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博士(工学)三井 学位論文題名

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Academic year: 2021

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     博士(工学)三井 学位論文題名

工具 ライフ サイクルサポートのための EXPRESS 工 具 情 報 モ デ ル に 関 す る 研 究

学位論 文内容の要旨

  近年,省資源,環境保全等に関する諸問題は生産活動においても例外ではなく,製品 の研究開発・設計の段階から生産、流通、使用、廃棄等,製品ライフサイクルの一連の 流れにおいての各段階における環境負荷を低減するよう配慮する必要がある,さらに国 内生産はもとより,海外に生産拠点を移し,生産活動のグローバリゼーション化が進ん でいる.その結果,機械製造業は海外進出,地方への工場分散の状況にある一方で,迅 速な製品開発・製造と製品の高品質及ぴコスト低減が求められている.従来の生産シス テ ムは多種 多様な切削工具を装着した工具マガジンを具備したMCによる柔軟で適応性 の高い加工システムでこれらの要求に対応しようとした.しかし利用効率の低い切削工 具も装着することから工具の本数は膨大になり,省資源,コスト低減の点からも問題と されていた.そこで「工具の共有化」,「工具組立作業の自動化」による工具利用効率の 向上,「工具情報の一元管理」,「工具再生作業の自動化」による工具の有効利用,「工具 履歴情報フイードバック」による製品精度の向上を目的とした工具管理が望まれている.

  これらの目的を達成するためには,その工具のライフサイクル全般に渡る一元的な管 理と効率的運用を支援する工具デ一夕ぺースが必要である.工具デ一夕ベースは工具メ ーカからのカタログ情報,CAMからの工具運用計画,加工,工具搬送の履歴情報,工具 再生情報顔ど様々な情報を,工具が廃棄されるまで管理・保存しなけれぱならない.ま た工具管理システムは工具情報を統合管理する一方で,加工システム,工具管理の各プ ロセスでは特化したデ一夕ベースを各専門分野の下で管理,運用する必要があり,工具 データベースはそのインターフェースとして重要な役割をもつ.

  このような工具データベースに対する要求を満足させるために,本研究では工具ライ フサイクルの管理・運用をサボートし,工具情報の統合と分散管理を実現する工具デー タベースの構築と運用を目的として,対象指向モデリング技術を利用した工具データベ ース設計と実装方法を提案し,具体例に適用して提案する工具データベースの検証を行 う.

  現在,対象指向製品モデリングのための規格であるIS010303 STEPを利用した情報モ デル化技法によるデ一夕ペースを設計,構築する技術が注目されている.本研究ではこ のSTEP技術を基本にデータベースを構築する.工具データベース開発手順は,始めに工 具ライフサイクルのプロセスと情報の流れをIDEFOで表現するアクテイピテイモデルに

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よ り 分 析し , 工 具利 用 の 観点 か ら 見 た工 具 情 報モ デ ル の構 造 やそ の属性 情報につ いて検 討 す る. 次 に 工具 情 報 モデ ル を 対象 指 向 言 語EXPRESSで記 述 し ,そ の 構 造をEXPRESS―G で 図 式表 記 す る, 提 案 する 工 具 情報 モ デ ル をEXPRESS工具 情 報 モデ ル と 呼ぴ , 工 具デ ー タベース設計の基準となる,

  本 論文 では ,始め に工具ラ イフサ イクルの プロセス を工具 利用の観 点から 準備,運 用,

再 生 の3っ に 分類 し て アク テ イ ピテ イ モ デ ルを 構 築 し, プ ロ セス に 必 要な 情 報 と情 報 の 流 れ を分 析 す る. そ れ に基 づ きEXPRESS工 具 情報 モ デ ルを 構 築 し, 工 具 デー タ ベ ース を 設 計 す る. 次 に 設計 し た デ一 夕 ベ ー スを 検 証 する た め の以 下 に述 べる実 装と運用 方法を 行った.

