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ウ イ ク セ ル 資 本 理 論 の 展 開 ( 一 )

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(1)

ウイクセル資本理論の展開︵一︶

I i n t e r e s t a n d P r i c e s

1 8 9 8

1 9 3 1

1 9 3 1

( 1 )

(2)

理論﹂において遂行されたとする見解がある︒いま︑乙の解釈の当否はしばらくおく︒ウイクセルは近代貨幣理論へ

の窓を開いたと同様に︑シャツフル的表現をもってすれば︑彼の資本理論は︑その展開の独自性の故に︑ハイエクの

生産構造論や︑ロビンソンの資本蓄積論という大河を生み出したのである︒所謂ウイクセル効果の分析は︑ウイクセ

ルとロビンソンをつなぐ媒介項の一つであり︑ウイクセルにおける賃銀︑利子と資本構造との関連問題の分析は︑ハ

9 u  

イエク資本理論への道を準備したものである︒しかし︑リンダ

l

ルもいうととく︑経済学者としてのウイクセルの貢

献は︑今日においても十分に評価されているとはいえないのである︒このことは特に彼の資本理論についてあてはま

概略的にいって︑ウイクセル資本理論の展開は︑つぎのような経過をたどっている︒まず︑﹁価値︑資本及び地代﹂ る ︒

2 g

ω )

においては︑消費財或いは生存基本で示される流動的な資本を中心として︑生産期間乃至投資期間と利子率︑

賃銀︑地代との関係を分析した資本理論

1 !

とれは︑ベエ

l

ム・バヴエルク資本理論の数学的展開及びその修正と考

えられ︑一般的に︑ベエ

i

ム目ウイクセルモデルとして総括される︒取扱われたモデルの形態は匂

O F E Z

︒ ロ

GE u

である︒乙のベエ

l

ウイクセル的資本理論は︑安井教授の解釈によれば︑生産建設的均衡理論であり︑

q d  

生産過程建設にさいして成立すべき均衡条件を確立すべきものであった︒

つぎの段階は﹁経済学講義﹂

(F

on

Z 円 ︒

ω︒ ロ

MM

z t s ‑

で展開された資本理論である︒乙の段階では︑

前段階で暗示的に取扱われた資本構造乃至生産構造と賃銀利子率との関係が組織的に考察されている︒そしてまた︑

乙︑にわれわれは︑ウイクセルが︑ベエ

l

ム資本理論の単なる数学的定式化の段階から脱出せんとする苦心の跡を見

出すのである︒ウイクセル資本理論最後の段階は︑アッカ

l

マン資本分析の影響を完全に吸収した理論に見出される︒

乙こでは︑固定的な資本を中心として︑資本財の耐周期間と賃銀利子率との関連が体系的に分析されている︒生産期

(3)

間乃至投資期間の概念はこ乙では登場しない︒われわれは︑乙の段階の理論を︑アッカ

l

H

ウイクセル理論とよ

ぶことができる︒乙訟で使用されているモデルは︑同

M O E

片山口℃

5 1

︒君︒ロ仲間百件モデルである︒安井教授の解釈に

2

したがえば︑乙の理論は︑生産循環の均衡理論と名付けることができるド即ち︑ここではすでに完成した生産過程をa不変的に維持するための均衡条件の確立がその分析の目的とされている︒ウイクセル資本理論展開の中間的段階にお

いて︑既に生産構造循環の条件分析(もっとも流動的な資本についてではあるが)が行われているのであるが︑いづ

れにしても︑ウイクセルの資本理論は上述のような過程をとることによって︑近代資本理論発展への迫を開拓したの

である︒それぞれの段階における理論がそれぞれの価値において独自の寄与をなしている点で注目さるべきである︒

大ぎっばにいって︑ハイエクの生産構し喧論は中間的段階から︑ロビンソンの資本蓄積論は︑最初の段階から︑ソロ

l

p D  

の所得分配率の分析は最終的段階から︑それぞれのモデル形成のための基礎石をウイクセル資本理論より借用してい

るのである︒その意味において︑その基礎石を更に検討し︑現代的再築に耐えうるやの問題を考察することは︑資本

理論発展にとってきわめて重要である︒

既述のごとく︑ウイクセルが体系的な資本理論を展開した最初の書物は﹁価値︑資本及び地代﹂である︒乙の書の

第二章でs新しい資本理論sと題し︑賃銀と地代及び財の価値の理論との関連において︑主としてベエ

l

ム・バヴエ

ルクによって確立された資本理論を︑きわめて簡潔な数学的形式で展開している︒﹁私は︑本章を通じて︑ベエ

l

・パヴエルクの優れた労作︑とくに彼の

4 B E g

FOR

広島

0

関 与 芹 巴

2 3

を基本的なものとして使用するであ

" ︒

ろう︒﹂そ乙で使用した分析手法は︑比較静学的であり︑乙の方法自体については近代的分析の先駆的意義をもつもの

ウイグセル資本理論の展開(一)

(4)

