山梨医大誌6(4),207∼214,1991
日本住血吸虫症患者に発生する肝細胞癌の
早期診断法設定に関する研究
内荒早藤
山 木 川 和 本日苅早瀬
ま な ら暁力重肇
原込川戸
謙三吉
治進弘
鋤 紛 憎ロ ト黍 な人 ヰ月可林斉
バリ彦人子彦
代
敏正佳一
山梨医科大学放射線科,D東京大学医学部放射線科,2>君津中央病院放射線科,3>東邦大学医学部放射線科, 4>群馬大学医学部放射線科,5)沼津市立病院放射線科,6>聖路加国際病院放射線科 抄 録:山梨医大所在地の玉穂町は日本住血吸虫症(日虫症)罹患歴をもつ住民が多く,さらにB 型肝炎やアルコール性肝障害からの肝硬変症が加わり,肝細胞癌のハイリスク地域である。スクリー ニングとしての超音波検査(US)は日虫症の間質線維化や石灰化により肝細胞癌検出能が低下する ため,肝臓に強い変化のみられる住民にはX線CT(CT)の精査が必要である。昭和60年と6!年の 2年間にわたり,玉穂町の成闘病検診に参加してUSを延べ264名, CTを70名, AFPおよびHBs の抗原の血清検査を延べ554名に施行した。その結果肝細胞癌2例(AFP陽1生),胃癌肝転移1例 (AFP陽性),ファータ乳頭癌肝転移1例を発見し,それぞれ処置した。 USでは判らずCTではじ めて診断できた症例はなかった。他にUSで肝細胞癌を疑ったがCTや血管造影でその存在を否定 し得た症例が2例あり,CTはUSの所見が判然としないときに癌の有無を判定することに役立っ た。日虫症罹患歴のある200例の血清検査ではAFP陽性6例(肝細胞癌2,露癌1,肝硬変3), HBs抗原陽性11例(5.5%)であり,後者の結果はキャリアのB本全国平均より高い比率であった。 2年間の検診の経験から日虫症罹患者に発生する肝細胞癌の早期診断には,住民の居住区に出向い て血清AFPの測定, USがまず必要であり,とくにAFPが高くUSで肝腫瘤の存在が判らないよ うな線維化,石灰化の強い住民には積極的にCTを行ってその有無を確認することが有効であろう。 キーワード 日本住血吸虫症,肝細胞癌,超音波検査,X線CT, AFP 1.はじめに 日本住血吸虫症(以下日虫症とする)はわが国 〒409−38山梨県中巨摩郡玉穂町下河東11!0 1)〒113東京都文京区本郷7−3−1 2)〒292木更津市桜井1010 3)〒!43東京都大田区大森西5−2H6 4)〒371前橋市昭和町3−39−22 5)〒410−03沼津:市東椎路字春ノ木550 6)〒!04東京都中央区明石町10−1 受付:1991年7月26田 受i理:1991年8月!5日 では山梨県,広島県,福岡県でかつて地方病と して猛威を奮っていた寄生虫病である。宮入貝 を中間宿主とし,セルカリアとなって田畑の水 中,泥中に遊出し,皮膚から人体に感染,門脈 に寄生して虫卵を産む。患者の肝にはこれが原 因で問質の線維化,石灰化がおこり,日虫症肝 として特徴のある組織像をしめす。高度になる と門脈高圧症に進む。山梨医科大学所在地であ る甲府盆地南の玉穂町は,近隣の町村とともに 最も多く日虫症の発生した地域であったが,宮 入貝の撲滅により昭和53年以降は新しい感染は208 内 山 みられなくなった!)。しかし昭和60年当時年齢 が40歳以上の町民にはその後遺症に悩むものも 多く,この地域がB型肝炎の汚染地区である ことも重なって,肝細胞癌の発生が多い2)。 肝細胞癌が日虫症肝に発生するときは,しば
しば特徴的な所見を示す。X線CT(以下CT