  工 具準 備 ブ ロセ ス で は工 具 選 択 のた め の 切削 工 具 のカ タ ロ グ情報 を記述 する切れ 刃モ デ ル,工具 組立状 態を表現 する組 立,部品 構成モデルからなる工具準備モデルを提案した,

  こ のモ デル に基づ いた工具 準備デ 一夕ぺー スの実装 と検証 を行うた め,イ ン夕一ネ ット の 環 境 下に あ る 工具 管 理 シス テ ム を 前提 と し た分 散 工 具デ 一 夕べ ースの 構築方法 およぴ 管 理 運 用方 法 に つい て 検 討し ,STEPデ 一 夕べ ー ス 開発 支 援 ツー ルを用 いて工 具デ一夕 ベ ー ス の 構築 と 運 用を 試 み た. こ の 結 果,EXPRESS―X言 語で 記 述し たマッ ピングモ デルに 基 づ い て統 合 工 具デ ー タ ペー ス か ら 分散 工 具 デ一 夕 ぺ ース を 生成 ,その データベ ースを XML記 述 に より 工 具 情報 の 一 元管 理 と 各 プロ セ ス の分 散 管 理を 実 現 し, 同 時 に工 具 準 備 データベースの有効性が確認できた.

  工 具運用 プロセス では各工 作機械 が必要と する各工具夕イプに対して適当な工具インスタ ンスの存在を確認し,その工具インスタンスが該当加工作業に十分耐えられることを確認して,

必要とする時間にその工具インスタンスを該当工作機械に提供することを目的とした工具運用 計 画モデル を提案 した.こ のモデ ルに基づ いた工具運用データペースの実装と検証を行うた め , 工具 ジ ャ スト イ ン タイ ム 供 給シ ス テ ム (工 具JIT) を 可能 と す るた め の 工具 運 用 計 画 方 法の 検 討 と工 具 デ ータ ベ ー スを 実 装 し た工 具JIT運 用 バイ ロ ッ トシ ス テ ムの 開 発 を 行 い , 工具 デ ー タペ ー ス の構 築 と 運 用シ ミ ュ レー シ ョ ンを 試 みた .この 結果,工 具の共 有 化 に よる 工 具 使用 本 数 の減 少 が 確 認で き , 同時 に 工 具運 用 デ一 夕ペー スの有効 性が確 認できた・

  工 具履 歴 管 理, 再 生 プロ セ ス で は搬 送 , 加工 条 件 ,加 工 機 械,摩 耗量, 寿命時間 など の 工 具 履歴 , 再 生回 数 , チッ プ 交 換 回数 な ど 工具 再 生 に関 す る工 具情報 モデルを 提案し た . 工 具履 歴 ・ 再生 情 報 は運 用 , 再 生プ ロ セ スに よ り 生成 , 変更 ,削除 される動 的な情 報 で , この 情 報 を動 的 モ デル と し て 扱い ,EXPRESS―C言語 を 用い て記述 した.さ らにそ の モ デル の 挙 動を 表 現 する こ と によ り 工 具 履歴 ・ 再 生に 関 す るEXPRESS工具 情 報 モデ ル を検証する方法を提案した.

  以 上の こ と より , 工 具ラ イ フ サ イク ル 全 般に 渡 る 工具 情 報 の管理 運用を 支援する 工具 データベース構築方法の有効性が確認できた.