ではあるが︑資本変化の過程を取扱う動学的分析は殆んどなされていないのである︒と乙ろで︑ウイクセルは︑他方︑

定常経済の比較静学理論を展開しながらも︑所謂ウイクセル効果という過程的現象を考察しているのである︒ウイク

dセル効果は本来的に動態的な現象である︒乙の点が︑ゥイクセル資本理論の動学化を意図したロビンソンによって問

﹁ウイクセルの分析によって呈示せられた主たる困難は︑種々異れる資本量をもっ諸々の静態と︑時間

の経過の中で進行する蓄積の過程との聞の比較を︑彼は同時に論じているようにみえるという乙とである︒われわれ

が︑すでに知ったように︑彼の根本問題は︑議論の二つの部門医おいてともに等しく重要であるが︑その二つの部門

は分離されていないかぎり︑十分に理解されえないものである︒﹂ロビンソンによれば︑ウイクセル効果は︑運動を暗

示するものであり︑比較分析と過程分析との区別は︑きわめて重要なのである︒かくて︑ロビンソンは︑彼女の﹁資本

蓄積論﹂において︑資本蓄積の動態的過程を分析するにあたって︑ウイクセル的静学分析の境界をのり乙えているの

であるが︑彼女がそとで使用した分析手法の一つは︑むしろ︑ウイクセルの第一の段階の資本理論﹁価値︑資本及び

地代﹂より借用してきているのである︒ロビンソンは︑乙の段階の資本理論をつぎのように評価している︒﹁アッカ

l

マン博士の問題││実物資本と資本利子ーーに関するウイクセルの論文は︑決して読み易いものではないが︑﹁価

値︑資本及び地代﹂の英訳版の出現は︑よりやさしい説明に注目させるようになり︑乙の説明は︑ウイクセルの資本

理論への貢献が︑如何に透徹した性質のものであり︑また︑その限界がど乙に存するかを明確にするに役立ってい

る︒:::ウイクセルが指摘するのは︑生産期間の長さは︑それ自身では︑資本の労働にたいする比率を決定するもの

ではない︒けだし︑一定の生産方法に必要な資本の価値が︑実質賃銀率に依存するからであるということである︒ζ

れは︑生産期間の長さは実質資本比率を示す過度に単純化された方法であるという反論以上に︑ベエ

l

ム・パヴエル

クの理論にたいするはるかに根本的な批判である︒われわれがすでに見てきているように︑ウイクセルの乙の点乙そ

(5)

資本の蓄積および賃銀利潤の決定に関する全理論の鍵である

4

このロビンソンの文句の後の部分は︑所謂ウイクセル

効果を意味する︒ウイクセル効果は︑ロビンソンによれば︑実質賃銀率の上昇によって︑資本財の再生産費が︑その

歴史的費用を越えて高くなることである﹁もっとも︑利子率の水準も資本価値決定に一役買う︒そ乙で︑賃銀率の上

昇が︑資本価値を上昇せしめるかどうか︑即ち︑ウイクセル効果が正であるかどうかは︑利子率の効果を考慮しなけ

ればならぬ︒ここに︑ウイクセル効果のパズル的な性質が伏在する︒﹁資本財の再生産費は︑より高い賃銀率の効回問

︑が︑より低い利子率の効果を相殺する以上のものであるかどうかによって︑より大ともなり︑より小ともなりうる︒﹂

彼女によれば︑ウイクセル効果の問題は︑生産力函数上を右に移行してゆくと乙ろの資本労働比率︑資本産出比率の

上昇を含む発展的経済に関連した↓種のパズル的性格をもった問題であった︒しかし︑いづれにしても︑乙のウイク

セル効果の指摘乙そ︑ロビンソンが︑ウイクセル資本理論の価値を高く評価せしめた理由の一つをなし︑且亦ウイク

セル効果の考察こそ︑彼女の資本蓄積論の支柱の一つなのである︒そこで︑われわれもまた︑乙の効果の分析を中心

として︑ウイクセル資本理論の展開過程を眺めよう︒

ウイクセルが︑資本を定義する上においてとった根本的な立場は︑ベエ

l

ム・パヴエルクのそれである︒即ち︑生

産過程そのものは︑時間消費的資本使用的な過程であるということが︑実質資本に関連する現象の根本的側面を存す︒

そ乙で︑この観点が︑資本の定義におりこまれる︒ウイクセルが︑資本と非資本とを区別するに用いた基準は︑本質

的にいって︑迂回的生産過程によって加減しうる財のみが︑資本のカテゴリーに属するということであった︒ウイク

セルは︑広い意味の資本と狭い意味の資本とを区分し︑前者は︑利子を生むすべての生産された物的財を含むものと

されるが︑後者は︑非耐

h

外的で︑急速に消耗する生産財と︑消費者の手許にない限りにおける消費財のインベントリ

資本財の耐久性を中心として︑からなるとされる︒ウイクセルは︑狭い意味の資本と所謂耐久性の長い物的財を︑

()

(6)

