トリプルスカイフック制御による乗り心地の研究
*―ばね上加速度,速度,変位をフィードバックしたスカイフック制御の提案―
勝山 悦生1)
Research into Ride Comfort Using Triple Skyhook Control
- Proposal of Skyhook Control through Sprung Acceleration, Velocity, and Displacement Feedback - Etsuo Katsuyama
Various ride comfort control methods using suspension control devices have been proposed. This paper describes research into a simple control law that uses only sprung acceleration sensors to effectively reduce disturbance inputs over a wide frequency range by applying skyhook control to the sprung mass using three elements instead of just the dampers: the dampers, springs, and inerters. Reflecting the number of elements, this control is called the triple skyhook control.
KEY WORDS: Vibration, noise, and ride comfort, Suspension system, Suspension control, Skyhook (B3) 1.ま え が き ドライバの操舵や加減速入力によりばね上のロールやピッ チ運動が生じる.また,路面の凹凸によっても車体は揺り動 かされる.これらは基本的に不要な外乱であり,極力低減さ せるのが好ましい.実際,サスペンションのばねやアブソー バの最適化に加え,ドライバ入力に対してはサスペンション ジオメトリで入力低減するように設計されているが,更なる 制振性能の向上や,ドライバ入力と路面入力との両立を狙い, サスペンション制御の研究開発がなされている. 乗り心地の代表的な制御法として,ばね上共振周波数付近 の制振に効果があるスカイフックダンパ制御(1)がよく知られ ている.一方,乗員が不快に感じるといわれる4~8Hz の周波 数域(2)までへの制御域の拡大や,更なる制振性能向上を狙い, ばね下の情報や路面凹凸情報を用いた予見制御の研究もなさ れている (3)-(8).しかしながら,このような性能向上のために は制御則の複雑化は避けられないばかりか,サスペンション ストロークやばね下の状態量,路面凹凸の検知等のためのセ ンサの追加が必要となる.本稿では,センサの追加を避けか つ極力シンプルな制御則で,路面入力とドライバ入力双方の 外乱を広帯域に亘って低減する手法を提案し,その効果を従 来法と比較する.また,車両パラメータの変動に対するロバ スト性や制御の遅れの影響も明らかにする. 2.従来制御 2.1. 制御効果 *2018 年 6 月 5 日受理.2018 年 5 月 25 日自動車技術会春季学 術講演会において発表. 1)トヨタ自動車(株)(410-1193 静岡県裾野市御宿 1200 番地) 2.1.1. スカイフックダンパ制御 代表的な乗り心地制御法であるスカイフックダンパ制御 (SH: Skyhook Damper Control)は,車両のばね上に取り付けたセ ンサにより速度フィードバックすることで,路面からの入力 を悪化させずにばね上の減衰を向上できる.実装が容易で効 果的なことから広く普及している.その効果を確認するため に図 1 に示すクォーターカーモデルを用いる.ばね上,ばね 下マスの運動方程式はそれぞれ式(1),(2)で表される.
Fig.1 Quarter-Car Model
𝑚𝑚𝑚𝑚2𝑧𝑧𝑧𝑧2𝑠𝑠𝑠𝑠2= (𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠 + 𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠)(𝑧𝑧𝑧𝑧1− 𝑧𝑧𝑧𝑧2) + 𝑤𝑤𝑤𝑤 + 𝐹𝐹𝐹𝐹𝑐𝑐𝑐𝑐(𝑠𝑠𝑠𝑠) (1) 𝑚𝑚𝑚𝑚1𝑧𝑧𝑧𝑧1𝑠𝑠𝑠𝑠2= (𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠 + 𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠)(𝑧𝑧𝑧𝑧2− 𝑧𝑧𝑧𝑧1) + 𝑘𝑘𝑘𝑘𝑡𝑡𝑡𝑡(𝑧𝑧𝑧𝑧0− 𝑧𝑧𝑧𝑧1) − 𝐹𝐹𝐹𝐹𝑐𝑐𝑐𝑐(𝑠𝑠𝑠𝑠) (2) ここで,z0,z1,z2はそれぞれ路面,ばね下,ばね上の上下 変位,w はばね上に働く外力,Fcはサスペンションアクチュ エータの制御力,s はラプラス演算子である.その他の記号と 値は表1 に示す.その制御指令値 Fc(s)を式(3)のように与える. cshは制御減衰係数であり,力の符号は斥力を正とする.また D(s)は式(4)で示すように,制御の応答特性を模擬したカット オフ周波数flが5.0Hz の一次ローパスフィルタ(LPF)と,積分 オフセット除去を想定したカットオフ周波数fhが1.0Hz の一 技術論文 20194043