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学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

工具ライフサイクルサポートのための EXPRESS 工 具情 報モ デル に関 する 研究

  近年、省資源、環境保全等に関する諸問題は生産活動においても例外ではなく、製品 の研究開発・設計の段階から生産、流通、使用、廃棄等、製品ライフサイクルの一連の 流れにおぃての各段階における環境負荷を低減するよう配慮する必要がある。さらに国 内生産はもとより、海外に生産拠点を移し、生産活動のグローバリゼーション化が進ん でいる。その結果、機械製造業は海外進出、地方への工場分散の状況にある一方で、迅 速な製品開発・製造と製品の高品質及びコスト低減が求められている。従来、生産シス テム は多種多 様な切削 工具を装着した工具マガジンを具備したMCによる柔軟で適応性 の高い加工システムでこれらの要求に対応しようとした。しかし利用効率の低い切削工 具も装着することから工具の本数は膨大になり、省資源、コスト、低減の点からも問題と されていた。そこで「工具の共有化」、「工具組立作業の自動化」による工具利用効率の 向上、「工具情報の一元管理」、「工具再生作業の自動化」による工具の有効利用、「工具 履歴情報フイードバック」による製品精度の向上を目的とした工具管理が望まれている。

  これらの目的を達成するためには、その工具のライフサイクル全般に渡る一元的な管 理と効率的運用を支援する工具データベースが必要である。工具データベースは工具メ ーカからのカタログ情報、CAMからの工具運用計画、加工、工具搬送の履歴情報、工具 再生情報など様々な情報を、工具が廃棄されるまで管理・保存しなければならない。ま た工具管理システムは工具情報を統合管理する一方で、加工システム、工具管理の各プ ロセスでは特化したデータペースを各専門分野の下で管理、運用する必要があり、工具 デ ー タ ベ ー ス は そ の イ ン タ ー フ ェ ー ス と し て 重 要 な 役 害IJを も っ て い る 。   このような工具データベースに対する要求を満足させるために、本研究では工具ライ フサイクルの管理・運用をサポートし、工具情報の統合と分散管理を実現する工具デー タベースの構築と運用を目的として、対象指向モデリング技術を利用した工具データベ ース設計と実装方法を提案し、具体例に適用して提案する工具データベースの検証を行 なっている。

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史 脩

士 譲

建 公

浪  

  谷

岸 島

土 田

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  デ ー タ ベー ス の 設計 、 構 築す る 技 術 とし て 対 象指 向 製 品モ デ リン グのた めの規格 であ るIS010303 STEPを利 用 し た情 報 モ デ ル化 技 法 が注 目 さ れて い る 。本 研 究 では こ のSTEP 技 術を 基 本 に工 具 デ ータ ベ ー スの 構 築 手 順を 明 ら かに し て いる 。 工具デー タベー ス開発 手 順 は 、 始 め に工 具 ラ イフ サ イ クル の プ ロセ ス と 情 報の 流 れ をIDEFOで 表 現す る ア クテ        n

イ ビテ イ モ デル に よ り分 析 し 、工 具 利 用 の観 点 か ら見 た 工 具情 報 モデルの 構造や その属 性 情 報 に つ い て検 討 し てい る 。 次に 工 具 情報 モ デ ル を対 象 指 向言 語EXPRESSで 記 述し 、 そ の 構 造 をEXPRESS―Gで図 式 表 記し て い る 。提 案 す る工 具 情 報モ デ ル をEXPRESS工具 情 報 モ デ ル と 呼 び 、 工 具 デ ー タ ベ ー ス 設 計 の 基 準 を 独 自 に 提 案 し て い る 。   本 論 文 では 、始め に工具ラ イフサイ クルの プロセス を工具 利用の観 点から 準備、運 用、

