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博 士 ( 工 学 ) 鬼 頭 幸 三 学 位 論 文 題 名

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Academic year: 2021

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博 士 ( 工 学 ) 鬼 頭 幸 三

学 位 論 文 題 名

数 値 解析 に よ る 車両 床 下 流れの研 究 ̄

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

  地球規模のC02排出低減の動きが強まっており,交通においても自動車燃費の一層の向上が要請 されている,車両設計においては車両の空気カ学的抗力係数CDのさらをる低減が課題である.乗用 車の場合,長年にわたって数多くの研究開発が行われ,CD低減に関する車両の外形形状の最適化,車 体まわりの流れ場の把握が積極的に進められてきた.現在は,外形形状に比べて比較的研究開発が進 んでいをかった床下流れがより注目され,一層の低CD化に向けて車輪回転,移動地面の影響等,床 下流れ場の解析が望まれている.

  一方,現在多くの乗用車メーカでは例外をく,車両の初期開発段階における空気カ学的性能(空カ 性能)の検討や特定部位の流れ場の解明において,数値流体力学(CFD)が積極的に利用されている.

過去,現在ともに標準kl£モデルの適用が中心であるが,空カ性能の開発が高度化するにっれて,高 度 乱流モデルであるLES(large eddy simulation)を適用し,CFDによる空力性能の予測を高精度化 することが要望されている,

  本研究は,まず車両空気カ学の分野におけるCFDの予測精度を検討し,標準k一£モデルを含めた RANS(Reynolds averaged Navier‑Stokes)モデルの限界を明らかにするとともに,LESの有用性を明 示すること,次に数値解析によって車両床下形状と床下流れ,車体背後のウエーク流れとの関係を解 明し,空気力学的抵抗が少をい車体設計の観点から工学的・工業的に有用を知見を得ることを目的 としている.本研究の内容は・

  第1章においては,本研究の背景,車両空気力学の歴史について述ベ,特に車両床下流れに関する 従来の研究の概観及び残された課題,車両空気力学における数値解析(数値流体力学)の適用の現状 を分析し,本研究の目的とその構成を示している,

  第2章においては,数値流体力学の手法を概観し,特に本研究の計算において使用するLES(large eddy simulation),応力方程式モデル(Reynolds Stress Model,RSM)及び標準kI£モデルに関する数 値解析手法について詳述している.また,本研究において使用する計算コードFrontFlow/red (FFR) の特徴について述べている,

  第3章では‐床下形状の主要要素であるタイヤハウス,中央排気管部,リアサスベンション部のそ れぞれの特徴を現した模擬床下形状を用い,床下流れ場の再現に大きを影響を与える乱流モデル及 び床下形状の選定のための予備的を検討を行をっている:

  a)まず,ASMO(Aerodynamisches Studien Modell)車体形状を用い,車両空気力学の分野におい て 現在主 流と誼 ってい るRANSモデ ル(こ こでは 標準k・£モデル及び応力方程式モデル)につい て.RANSモデルの可能性とそれらの限界を調べている.

  b)次に,床下流れと車体背後のウエーク流れとの干渉に及ばす床下形状要素の影響,平坦床下形 状との比較.さらに床下形状要素を複数組み合わせた場合の影響を調ベ,車体の空気力学的抗力係数     ‑ 115―

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(CD)に及ばす影響,床下流れ場の特徴と床下形状要素の関係等を把握し,本研究の方向付けに関す る基礎的をデータを求めている.

  第4章 におい ては, 第3章に おいて 明らかに されたRANSモデ ルの限界をより詳細に調ベ,あわ せてRANSモデル よりも 上位モ デルで あるLESの可能性を追求している.即ち。平坦床下形状をも つASMO車 体 を 用 い て ,LES及 びRANSモデ ル の 代 表で あ る 標 準kl£ モ デル に 関 す るCFD予 測 精度に関する基礎的を検証を行をい,特に実用上重要とをる格子依存性等の観点からLES及び標準 kI£モデルそれぞれの有用性と限界を明らかにしている,これらにより,車両空気力学特性の評価に おけるLES数値解析の手法を確立している.

  第5章 におい ては, 実車設 計に使い うるレ ベルの実際の形状に近い車体形状を対象とし,排気 管部,燃料タンク,後輪車軸及びスベアタイヤ収納部を模擬した「準複雑床下形状」モデルを設定 し,LESを用いて平坦床下形状との差異,車輪回転及び風洞床面との相対速度の影響を調ベ,準複雑 床下形状における床下流れと車体背後のウェーク流れとの干渉,車輪回転,風洞床面との相対速度と の相互作用を明らかにしている,また,過去の文献,ポルポカーにおける考察から車体CD値につい ても検討を加え,空力性能設計の初期段階における代替床下形状としての「準複雑床下形状」モデ ルを用いた設計法の妥当性を確認するとともに,車両の床下形状設計に関する工学的・工業的に有 用を知見を提供している.また,併せて従来手法である標準k‐£モデルに対する優位点を明らかに した.