/

資本利子の性質を理解するうえに重要でないという︒

ωとよんで乙れと区別する︒しかし︑乙の区別は︑

しかし︑他の個処で︑乙の区別の重要性を指摘する︒﹁円︒ロゲ問︒︒含と狭義の資本との境界線は︑経験的にのみ確立し︑

且それとても近似的にのみ存しうる乙とを私も認める︒しかし︑実際的にいっても︑その相違は高度に重要である︒

流動的な資本の量は︑賃銀︑地代︑資本利子の水準を決定する︒高度に耐h外的な財は︑これらの水準には︑ただ耕作

された土地面積の大ききと同じ影響を及ぼすにすぎない︒しかし︑とれらの資本価値は︑少なくとも定常経済では全

く第二次的な現象であって︑消費財の交換価値には︑殆んど重要でない︒﹂ウイクセルの初期の分析では︑賃銀︑地代

にたいする前払的基本としての資本の性格がとくに強調される︒ワルラスの分析にたいする批判としてつぎのととく

述べている︒﹁ワルラスは︑ただ耐久財のみを資本とよぴ︑乙れを取扱い︑原料︑半完成品︑労働者の生存手段を資

本として取扱はない︒流動的な資本の所有者が︑労働者︑地主に前払いするものを︑ワルラスは全く資本として取扱

はない︒それ故︑ワルラスにおいては︑労働者と他の生産者は︑生産期間中は自分自身で扶養し︑その生産的用役に

たいする報酬は︑生産の完成後においてのみ当該生産物の売上代金より受取ると暗黙的に仮定されている︒このこと

は明らかに︑誤りである︒この解釈では︑生産における資本の役割が完全に看過される︒かかる看過の必然的な結果

は︑これらの生産と交換の方程式は︑利子率の水準については全くなんらの知識をあたええないという乙とである︒

もし︑耐久財のみが資本とみなされるならば︑ある地代は︑上述の方程式によって各財のグループにとっては決定的

であるが︑しかし︑財の資本価値自身︑したがって利子率もきまらない︒このことはワルラスははっきりと認めてい

る︒しかし︑彼は︑利子水準をきめるには︑定常経済の分析から︑その資本価値が生産費から決定せられるような新

しい利子生み資本財が生産される発展的経済の分析に転ずることが必要だという︒乙れはたしかに誤りである︒定常

経済においてもーーたとえ生産手段のすべてが不可壊性のものであると仮定しても││流動的な資本の利子率は疑い

(7)

もなくきまる︒なんとなれば生産期間の延長がより有利だという乙とが証明されるからである︒それ故に︑ワルラス

A場の生産と資本の理論は誤った仮定に依拠し︑不明確である

J

ウイクセルにとっては︑消費財が資本として使用される

点にこそ︑資本理論のキーポイントがあるのである︒﹁消費財︑即ち︑制限的な使用行為の系列の中で︑その全ての

有用性を消尽するような財が︑また︑資本家的に使用しえ︑したがって︑その全価値が所有者にとって貯蔵され︑所

得を供しうるという一見逆説的な現象││経済メカニズムの乙の恒タ的運動が︑われわれが︑乙乙で︑より深く考察

するところの資本理論の心髄をなすものなのであるよ

ウイクセル資本理論の第二の段階である﹁経済学講義﹂では︑彼の資本の取扱いは︑直進的な限界生産力分析を呈

示することである︒﹁乙の書のもっとも顕著な特色の一つは︑初期の著作が︑ベエ

1

ムとともに︑利子と労賃とに対

して異った説明原理を与えているのに反して︑それがすべての所得部門を限界生産力説︑とくにワルラス的な限界生

産力説をもって統一的に解明する点であろう︒この意味において彼の立場とロ

l

ザンヌ学派との接近を語る乙とはた

しかに可能ではあるが︑しかしワルラスに欠けた時間的要素の意義はと一乙でも決して見忘れられてはいないのであ

る︒﹂乙の書では︑資本を蓄積された労働と土地用役の結合体と看倣し︑本源的生産要素としての現在の労働及土地と︑

資本との生産力の相違を︑資本家的生産過程の中で︑解明しようとする︒ここに︑自然利子の源泉が明確にはあくさ

れている︒ウイクセルにおける広い意味の資本には︑耐久的な生産財が含まれている︒しかし︑耐久財が陽表的に資

l

マンの分析に依存するウイクセル資本理論の第三の段階においてである︒

ウイクセル資本理論は右のような三つの発展段階を経過しているものの︑その分析の依拠する基礎的な仮定は︑

貫してベエ

l

ム的であり︑オーストリア理論から離れてはいない︒したがって︑回顧的にベエ

l

ム・パヴエルク資本

理論を吟味する乙とは︑ウイクセル分析の展開を跡*つけるためにも重要である︒しかし︑ベエ

i

ム資本理論について

(

)

本分析の対象となったのは︑

(8)

H

は︑既に我国では優れた体系的な研究があり

ここでは︑要約的に関説しておこう︒ベエ

l

ム・パヴエルクによれば w u

利子は︑現在財と将来財とが交換される場合に生ずる打歩

ω

間宮である︒現在財には︑同じ種類同じ量の将来財より

qq

 