とする)でみると,亀の甲羅状に石灰化した組 織により肝臓の実質が区画されており,その中 に低吸収値を示す肝細胞癌病巣が,ときには複 数個みられる。通常肝細胞癌のスクリーニング には超音波検査(以下USとする)が利用される が,間質の線維化あるいは石灰化がつよい場合 には,広範にまだらなエコーが増強して病巣の 存在が発見しにくい状態となる。したがって日 虫症罹患歴のある住民の中から肝細胞癌を早期 に発見するためには,USだけでは不十分であ り,CTによる精査が必要となる。 以上の状況を考え,日華症罹患歴をもつ住民 の多い玉穂町で毎年秋に行なわれている成人病 検診に参加し,日雀症患者に発生する肝細胞癌 の早期診断を行なうことを目的として本研究を 行なった。 ∬.方法と対象 昭和60年および61年度の秋に行なわれた玉穂 町民を対象とする成人病検診に参加し,日虫症 罹患歴のある町民に対して肝臓のUSを行なっ た。さらにその結果,肝臓に線維化や石灰化の つよくみられるものには山梨医科大学病院での 受診をすすめ,CTを施行した。また検診時肝 機能検査の目的で採血した血清の一部を利用し て,アルファフェトプロテイン(AFP), B型 肝炎s抗原(HBs抗原)の測定を行なった。 玉穂町成人病検診対象者は農家が多く,勤務 先で職場検診をうけている住民は除かれてい る。玉穂町の検診は,なるべく多数の受診を促 すためにまずその地区に検診車が出向き,そこ でさらに精密検診を必要とする町民をふるい分 けた後,二次検診として町役場の施設に対象者 を集めて検査を行う方法をとっている。昭和60 暁,他 年度にはこの二次検診の会場にUS装置を持ち 込んで,日虫症罹患歴のある町民を主とする88 名の検査を行なった。しかしこの数では十分な 資料とはなり得ないことが判明したため,昭和 61年度には各地区をまわる検診車にUS装置を 積み込み,一次検診の時点からなるべく多数の 町民のUSを行なうこととした結果,176名の 検査ができた。 この2年間の検診の対象になったものは日虫 症罹患歴のない被検者を含めて,延べ888名, そのうちUS受診者264名(男女比1:1), CT 70名,血清検査554名であった。日虫症罹患歴 のある住民は206名(60年度54名,61年度152名) である。US受診者の年齢分布は40歳台が36名, 50歳頃が69名,60歳台が88名,70歳台が42名, 80歳台が6名であった。 蓑虫症に特徴的な肝臓のUS所見およびCT 所見をその程度に応じて4度までに分類した。 すなわち,日虫症の罹患歴がありながら間質の 線維化,石灰化がなく,ほぼ正常の超音波像を 示すものを!度,線維化によりhazyなエコー が散在性に増えてみえるものを2度,石灰化が 増えて魚の鱗状のパターンがみえるものを3 度,亀の甲羅パターンをしめすものを4度とし た(図1)。3,4度に進むほど肝萎縮もつよい。 またCTの分類では正常な問質を示すものを 1度,肝臓の被膜付近にわずか石灰化がみられ るものを2度,間質の石灰化が複数個所にみら れるものを3度,亀の甲羅状の石灰化が肝全体 に拡がるものを4度とした(図2)。これらの石 灰化は日虫症に特徴的なパターンであり3),3, 4度では肝の萎縮変形も高度となる。 皿.結果A.USおよびCTの結果