  第6章 に お い て は , 本 研 究 の 結 論 並 び に 車 両 空 力 設 計 に 対 す る 指 針 を 述 べ て い る .   本研 究では ,車体 まわりの 流れ場 の再現 について標準k・£モデルを含めたRANSの限界が示さ れ, 車両空気 力学特 性の評 価にお けるLESの 有用性が明白にされるとともに,低CD車体設計の観 点から,車両床下形状と床下流れ,車両背後のウェーク流れとの関係に関する有用を知見が提供され たと考える.

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学位論文審査の要旨 主 査    教授    大島伸 行 副 査    教授    武田    靖 副 査    教授    藤川重 雄 副査   准教授   坪倉   誠

学 位 論 文 題 名

数値解析による車両床下流れの研究

  地球規模のC02排出低滅の動きが強まっており,交通においても自動車燃費の一層の向上が要請 されている,車両設計においては車両の空気力学的抗カ係数CDのさらをる低減が課題である.乗用 車の場合,長年にわたって数多くの研究開発が行われ,CD低減に関する車両の外形形状の最適化,車 体まわりの流れ場の把握が積極的に進められてきた.現在は,外形形状に比べて比較的研究開発が進 んでいをかった床下流れがより注目され,一層の低CD化に向けて車輪回転,移動地面の影響等,床 下流れ場の解析が望まれている,

  本研究は,まず車両空気力学の分野におけるCFDの予測精度を検討し,標準kI£モデルを含めた RANS(Reynolds averaged Navier‑Stokes)モデルの限界を明らかにするとともに,LESの有用性を明 示すること,次に数値解析によって車両床下形状と床下流れ,車体背後のウェーク流れとの関係を解 明し.空気力学的抵抗が少をい車体設計の観点から工学的・工業的に有用を知見を得ることを目的 としている.

  本研究の内容は,以下の6章にまとめられている。

  第1章においては,本研究の背景,車両空気カ学の歴史について述ベ,特に車両床下流れに関する 従来の研究の概観及び残された課題,車両空気力学における数値解析(数値流体力学)の適用の現状 を分析し,本研究の目的とその構成を示している.

  第2章においては,数値流体力学の手法を概観し,特に本研究の計算において使用するLES(large eddy simulation),応力方程式モデル(Reynolds Stress Model,RSM)及び標準k.£モデルに関する数 値解析手法について詳述している.また,本研究において使用する計算コードFrontFlow/red (FFR) の特徴について述べている,

  第3章では,床下形状の主要要素であるタイヤハウス,中央排気管部,リアサスペンション部のそ れぞれの特徴を現した模擬床下形状を用い,床下流れ場の再現に大きを影響を与える乱流モデル及 び床下形状の選定のための予備的を検討を行をっている。床下流れと車体背後のウエーク流れとの 干渉に及ばす床下形状要素の影響など床下流れ場の特徴と床下形状要素の関係等を把握し,本研究 の 方向 付 け に 関す る 基 礎 的を デ ー タ を求 め る と とも に ,RANSモ デ ルの 限 界 を調べ ている ,   第4章 におい ては, 第3章に おいて 明らかに されたRANSモデ ルの限 界をより詳細に調ベ,あわ せてRANSモデル よりも 上位モ デルで あるLESの 可能性を追求している.即ち,平坦床下形状をも つASMO車 体 を 用い て ,LES及びRANSモ デ ル の 代表 で あ る 標準k‐ £ モ デ ルに 関 す るCFD予 測     ―117−

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精度に関する基礎的を検証を行ない,特に実用上重要とをる格子依存性等の観点からLES及び標準 k‐£モデルそれぞれの有用性と限界を明らかにしている,これらにより、車両空気カ学特性の評価に おけるLES数値解析の手法を確立している.

  第5章に おいて は,実 車設計 に使い うるレベルの実際の形状に近い車体形状を対象とし,排気 管部,燃料タンク,後輪車軸及びスベアタイヤ収納部を模擬した「準複雑床下形状」モデルを設定 し,LESを用いて平坦床下形状との差異,車輪回転及び風洞床面との相対速度の影響を調ベ,準複雑 床下形状における床下流れと車体背後のウエーク流れとの干渉。車輪回転,風洞床面との相対速度と の相互作用を明らかにしている.また,過去の文献,ポルボカーにおける考察から車体CD値につい ても検討を加え,空カ性能設計の初期段階における代替床下形状としての「準複雑床下形状」モデ ルを用いた設計法の妥当性を確認するとともに,車両の床下形状設計に関する工学的・工業的に有 用を知見を提供している.また,併せて従来手法である標準k‐£モデルに対する優位点を明らかに した.

  第6章 に お い て は , 本 研 究 の 結 論 並 び に 車 両 空 力 設 計 に 対 す る 指 針 を 述 べ て い る .   以上の ように 本論文 では, 車両空気 カ学特性の評価におけるLESの有用性が明白にされるとと もに,低CD車体設計の観点から,車両床下形状と床下流れ,車両背後のウエーク流れとの関係に関 する有用を知見が提供されおり,機械工学と自動車工学の発展に寄与するところ大であるといえる.

よ っ て 、 著 者 は 北 海 道 大 学 博 士 ( 工 学 ) の 学 位 を 授 与 さ れ る 資 格 あ る も の と 認 め る,

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