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産業廃棄物による埋立て地盤の液状化特性 

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Academic year: 2022

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(1)

産業廃棄物による埋立て地盤の液状化特性 

○国士舘大学理工学部  正会員  田中  正智 国士舘大学理工学部  正会員  柴田  英明

【研究目的】 

  現在、我々の社会生活において快適性や利便性を 追及する余り、大量生産・大量消費型となり多大な 資源を消費しながら、多種・多量な廃棄物を排出す るようになった。その結果、最終処分場の耐用年数 を始め、様々な廃棄物の処理問題が生じてきている。

今まで産業廃棄物の埋立て処分は、陸上埋立てが中 心であったが、近年、数は少ないが産業廃棄物を効 率的に処理できる海上埋立てが施工されるように なってきた。特に、海上埋立ては多量の産業廃棄物 を処分できる特徴を持っている。一方、日本では地 震が多く、過去には大きな被害を受けている。埋立 地としては、15年前の阪神大震災では、六甲アイ ランド等で、液状化や測方流動等の大きな被害が起 きている。また1964年の新潟地震以来、盛土等の 土質材料に対する液状化の研究は、数多く行われて きたが、まだ、産業廃棄物による埋立て地盤に対す る液状化対策の研究は少ないのが実情である。本 研究では、産業廃棄物による埋立て地盤に対する液 状化の有無を確認することを目的とし、砕石粉に細 粒分を混合した場合の液状化抑制効果について比 較検討を試みた。 

【研究概要】 

  実験は、JGS0541-2000に準じた土の繰返し非排 水三軸試験を行った。本年度は、廃棄物として、砕 石粉について検討を試みた。細粒分として、塑性指

数285.75のベントナイトを使用した。供試体の作

成方法は、空中落下方法を最小密度とし、密度に応 じた打撃により締め固めて作成した。その供試体 を飽和させ、有効拘束圧137.2kN/m2で等方圧縮する。

排水量が落ち着いた後、非排水状態で振動数0.25Hz  の繰返し荷重を供試体に加えて液状化させた。 

  キーワード  産業廃棄物  砕石粉  液状化   

連絡先      〒154-8515  東京都世田谷区世田谷 4-28-1  国士舘大学理工学部  TEL03-5481-3278 

6.09回

図.1 繰返し載荷回数と軸ひずみの関係 -2

-1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2

0 1 2 3 4 5 6 7

繰返し載荷回数 Nc (回)

ひずみ ()

図.2 繰返し載荷回数と間隙水圧の関係 0

20 40 60 80 100 120 140

0 1 2 3 4 5 6 7

繰返し載荷回数 Nc (回)

 (kN/m²)

図.3 繰返し載荷回数と偏差応力の関係 -60

-40 -20 0 20 40 60 80

0 1 2 3 4 5 6 7

繰返し載荷回数 Nc (回)

 (kN/m²)

土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

‑319‑

Ⅶ‑160

(2)

液状化と判断する目安は、過剰間隙水圧が初期有効拘束圧に等しくなった時を液状化とみなすことにした。荷重発 生方法は空気圧制御方式である。実験は荷重を一定とし、供試体の密度を変化させる場合と、同一密度の供試体に 対し荷重を変化させる場合の二通りとする。図.1,図.2,図.3に砕石粉の繰返し載荷回数に対する軸ひずみと間隙 水圧と偏差応力の関係を示しており、このとき6.09回で間隙水圧が液状化の目安である側圧に等しくなり、液状化 を起こしたと判断した。 

【研究結果】 

  図.1〜3に砕石粉の相対密度100%のときの繰返し三軸 試験結果を示している。図.2より繰返し回数6.09回のと き、液状化を起こしたとみなしている。次に繰返し応力比 に関する結果を図.4に示している。図.4より豊浦砂に比 べて砕石粉は、同一応力比0.11で比較すると繰返し回数 1.09回と低い値を示している。即ち、砕石粉は豊浦砂より も液状化を起こしやすい材料であることがわかる。一方、

相対密度の変化に伴う繰返し回数を図.5に示している。

図.5より、砕石粉は相対密度0%のとき、繰返し回数1.09 回、相対密度27.3%のとき、繰返し回数1.31回、相対密度

57.6%のとき、繰返し回数2.24回、相対密度81.9%のとき、

繰返し回数3.27回、相対密度100%のとき、繰返し回数5.28 回をそれぞれ示している。即ち、砕石粉は相対密度にかか わらず液状化を起こしやすい材料であることが顕著に表れ ている。ここで、液状化抑制効果を調査するため、砕石粉

に粘土分10%混合したものについて、相対密度を変化させ

て実験を行ってみた。その結果を図.4、図.5に併記してい るが、この程度の粘土量では、液状化抑制効果はほとんど 得られないことがわかった。そこで、砕石粉のみについて 標準締固め試験(Ec=5.6 kgf/cm2)を行い、その結果を図.6 に示している。図.6より、最大乾燥密度1.828g/cm3最適含

水比15.0%が得られた。一般に、砂質土系の締固め状況は

振動による密度増加が測られるが、砕石粉は粘性土の締固 めと同様に、打撃により十分に締固まることがわかった。

このことから、砕石粉を埋め立てる場合、転圧による締固 めを行えば、液状化を生じさせない地盤を造成することが 出来るのではないかと考えられる。 

【結論および考察】 

上記の実験結果より、下記の事項がわかった。 

1.砕石粉そのものは、豊浦砂よりも液状化を起こしやすい  材料である。 

2.砕石粉は、粒度分布が砂質土系にもかかわらず、上に凸な締固め曲線が得られ、十分、締固め効果が発揮される  材料である。 

3.砕石粉は振動による密度増加は期待できないが、転圧による締固め効果は十分に発揮することがわかった。 

 

図.4 繰返し載荷回数と応力振幅比の関係 0.00

0.02 0.04 0.06 0.08 0.10 0.12 0.14

0.1 1 10 100 1000

繰返し載荷回数 Nc (回)

繰返し応力振幅比 σd/2σo'

砕石粉

砕石粉+ベントナイト 10%

豊浦標準砂

図.5 繰返し載荷回数と相対密度の関係 0

25 50 75 100

0.1 1 10 100 1000

繰返し載荷回数 Nc (回)

相対密度 (%)

砕石粉

砕石粉+ベントナイト10%

豊浦標準砂

図.6 締固め曲線 (砕石粉)

1.5 1.6 1.7 1.8 1.9 2

0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 含水比ω (%)

燥密度ρd (g/c

土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

‑320‑

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