日虫症罹患歴のある町民のUS, CT結果を 上記の分類にあてはめたとこち,2度以上の有 所見率は59.5%(122/205)であった(表!)。US でその線維化,石灰化所見にかくされて吟る可 能性のある肝細胞癌を発見するために,USで日本住血吸虫症の肝細胞癌 209 図1.日虫症のUS像.1度(左上)は正常像,2度(右上)から3度(左下), hazyパターン,魚鱗状パターン,亀の甲羅状パターンとなる. 4度(右下)にかけて 図2.日虫症のCT像.1度(左上)は正常像,2度(右上)から3度(左下), 灰化した問質が増加し亀の甲近状の石灰化にまで進む. 4度(右下)にかけて石
210 内 山 畑,他 表1.日虫症罹患歴のある町民のUSとCT の分類結果 1度 2度 3度 4度 計
US受診者 83 51 44 27 205
CT受診者 16 17 22 13 68
表2.US所見とCT所見との関係 1CT
2 3 4 計1
US 23
4
5 2 7 4 1 2 72 10 10 426
4 10 6 20 一十 11 17 22 10 60 年齢 58.162.865.869,7 3度以上を示す町民にたいしてCTの検査をす すめた。しかし1,2度の町民でも希望により CTを施行したものが含まれている。 CTの有 所見率は76.4%(52/68)であった。 USとCTの両方を施行した町民は60名であ る。この結果について日虫症における両検査所 見の関係をみると(表2),USで所見のある2, 3,4度のものも,CTでは石灰化の全くみら れない1度から高度の4度までに広く分布し た。線維化の程度,広がりと石灰化のそれとは 平行していない。石灰化の程度が年齢とともに 進行していることが判る。 B.肝悪性腫瘍の検出 USにより肝臓内の腫瘤性病変を発見,また は疑いをもったものは6名であり,そのうち肝 細胞癌を疑ってCT検査を勧めたものはUS 3 度2名,4度2名である。他の2名は転移性の肝腫瘍を疑ったもので2度1名,3度1名で
あった。 この6名に質的確定診断を目的として精査を 行うために病院受診を勧めた。その結果を表に しめす(表3)。肝細胞癌の1例は経肝動脈塞栓 術(以下TAEとする)まで施行できたが,他の 1例は町役場を通じていくらすすめても受診せ ず,8か月後に他院に入院,その1か月後に死 亡している。USで肝細胞癌を疑ったがCTで 否定できたものが1例,CTだけでは否定でき ず,血管造影を施行,それでも確定できず肝シ ンチグラフィで否定できたものが1例である。 ファータ乳頭癌肝転移はUS, CTで発見し, 他院へ入院 4か月後に死亡した。胃癌肝転移 の1例はUS, CTで肝病巣を発見するも受診 せず,胃出血のため他院を受診し,胃切除1年 後に死亡した。この症例はAFP産生性胃癌で あり,肝病巣は胃癌の転移であることを組織染 色により確認している。 C.血清学的検査の結果 全検査数888名のうち,日野症の罹患歴のあ 表3.発見された悪性腫瘍とその処置および予後 診断 処置 予後 !.肝細胞癌79歳男 AFP十十+HBs− 2.肝細胞癌66歳男 AFP十十十HBs− 3.肝細胞癌疑い78歳男AFP−HBs−
4.肝細胞癌疑い62歳男AFP−HBs−
5.乳頭癌肝転移59歳男AFP−HBs−
6.胃癌肝転移67歳男 AFP十十十HBs一 当院にてTAE 受診せず,8ヵ.月 後他院入院 CT,シンチにて 否定 CTにて否定 他院入院 他院で胃出血の ため胃切除術 2年後死亡 9ヵ月後口亡 生存 生存 4ヵ月後死亡 1年後死亡日本住血吸虫症の肝細胞癌 211
図3.症例1の肝X線CT.左葉の肝細胞癌は石灰化した問質で囲まれている. TAEによる治療 が有効であった.
図4.症例2の肝X線CT.右葉につよい石灰化と低吸収域がみられる.精査の結果この症例には 肝細胞癌はないと診断された.
