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高炉水砕スラグ埋立地盤の地盤特性の経時変化

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Academic year: 2022

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高炉水砕スラグ埋立地盤の地盤特性の経時変化(その1.固結の経時変化特性)

港湾空港技術研究所 正会員 菊池喜昭 北海道開発局 正会員 箕作幸治 沿岸技術研究センター 正会員 小野 幸一郎 鐵鋼スラグ協会 正会員 鈴木 操 ○藤井 郁男

1.はじめに

覆土(転圧 1 回)

▽GL(=LWL+3.75m) 覆土(転圧 1 回)

港湾分野における高炉水砕スラグ(以下,水 砕スラグ)は,軽量・高強度等の優れた地盤特 性の他に,潜在水硬性があり,裏込め材利用時 の土圧軽減・液状化対策としてより合理的な材 料として期待できる.しかし,現場での固結の

経時変化に関する調査事例1)は,少ないのが実情である.そ こで,製鉄所構内の現場にて長期在庫品および製造直後品 の 2 種類の水砕スラグを用いて埋立を行い,経時的な固結 特性について評価した.

水砕スラグ②(製造直後品) (転圧なし)

▽LWL=GL-3.75m

水砕スラグ①(長期在庫品) (転圧なし)

GL-1.4m(=+2.35m)

▽GL-6.3m

図-1 試験施工断面図

0 500 1000 1500 2000 2500

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

養生期間(月) 一軸圧縮強さ(kN/m2)

水砕① 水砕②

2.現場試験施工概要

試験施工を実施した埋立地盤は,図-1 に示すように,製

鉄所構内2箇所をGL-6.3mまで掘削した後に,水砕スラグ

により厚さ約4.9mの埋立を行い,さらにその上部を掘削残 土で約1.4mの覆土で仕上げて築造した.

図-2スラグ地盤の一軸圧縮強さの経時変化 試験施工では,長期在庫品(製造後約2年:以

下,水砕①)と製造直後品 (製造から10日以内:

以下,水砕②)の2種類の水砕スラグを用いた.

-7 -6 -5 -4 -3 -2 -1 0

0 500 1000 1500 2000 2500 一 軸 圧 縮 強 さ(kN/m2) 深度(m)

3か月 6か月 9か月 10か月 12か月

-7 -6 -5 -4 -3 -2 -1 0

0 500 1000 1500 2000 2500 一軸圧縮強さ(kN/m2) 深度(m)

3か月 6か月

10か月 12か月 9か月平均

201.1kN/m2 10か月平均 399.8kN/m2

12か月平均 1017.2kN/m2 6か月平均

163.2kN/m2 10か月平均 364.4kN/m2 3か月平均 70.1kN/m2

12か月平均 978.9kN/m2

水砕①,水砕②ともに,施工後 1,3,6,10 か月 後に標準貫入試験と試料採取および室内試験を 実施し,施工後12か月後には試料採取と室内試 験のみを実施した.さらに,水砕②では,施工後 9 か月後にも標準貫入試験と室内試験を実施した.

尚,施工後6か月標準貫入試験は各2-3箇所,

10 か月後の標準は水砕②のみ2 箇所で実施し,

その他は各1回ずつ実施した.また,試料の採 取は 10か月までは三重管サンプラーで行い,12 か 月後ではシュー先端型サンプラーにより採取した.

図-3一軸圧縮強さの深度分布 3.試験結果

図-2,図-3 は,採取試料の一軸圧縮強さの経時変化を示したものであるが,一軸圧縮強さは深さ方向に大きくば らついており,下層部の方が弱い傾向にある.また,長期在庫品である水砕①は,製造直後品である水砕②に比べ て,早期に固結が始まり,施工後6か月後では一軸圧縮強さqu=80kN/m2以上で,採取試料の全深度において固結状 況が確認されている.さらに,10 か月後以降では特に上層深度 2~4mにおける強度上昇が大きいが,12 か月後の 一軸圧縮強さは最低でもqu=300~400kN/m2以上と固結が進展している.一方,水砕②においては6か月までは,ほ とんど一軸圧縮試験が可能な固結は認められなかったが,9~10か月後では十分に固結が進展しており,12か月後 の一軸圧縮強さは最低でも300~400kN/m2以上と水砕①とほぼ同様な固結のレベルに到達している.

