• 検索結果がありません。

3.載荷試験の内容 3.1 緒言

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "3.載荷試験の内容 3.1 緒言"

Copied!
10
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)ねじりを受ける合成部材の力学特性に関する研究 第3章 載荷試験の内容. 3.載荷試験の内容 3.1. 緒言. 本研究ではねじりを受けるコンクリート充填鋼管柱のねじり耐力、ねじり剛度お よび靭性などのねじり特性を検討するため、全4回の純ねじりの静的載荷試験を行 った。本章では、載荷試験の内容について説明する。 本研究では主として、正方形断面と円形断面の二種類のコンクリート充填鋼管柱 を対象にし、それぞれの鋼部材とコンクリート部材および合成部材を一端固定、他 端ねじりの条件で行った。正方形断面のコンクリート充填鋼殻柱の載荷試験では、 鋼板の厚さをパラメータとした鋼殻柱と合成柱それぞれ3種類の試験体を製作し載 荷試験に用いた。円形断面のコンクリート充填鋼管柱の載荷試験でも、鋼板の厚さ が異なる2種類の合成柱が載荷試験に用いられた。ところが、円形断面のコンクリ ート充填鋼管柱では、実際コンクリートと鋼板の境界面で滑りがある場合どのくら い影響があるかは,明確になってない。そこで、鋼板とコンクリートの境界面にお ける滑りを検討する為,鋼板とコンクリートが完全に付着するよう境界面にスタッ ドを設けた供試体と境界面が滑らせるよう境界面にテフロンを挿入した供試体を 用いて第3回目の載荷試験を行った。そして,得られた二つの試験結果をねじり初 期剛性とねじり耐荷力に対して比較した。なお,前回の載荷試験結果との比較検討 を行い,境界面での滑りの影響を調べた。最後に、一般充填で完全合成と見なした 合成柱とグリス塗りテフロンを挿入し、不完全合成柱と見なす合成柱を持って、充 填コンクリート の挙動差異を調べる為コンクリートの表面にひずみゲージを設け て純ねじりの静的載荷試験を行った。. 3.2. 供試体の構造. 表3.1に供試体の種類を示す。合成部材における純ねじりの静的載荷試験では、正 方形断面のコンクリート充填鋼殻柱の載荷試験に7体の供試体が、円形断面のコン クリート鋼管柱の載荷試験では、3つのグループに分けて計13体の供試体が用いら れ全20体の供試体に対する載荷試験が行われた。載荷試験に使用されたすべてのコ ンクリートの設計基準強度は300kgf/cm2 とした。それから、正方形断面のコンクリ ート充填鋼殻柱の載荷試験にはSS400の鋼板が用いられ、断面15×15cmの鋼板の板 厚は2.3、3.2および4.5mmであるので、辺長と板厚の比(h/t)は、それぞれ65、 47および33であった。また、円形断面のコンクリート鋼管柱の載荷試験には、STK41 の一般構造用炭素鋼鋼板が用いられ、鋼板の板厚は3.5、4.0および4.5mmであるの. 25.

(2) ねじりを受ける合成部材の力学特性に関する研究 第3章 載荷試験の内容. で、直径と板厚の比(D/t)は、それぞれ40、35および31mmであった。各供試体の 基本寸法はいずれの供試体も全長1m、直径φ139.8mmの断面とした。 表 3.1 断. 面. グループ. 供試体名 RC. 種. 供試体の種類 板厚 (mm). 類. コンクリート柱. RS23 RS32 正方形. Test Ⅰ. 鋼殻柱. 断面形状 (mm). 板厚の比 h/t・D/t. 境界面. ――. ――. ――. 2.3. 65. ――. 47. ――. 33. ――. 3.2 □. RS45. 4.5. RH23. 2.3. 65. 3.2. 47. 4.5. 33. ――. ――. ――. 3.5. 40. ――. 31. ――. RH32. 合成柱. RH45 CC‑1. コンクリート柱. CS35. 150×150. 鋼管柱 Test Ⅱ. CS45. φ. 4.5. CH35. 139.8. 3.5. 40. CH45. 4.5. 31. CH35‑BS. 3.5. 40. CH45‑BS. 4.5. φ. 31. CH35‑BF. 3.5. 139.8. 40. CH45‑BF. 4.5. 31. ――. ――. 合成柱. 円形 Test Ⅲ. 完全合成. 完全合成. 合成柱. 不完全合成. 完全合成 CC‑2. コンクリート柱. CS40. 鋼管柱. ――. φ. Test Ⅳ. 139.8. 4.0. CH40. ――. 35. 完全合成. 合成柱 CH40‑BS. 不完全合成. 供試体の記号:. RC. 正方形断面のコンクリート柱. CC. 円形断面のコンクリート柱. R : Rectangular. RS. 正方形断面の鋼殻柱. CS. 円形断面の鋼管柱. C : Circular. RH. 正方形断面の合成柱. CH. 円形断面の合成柱. H:. BS. (Boundary Slide). 境界面の滑り考慮. BF. (Boundary Fixed). 境界面完全付着. Hybrid. 26.

