5(60) 33.8(74) 代かき 1.64 18.2 - - 2.52 27.7 4.2(100) 45.9(100)

注1:無代かきの耕起はスタブルカルチ、砕土・整地はバーチカルハローを用い、代かきの耕うんはロータリを用 い、代かきは代かきロータリを使用した。トラクタはすべてMo社クローラトラクタ(MK-140S)を使用した。

耕うん・耕起 砕土・整地 代かき(2回) 作業合計

表-3 無代かき直播が苗立ち期の生育及ぼす影響

稈長 倒伏程度 精玄米重 穂数 籾数 登熟歩合 千粒重 玄米品質

cm 0-4 kg/a 本/㎡ 千粒/㎡ % g 1-9

無代かき 86 2.3 57.0 497 27.9 92.7 23.0 2.4 6.1

代かき 88 2.1 58.2 507 29.7 89.8 23.0 3.2 6.4

無代かき 88 1.8 53.0 429 28.0 86.9 23.4 3.5 6.2

代かき 91 2.0 52.4 418 28.8 86.6 23.1 3.0 6.4

無代かき 88 1.7 56.3 434 31.9 81.0 23.5 2.3 6.3

代かき 83 0.3 54.3 394 27.7 88.2 23.9 1.8 6.6

無代かき 87 1.9 55.4 454 29.3 86.9 23.3 2.7 6.2

代かき 87 1.5 55.0 440 28.8 88.2 23.3 2.7 6.5

注1 精玄米重は1.9mmふるいで選別した。

年次 試験区 玄米タンパク質

含有率%

2009 2010 2011 平均

0 25 50 75 100

0 25 50 75 100

無代かき後の砕土率(%)

代かき後の砕土率(%)

図2 無代かき、代かき跡地土壌における砕土率

(20mm未満土塊率)の関係(2008、2009)

注1 土壌は細粒グライ土、強グライ土(作土の土性:LiC)で、耕深(平均8.8cm)全体 から採土した。

注2 同一ほ場または隣接ほ場で同一作業機により耕うんを行った無代かき後、代 かき後ほ場を対とした。

平均砕土率 無代かき後 57.0%**

代かき後 43.6%

表-2 無代かき直播の苗立ち率と苗立ち期の生育

砕土率 苗立ち数 苗立ち率 草丈 葉数 白化茎長

% 本/㎡ % ㎝ 葉 ㎜

無代かき 67.3 104 81.8 18.4 3.6 4.3

代かき - 91 71.5 18.4 3.4 8.2

無代かき 73.5 112 68.2 23.3 4.9 4.2

代かき - 103 62.7 21.9 4.4 14.4

無代かき 65.7 98 64.9 23.4 3.8 6.8

代かき - 92 61.2 22.5 3.8 8.5

無代かき 68.8 105 72 21.7 4.1 5.1

代かき - 95 65 20.9 3.9 10.4

注1:播種量(乾籾換算)は2009年は3.6g/㎡、2010、2011年は4.4g/㎡である。

注2:砕土率は深さ0~3cmのデータである。

年次 試験区

2009

2010

2011

平均

(3) 乾田直播栽培

ア 乾田(乾田土中早期湛水)直播栽培のポイント

項 目 技 術 の ポ イ ン ト

①適応品種 あきたこまち

②適応地域 県北:鷹巣・大館の平坦部と能代・山本地域の沿岸および平坦部 中央:沿岸および平坦部と標高150m以下の地域

県南:平坦部と標高200m以下の地域

③播種期 ・4月21日~5月20日(好適期:5月1日~5日)

・日平均気温が10℃以上の時期(好適は12℃以上)

④土壌条件 砂質・礫質・黒ボク土及び泥炭土、黒泥土を除く

⑤播種量 6~8kg/10a(乾籾)