212 内 山 る町民の血清検査被検者数は200名である。こ のうちAFP陽性者が6名, HBs抗原陽性者は ll名であった。 AFP陽性者の内訳は,前述の 肝細胞癌2例と胃癌1例,その他は肝硬変3例 である。HBs抗原の陽性率は5.5%(!1/200)で あった。肝の悪性腫瘍を疑った6名はすべて HBs抗原陰性であった。 D.症例 1.症例!:79歳,男。AFP陽性。 US, CT で明かな肝腫瘍を発見,CTによりこの病巣は つよい亀の甲羅状石灰化(4度)の1区画から発 生し,そのバリアを越えていないことが明瞭で あった(図3)。リピオドール注入後TAEを施 行した。TAE後のCTではよく病巣にリピオ ドールが限局集積していた。1年後病巣は縮小 したが1年2か月後のCTで同じ石灰化区域内 にリピオドールのない低吸収域が再発,再度 TAEを施行した。この患者は2年後に吐血で 死亡している。 2.症例2:78歳,男。AFP陰性。 USでは 高度の障害エコー(4度)のため言葉後区にみら れた低エコー域が肝細胞癌か否か確定不能。 CTでは亀甲賦払石灰化のある4度で二葉後区 に低吸収性区画があり(図4),ダイナミック CTを施行したが明確な診断はできなかった。 さらに血管造影でも確定できず99mTcフィチ ン酸塩によるSPECTでこの部位に正常肝組織 のあることを確認して癌はないと診断された。 ▽.考察 昭和60年に山梨県の7病院が肝疾患患者登録 を行い,納骨症罹患患者と非罹患患者のデータ を集計している2)。これによると,日虫卵の証
明された168例についてUSおよびCTを行
なったところその有所見出はUSで66.2%, CTで43.2%であった2)と報告されている。今 回の玉穂町の検診での結果はUSが59.5%, CTが76.4%であった。ただしCTは主として US 3,4度に行なったので,当然CT:有所見 回は高い。しかしUSとCT両者を施行した住 暁,他 民60例ではUS 90%(53/60), CT 81.6% (49/60)でUSの方が有所見高が高い。間質の 線維化のみの段階ではCTには明らかな所見が 出現しないためであろう。 肝細胞癌が2例発見されたがその数は少ない のであろうか。これについては,昭和60年に結 成された山梨県医師会の肝疾患調査実行委員会 (12施設,山梨医科大学も参加している)が,毎 年の登録により!0年間の追跡調査を計画実施し ているのでこれとの比較が可能である。それに よると昭和61年と62年の2年間に新たに発生し た,すなわち日虫症追跡申の患者の中から AFPが上昇しはじめて肝細胞癌が発見された 患者数は3例であり,昭和60年から62年までに 登録されている日虫症をもつ肝疾患患者数は 440例であった4>。一方本研究では2年間にUS を行なった日虫症罹患歴のある住民205例のう ち,肝細胞癌の発見は2例である。数字のうえ では本研究による発見の方が率が高い。しかし この2例はかなり進行した肝細胞癌であり,県 医師会委員会の調査結果には報告されていな かった。すなわち進行した肝細胞癌患者でもま だ調査にもれている可能性がある。住民の心理 からみると,このようにひどい症状がでるまで は病院に行かないもの,あるいは居住区域に出 向いて検診をしなければ健診さえも受けない住 民が少なくないものと思われる。事実この2例 は2年目に各地区に出向いた検診によって発見 している。県内の基幹病院が網を張って待って いてもこのグループは網の外におり,早期の肝 細胞癌発見につながらないであろう。このこと からみると三二症患者に発生する肝細胞癌を, 理由はともかく早期に見つけて治療に結びつけ るには,居住地区に出向いて行う住民検診で進 行したものも含めて捜し出す努力が必要と思わ れる。 日虫症の亀の甲羅状石灰化に囲まれた区画に 発生する肝細胞癌は,この自然のバリアによっ て周囲への浸潤が抑えられ,進行の仕方も複数 の区画に発生する多発型をとるような傾向がみ られる。こういう症例にTAEを行なった後の日本住血吸虫症の肝細胞癌 213 再発の形式を調べた結果では5),周囲に浸潤性 に発育したものは,日野症のない肝細胞癌では 34%(22/32)に対し,日虫症肝では10%(!/10) であった7)。したがって高度に石灰化のみられ る田虫症患者に発生した肝細胞癌の治療には TAEが適しているとも考えられる。肝の予備 能が小さい已下症患者には手術より良いであろ う。 本研究の目的は,日照症罹患歴のある住民の 肝をUSで調べ,直接肝腫瘍を発見できなくて も,hazyな所見がつよいものではCTまで行 なうという手順を設定し,これを用いて2年間 にどれくらいの肝細胞癌が発見できるかを試す ことにあった。またこの手順が肝細胞癌の発見 にどれ位有効かを確認できればと考えた。