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IRUCAA@TDC : №3:象牙芽細胞においてアデニル酸シクラーゼの活性化は細胞内cAMP レベルを増加する

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Academic year: 2021

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Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/

Title

№3:象牙芽細胞においてアデニル酸シクラーゼの活性

化は細胞内cAMP レベルを増加する

Author(s)

齋藤, 菜月; 木村, 麻記; 大山, 定男; 澁川, 義幸; 一

戸, 達也

Journal

歯科学報, 120(2): 203-203

URL

http://hdl.handle.net/10130/5177

Right

Description

(2)

目的:象牙芽細胞の transient receptor potential

vanilloid subfamily member1(TRPV1)チャネ ル 活 性 化 は,細 胞 内 遊 離 Ca2+ 濃 度 増 加 を 誘 発 す る。この増加は endocannabinoid の細胞内からの分 泌を活性化すると示唆されている。分泌された en-docannabinoid は,自己分泌性もしくは傍分泌性に Gs タンパク質共役型受容体である cannabinoid−1 (CB1)受容体を活性化する。CB1受容体活性化 は,細胞内 cAMP 産生を介して,TRPV1チャネ ルを細胞内から活性化することで,さらなる細胞外 からの Ca2+ 流入を誘発する。このような cAMP 依 存性の CB1受容体−TRPV1チャネルクロストー クは,象牙芽細胞による象牙質形成や象牙質痛発生 に関与する可能性を示唆するものである。しかしな がら,象牙芽細胞における詳細な cAMP シグナル 経路や象牙芽細胞機能における cAMP の役割は不 明である。そこで,本研究は,象牙芽細胞において アデニル酸シクラーゼ活性化で生じる cAMP シグ ナルを検討した。 方法:新生仔 Wistar ラット(4∼8日齢)切歯か ら 作 製 し た 歯 髄 ス ラ イ ス 標 本 を,FBS を 含 む αMEM 中で48時間培養した後,細胞内 cAMP sen-sor を加えた。24時間培養後,歯髄の外周に存在す る象牙芽細胞から細胞内 cAMP レベルを,その蛍 光強度比(F)から測定し,basal level(F0)に対し て標準化(F/F0 unit)した。 本研究は東京歯科大学実験動物委員会の承認を得た (№190301)。 結果:細胞外 Ca2+ 存在下において,象牙芽細胞に 様々な濃度の forskolin(0.1−13μM)を細胞外投 与すると,細胞内 cAMP レベルが濃度依存性に増 加した(forskolin 13μM 投与では2.35±0.13 F/F0 unit(n=10);2μM 投 与 時 で は2.2±0.1 F/F0 unit(n=8),0.1μM 投与時では1.51±0.04 F/F0 unit(n=7))。また,その増加は反復投与により 減少した。 考察:象牙芽細胞においてアデニル酸シクラーゼの 活性化は細胞内 cAMP レベルを増加させることが 示された。 目的:象牙芽細胞は象牙質を形成し,感覚を受容す る細胞である。象牙質表面に刺激が加わると,象牙 細管内液が移動することで象牙芽細胞膜が伸展す る。その膜伸展は象牙芽細胞への機械刺激となる。 以前,我々はラット急性単離象牙芽細胞に直接機械 刺激を与えると機械感受性 transient receptor po-tential チャネルを介した細胞外からの Ca2+ 流入が 誘発されることを報告した。加えて,その Ca2+ 流 入で生じた象牙芽細胞内 Ca2+ シグナルが反応象牙 質形成に関与すると示唆した。一方,機械感受性 チャネルである Piezo チャネルも機械刺激誘発性 Ca2+ シグナルに関与する可能性が示唆されている。 しかしながら,ヒト象牙芽細胞において機械刺激で 誘発される細胞応答,Piezo チャネルの発現とその 薬理学的性質は不明である。そこで本研究は,ヒト 培養象牙芽細胞(human odontoblast:HOB)で機 械刺激誘発性細胞内 Ca2+シグナルと Piezo チャネ ルの発現を検討した。 方法:HOB に機械刺激または低浸透圧刺激を加え, fura−2を用いた細胞内 遊 離 Ca2+ 濃 度([Ca2+ ]i) 測定を行った。 結果:細胞外 Ca2+ 存在下において,HOB に機械刺 激を加えると一過性に[Ca2+ ]iは増加した。[Ca2+]i が静止レベル付近まで戻った後,HOB に再度機械 刺激を加えると一過性に[Ca2+ iは増加した。3回 の反復刺激を行ったところ,[Ca2+ ]iの増加は変化 せず,脱感作を示さなかった。機械刺激を加えた

HOB の近傍に存在する HOB においても,[Ca2+

]i は一過性に増加した。その[Ca2+ ]i増加は刺激を加 えた HOB からの距離が増加するに従い,減少し た。細胞外 Ca2+ 存在下において,低浸透圧溶液を 用いた膜伸展刺激を加えると一過性に[Ca2+ ]iは増 加した。その[Ca2+ ]i増加は非選択的 Piezo チャネ ル阻害薬である Gd3+ の投与で抑制された。 考察:HOB は機械刺激を受容し,細胞内 Ca2+ シグ ナルを生じることが示された。HOB は周囲に存在 する HOB と細胞間連絡を行っていることも示され た。加えて,HOB に Piezo チャネルが発現してお り,膜伸展刺激は Piezo チャネルにより受容される ことが示唆された。

№3:象牙芽細胞においてアデニル酸シクラーゼの活性化は細胞内 cAMP レベルを増

加する

齋藤菜月1)2),木村麻記2),大山定男2),澁川義幸2),一戸達也1)(東歯大・歯麻)1) (東歯大・生理)2)

№4:象牙芽細胞の Piezo チャネル活性化による機械刺激誘発性 Ca

2+

シグナル

松永真由美1)2),木村麻記2),大山定男2),澁川義幸2),一戸達也1)(東歯大・歯麻)1) (東歯大・生理)2) 歯科学報 Vol.120,No.2(2020) 203 ― 101 ―

参照

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