⑥種子予措 ・原則として浸種籾を播種する。

・ 播 種 期 が 遅 く な る 場 合 な ど は 催 芽 籾 を 使 用 し 、 播 種 後 た だ ち に 湛 水 す る。

⑦窒素 基肥:慣行移植(全層)の基肥と堆肥の合計量と同量の窒素量を施用する。

施肥量 被覆尿素LP70とLP100とを2:3の割合で混合し、播種と同時に接触 施肥する。

追 肥 : 幼 穂 形 成 期 は 原 則 と し て 行 わ な い 。 減 数 分 裂 期は 生 育 診 断 に よ り N-2kg/10a以内で施用する。

⑧播種時の ・ 額 縁 明 き ょ に よ り ほ 場 を で き る だ け 乾 燥 さ せ 、 播 種 時 の 砕 土 率 が 60% 以 ほ場条件 上を確保できるように耕起する。

・ 播 種 は 、 砕 土 ・ 施 肥 ・ 播 種 ・ 覆 土 ・ 鎮 圧 を 同 時 に 行 う こ と が 可 能 な 播 種 機を用いて、0.5~1㎝の深さに播種する。

⑨播種機 a 汎用型点播機(8・10条):(秋田農試改良型)

b 搭載型施肥播種機(8条)

⑩目標 110本/㎡(80~160本/㎡)

苗立数

⑪水管理 ・播種直後または用水が確保された時点で3~5㎝に湛水する(播種後7日以内)

・還元しやすいほ場では、短期間の落水や水の入替により土壌還元を防止する。

・天候により水深を調節し、中干しは9葉期頃に行う。

⑫除草体系 ・直播栽培に登録のある除草剤を散布する。

・ 除 草 剤 散 布 後 に 芽 干 し 等 の 落 水 を 行 っ た 場 合 は 、 除 草 剤 の 効 果 が な く な るので中期剤の散布を考慮する。

⑬病害虫 ・ 葉 い も ち 、 イ ネ ミ ズ ソ ウ ム シ 、 イ ネ ヒ メ ハ モ グ リ バ エ 、 セ ジ ロ ウ ン カ 、 防除 斑 点 米 カ メ ム シ 類 等 の 発 生 に 注 意 す る 。 そ の 他 は 普 通 移 植 に 準 じ て 防 除

する。

⑭鳥害対策 ・ほ場の団地化を図るとともに、種子が露出しないように播種する。

・鳥の種類に応じて水深を調節する(カモ→落水、スズメ・ヒワ→湛水)。

・テグス、ミチ糸を張るなどいくつかの鳥害対策を組み合わせて行う。

(農試:作物部作物栽培担当)