MU

 

も大なる価値が与えられるという事実に利子理論の核心がある︒利子の源泉は︑乙の価値評価の差にある︒乙の事実

の根本的な理由としてつぎの三つがあげられる︒第一の理由は︑現在と将来における欲求と給付の異った状態の中に

同切

存する︒ベエ

1

ム・パヴエルクの第一の理由は︑主として︑消費のための借入れ需要を説明する︒ウイクセルは﹁価

4 D

 

値︑資本及び地代叫においても︑﹁経済学講義﹂においても︑乙の第一の理由を拒否する︒ウイクセルによれば︑青

年にとっては︑将来により大なる給付を期待する理由があるかも知れぬ︒老人は反対の期待をもつかも知れない︒消

費のための借入れにたいする打歩が正であるかどうかは︑どちらの期待が他を相殺するかどうかに依存する︒一般的

l

ム・パヴエルクが︑現在財と将来財との価値の相違を︑限界効用の相違から説明しようとする試みはつぎ

のような困難を含む︒即ち︑将来財の供給と消費期間は全く不確定であり︑限界効用の計算には確定的な消費期間を

前提とする︒そ乙で︑ウイクセルは乙の難点からベエ

l

﹁乙の困難は︑ベエ

l

ム・パヴエルクがしば

しばなすととく︑現在財と過去の財とを比較しても克服されない︒勿論︑その場合︑過去の財の供給は既知である︒

しかし︑消費期間は不確定である︒なんとなれば︑存在する現在財と過去の財とがすべて︑現在の年の消費に使用さ

れるはずピということは全く真実でないからであるよ第二の根本的な理由は︑現在財に比して相対的に将来財を低く

評価する乙とである︒ウイクセルは乙の理由を承認する︒この理由は更につぎの部分的理由にもとづく︑

a

将来の欲

哨 ︒

求状態についての想像力の不完全さ︒

b

意志力の欠除︒

c

生命の短期と不確実性︒ウイクセルはこの将来財の低評価

の事実を認める︒﹁ベエ

l

ム・パヴエルクの第二の主要な根拠

il

想像︑或いは意志の欠陥から生ずる将来欲求の主

観的なしばしば不正確な過少評価ーは疑いもなく最も重要である︒これは︑すべての法律的︑経済的事象の不確実性

(9)

ω 

と結びついて︑すべての未開的な経済における僅少な資本形成︑極端に高い利子率の主要な原因でもある

o

れわれは乙の第二の理由を﹁経済学講義﹂においてウイクセルが述べている貯蓄の問題との関連において考察してみ

ると︑乙の理由が利子容在の最も重要な理由であるとウイクセルが考えていたようには推定できない︒ウイクセルは︑

内出時

v w

貯蓄の動機は複雑であり︑まだ十分に分析されていないという︒利子存在の最も重要な理由はむしろベエ

l

ムの第三

の理由にある︒ウイクセル自身も︑ベエ

l

ムの乙の第三の理由即ち︑現在財の技術的優越性の理由は最も批判にさら

品 切

され易いことを認めながらも︑根本的には︑乙の理由を最も重要なものと看倣したようである︒もっとも︑乙の第三

の理由だけで静態の下でも正の利子率が生じうるかどうかの問題については︑ウイクセル自身明らかにしていない︒

現在財が将来財にたいして︑技術的優越性をもっているということを︑資本の生産力にほんやくして︑迂回生産の有

利性を主張することがちきる︒資本は準備的な生産迂回の個々の段階における中間生産物の総体であり︑生産迂回と

は直接的生産のごとく本源的生産要素たる労働︑土地のみをもってただちに享楽財を生産する代りに︑まず中間生産

物を生産し︑乙の中間生産物によりて享楽財を生産することを意味する︒生産迂回の長さを生産期間といい︑生産期

間の延長は技術的収益性を増加せしめる︒もっともこのことは生産期間の延長化が常に企業家的立場よりして有利だ

ということを意味しない︒﹁長期過程が能率的であるのはそれが長期であるからではない︒ある種の︑おそらく大部

分の︑長期過程は物理的にはきわめて非能率なものである︒何故なれば時聞が長ければ長いほど失敗とか無駄とかと

いうようなものが多いからである

o

﹂最適生産期間決定の問題は︑資本家的企業者の立場よりすれば︑利子率︑賃銀︑

地代の関係を考慮することによって解かるべき問題である︒ウイクセルは︑ベエ

l

ム・パヴエルクが利子存在の問題

を︑資本と労働の市場を考慮せずに解乙うとしたと乙ろに真の誤謬があることを指摘する︒ウイクセルにしろまたベ

l

ム・パヴエルクにしろ彼等の分析は知何なる意味において︑資本は生産的であるかを示す乙とに苦心しているが︑

ウイグセル資本理論の展開(一)

(10)