次ハイパスフィルタ(HPF)の積である. 𝐹𝐹𝐹𝐹𝑐𝑐𝑐𝑐(𝑠𝑠𝑠𝑠) = −𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠ℎ𝑧𝑧𝑧𝑧2𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠(𝑠𝑠𝑠𝑠) (3) 𝑠𝑠𝑠𝑠(𝑠𝑠𝑠𝑠) =(𝑠𝑠𝑠𝑠 + 2𝜋𝜋𝜋𝜋𝑓𝑓𝑓𝑓2𝜋𝜋𝜋𝜋𝑓𝑓𝑓𝑓𝑙𝑙𝑙𝑙 𝑙𝑙𝑙𝑙) 𝑠𝑠𝑠𝑠 (𝑠𝑠𝑠𝑠 + 2𝜋𝜋𝜋𝜋𝑓𝑓𝑓𝑓ℎ) (4)
Table1 Parameters for calculation
Parameters Symbol Unit Value
Sprung mass m2 Kg 500
Unsprung mass m1 Kg 50
Spring stiffness ks N/m 30e3
Damping coefficient cs N/(m/s) 2000
Tire stiffness kt N/m 300e3
これを用いて計算した路面変位入力に対するばね上,ばね 下加速度と,ばね上入力に対するばね上変位のボード線図を 図2 に示す.尚,cshは0.4×csとした.また,路面変位入力振 幅には入力周波数f の逆数である 1⁄f を掛けた.まず路面入力 に対しては,SH はばね上共振付近(以降,低周波域)を制振 する効果があることが確認できる.一方,乗員が不快に感じ るといわれる鉛直方向4~8Hz の周波数域(以降,中周波域) の振動は改善できないばかりか,制御の応答遅れの影響で若 干悪化している.これに対し,アブソーバ減衰係数 csを低減 させると,太実線で示すように低,中周波振動低減を両立で きるが,ばね下共振付近(以降,高周波域)のばね下振動の 悪化を引き起こす.また,ドライバ操作によるばね上への慣 性力入力に対しては,SH はばね上の制振効果が得られるが, アブソーバの低減衰化でその効果が相殺されている.
Fig.2 Effect of Skyhook Damper Control
2.1.2. ばね下逆スカイフックダンパ制御
ばね下マスを負の減衰係数のダンパでスカイフックするば ね 下 逆ス カ イフ ック ダ ンパ制 御(nSH: Unsprung Negative Skyhook Damper Control)により,路面外乱に対する中周波域の 振動を低減できる(9).制御指令値は式(5)で与えられる. 𝐹𝐹𝐹𝐹𝑐𝑐𝑐𝑐(𝑠𝑠𝑠𝑠) = −𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠ℎ𝑧𝑧𝑧𝑧1𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠(𝑠𝑠𝑠𝑠) (5) 図1 のモデルに式(5)の制御を適用した結果を図 3 に示す. cshは同じく 0.4×csとした.路面入力に対するばね上の中周波 域が大幅に制振されているにもかかわらず,アブソーバを低 減衰化したときのようなばね下振動の悪化は見られない. 本制御のメカニズムは次のように説明できる.式(5)は式(6) に変形できる.これは,制御減衰係数がcshのSH に加え,ア ブソーバの減衰力をcshだけ制御で低減させていることを意味 する.制御アクチュエータは高周波になるほど応答が鈍化し, 制御ゲインが低下する.そのため,低中周波の制振効果は前 項の制御のように得られる一方,高周波は制御が応答しない ために振動悪化を免れている.本制御は,応答遅れが中周波 と高周波の性能バランスを決める重要な要素となっている. 尚,本制御は,ばね上のセンサは不要になるが,ばね下に 加速度センサあるいはそれ相当のものを搭載する必要がある. 𝐹𝐹𝐹𝐹𝑐𝑐𝑐𝑐(𝑠𝑠𝑠𝑠) = −𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠ℎ𝑧𝑧𝑧𝑧2𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠(𝑠𝑠𝑠𝑠) − 𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠ℎ(𝑧𝑧𝑧𝑧1− 𝑧𝑧𝑧𝑧2)𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠(𝑠𝑠𝑠𝑠) (6)
Fig.3 Effect of Unsprung Negative Skyhook Damper Control 2.1.3. ばね下逆スカイフックダンパスプリング制御 ばね下速度に比例した負の減衰力を与えるnSH 制御に対し, 式(7)のように,ばね下変位に比例した負のばね力も同時に与 トリプルスカイフック制御による乗り心地の研究
えるばね下逆スカイフックダンパスプリング制御(nSH2: Unsprung Negative Skyhook Damper and Spring Control)を行えば, 路面入力に対し,アブソーバだけでなくサスペンションばね がばね上に与える力も低減できる. この制御効果を同様に図 4 に示す.尚,制御減衰係数 csh と制御ばね定数kshはそれぞれ0.4×cs,0.4×ksとした.その結 果,nSH と比べ,路面入力に対するばね上低周波の制振効果 が向上している.ばね上共振よりさらに低周波側の効果を得 るために,路面予見センサとオブザーバを用いた研究例も見 られる (8).実際はサスペンションストロークに制約があるこ と,またロールに関しては曲線路の内向きカント等の制御し ないほうが良い場面もあるため,本制御に必要なばね下変位 は,ばね下速度の積分値にHPF を掛けたものを用いるのも現 実的な方法の一つである.その場合,予見センサは不要にな るが,nSH 相当のセンサは依然必要である. 𝐹𝐹𝐹𝐹𝑐𝑐𝑐𝑐(𝑠𝑠𝑠𝑠) = −(𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠ℎ𝑠𝑠𝑠𝑠 + 𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠ℎ)𝑧𝑧𝑧𝑧1𝑠𝑠𝑠𝑠(𝑠𝑠𝑠𝑠) (7)