再 生 の3つ に 分類 し て アク テ イ ビテ イ モ デル を 構 築 し、 プ ロ セス に 必 要な 情 報 と情 報 の 流 れ を 分 析 し てい る 。 それ に 基 づきEXPRESS工具 情 報 モデ ル を 構築 し 、 工具 デ ー タベ ー ス を 設 計 し 、 デ ー タ ベ ー ス を 検 証 す る た め 以 下 に 述 べ る 実 装 方 法 を 提 案 し て い る 。   工 具 準 備プ ロ セ スに お け る工 具 選 択 のた め の 切削 工 具 のカ タ ログ 情報を 記述する 切れ 刃 モデ ル 、 工具 組 立 状態 を 表 現す る 工 具 組立 モ デ ル、 お よ び部 品 を管理す るため の部品 構 成モ デ ル からなる 工具準 備モデル を提案 している 。この モデルに 基づぃた 工具準 備デー タ ベー ス の 実装 と 検 証を 行 う ため 、 イ ン ター ネ ッ トの 環 境 下に あ る工具管 理シス テムを 前 提と し た 分散 工 具 デー タ ベ ース の 構 築 方法 お よ び管 理 運 用方 法 について 検討し 、STEP デ ータ ベ ー ス開 発 支 援ツ ー ル を用 い て 工 具デ ー タ ベー ス の 構築 と 運用を試 みてい る。こ の 結果 、EXPRESS−X言語 で 記 述 した マ ッ ピン グ モ デル に 基 づぃ て 統合工 具データ ベース か ら 分 散 工 具 デー タ ベ ース を 生 成、 そ の デー タ ベ ー スをXML記 述 に より 工 具 情報 の 一 元 管 理 と 各 プ ロ セ ス の 分 散 管 理 を 実 現 し 、 同 時 に 、 そ の 有 効 性 が 確 認 し て い る 。   工具運 用プロ セスでは 各工作 機械が必 要とする 各工具夕イプに対して適当な工具インスタ ンスの存在を確認し、その工具インスタンスが該当加工作業に十分耐えられることを確認し、必 要とする時間にその工具インスタンスを該当工作機械に提供することを目的とした工具運用計 画モデ ルを提 案してい る。この モデル に基づぃ た工具運用データベースの実装と検証を行う た め 、 工 具 ジ ャ ス ト イ ン タ イ ム 供 給 シ ステ ム ( 工 具JIT)を 可 能 とす る た めの 工 具 運用 計 画 方 法 の 検 討と 工 具 デー タ ベ ース を 実 装し た 工 具JIT運 用パ イ ロ ット シ ス テム の 開 発 を 行い 、 工 具データ ベース の構築と 運用シ ミュレー ション の開発を 行ってい る。こ .の結 果 、工 具 の 共有 化 に よる 工 具 使用 本 数 の 減少 が 確 認で き 、 同時 に 工具運用 データ ベース の有効性を確認している。

  工 具 履 歴管 理 、 再生 プ ロ セス で は 搬 送、 加 工 条件 、 加 工機 械 、摩 耗量、 寿命時間 など の 工具 履 歴 、再 生 回 数、 チ ッ プ交 換 回 数 など 工 具 再生 に 関 する 工 具情報モ デルを 提案し て いる 。 工 具履 歴 ・ 再生 情 報 は運 用 、 再 生プ ロ セ スに よ り 生成 、 変更、削 除され る動的 な 情報 で 、 この 情 報 を動 的 モ デル と し て 扱い 、EXPRESSーC言語 を 用いて 記述して いる。

さ ら に そ の モ デル の 挙 動を 表 現 する こ と によ り 工 具 履歴 ・ 再 生に 関 す るEXPRESS工具 情 報モデルを検証する方法を提案している。

  以 上 の こと よ り 、工 具 ラ イフ サ イ ク ル全 般 に 渡る 工 具 情報 の 管理 運用を 支援する 独自 の 工 具 デ ー タ ベ ー ス 構 築 方 法 の 提 案 と 、 そ の 有 効 性 を 確 認 し て い る 。   こ れ を 要す る に 、著 者 は 、生 産 管 理 につ い て のデ ー タ ベー ス 構築 に関す る新知見 を得 た もの で あ り、 シ ス テム 情 報 工学 お よ び 生産 情 報 工学 に 貢 献す る ところが 大なる ものが あ る。 よ っ て著者は 、北海 大学博士 (工学 )の学位 を授与 される資 格あるも のと認 める。

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