との問題の意義を否定する学者もいる︒たとえば︑パレ l トはいう︒﹁資本財は何故に生産的であるかを問う乙とは︑

品 田

hHF 

桜の木がなぜさくらんぼを生ずるかを問うにひとしい︒経済学はこの問題を解く必要はない︒﹂

資本理論本来の課題が︑資本家的生産過程の解明にあるとするならば︑利子源泉の問題に余り長くかかわることは 倒 本筋を離れることになるであろう︒むしろ︑ベエ l ム・パヴエルク理論の積極的意義は︑生産期間決定をめぐる資本

家的生産過程の解明にあると考えられるから︑彼の﹁資本の積極理論﹂第二部の所論にうつろう︒ベエ l

ム ・ パ ヴ エ

ルクの右の著述の第一部は︑利子の源泉を取扱っており︑而もこの部分の問題に深く入り込む乙となく︑彼の第二部

d u  

h

の問題︑即ち資本家的生産過程における利子率決定の問題を取扱う乙とができる︒

ベ エ

1 ム・パヴエルクの理論は︑つぎのような仮定のもとで展開される︒

耐タ的生産財は存在しない︒

土地は自由財であり︑労働が唯一の生産要素であり且同質的である︒

労働者︑企業者の各階級聞には完全競争が存在する︒

生存基本はあたえられている︒

3  5 

生産力函数はすべての生産企業聞で同一である︒

生 産 過 程 は ︑

一様に経過する生産期間の場合と仮定する︒したがって︑平均生産期間は絶対生産期間の労である︒

分析はまずミクロ的水準でなされ︑そのままマクロ的水準に移行する︒有効需要の問題は生じない︒企業均衡の成 6 

立は︑あたえられた賃銀率︑生産力函数より誘導されたつぎの表で示しうる︒社会の労働者総数一︑ 000 万人︑総

生存基本は一五 O 億グルデンで︑一五 O 万の企業に平等に配分されているとすると︑各個の企業の所有資本は一万グ

ルデンである︒いま︑仮りに賃銀率が三

OO

グルデンとしよう︒乙の場合︑各個の企業にとって最も有利な生産期間

(11)

は三年であり︑利子率は五一一%となる︒雇用労働 a はつぎの公式より︑求められる︒ w

は 賃 銀 率

t は生産期聞を示

賃銀率

6 0 0 f l

24 1

1 1

不仔率

Z

1

  │ │ 一 り 利 人 濁 当 I

利率

Z

I

I  ー り 利 人 潤 当 I

利率

f l  

6 6 . 6 人 6  f l  

I~

f l  

3 5 0   5 0  

0 13 3 . 3 3 i   ‑ 2 5 0 一 4 0   1 5 0   2 4 5 0   3 3 . 3 3   1 5 0   5 0 .   4 5 0 1   1 6 . 6 6 1   ‑ 1 5 0

4

2 0   ‑50  3 5 3 0   2 2 . 2 2   2 3 0   5 1 .   5 3 0 1   1 1 . 1 1 1   ‑7 0

5

1 3 . 3 3   3 0   4  4 5 8 0   1 6 . 6 6   2 8 0   4 6 . 6 7   5 8 0   8 . 3 3   ‑2 0   8 0 1   8  5  6 2 0   1 3 . 3 3   3 2 0   4 2 . 6 7   6 2 0   6 . 6 6   2 0  1 . 3 3   1 2 0   9  6 5 0   1 1 . 1 1   3 5 0   3 8 . 8 9   6 : 0   5 . 5 5  

2 . π   6 5 0 1   6 . 6 6   1 5 0  1 0   7 6 7 0   9 . 5 2   3 7 0  

. 2 2 6 7 0   4 . 7 6   7 0  3 . 3 3   6 7 0 1   5 . 7 1   1 7 0   9 . 7 :   8 6 8 5   8 . 3 3   3 8 5   3 2 . 0 8   6 8 5   4 . 1 6   8 5  3 . 5 4   6 8 5 1   5  1 8 5   9 . 2   9 6 9 5   7 . 4 0   3 9 5   2 9 . 2 5   6 9 5   3 . 7 0   9 5  3 . 5 2   6 9 5 1   4 . 4 4   1 9 5   8 . 7   1 0   7 0 0   6 . 6 6   4 0 0   2 6 . 6 7   7 0 0   3 . 3 3   1 0 0  3 . 3 3   7 0 0 1   4  2 0 0   8 

ウイグセル資本理論の展開(一)

す ︒

~

1 1  

0

0O×

N

4 2  

各個の企業における労働需要はニニ・ニ二人であり︑総資本一五O億

グルデンでは三︑三三三万人となる︒現実の労働は一︑ 000 万人であ

るから︑労働の超過需要の存在は︑賃銀率を上昇せしめる︒つぎに︑賃

銀率が六OOグルデンとしよう︒各個の企業にとって最も有利な生産期

聞は八年で︑その場合︑利子率は三・五四%である︒各個の企業の労働

需要は四・一六人であるから︑総資本では六二五万人となり︑労働の超

過供給は賃銀率を下落せしめる︒それ故に︑賃銀率は六OOグルデンで

は均衡は成立しない︒このような摸索の結果︑賃銀率が五OOグルデン

となったとしよう︒各個の企業では最適生産期間は六年で︑労働需要は

六・六六人で総資本では︑需給が一致し︑完全雇用が成立し︑マクロ的

経済の均衡が成立する︒利子率はこの場合一O%となる︒そこで均衡の

条件はつぎのととく要約しうる︒

一︑完全雇用が成立し︑総資本は前払として全労働者に支払われる︒

二︑生産迂回の限界生産物は利子にひとしい︒

(12)