Fig.4 Effect of Unsprung Negative Skyhook Damper and Spring Control 2.2. 比較考察 図1 のクォーターカーモデルを用いて従来制御の考察を行 う.前節で示した従来例は,いずれもばね上,ばね下の上下 変位をもとに制御されているため,ここでは制御力Fc(s)を式 (8)で定義する.図 5 はブロック線図を表す. 𝐹𝐹𝐹𝐹𝑐𝑐𝑐𝑐(𝑠𝑠𝑠𝑠) = 𝐻𝐻𝐻𝐻(𝑠𝑠𝑠𝑠)𝑧𝑧𝑧𝑧1+ 𝐺𝐺𝐺𝐺(𝑠𝑠𝑠𝑠)𝑧𝑧𝑧𝑧2 (8) ばね上運動に着目して式(8)を式(1)に代入すると,ばね上変
Fig.5 Block Diagram
位z2は式(9)で表される.右辺第一項は路面によるばね下から の入力分,第二項はドライバによる慣性力入力分である. 𝑧𝑧𝑧𝑧2=𝑚𝑚𝑚𝑚 𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠 + 𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠+ 𝐻𝐻𝐻𝐻(𝑠𝑠𝑠𝑠) 2𝑠𝑠𝑠𝑠2+ 𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠 + 𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠− 𝐺𝐺𝐺𝐺(𝑠𝑠𝑠𝑠) 𝑧𝑧𝑧𝑧1+ 1 𝑚𝑚𝑚𝑚2𝑠𝑠𝑠𝑠2+ 𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠 + 𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠− 𝐺𝐺𝐺𝐺(𝑠𝑠𝑠𝑠) 𝑤𝑤𝑤𝑤 (9) 上式のH(s),G(s)の配置から,ばね上情報を用いた制御はこ の式の伝達関数の分母を制御でき,ばね下情報を用いた制御 は路面入力等によるばね下変位に対する分子を制御できるこ とがわかる.スカイフックダンパ制御(SH)の制御力は式(10) を式(8)に代入したものであり,ばね下逆スカイフックダンパ 制御(nSH)は式(11)を代入したもの,ばね下逆スカイフックダ ンパスプリング制御(nSH2)は式(12)を代入したものである. SH: 𝐻𝐻𝐻𝐻(𝑠𝑠𝑠𝑠) = 0𝐺𝐺𝐺𝐺(𝑠𝑠𝑠𝑠) = −𝑐𝑐𝑐𝑐 𝑠𝑠𝑠𝑠ℎ𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠(𝑠𝑠𝑠𝑠)� (10) nSH: 𝐻𝐻𝐻𝐻(𝑠𝑠𝑠𝑠) = −𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠ℎ𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠(𝑠𝑠𝑠𝑠) 𝐺𝐺𝐺𝐺(𝑠𝑠𝑠𝑠) = 0 � (11) nSH2: 𝐻𝐻𝐻𝐻(𝑠𝑠𝑠𝑠) = −(𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠ℎ𝑠𝑠𝑠𝑠 + 𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠ℎ)𝑠𝑠𝑠𝑠(𝑠𝑠𝑠𝑠) 𝐺𝐺𝐺𝐺(𝑠𝑠𝑠𝑠) = 0 � (12) 式(10),(11),(12)をそれぞれ式(9)に代入すると,それらは 式(13),(14),(15)になる. SH: 𝑧𝑧𝑧𝑧2= 𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠 + 𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠 𝑚𝑚𝑚𝑚2𝑠𝑠𝑠𝑠2+ �𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠+ 𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠ℎ𝑠𝑠𝑠𝑠(𝑠𝑠𝑠𝑠)�𝑠𝑠𝑠𝑠 + 𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠𝑧𝑧𝑧𝑧1 + 1 𝑚𝑚𝑚𝑚2𝑠𝑠𝑠𝑠2+ �𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠+ 𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠ℎ𝑠𝑠𝑠𝑠(𝑠𝑠𝑠𝑠)�𝑠𝑠𝑠𝑠 + 𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠𝑤𝑤𝑤𝑤 (13) nSH: 𝑧𝑧𝑧𝑧2=�𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠𝑚𝑚𝑚𝑚− 𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠ℎ𝑠𝑠𝑠𝑠(𝑠𝑠𝑠𝑠)�𝑠𝑠𝑠𝑠 + 𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠 2𝑠𝑠𝑠𝑠2+ 𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠 + 𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠 𝑧𝑧𝑧𝑧1+ 1 𝑚𝑚𝑚𝑚2𝑠𝑠𝑠𝑠2+ 𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠 + 𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠𝑤𝑤𝑤𝑤 (14) nSH2: 𝑧𝑧𝑧𝑧2=�𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠− 𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠ℎ𝑠𝑠𝑠𝑠(𝑠𝑠𝑠𝑠)�𝑠𝑠𝑠𝑠 + �𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠− 𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠ℎ𝑠𝑠𝑠𝑠(𝑠𝑠𝑠𝑠)� 𝑚𝑚𝑚𝑚2𝑠𝑠𝑠𝑠2+ 𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠 + 𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠 𝑧𝑧𝑧𝑧1 +𝑚𝑚𝑚𝑚 1 2𝑠𝑠𝑠𝑠2+ 𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠 + 𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠𝑤𝑤𝑤𝑤 (15) SH のような分母の制御は一般に,ばね上の共振付近の制振 効果が得られる.一方,nSH や nSH2 のような分子の制御は, 図5 で示すように,ばね上の状態量をフィードバックするわ けではなくばね上への入力自体を低減しているとも理解でき るため,ばね上の固有特性には依存せず,比較的広い周波数 帯域で制振する効果があることが特徴の一つである. 分子を制御するためにはばね下の情報が必要であり,ばね 下加速度センサやサスペンションストロークセンサ,路面予 見センサ等を追加する,またはオブザーバ等によりばね下状 態量を推定する必要がある.筆者は追加センサによるコスト トリプルスカイフック制御による乗り心地の研究
増や,過酷な環境であるばね下付近へのセンサの搭載による 信頼性,耐久性の低下,また推定による誤差の影響等を嫌い, 次章にてばね上に搭載した加速度センサのみを用いた新たな 制御法を提案する. 3.提案制御 3.1. 制御則と効果 ばね上情報しか用いないという制約のもと,式(16)のように 制御指令値を定義する制御則について考える.これを式(9)に 代入すると,式(17)が得られる.但し,n = 2 とする. 𝐻𝐻𝐻𝐻(𝑠𝑠𝑠𝑠) = 0 𝐺𝐺𝐺𝐺(𝑠𝑠𝑠𝑠) = − � 𝛼𝛼𝛼𝛼𝑖𝑖𝑖𝑖𝑠𝑠𝑠𝑠𝑖𝑖𝑖𝑖𝑠𝑠𝑠𝑠(𝑠𝑠𝑠𝑠) 𝑛𝑛𝑛𝑛 𝑖𝑖𝑖𝑖=0 � (16) 𝑧𝑧𝑧𝑧2=�𝑚𝑚𝑚𝑚 (𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠 + 𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠)𝑧𝑧𝑧𝑧1+ 𝑤𝑤𝑤𝑤 2+ 𝛼𝛼𝛼𝛼2𝑠𝑠𝑠𝑠(𝑠𝑠𝑠𝑠)�𝑠𝑠𝑠𝑠2+ �𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠+ 𝛼𝛼𝛼𝛼1𝑠𝑠𝑠𝑠(𝑠𝑠𝑠𝑠)�𝑠𝑠𝑠𝑠 + �𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠+ 𝛼𝛼𝛼𝛼0𝑠𝑠𝑠𝑠(𝑠𝑠𝑠𝑠)� (17) ここで,制御定数α2,α1,α0を式(18)で与えると,制御力 Fc(s)は式(8)と(16)から式(19)で表され,式(17)は式(20)になる. [𝛼𝛼𝛼𝛼2 𝛼𝛼𝛼𝛼1 𝛼𝛼𝛼𝛼0]𝑇𝑇𝑇𝑇= 𝛼𝛼𝛼𝛼[𝑚𝑚𝑚𝑚2 𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠 𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠]𝑇𝑇𝑇𝑇 (18) 𝐹𝐹𝐹𝐹𝑐𝑐𝑐𝑐(𝑠𝑠𝑠𝑠) = −𝛼𝛼𝛼𝛼(𝑚𝑚𝑚𝑚2𝑠𝑠𝑠𝑠2+ 𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠 + 𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠)𝑧𝑧𝑧𝑧2𝑠𝑠𝑠𝑠(𝑠𝑠𝑠𝑠) (19) 𝑧𝑧𝑧𝑧2=1 + 𝛼𝛼𝛼𝛼𝑠𝑠𝑠𝑠(𝑠𝑠𝑠𝑠) �1 𝑚𝑚𝑚𝑚 𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠 + 𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠 2𝑠𝑠𝑠𝑠2+ 𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠 + 𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠𝑧𝑧𝑧𝑧1+ 1 𝑚𝑚𝑚𝑚2𝑠𝑠𝑠𝑠2+ 𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠 + 𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠𝑤𝑤𝑤𝑤� (20) ここで一旦制御遅れ等を無視し,D(s)=1 とすると,式(20) は,路面入力やドライバ入力に対するばね上の動きが1/(1+α) 倍されているため,本提案制御は分子,分母の動特性制御で はなく,定常ゲイン制御と言える.