(生物園生命科学専攻長 (
高
JI専攻長
学位論文審査の結果の要旨
専 攻 生物園生命科学専攻 氏 名 渥美貴史
主 査
ilJ
査
授 授 授 授 教 教 教 教
古 丸 明
審 査 委 員 副 査 吉松隆夫
副 査 神 原 淳
河村功一
論 文 題 目 │アコヤガイ真珠のキズ・シミ形成抑制のための新養生技術開発
(Development of a new post‑operative care method to decrease the rate of
(題目変更の有無) I
deformities and blemishes of Akoya pearls)価
(論文審・査の結果の要旨)
本研究では,アコヤガイ真珠養殖における高品質真珠の生産性向上を図るため,キズ・シ ミ形成を抑制し,無キズ珠率を向上させる新しい養生技術を開発することを目的とした。現行 の養生は挿核貝を目合いの細かな篭に入れ,流れの穏やかで環境変化の少ない漁場で挿 核手術後1"‑'2週間行うものである。本研究では,この養生を低塩分海水(塩分25psu)入りの 循環櫨過水槽で、行う 低塩分海水養生"という新しい技術を開発しそのメカニズ、ムについて も明らかにした。本論文の概要は以下の通りである。
1)低塩分海水養生は,現行法である海上養生よりも顕著に真珠無キズ珠率を向上させることが 明らかになった。
2)挿核手術および養生に係わる五つの要因のうち養生方法と母貝の閉殻力が,無キズ珠率に 最も大きな影響を与えることが明らかとなった。低塩分海水養生は海上養生よりも無キズ珠 率を 5倍以上向上させることが判明した。
3)海上養生と同等の真珠の巻きを有し,かっ無キズ、珠率が最も高くなる低塩分海水養生期間 は 8日間であることが明らかになった。
4)2個挿核貝では,低塩分海水養生により無キズ珠率が向上することが明らかになった。一方,
4個挿核員では,無キズ珠率向上効果が得られにくいことが示された。
5)真珠袋の完成は海上養生が最も速く,次いで通常海水養生であり,低塩分海水養生が最も 遅いことが判明した。また,塩分が25psuまで、低下しても血球の異物食食率および血球数は大 きく変化しないことが明らかになった。したがって,低塩分海水養生によるキズ・シミ形成の抑 制効果は,真珠袋形成の遅延から生じることが推察された。
氏 名 渥 美 貴 吏
本研究の結果,挿核直後の貝を低塩分で養生することにより,真珠の品質を低下させるキズ・
シミをもっ真珠の比率を低下させる事が可能になった。実用化試験も実施されており,学術上 の価値をもつだ、けで、なく真珠養殖産業に対する貢献も大きいと判断された。
博士論文公開発表会は平成27年1J.j 28日に206教室で実施し 40名の参加者を得た。申請 者は博博士論文内容についてわかりやすく明快にパワーポイントを用いて40分程度 で説明することができた。また,発表会参加者や審査委員からの質問について,データ に基づいて適切に答えることができた。
公開発表会終了後,別室にて最終試験を行った。申請者は本研究の内容について概略 を簡潔に説明し,本研究の意義,新規性について明快に答えることができた。発表会に おいて出された質問やコメントについても明快に答える事ができた。その他の委員から の質問に対しでも申請者は適切に答える事ができた。さらに申請者は十分な専門分野の 知識,さらに優れた研究遂行能力を有している事を確認することができた。また論文の 新規性,構成,内容が博士の学位に相当するかどうかについて審査を行った。その結果,
本論文は,学位授与に値する事を蕃査委員が全員一致で認めた。