一人の労働者の年生産物は︑平均的に賃銀とその期の利子との和にひとしい︒

乙乙で︑注意さるべき乙とは︑第二の条件である︒ウイクセルによれば︑第二の条件を︑利子率は資本の社会的限

界生産物にひとしいという表現で代替せらるべきではない︒このことは︑マクロ的水準では︑社会的資本(生存基本)

の増大は︑部分的に︑賃銀率の上昇によって吸収されるという事実を合意しているのである︒この事実は所謂ウイク

セル効果とよばれるものであって︑われわれは︑乙の効果の分析

ζ

そ︑ウイクセル資本理論の重要な寄与であると考

ω 

えるのである︒利子率と資本の社会的限界生産物との離反は︑根本的には︑社会的資本を測定しうる不変の単位がな

いという事実によるものであって︑資本の蓄積自体は︑資本の量を測定する単位を変化せしめるのである︒ウイクセ

ル自身つぎのように述べている︒﹁利子率と︑実質資本の社会的限界生産力との乙の奇妙な離反の説明は︑全く簡単

である︒労働と土地とは︑それぞれ︑それ自身の技術的単位(労働日︑労働月︑年当りエ

l

カ等)で測定されるが︑

資本は︑交換価値の和として計算される︒換言すれば︑各特定資本財は︑それ自身にとって︑外生的な単位で測定さ

れる︒もし︑資本もまた︑技術的単位で測定されるならば︑その欠陥は是正され︑各生産要素の社会的限界生産力と

個別的限界生産力との一致は完全となる︒しかし︑その場合︑生産資本は道具︑機械︑原料等々というような多数の

カテゴリーに配分されねばならぬ︒そ乙で︑生産における資本の役割について統一的な取扱いは不可能となる

o

ロ的水準では賃銀率はコンスタントとして取扱いうるが︑マクロ的水準では︑賃銀率は資本増加によって変化する変

数として取扱わねばならぬ︒そこに資本増加は全部が生産期間の延長として吸収されることなく︑部分的に賃銀率上

昇によって吸収されるという事実と結びついて︑ウイクセル効果の分析は資本価値測定の難点を指摘したのである︒

而もウイクセルは︑社会的資本を一定として︑労働量増加の場合には︑この効果は作用しないという︒本来的に社会

的資本変化に固有の効果としてはあくしたのである︒乙の重要なウイクセル効果については第四節で吟味しよう︒

(13)

前節で示したベエ l ム・パヴエルクの賃銀率︑利子率︑生産期間の理論は︑本質的に︑ウイクセルによって継承さ

れる︒た打︑煩瑛な数字的例解が︑簡潔な数学的公式におきかえられた点に特徴がある︒

まず︑土地が自由財である静態的経済が怨定せられる︒各個別企業における消費財の生産力函数は同一で︑

一 次 の

同次性が仮定せられる︒生産期間(年で測る)を t で示し︑労働者一人の年生産物を

P

︑賃銀率(年当り)を w ︑利

子率を i で示そう︒乙冶で資本家的企業者は彼の利潤(利子)を極大化せしめる生産期聞を求めるとする︒生産力函

数をつぎのととくおくと︑

U

( )

( ω

・ 一 )

この函数はつぎの性質をもっ︒

(

) V 0

・ 向

︑ (

畔 )

0

( ω

N

)

﹁この場合︑すべての単一の事業部門内では︑労働の生産力︑例えば一労働者の年生産は不変的な情況の下では︑

生産プロセスの長さの函数と仮定する︒

l l

この函数は︑この期間の長さとともに増加するがしかしきわめてかんま

細川

に増加し︑したがって余剰収益の度盛は逓減的なものとなる︒この結果は全く経験と一致するよ生存基本(資本)は︑

労働にたいする前払いとして生産期聞にわたって必要に応じて均一的に支払われると仮定する︒ウイクセルは︑乙乙 舗 で平均投資期間という概念を使用する︒右の仮定では投資期間は生産期間の労となる︒いま︑単利で計算すると︑利

子 総 額 は

行 委 広 島

M H

芝 山

!

ウ イ グ セ ル 資 本 理 論 の 展 開 ( 一 )

( ω

ω )

(14)

賃銀支払額は別であるから︑労働者一人当り生産物の価値は︑

+ 回

ωH3+

三し町│

(ω

J ) 

したがって労働者一人当り年生産物は

︒ 日 当 + き

│ 吋

l

u

+ [ )

( ω

・印)

よ り

(

ω

・印)

1 1  

N Q (

) l d

)

4 2  

( ω

・ ∞ )

‑ ー を 極 大 化 な ら し め る た め に

( ω

・ ∞ ) を

t に関する第一次導函数を 0

と し て ︑

同 会

l

氏︑(同)目当

( ω

・吋)

同 会 ) 目 当 + 広

︑ ( 件 )

( ω

・ ∞ )

あ る い は

. . . . .  