しか し実際に発見された肝細胞癌の2例はUSのみ で十分診断が可能なものであった。CTで肝細 胞癌を疑い他の検査で否定されたものも含め て,この検診ではむしろCTは肝細胞癌の存在 を否定することに役立つようである。いずれに してもUSでは判然としない日虫症肝の画像診 断をCTで行うことは意義あるものと考える。 本研究から類推すると進行した肝細胞癌もまだ 検出されずに残っている可能性があり,結果と して住民の居住地区に出向いてまずUSを行な い,必要ならCTを勧めるという努力が有効で あろう。 一方肝機能検査を行なった町民の血清の一部 をもらい,AFP, HBs抗原の測定を行なった もののうち,日虫症罹患歴のある町民200人の 中に,AFP陽性6名, HBs抗原陽性11名を見 つけた。発見された肝細胞癌の2例とも高い AFP値を示していた。したがって県医師会に 登録され追跡されている日虫症患者以外(登録 されていても追跡されていない患者もありう る)の肝細胞癌患者を捜すのに住民検診でAFP の測定は簡便で有効であろう。とくにAFPが 高値でUS 3,4度の住民に対しては,積極的 にCTで肝細胞癌の有無を診断する必要があ る。CTでも明らかでないときには血管造影な どを含めたその他の精密検査まで行なうべきで
ある。AFP陰性の肝細胞癌の発見にはUSは
最初の手がかりとなる。 HBs抗原の測定は肝細胞癌の検出に直接の 意義はない。日虫症患者を対象とする検診の データがいくつか報告されているので,それと の比較を目的に測定を行なったものである。本 研究でのHBs抗原陽性率は5.5%(11/200)で あったが,昭和58年に県内の昭和町住民を対象 にした調査6>の結果ではHBs抗原陽性者4% (5/!22)である。どちらもHBsキャリアの日本 全国平均が約2%であるのに比べると高い。本 研究ではHBs抗原のみの測定なので, B型肝 炎感染の有無の全容は不明であるが,この昭和 町の調査ではHBs抗原に加えてHBs抗体, HBc抗体も測定しており,このいずれかが陽 性のものは感染を経験したものとすると,日虫 症罹患歴のあるグループでの感染者は実に 72.6%(45/62)という数字になると報告されて いる。この感染者数は日虫症罹患歴のないグ ループでのHBマーカー陽性率を年齢別にしら べて出した期待値の約2倍となっている。この 高率の原因については一下症治療のため昭和 30,40年代にアンチモン剤を頻回に静注された 折りの感染が寄与しているのではないかと推測 されている6)。 日虫症罹患歴のある住民には肝細胞癌のハイ リスクグループとしてAFPの測定, USの積 極的な利用が望まれる。幸いにして,玉穂町に ついては昭和62年から山梨県健康管理事業団の 超音波検診車が利用されるようになった。US では線維化パターンがつよく,腫瘍はないと言 い切れないときには,積極的に医療機関での CTを勧めて肝細胞癌の早期発見に努めるべき である。この際手術以外にもTAEが有効な治 療法となるので,十分な対策があることを住民 に知らせることも必要であろう。 後 記 昭和60年,61年度に町民検診への参加を許可 していただいた玉穂町役場の関係者の方々,お214 内 山 暁,他 よび組織染色によるAFP産生胃癌の同定をお 願いした小林愼雄東京女子医大病理学教授に感 謝する。なお本研究の一部は昭和60年,61年度 の文部省科学研究費補助金No。60570477「日本 住血吸虫症患者に発生する肝細胞癌の早期診 断」によって行われた。 文 献 1)堀見利昌:山梨県における分布.横川宗雄,林 滋生,飯島利彦編、地方病とのたたかい一俗本 住血.吸虫病・医療編一.山梨地方病撲滅協力会, 1981;47−72. ︶ 2 ︶ 3 ︶ 4 ︶ 5 ︶ 6 飯田文良,中込昭人,戸塚 侑,ほか.山梨県 の肝疾患一臼本住.諏吸虫症を中心にして一山 梨医学,1985;13:1−10. Arakl T, Haya装awa K, Okada Jκα!. Hepatic schistoso貰灘iasis japonica i(:韮entifie(:窒 by CT. Radiology 1985;157:757−760. 飯田文良,山梨県の肝疾患一日本住血吸虫性肝 疾患の追跡調査,特に肝癌の発生を中心にして (その3)山梨医学,!988;16:1−6. 藤本 肇,荒木 力,臼原敏彦ほか。X線CT・ 血L管撮影から見た日本住血吸虫症合併肝細胞癌 の形態的特徴.日本医学放射線学会雑誌, 1989;49:豆39−i45. 稲葉裕,吉原なみ子,堀見利昌.日本住盈L吸虫 症罹患歴のある住民のHBウイルス感染状況. 山梨医学,1985;13:B刈5. Early Diagnosis of Hepatocellular Carc量noma in Patients w嚢h Hepatic Sch量stosomiasis japon量。