キーワード 高炉水砕スラグ,固結,N値,一軸圧縮強さ,長期在庫品,製造直後品

連絡先 〒103-0025 東京都中央区日本橋茅場町2-12-5 カワイビル3階 TEL 03-5643-6016 FAX 03-5643-6018 土木学会第60回年次学術講演会(平成17年9月)

-147- 3-074

(2)

-7 -6 -5 -4 -3 -2 -1 0

0 5 10 15 20 25 30

N値

深度(m)

1か 月 3か 月

6か 月(1) 6か 月(2)

9か 月 10か 月(1)

10か 月(2)

-7 -6 -5 -4 -3 -2 -1 0

0 5 10 15 20 25 30

N値

深度(m)

1か 月 3か 月

6か 月(1) 6か 月(2)

6か 月(2) 10か 月

水 砕 ス ラ グ 層 図-4は標準貫入試験によるN値の深度分

布の経時変化を示したものである.図より 施工後1か月のN値は 3~7程度と小さく,

3~6か月後には,施工後1か月に比べてほ ぼ全深度で上昇している.さらに,9~10 か月後では、全体的上昇しており,特に上 層部の深度2-4mで大きく上昇しており.一 軸圧縮強さと同様な傾向と考えられる.

水砕①と水砕②を比較した場合,長期在 庫品である水砕①の方が全体的にN値は大 きく,固結が早期に進展しているものと考 えられる.

表-2 は,全体の固結状況を把握するため に,12か月経過後に軟岩用のシュー先端型サンプ

ラーにより全長で20mの試料採取を目標に行った結果の概要を示したものである.尚,表中固結割合は採取できた試 料を手で押して崩れなかった割合を示す.表より水砕①では,ほぼ 100%の試料採取と固結状態を確認できたが,

水砕②では試料採取ができたのは全長の60%程度で,採取された試料の一部は未固結の部分があり,採取できなか った部分を含めて全体の固結状態の把握は今後の課題である.

(a)水砕① (b)水砕② 図-4 N値の深度分布の経時変化

さらに,試験に用いた2種類の水砕スラグ粒子の拡大 顕微鏡写真を写真-1に示す.図より水砕①の表面は製造 直後の水砕スラグ②のように表面は平滑でなく多数の 気泡もみられないとともに,水和物と思われる付着物が 見られる.また,水砕スラグにおける75μ~9.5mmの各 ふるいの通過重量百分率はほとんど差がなかったが,

150μ以下の粒子だけを取り出して沈降分析を行った結 果を図-5に示す.図より,水砕①は水砕②に比べて細粒 分含有率が多いことが分かった.現時点では,長期在庫 の水砕スラグの固結促進メカニズムについて,上述のよ

うな表面に生成された水和物が 再度水和反応の促進につながる 可能性があることや,細粒化に伴 う固結促進2)などが考えられるが,

その詳細については各所の水砕 スラグの溶出イオン速度を含め て現在調査中である.

表-2 12か月経過後のサンプルの採取,固結状況 ボ ー リ ン

グ孔No.

サンプリ ング長さ

採取できた 割合(%)

固結割合

※(%) S1-⑫-1 4m 95 100 S1-⑫-2 4m 98.8 100 S1-⑫-3 4m 100 100 S1-⑫-4 4m 97.5 100 S1-⑫-5 4m 97.5 100 水砕①

(2年在庫)

平均 20m 97.8 100%

S2-⑫-1 4m 59 100 S2-⑫-2 4m 55 56 S2-⑫-3 4m 90 100 S2-⑫-4 4m 60 100 S2-⑫-5 4m 66 61 水砕②

(製造直後)

平均 20m 61.2 85%

※固結の判定は,採取されたサンプルを 指で押して壊れなかったもの割合

0 20 40 60 80 100

1 10 100 1000

粒径(μm)

通過重量壱百分率(%)

水砕① 水砕②

(a)水砕① (b)水砕② 写真-1 水砕スラグ粒子の概観

以上述べたように,水砕スラグ埋立地盤では経時的に固結が進展し,

特に長期在庫スラグは,12か月で十分な固結が確認できた.

図-5 水砕スラグの粒度分布(150μ以下

参考文献1)高橋邦夫,菊池喜昭:水砕スラグの力学特性の経年変化,港湾技術研究所報告,No.915,1998.9

2) 高橋邦夫,菊池喜昭,鈴木操他:高炉水砕スラグの固結に及ぼす要因について(その2:粒度の影響).第57回 土木学会年次学術講演会,2002.9

土木学会第60回年次学術講演会(平成17年9月)

-148- 3-074

参照

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