その効果は,路面凹凸を 低減した滑らかな道を,重心高を下げた車両で走行した状態 になると考えるとわかりやすい.nSH2 の場合も分子の係数が 等倍されるようにcsh,kshを与えれば定常ゲイン制御となるが, 路面入力にしか効果がないこと,ばね下情報が必要なことか ら,やはり本提案制御が優れる. 制御帯域は車両の固有特性に依存せず,D(s)の通過帯域によ り決定される.その帯域はnSH2 と同様,低周波に関しては, 路面勾配や高低変化の影響を,例えばHPF によって除去する 必要があり,高周波は,ばね下振動の悪化を防ぐためにLPF か制御アクチュエータの応答性設計等で遮断する必要がある. 本提案制御は式(19)より,ばね上の変位,速度,加速度に比 例した力による制御であり,ばね上をばね,ダンパ,イナー タ(10)の三つの要素でスカイフックすることを意味する.サス ペンション制御装置で制御する場合,図6 のように図示でき る.この制御法をトリプルスカイフック制御(tSH: Triple Skyhook Control)と呼ぶ. その制御効果をこれまでと同様に図7 に示す.尚,制御定 常ゲイン1/(1+α)が 0.6 となるようにαを与えた.その結果,路 面入力に関してはnSH2 とほぼ同等の性能が得られる一方,ば ね上入力に対しても低減されることが確認できた.本提案制 御は,ばね上加速度センサのみを用いたシンプルな制御則で, 従来制御と同等以上の効果が得られることを示している. 本制御も応答遅れが中高周波の性能を決める重要な要素だ が,本制御の場合は,制御遅れを模擬した一次遅れのカット オフ周波数 flを,従来制御の 5.0Hz からより応答性の劣る 3.0Hz に変更したほうが,中高周波振動をバランスよく低減で きた.これについては3.3 節で考察する.
Fig.6 Quarter-Car Model for Triple Skyhook Control
Fig.7 Effect of Triple Skyhook Control 3.2. 車両パラメータに対するロバスト性 tSH の制御指令値の演算には,車両質量 m2,サスペンショ ン減衰係数csとばね定数ksを用いる.実際には,乗員数等で 車両質量の変動があるほか,減衰係数やばね定数も設計値と の誤差を持つ場合がある.そこで,制御に用いる値に誤差が ある場合にどのような影響があるかを確認する. トリプルスカイフック制御による乗り心地の研究
制御指令値演算に用いるパラメータは変化させずに,式(21) のように車両のm2,cs,ksのそれぞれに加法的誤差を加えて ばね上変位を求めると式(22)になる.但し,gcは式(23)で定義 する制御定常ゲインである.また,式の構造の理解のため, ここでは制御の遅れを無視している. 𝑚𝑚𝑚𝑚2′ = 𝑚𝑚𝑚𝑚2+ Δm 𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠′ = 𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠+ Δ𝑐𝑐𝑐𝑐 𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠′ = 𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠+ Δk � (21) 𝑧𝑧𝑧𝑧2= 𝑔𝑔𝑔𝑔𝑐𝑐𝑐𝑐�(𝑚𝑚𝑚𝑚 (𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠+ Δ𝑐𝑐𝑐𝑐)𝑠𝑠𝑠𝑠 + (𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠+ Δ𝑘𝑘𝑘𝑘) 2+ 𝑔𝑔𝑔𝑔𝑐𝑐𝑐𝑐Δm)𝑠𝑠𝑠𝑠2+ (𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠+ 𝑔𝑔𝑔𝑔𝑐𝑐𝑐𝑐Δ𝑐𝑐𝑐𝑐)𝑠𝑠𝑠𝑠 + (𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠+ 𝑔𝑔𝑔𝑔𝑐𝑐𝑐𝑐Δ𝑘𝑘𝑘𝑘) 𝑧𝑧𝑧𝑧1 +(𝑚𝑚𝑚𝑚 1 2+ 𝑔𝑔𝑔𝑔𝑐𝑐𝑐𝑐Δm)𝑠𝑠𝑠𝑠2+ (𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠+ 𝑔𝑔𝑔𝑔𝑐𝑐𝑐𝑐Δ𝑐𝑐𝑐𝑐)𝑠𝑠𝑠𝑠 + (𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠+ 𝑔𝑔𝑔𝑔𝑐𝑐𝑐𝑐Δ𝑘𝑘𝑘𝑘) 𝑤𝑤𝑤𝑤� (22) 但し,𝑔𝑔𝑔𝑔𝑐𝑐𝑐𝑐= 1 (1 + 𝛼𝛼𝛼𝛼)⁄ (α>0) (23) 式(22)より,制御定常ゲイン gcが掛かる伝達関数の分子の係 数は真値となっており,あたかもパラメータ変動があったこ とを制御側が知っていたかのように,路面入力やドライバ入 力を低減する効果が得られる.一方,系の固有特性を表す分 母は,実際の変動量にgcを掛けた分だけ変動する特性になる. gcは1 より小さい正の値になるように与えるので,実際のパ ラメータ変動による影響を抑制した運動となる. 図8 に,もっとも起こり得る例として,制御指令演算に用 いるパラメータ値は変えずにばね上質量を 10%増加させたと きの,路面入力に対するばね上加速度の制御効果を示す.尚, ここでは制御の遅れも考慮している.その結果,狙いの効果 は変わらず得られており,車両パラメータの変動に対するロ バスト性に優れることが確認できた.