〆 圏 . . . .   、 、

、.J

( ω ・ ∞

)

ζ の式の左辺は︑生産期間の増分と労働者一人当りの年生産物の増分の比︑いま乙れを迂回生産の限界生産物と名付

け る と ︑ 乙 れ は 期 間 当 り 利 子 額 を 示 し ︑ ( ω ・ 8

を 変 化 す る と

(15)

句 会 ) ¥ 引 ー

H F

乙れは︑迂回生産の限界生産物を付加資本で除したもの(資本の限界生産物)が利子率にひとしいことを示している︒

( ω

・ 5

)

この表現はミクロ水準で妥当するが︑既述のととく︑

子率にひとしいという表現におきかえてはならない乙とをウイクセルは指摘したのである︒そこで︑マクロ水準に移

行しよう︒社会の実質資本を

K

で示そう︒社会の労働者数を

A

K

A

ともにあたえられたものとする︒仮定

により︑労働者一人雇用に必要な資本は乎︐ムであるから︑総資本が使用されるためには︑

マクロ水準にうつって資本の社会的限界生産物は利

( ω

・ 二

)

P 同

N I >  

・ 0

( ω

M )

そ乙で︑生産期間︑賃銀率︑利子率の均衡値は︑

K

A

をもってあらわす乙とができる︒

賃銀基金説とよばれる賃銀決定の仕方を示している︒即ち︑この式では︑賃銀水準は︑全労働者数と生産期間の弘即

ち︑投資期間の積でもって生存基本を除した商として規定せられる︒古き賃銀基金説と異るところは︑生産期間乃至

( ω

・コ)の式は︑通常︑新

投資期間という資本家的生産プロセスに結びつく概念が陽表的に取り入れられていることであって︑賃銀がたんに固

定的な数量の商としてきまるのではなくて︑あくまで資本家行動の様式に依存するという関係を明らかにしているの

である︒乙うで一つの難点につきあたる︒われわれはルッツの批判をあげよう︒社会的資本

K

は︑ベエ

l

乙とはできないという︒ ルクにしろ︑ウイクセルにしろ一つの与件として取扱われている︒しかし︑ルッツは生寄基本の価値は与件とみなす

﹁生存基本の価値は︑むしろ︑生存基本から生ずる将来収益の資本化によってのみ取得しう

一 五

ウイグセル資本理論の展開(一)

(16)

るものであり︑こうした資本化には︑利子と生産期間の長きが要件となる︒したがって︑生存基本の価値は一つの未

知数である︒ところが︑ベエ

l

ム・パヴエルクの体系では︑乙の未知数を決定するに必要な万程式がつけ加えられて

いないのであるよ乙のルッツのベエ

l

ムに対する批判は同時にウイクセルにたいする批判でもある︒ルッツは資本の

価値は︑将来収益の資本化によって算定すべきだとする︒乙の場合は勿論利子率が既知でなければならない︒ウイク

ルッツによれば生存基本の価値は均衡において初めて決定され

セルは

K

を所与の重であると仮定している︒そこで︑

るべきものであり︑ウイクセルにおいても方程式が一個不足しているのである︒ルッツは︑生産基本の所与の価値と

その構成について︑ウイクセルがいかに困惑していたかという事情の例証としてつぎのウイクセルの言葉を引用して

いる︒﹁均衡においては︑生産において使用された資本は︑

一定の交換価値(商品の一つで表示された)をもつのみ

一定の技術的なデメンシヨンと構成をとっているものである︒そこで︑いいうることは︑このような

大ききゃ構成或いは交換価値をもった資本が︑年々維持され利用されるかぎり︑もし︑最初から︑他の安定条件がみ

たされるならば︑均衡は撹乱される乙とはないであろう︒しかし︑生産と消費の均衡が生ずる以前に︑資本の量は既

に一定であるという乙とは︑まったく考えられぬことではないけれども︑明らかに無意味なことであろう︒いろいろ

な単位で表現されるにしろ︑二商品の相対的交換価値の変化は︑資本の組成要素が同時に多少とも可なりの変動をお

こさないかぎり︑資本の価値の変化を生ぜしめるであろう︒しかし︑たとえ︑資本を発生史的に考えて︑それぞれの

異った年代にわたって蓄積された労働と土地の一定量であるとみた場合でも︑商品価値の変化は︑また︑その生産の条件を変化させ︑そのことによって︑資本の構成に大なり小なりの変化をもたらすにちがいないであろう︒﹂乙のウイ

クセルの言葉はまた︑彼の資本構造論に関連するから︑本稿の後節で吟味するとして︑かかるルッツの批判は既に早

くもハイエクに於てあたえられている︒﹁それが与件として存在する形態における非耐久的資源のストックは一定量

(17)