3 Guio Uch量yama, Toshihiko Hihara, KeゆKachi, Ts戯。燃u Araki1), Masato Kaぞiko㎜壼2), San曲i鰍Hayash董3), Kazushige Hayakawa4), Kayoko Hayakawa4), Yoshih量ro Sa量to4}, H勾量me Fujimoto5), and Kazuh圭ko Seto6》 Dψζ∼r’〃・81∼碕ズR‘・‘1∼・1・9}・,}ノ‘∼・∼∼‘η・α・ノ∼’M8ζ!’6‘’1C・〃・・9・』∼〃び1∼∼て・煎りρ117「吻〔ノ’,κノ1・∼〃5πC’りM8‘!∼副C酬8’2’,ア・1∼・ u伽晦”,Gπ,ηη‘ごびηん8晦』り,N∼槻‘∼zπαり漁伽∼α・・∼!パ㌔・∼・・‘∼∫∼.加た・・珊θψ∼‘’∼ω Tamal、o−cho cl毛y, where Yam∼mε芝shi Me(lical College is locatecl, was歪brmer1γone()f the e韮〕demic 21rcas of SChiStOSOln藍aS至S jaPO装iCa ill Ja箋)an・ i>Ia1、y inhabkantS Of毛hiS area Older thを峯n 45 yearS ()f agC at {he tilne Or t垂}iS study have a his£・1亀y・f schist・s・me i・・f壱αi()1㍉とmd arc at risk・ヂhePat()cellular carci1・・ma w油P・ssible c・ntrlbu− tion of hePatkis B aRd alcoholic ll、渚er clrrhosis・Thc…1、arkcd fibrosls a[}d calci藍catlon ol)servecl illしhe liver in schistosolnlasisしlpon ultraso!}ogr21phic exan〕ina毛ion(US)often prevents carly detectio熱of silent hepatocellular ca韮「(:inollla, X−ray CT is the ol)tlol儀 for fミ達rthe1’exaInination in such cases. In.1985 aBd l986, we examl織e(l in_ habi毛antS OξOUr Cky、VhO had hiStOr茎eS Of SChiStOSOn1C呈韮≧f℃CtiOr}, in a籠effbr室:ξO deξeCt Sも叢Ch()CCU茎t CaSeS Of hCpa一 宅oce猛ular carci茎}ol臓a。 Of 264ギesldents examined by US,70 had l)een for furtheギexとミminatlo貸with X−ray CT. FOur}≧ePa芝lc malignancies inclu({ln92hel,atocellし蓋lar carcl圭}oma㌔vere detected. Tral・sar宅erial emb・lization was efギective£or()ne P∼1虚e1箕wkh he峯)a{()celkとlar carclBo1}1a s雛rro矯[}ded l:)y 1論assive IIlte…櫓stit呈al cal(:1{うcati()韮、. Serun〕 AFP alld}Bs antigeB were examiBed i蓋、.544 residents. Of辱200 scl}istosoma−i11艶ctc(h℃sklen芝s,6were AFP− positive ancl l l HBs−anξlgen−positlve. On the basis ofoしlr observations(1)ver 2 years we conclしとcle that tl≧e effec− tlve measures in cletecdllg sile凱ea1尾ly hePatocellu12ミr carci蓋、om芝l lll schistosome−infected resi(le飢s a1尾e US wlth measurcmel叢of serum AFP iR fうr鍍stage, and X−ray C「r ln secolld stage fbr w熱ose US(llsplays marked薮br()sis a韮}(=lcaiclfi(:atioヨ}, Key words=Scl滴istosomlasisjaPonlca,1≧cPatocellular cとまrcinoma, ui芝rasol達ograPl雀y, X−ray CT, AFI)