Fig.8 Robustness of Triple Skyhook Control against Changes in Vehicle Parameters 3.3. 制御遅れの比較 実際の制御には必ず遅れが伴う.ここでは,いずれも路面 からの入力を低減する効果のある従来制御 nSH2 と提案制御 tSH の制御アクチュエータの遅れの影響を比較する.制御の遅 れのみに着目するため,D(s)を式(24)のように再定義した.こ こで,τcは制御遅れを模擬した一次遅れ時定数である. 𝑠𝑠𝑠𝑠(𝑠𝑠𝑠𝑠) = 1 (𝜏𝜏𝜏𝜏⁄ 𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠 + 1) (24) まずtSH の制御力 Fc(s)を,制御定常ゲイン gcを用いて表す と,式(19),(23)より,式(25)になる.この式と式(24)を式(1) に代入し,ばね下変位z1に対するばね上変位z2の伝達関数を 求めると,式(26)で表される. 𝐹𝐹𝐹𝐹𝑐𝑐𝑐𝑐(𝑠𝑠𝑠𝑠) = −1 − 𝑔𝑔𝑔𝑔𝑔𝑔𝑔𝑔 𝑐𝑐𝑐𝑐 𝑐𝑐𝑐𝑐 (𝑚𝑚𝑚𝑚2𝑠𝑠𝑠𝑠 2+ 𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠 + 𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠)𝑧𝑧𝑧𝑧2𝑠𝑠𝑠𝑠(𝑠𝑠𝑠𝑠) (25) tSH: 𝑧𝑧𝑧𝑧2 𝑧𝑧𝑧𝑧1= 𝑔𝑔𝑔𝑔𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠𝑡𝑡𝑡𝑡𝑠𝑠𝑠𝑠ℎ(𝑠𝑠𝑠𝑠) 𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠 + 𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠 𝑚𝑚𝑚𝑚2𝑠𝑠𝑠𝑠2+ 𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠 + 𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠 (26) 但し,𝑠𝑠𝑠𝑠𝑡𝑡𝑡𝑡𝑠𝑠𝑠𝑠ℎ(𝑠𝑠𝑠𝑠) = (𝜏𝜏𝜏𝜏𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠 + 1) (𝑔𝑔𝑔𝑔⁄ 𝑐𝑐𝑐𝑐𝜏𝜏𝜏𝜏𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠 + 1) (27) 次に nSH2 の制御力を,同様に gcを用いて表す.式(12)の H(s)を式(28)のように書き換え,式(24)と共に式(8)へ代入する. それを式(1)へ代入し,同様に伝達関数を求めると式(29)になる. 𝐻𝐻𝐻𝐻(𝑠𝑠𝑠𝑠) = −(1 − 𝑔𝑔𝑔𝑔𝑐𝑐𝑐𝑐)(𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠 + 𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠)𝑠𝑠𝑠𝑠(𝑠𝑠𝑠𝑠) (28) nSH2: 𝑧𝑧𝑧𝑧2 𝑧𝑧𝑧𝑧1= 𝑔𝑔𝑔𝑔𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠𝑛𝑛𝑛𝑛𝑠𝑠𝑠𝑠ℎ2(𝑠𝑠𝑠𝑠) 𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠 + 𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠 𝑚𝑚𝑚𝑚2𝑠𝑠𝑠𝑠2+ 𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠 + 𝑘𝑘𝑘𝑘𝑠𝑠𝑠𝑠 (29) 但し,𝑠𝑠𝑠𝑠𝑛𝑛𝑛𝑛𝑠𝑠𝑠𝑠ℎ2(𝑠𝑠𝑠𝑠) = �𝜏𝜏𝜏𝜏𝑐𝑐𝑐𝑐 𝑔𝑔𝑔𝑔𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠 + 1� (𝜏𝜏𝜏𝜏� 𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠 + 1) (30) 式(26),(29)の違いは,定常ゲイン gcに掛かる伝達関数Dtsh(s) と Dnsh2(s)である.式(27),(30)に gcを掛けたものをボード線 図に書くと図9 で表される.ここで,gc = 0.6,τc = 0.03s とし た.tSH は制御定常ゲインにより低減できる周波数域が nSH2 に比べて高周波側にシフトしているため,より高周波域まで 制御できる能力を持っている.つまり,tSH は nSH2 に対して 応答性の劣るアクチュエータにも適用できることを意味して いる.また,式(27)と式(30)を比較すると,式(30)の遅れ時定 数τc に制御定常ゲイン gcを掛けると式(27)に等しくなる.3.1 節でカットオフ周波数をgc倍した理由がこれで説明できる.