きさとして表現しうるからである︒そして︑ の資本ではない︒なんとなれば︑資本は︑それを構成する諸要素の相対価値が決定された後においてのみ︑単一

ω

このような相対価値は︑明らかに︑投資期間を決定すると同じ均衡をも たらす諸力の結果なのである︒われわれが出発点としなければならぬ最初のう件は︑端的にいって︑この非耐久的資 源ストックを構成する要素の目録であり且つそのすべての技術的特性の目録なのである︒

の量は︑投資期間と全く同様に︑与件でなく︑決定せらるべき未知数に属するよ

一つの価値邑としての資本

いま︑国民産出量を

Y

J1

]

( )

( ω

ω )

A

について微分して︑

J

H

( )

3 1 1 1

﹀ 品

k p

( ω

)

( ω

)

( ω

・ 一 切 )

( ω

)

I l

u

( )

!

( )

( ω

‑ m )

乙れは︑労働の社会的限界生産物を示し︑

( ω

・∞)式より︑賃銀率とひとしい乙とがわかる︒さらにまた︑

( ω

. 3

ウイグセル資本理論の展開(一)

(18)

7 ¥  

( ω

3

)

式に代入して︑

1 1  

...... 

/戸『、、

当 IN

> 1 同

¥ ‑ /  

( ω

・ ↓∞ )

となって︑国民産出量は︑賃銀率︑労働室︑資本ストックの函数として示す乙とができる︒ウイクセルの投資期間は

t

2

(ω

)

N !  .   . . .

~I 同

( ω

ω )

ロビンソン的な実質資本比率になおすことができる︒しかし︑この表現は︑さきにも指摘したCとく︑投資

期間は実質資本比率の過度に単純化された方法であるという乙と以上の意味をもっているのである︒つぎに︑

K

の変

化を見ょう︒仮りに

w

を固定的とするならば︑

.

¥ M

/

l i l

‑ H

﹀よ(同

) i

l ‑

‑ u

﹀ 問

︑ (

) │

│ │ ( 1 1 1 6 )

/

¥

( ω

M

O)

1 1  

卜 、 コ

毛 I~

1 1  

( ω

N

)

そこで︑資本の限界生産物は利子率にひとしい︒しかし︑労働量を一定として︑社会的資本の増加は︑賃銀率

w

' r h

昇せしめる︒そ乙で︑マクロ的水準では

w

を変数としなければならぬ︒ウイクセル効果がここで登場する︒社会的資

本の叩%或いは加%の増加は︑必ずしも物理的単位で示された資本の叩%或いは却%の増加を意味しない︒資本価値

の変化が︑賃銀の変化とともに生ずるのである︒この関係をはっきりと分析の表面で解明したところにウイクセルの

重要な寄与があったのである︒以上の分析の結果としてウイクセルはつぎの結論をあたえる︒﹁大なる量の資本と比

(19)

較的小なる労働者数は︑常により長い生産期間︑高い賃銀︑低い利子率と結びつく︒換=一目すれば︑資本家が令業者で

ある場合︑生産期間の延長化は︑賃銀の上昇︑利子率の低下に対抗する資本家側の反動であると考えられる心しかし︑

よく少なく労働を使用しようとして生産期闘を延長する結果は︑利子はある程度まで

KH

することがで主る︒しかし

以前の低賃銀水準の場合にあった水準まで達することはできない︒反対に︑労働者が企業者である場合︑資本前要の

増加によって︑利子率が上昇すると︑彼等は︑生産期間を短縮するであろう︒そして︑再び利子率の上川によって減

少した彼等の所得(賃銀)は︑或る程度まで改善するであろう︒しかし︑賃銀も利子も全く以前の水準にはもどりえ

ない﹄ミクロ経済水準では︑賃銀率の上鮮は最適生産期間を延長ならしめる

o

マクロ経済水準では︑資本誌の附加は

賃銀の上昇に部分的に吸収されることによって︑生産期間の延長はそれだけ阻害される︒それ故に︑資本の誌は︑決

して︑生産期間の平均の長さを示すに正確な指標とはいいえないのである︒

第二節で示された賃銀率︑生産力函数の関係表から︑最適生産期間は六年︑利子率は叩労ときまった︒この均衡状

態は︑資本家的企業者︑労働者のそれぞれの聞に完全競争が行われているかぎり︑必然的に成立するものである︒ベ

l

ム・パヴエルクは更に積極的な利子決定法則を示している︒以下ウイクセルにしたがって要約的に説別しよう︒

均衡に達するためには社会資本は︑完全に利用されるまでは︑現存労働量でもって十分に利用されない短い生産過

程から漸次的に長期の生産過程の万に移行されねばならぬ︒前例では六年の生産期間で均衡が成立した︒この六年の

生産期聞を採用する生産者は︑生存基本の最後の買手︑即ち限界買手であり︑七年の生産期間を採用しようとした生

産者は︑最も有能な排除された買手である︒成立すべき価格は︑此等二人の生産者の主観的価値評価の間で決定する︒

ウイグセル資本理論の展開(一)

参照

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