(3) ねじりを受ける合成部材の力学特性に関する研究 第3章 載荷試験の内容. 3.3. 供試体の形状寸法. 3.3.1. 正方形断面コンクリート充填鋼殻柱. 図3.1に供試体の基本構造を示す。鋼板の厚さが異なる両端コンクリート中詰め の鋼殻柱部材3体,全断面コンクリート充填鋼製柱の合成柱部材3体及び1体の無 筋コンクリート柱部材をねじり載荷試験に用いた。鋼殻部材は,両端から150mmの 範囲に支持板を設けて中詰めコンクリートを用いて補強を行った。いずれの供試体 でも基本寸法は全長1m,断面15×15cmとした。鋼板の板厚は2.3, 3.2および4.5mm であるので辺長と板厚の比(h/t)はそれぞれ65, 47および33である。. t. C. 中詰 め コ ン クリ ー ト. 150. 150. 中空. 支持板. 150. 150. 1 000 両端コ ンク リー ト中詰 めの 鋼殻部 材. 150. t. C. 充填 コンクリー ト 150. 10 00 コン クリー ト充 填鋼 製柱の 合成 部材. 図3.1. 3.3.2. ( 単位 :mm ). 正方形断面コンクリート充填鋼殻柱の基本構造. 円形断面コンクリート充填鋼管柱. 図3.2に供試体の基本構造を示す。円形断面コンクリート充填鋼管柱の純ねじりの 静的載荷試験は3つのグループに分けて行われた。鋼板の厚さが3.5mmと4.5mmの両 端コンクリート中詰めの鋼管柱部材2体、全断面コンクリート充填鋼製柱の合成柱 部材2体および1体の無筋コンクリート柱部材が一回目のTestⅡに用いられた。そ れから、図3.3にしめすように鋼板とコンクリートの境界面の条件が異なる2種類 の供試体を用いて2回目となるTestⅢの純ねじりの静的載荷試験を行った。最後に、 前回の載荷試験に加え鋼板の厚さが4.0mmの円形断面コンクリート充填鋼管柱を用 いて純ねじりの静的載荷試験を3回目のTestⅣ として行った。. 27.

(4) ねじりを受ける合成部材の力学特性に関する研究 第3章 載荷試験の内容. 図 3.2. 円形断面コンクリート充填鋼管柱の基本構造. 鋼板. テフロン. コンクリート. スタッド. a)境界面テフロン b)境界面スタッド 図 3.3. 写真2. 鋼板とコンクリートの境界. 充填コンクリート表面のひずみ測. この載荷試験では、完全合成と不完全合成とで充填コンクリートの挙動差異を調 べる為コンクリートの表面にひずみゲージを設けて純ねじりの静的載荷試験を行 った。充填コンクリート表面のひずみの測定には、モルタルのかたまりのモールド を用いた。その様子を写 真 2 に示す。 供試体には、両端から150mmの範囲に載荷受け鋼板を設けて中詰めコンクリートと 補強用フィンおよびテーパを用いて補強を行った。いずれの供試体でも基本寸法は 全長1m,直径139.8mm断面とした。. 28.

(5) ねじりを受ける合成部材の力学特性に関する研究 第3章 載荷試験の内容. 3.4. 使用材料の特性. 3.4.1. 鋼材. 鋼材の引張試験を,JIS Z 2241(金属材料引張試験方法)に従って行った。試 験片のひずみは,ひずみゲージを鋼材の両側の表面に貼り付けて計測した。各載 荷試験毎に鋼材について3本の試験片を製作し材料試験を行った。図 3.4 には試 験片の概要(JIS Z 2201 金属材料引張試験片)を示す。. 5 号試験片. B:50. 図 3.4 試験片の概要. また,明確な降伏点が現れなかったときは,実用的に降伏現象と同等の 効果を与えるような永久ひずみの値を定め,その永久ひずみを生ずる応力 を降伏点と規定する方法をとって降伏応力を求めた。JIS では永久ひずみの 値として通常 0.2%をとり,これに相当する応力を耐力(proof stress)と呼 び,σ0.2 のように表す。 3.4.2. コンクリート. 載荷試験の供試体と同一条件で養生した直径 10cm 高さ 20cm の円柱管理供試体 を用いて,圧縮試験と引張試験を行った。正方形断面コンクリート充填鋼殻柱の 材料試験は表 3.2 に示すように載荷試験前圧縮試験と引張試験を各 3 本ずつ,載 荷試験後 3 本の圧縮試験を行い、その比例値を載荷試験の解析に用いた。円形断 面コンクリート充填鋼管柱の材料試験は、載荷試験の当日に圧縮試験と引張試験 を行った。また、載荷試験に使われるコンクリートは表 3.3 に示すように全て同 一のコンクリート配合にした。コンクリート打設状況を写 真 3〜 5 に示す。. 29.