Fig.9 Comparison of Control Lags (tSH ver sus nSH2) 4.実車評価 4.1. サスペンション制御車両への実装 4 輪にアクティブサスペンションを搭載した車両を用いて, 本提案制御を車両のヒーブ,ロール,ピッチ運動に適用する. この場合,アクチュエータの自由度が一つ多いため,ワープ 運動への制御指令を追加する.前左,前右,後左,後右輪の アクチュエータが発生する上下力F と,ロールモーメント, ピッチモーメント,ヒーブ力,ワープ力の制御指令値u をそ れぞれ式(31),(32)で定義すると,それらの関係は式(33)で表 される.ここでtf,trはそれぞれ前後輪トレッド,lf,lrはそれ ぞれ重心点から前後車軸までの距離である. 𝑭𝑭𝑭𝑭 = [𝐹𝐹𝐹𝐹𝑧𝑧𝑧𝑧𝑧𝑧𝑧𝑧𝑙𝑙𝑙𝑙 𝐹𝐹𝐹𝐹𝑧𝑧𝑧𝑧𝑧𝑧𝑧𝑧𝑧𝑧𝑧𝑧 𝐹𝐹𝐹𝐹𝑧𝑧𝑧𝑧𝑧𝑧𝑧𝑧𝑙𝑙𝑙𝑙 𝐹𝐹𝐹𝐹𝑧𝑧𝑧𝑧𝑧𝑧𝑧𝑧𝑧𝑧𝑧𝑧]𝑇𝑇𝑇𝑇 (31) 𝒖𝒖𝒖𝒖 = [𝑀𝑀𝑀𝑀𝑥𝑥𝑥𝑥 𝑀𝑀𝑀𝑀𝑦𝑦𝑦𝑦 𝐹𝐹𝐹𝐹𝑧𝑧𝑧𝑧 𝐹𝐹𝐹𝐹𝑤𝑤𝑤𝑤]𝑇𝑇𝑇𝑇 (32) 𝑭𝑭𝑭𝑭 = 𝑪𝑪𝑪𝑪−𝟏𝟏𝟏𝟏𝒖𝒖𝒖𝒖 (33) 𝑔𝑔𝑔𝑔𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠𝑛𝑛𝑛𝑛𝑠𝑠𝑠𝑠ℎ2 𝑔𝑔𝑔𝑔𝑐𝑐𝑐𝑐𝑠𝑠𝑠𝑠𝑡𝑡𝑡𝑡𝑠𝑠𝑠𝑠ℎ トリプルスカイフック制御による乗り心地の研究
但し,𝑪𝑪𝑪𝑪 = ⎣ ⎢ ⎢ ⎢ ⎡𝑡𝑡𝑡𝑡2𝑓𝑓𝑓𝑓 − 𝑡𝑡𝑡𝑡𝑓𝑓𝑓𝑓 2 𝑡𝑡𝑡𝑡𝑟𝑟𝑟𝑟 2 − 𝑡𝑡𝑡𝑡𝑟𝑟𝑟𝑟 2 −𝑙𝑙𝑙𝑙𝑧𝑧𝑧𝑧 −𝑙𝑙𝑙𝑙𝑧𝑧𝑧𝑧 𝑙𝑙𝑙𝑙𝑧𝑧𝑧𝑧 𝑙𝑙𝑙𝑙𝑧𝑧𝑧𝑧 1 1 1 1 1 −1 −1 1 ⎦⎥ ⎥ ⎥ ⎤ (34) 制御指令値u には式(19)を拡張した式(35)を与える.ここで, φ,θ,z はそれぞればね上のロール角,ピッチ角,上下変位, m はばね上質量,行列 M 内の I,c,k はそれぞればね上慣性 モーメント,減衰係数,ばね定数であり,添え字がそれらの 方向を表している.尚,ワープ制御指令値は0 とした. 𝒖𝒖𝒖𝒖 = −𝛼𝛼𝛼𝛼𝒁𝒁𝒁𝒁𝒁𝒁𝒁𝒁𝒁𝒁𝒁𝒁𝑠𝑠𝑠𝑠(𝑠𝑠𝑠𝑠) (35) 但し, 𝒁𝒁𝒁𝒁 = diag[𝜙𝜙𝜙𝜙 𝜃𝜃𝜃𝜃 𝑧𝑧𝑧𝑧 0] (36) 𝒁𝒁𝒁𝒁 = � 𝐼𝐼𝐼𝐼𝜙𝜙𝜙𝜙 𝑐𝑐𝑐𝑐𝜙𝜙𝜙𝜙 𝑘𝑘𝑘𝑘𝜙𝜙𝜙𝜙 𝐼𝐼𝐼𝐼𝜃𝜃𝜃𝜃 𝑐𝑐𝑐𝑐𝜃𝜃𝜃𝜃 𝑘𝑘𝑘𝑘𝜃𝜃𝜃𝜃 𝑚𝑚𝑚𝑚 𝑐𝑐𝑐𝑐𝑧𝑧𝑧𝑧 𝑘𝑘𝑘𝑘𝑧𝑧𝑧𝑧 0 0 0 � (37) 𝒁𝒁𝒁𝒁 = [𝑠𝑠𝑠𝑠2 𝑠𝑠𝑠𝑠1 𝑠𝑠𝑠𝑠0]𝑇𝑇𝑇𝑇 (38) 4.2. 効果検証 ばね上のある3 点に取り付けた鉛直方向加速度センサから ヒーブ,ロール,ピッチの加速度を演算し,速度,変位はそ れらの積分値にフィルタリング処理を施した信号を用いた.α には図7 のシミュレーションと同じ値を用いた. 凹凸のある路面を 60km/h で走行したときのばね上加速度 PSD(パワースペクトル密度)を図 10 に示す.ばね上共振周 波数付近から中周波域にかけて,図7 と同程度の振動低減が できており,実車においても狙い通りの効果が確認できた.
Fig.10 Effects of Triple Skyhook Control on Heave, Roll, and Pitch Acceleration PSD (Actual Vehicle Data)