- 113 -

-113-イ 乾 田 ( 乾 田 土 中 早 期 湛 水 ) 直 播 栽 培 体 系

月3月4月5月6月7月8月9月10月 旬中旬下旬上旬中旬下旬上旬中旬下旬上旬中旬下旬上旬中旬下旬上旬中旬下旬上旬中旬下旬上旬中旬 生播種期出芽期分げつ期有効茎最高分幼穂減数出穂登熟期成熟期 育決定期げつ期形成期分裂期期 畑雑草 防除耕起・均平除草剤中干し幼形減分落水収穫 作種子消毒散布追肥追肥 業砕土同 体浸種施肥時 系播種作オリゼ 覆土業イネミズソウムシメートいもち病防除 鎮圧等初期害虫防除粒剤ウンカ・カメムシ等防除 散布 水◎播種湛水間断かん水湛水間断かん水 管浅水中干し 理溝切り 1.適応品種5.均平作業8.播種後の水管理10.除草剤散布12.害虫防除15.幼穂形成期追肥 ①あきたこまち①乾田直播で最も重要なポイント。①播種直後又は用水が確保された時①湛水前①初期は、イネミズゾウムシ・イネヒメ原則として実施しない。 ②均平は、最大高低差7㎝以内(標準点で湛水する(7日以内)。ノビエが多い場合は、播種後10ハモグリバエに注意する。 2.種子の準備偏差1.5㎝)±2㎝比率95%以上の②湛水後~出芽揃までは浅水管理を日からクリンチャーEWを散布②中期以降は、移植栽培に準じて16.減数分裂期追肥 ①種子は指定採種ほで生産され精度を目標にする。する(3~5㎝)。する。行う。肥効調節型肥料の全量基肥を前 栽た優良種子を使用する。③出芽後気温と生育に合わせて水深②一発処理除草剤提にすることから、原則として実施 ②種子は6~8㎏/10a+予備を6.基肥窒素量を調節する。イネ出芽始期からバッチリフロア13.葉いもち防除しない。 培準備する。①基肥窒素量は、慣行移植(全層)と④強グライ土、泥炭土等で還元が起きブル、イネ出芽揃期からザンテツ①葉いもちの予防剤として6月23日ただし、葉色の低下が見られる場 ③種子消毒~浸種は移植栽培と同量にする。た場合は自然排水し、土壌還元を1キロ粒剤、イネ1.0葉期からアク頃(20~25日)にオリゼメート粒剤合等は7月下旬から8月上旬(止葉 技同様に行う。ただし、作業時期②被覆尿素LP70とLP100を2:3の割防止する。シズMX1キロ粒剤、トップガンGT1を3㎏/10a散布する。の葉耳間長±0)にN-2㎏/10a以 は播種日に合わせる。合で混合し、播種と同時に接触施キロ粒剤75を散布する。②穂いもち防除は生育の遅れを考内で施用する。 術④浸種籾(無催芽)を播種する。肥する。9.目標苗立数慮して移植栽培に準じて行う。 110本/㎡(80~160本/㎡)11.中・後期雑草の防除17.落水 の3.畑雑草の防除7.播種作業①ノビエ:クリンチャ-1キロ粒剤、ク14.中干し(9葉期頃)出穂後30日を目途に、9月上旬~ ①畑雑草が多い場合は、除草剤①播種期:4月21日~5月20日①条播:条間30㎝としてリンチャーEW、ヒエクリーン1キロ①生育量に応じて時期及び強さを中旬に行う。 要(茎葉処理剤)を散布する。②播種量:乾籾6~8㎏/10a1mの条に27~53本粒剤を散布する。調節する。 ②部分的に発生している場合は③ほ場を乾燥させ、播種時の砕土率②点播:株間20㎝(17株/㎡)として、②ノビエ、1年生非イネ科雑草と多②中干しの程度は移植栽培よりもや18.刈り取り 点スポット処理を行う。は60%以上を確保する。一株当たり5~9本年生雑草:マメットSM1キロ粒剤、や強めに行なう。適期を判定し、10月上旬頃に行う。 ④砕土・施肥・播種・覆土・鎮圧を同時ザーベックスDX1キロ粒剤、クリン③ほ場の地耐力を高めるため、溝切 4.耕起に行う播種機で作業し、播種深は◎最低の目安は50本/㎡とする。チャ-バスME液剤、ワイドアタッりを実施する。 ①50%前後の砕土率を確保でき0.5~1㎝の範囲で行う。クSCを散布する。④土壌を固めて転び倒伏を防止す る土壌条件で行う。③1年生非イネ科雑草や多年生雑るとともに、収穫作業を容易に ②稲わらの鋤込みを十分に行な草:バサグラン液剤を散布する。する。 う。 ③耕起後の降雨を避けるため、 可能な限り播種直前に行う。 導1.適応地域2.鳥害回避 上入県北:鷹巣・大館の平坦部と①種子を土壌中に入れ、覆土する。 の・能代・山本地区の沿岸部及び平坦部。②播種後の種子の露出と極度の深水を避ける。 注栽中央:沿岸部及び平坦部と標高150m以下の地域③鳥種にあわせた水管理の実施(カモ→落水、スズメ・ヒワ→湛水) 意培県南:平坦部と標高200m以下の地域④釣り糸、爆音機等を使う。 点⑤地元猟友会に有害鳥獣駆除を依頼する(カラス)。

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