(6) ねじりを受ける合成部材の力学特性に関する研究 第3章 載荷試験の内容. 表 3.2. 素材. コンクリートの材料試験. 実験項目. 素材の種類および数量. 圧縮試験. 載荷試験前 3 本, 載荷試験後 3 本. 引張試験. 載荷試験前 3 本. コンクリート. 表 3.3. 呼び強度 (kgf/cm2 ) 300. コンクリートの配合. 単位量(kg/m3 ). 粗骨材の 最大寸法 (mm). 水セメン ト比 (%). 水. セメント. 細骨材. 粗骨材. 混和剤. 25. 50.3. 164. 326. 780. 1012. 3.52. 写 真 3 コンクリートの打設. 写 真 4 鋼殻柱の補強. 写 真 5 正方形断面供試体と管理供試体の製作状況. 30.

(7) ねじりを受ける合成部材の力学特性に関する研究 第3章 載荷試験の内容. 3.5載荷装置と載荷方法 図 3.5 に載荷装置の概要を示す。載荷方法としては、上部支圧板の張りだし梁 の載荷治具を介して、センターホール油圧ジヤッキにより加力し、両端に大きさ が等しく、方向が逆向きのねじりモーメントを与えた。ジャッキによる力により 供試体に加えられる偶力の腕の長さ l は、0.5mとした。すなわち,ジャッキに より大きさPの荷重を加えることによって、供試体に加えられるねじりモーメン トの大きさは、P・l (kN・m)である。載荷にあたっては、二台のジャッキの引き 込み量がほぼ等しくなるように注意しながら静的に荷重を単調増加させた。 また、 載荷状況の概略を図 3.6 と写 真 6 に示す。. 図3.5. 載荷装置の概要. 31.

(8) ねじりを受ける合成部材の力学特性に関する研究 第3章 載荷試験の内容. 加力用張りだし梁. 支圧板 450. 1500. 軸受け. 加力用梁. 1150. 150 150. 1200. 1800. 図 3.6. 載荷状況. 写真 6. 載荷状況. 32. 150 150.

(9) ねじりを受ける合成部材の力学特性に関する研究 第3章 載荷試験の内容. 3.6. 計測項目および計測方法. 3.6.1. ひずみの測定. 正方形断面の角柱供試体には、図3.7に示すように全16ヶ所に3軸ゲージを設置し た。いずれの供試体にも前面の3列に各列4ヶ所ずつ12ヶ所に、側面の中央1列に4 ヶ所合わせて16ヶ所にゲージを設けてひずみを測定した。また、円形断面の円柱供 試体には、前面から90°毎に4列、各列5ヶ所の全20ヵ所に3軸のひずみゲージを設 置し、測定を行った。コンクリート用の3軸ゲージには、グリッドの長さが10mm、 幅3mmでベース長がφ21mmのゲージが用いられた。. T. 200. 150×@4=600. 200. T. 図3.7. ひずみゲージの設置位置. 33.

(10) ねじりを受ける合成部材の力学特性に関する研究 第3章 載荷試験の内容. 3.6.2. 面内せん断ひずみ. 測定結果から得られたx,y,d(45 度)の 3 方向のひずみと面内せん断ひずみ の関係は図 3.8 に示すモールの円から,次式のようになる。この式より、各載荷試 験におけるひずみ計測結果として面内ひずみを求めた。. e xysp =. e dsp −. (e xsp + e ysp)/2. ここで,. e xysp. :鋼板の面内せん断ひずみ. e dsp. :鋼板のd方向ひずみ. e xsp. :鋼板の x 方向ひずみ. e ysp. :鋼板のy方向ひずみ. 図3.8. 3.6.3. 3軸ゲージによる計測値とせん断ひずみの関係. ねじり率の計測. 図3.9に変位計の設置位置を示す。V1とV2の変位の差,V3とV4の変位の差からそ れぞれの回転角を求め,これらの回転角の差から,単位長さあたりの回転角の変化 量としてのね じ り 率 を求めた。. 800mm 500mm. 図 3.9 ねじり率の計測. 34.

(11)

参照

関連したドキュメント

繊維長さ 12mm 繊維直径 100μm 弾性係数 25.0kN/mm 2 引張強度 1.10kN/mm 2 シート厚さ 1.5mm 弾性係数 3.52kN/mm 2 引張強度 88.0N/mm 連続繊維.

旧Tacoma橋は落橋時に,ねじれフラッターの発現前にたわみ渦励振が発現していたことから,Fig.2

本試験装置ではフィードバック機構を有する完全閉ループ 方式の電気・油圧サーボシステムであり,載荷条件はコンピ

Koji MAEGAWA and Hiroshi YOSHIDA This paper presents an experimentalapproach for the energy absorption capacity of the concrete-filled tubular steel beams subjected to the static

保育所保育指針解説第⚒章保育の内容-⚑ 乳児保育に関わるねらい及び内容-⑵ねら

電源コードを傷つけたり 、 破損したり 、 加工したり 、 無理に曲げたり 、 引っ張ったり 、 ねじっ たり 、 束ねたり 、

1 単元について 【単元観】 本単元では,積極的に「好きなもの」につ

継続企業の前提に関する注記に記載されているとおり、会社は、×年4月1日から×年3月 31