5.結 論 ばね上の加速度,速度,変位に比例する力をフィードバッ ク制御することで,路面外乱やドライバ入力によりばね上に 与えられる力を低減するトリプルスカイフック制御を提案し, 以下の特長があることを示した. ・ばね上加速度センサのみを用いたシンプルな制御則で,広 い周波数域において制振効果が得られる. ・ばね上加速度センサを用いるため,路面外乱入力だけでな く,ドライバの操舵や加減速等によりばね上に働く慣性力入 力による運動も低減する効果がある. ・車両パラメータの変動に対しても本提案制御は悪影響を及 ぼさず,制御効果があり,ロバスト性に優れる. ・本提案制御はばね下加速度センサ等を用いる従来制御に対 し応答性が劣るアクチュエータにも適用できる. 参 考 文 献
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(2) ISO Standard 2631-1: Mechanical vibration and shock – Evaluation of human exposure to whole-body vibration – part 1 (1997)
(3) Foag, Q., Gruebel, G.: Multi-Criteria Control Design for Preview Vehicle-Suspension Systems, IFAC, Vol. 20, Issue 5, pp. 189-195 (1987) (4) 藤岡健彦,木村 健:予見制御によるアクティブサスペン ションの性能向上に関する理論的研究,自動車技術会論文集, Vol. 22, No. 2, pp. 46-50 (1991) (5) 赤津洋介:アクティブサスペンションによる車両振動制御, 自動車技術,Vol. 46, No. 12, pp. 13-19 (1992)
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(7) Thompson, A. G., Davis, B. R.: RMS Values of Force, Stroke and Tyre Deflection in a Half-Car Model with Preview Controlled Active Suspension, Vehicle System Dynamics, Vol. 39, No. 3, pp. 245-253 (2003) (8) 吉岡謙志朗,武馬修一,趙 在成,神田 亮,矢萩孝志: 電動アクティブサスペンションにおけるプレビュー制御の検 討,日本機械学会論文集(C 編), Vol. 76, No. 770, pp. 20-27 (2010) (9) 勝山悦生,大前彩奈:インホイールモータを用いたばね下 逆スカイフックダンパ制御による乗り心地の研究,自動車技 術会論文集,Vol. 48, No. 2, pp. 349-354 (2017)
(10) M.C. Smith, Synthesis of Mechanical Networks: The Inerter, IEEE Transaction on Automatic Control, Vol. 47, No. 10, pp. 1648-1662 (2002)